今すぐ使える写真の構図7選!実践するだけであなたの写真が大きく変わる
更新日2019/05/29
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航空機の写真撮影を中心に活動している、写真家 Atsushi Yoshiokaです。
今回は写真撮影の基本である「構図」についてご紹介していきます。
もくじ
簡単なようで難しい構図決め
写真を撮影していて「どこに被写体を置けばいいのか・・・」と困ったことはありませんか?
構図というのは写真の印象を決める重要な要素です。構図がいまいちだと、どれだけ良い光景や被写体であっても第一印象は悪くなります。
逆に構図が良ければ、つまらない被写体でも魅力的な写真に仕上げることができます。しかし構図というのは感覚でつかむコツなので言葉で表わすのは非常に難しいです。
今回は写真上達のポイントとして、「このように撮れば」良い構図になる写真を作例とともにご紹介していきます。
構図のコツは被写体を中心からずらす
カメラを始めたばかりでとにかく意識してしまうことは「被写体をファインダーに入れる」だと思います。もちろん被写体をファインダー内に入れることは大切ですが、ファインダー内に入れようとすることに集中しすぎて、被写体が中心に行きがちです。
構図のコツは中心からずらす
構図のコツとして、最初にあげられるのは、被写体を中心からずらすことです。
写真1
写真2
写真1,2を見ていただくと、1の写真は、被写体を中心に置いた例です。被写体が中心に行ったことで、躍動感や空気感が伝わってこないイマイチな写真となりました。一方写真2では、被写体を少し斜め左下にずらすことでスペースが出来ました。
不思議と写真2の方が良い写真だと思いませんか?
これは上と右側にスペースが生まれることで、空気感が伝わるようになりました。被写体が1つの存在で頑張る主役ではなく、周りが引き立ててくれる主役へと変えることができるのです。
向いている方のスペースを空ける
ポートレートや動き物などに共通していることは、被写体の向いている方にスペースを与えることがコツになります。
ポートレートの場合は、人が向いている方向にスペースを与えることで、先ほどと同じような空気感が生まれ、作品に魅力が増します。動き物に関しても進行方向にスペースを与えることで、動いているという空気感と写真を見た人が、これからの進み方を予測する楽しみにもなります。
被写体を中心に置いておく場合もある
Canon EOS 7D, EF 100-400mm F4.5-5.6L IS USM, F5.6, 1/250sec, ISO200
場合によっては被写体を中心に置いておいた方が魅力的な作品に仕上がるときもあります。
インパクトを大切に
例としてインパクトのある被写体があげられます。インパクトのある被写体は、目立つ存在のため中心に置くことで更に作品の世界に引き込む力があります。
インパクトのある被写体の例として、月や朝日夕日、大きなオブジェクトがあります。これらは写真の中心に居ることでインパクトをより大きく伝えることができます。
寄せるか引くかの判断
イメージする雰囲気を大切に
現代のカメラレンズの主流は「ズームレンズ」ですが、望遠機能を使った構図決めは、意外に悩みものです。被写体を画面いっぱいに入れるか、それとも引いて小さめに入れるか、そのような判断は「イメージする雰囲気」で決めましょう。
例えば迫力を出したいときに引いてしまった場合は、被写体が小さくなってしまい迫力は出ません。望遠側を使い、寄せてあげることで迫力が伝わる写真になります。
Canon EOS 7D, EF 100-400mm F4.5-5.6L IS USM, F10, 1/500sec, ISO200, 成田国際空港
作例のような場合は、思い切って切り取ってみるのも一つです。今回の場合は、迫り来る様子だったので写真右側のエンジンはあえて切り取ってしまい、片方のエンジンを残すことで飛行機らしさを出しました。
逆に人が行き交う姿など、その場の臨場感を伝えたいなどの時は、寄せてしまうと情景の一部分しか切り取られないため、引いてあげることでその場の雰囲気を伝えるようにしましょう。
被写体までの距離が近い場合は例外
しかし迫力を出したい場合に限り、被写体までの距離が近い時、望遠側を使っても迫力が伝わらない写真になる場合があります。
その場合は広角レンズなどを用いることがおすすめです。引いてできるだけ被写体に近づいて撮ることで迫力を表現できます。
横位置か縦位置か
一眼レフで撮影される写真は、設定を変更しない限りは3:2で仕上がります。横位置を縦位置に変更するだけで写真として劇的な変化が現れることがあります。
基本は横位置、縦位置は応用
単純に横位置の場合は横幅が増えるため、ワイドに写すことができます。一方で縦位置の場合は、横幅が狭くなるため、限定的な画角になります。その分、縦に長いため横位置とは違った表現をすることができます。
基本的には横位置で撮影することを考えるようにしましょう。横位置で撮影している内に縦位置が向いている場面が出てくると思います。
Canon EOS 6D, EF 24-105mm F4L IS USM, F11, 1/500sec, ISO640, 成田国際空港
例えばこちらの写真では、隙間を表現する際(桜と桜の間に存在するわずかな隙間に入る飛行機)の場合は、横位置で撮ると隙間に入る様子だけを写したいのに、余計な空や他の木まで写り込む場合があります。
そしてこの場合は、道路が一直線に伸びていることも利用したかったので、縦位置にして道路と桜を同時に入れました。縦位置にして上手に空間を使うことで、写真の密度が増し、見所が多くなるのも狙いです。
基本的には横位置で撮影したとき、障害物が入る場合や、密度を表わしたいのに殺風景な部分が写ったなど、無駄なスペースを消すための縦位置だと思いましょう。
カメラの高さを変えてみよう
作品に変化を付ける方法の一つとしてカメラの高さを変えるということがあります。写真を見た際、目線の高さで撮ってしまうと平凡な写真が多くなると言われています。
今回は見下ろす形になる「ハイアングル」と見上げる形になる「ローアングル」をご紹介します。
見下ろす形となる「ハイアングル」
ハイアングルでは、高い位置から見下ろす形になるのですが、この場合得られる効果として、地面を多く写すことができます。目線の高さで撮っていると背景は地面:空が5:5になる場合が多いですが、ハイアングルにすることで地面:空が10:0になるときもあります。
Canon EOS 6D, SIGMA 12-24mm F4.5-5.6 II DG HSM, F10, 1/40sec, ISO6400, 団欒
作例では、ブランコに座る2人をハイアングルで撮影しました。高い位置から撮るときの得意分野として、人が多い時の臨場感を表現することができます。
見上げる形の「ローアングル」
Canon EOS 6D, SIGMA 12-24mm F4.5-5.6 II DG HSM, F4, 1/4000sec, ISO1000
ローアングルでは、空に向けて撮ることになりますが、大きな被写体などに有効的です。例えば大きな建造物を前にしたとき、ローアングルで撮影することで、建造物の大きさや迫力を表現することができます。
風景写真の基本は水平
Canon EOS 6D, SIGMA 12-24mm F4.5-5.6 II DG HSM, F5.6, 1/20sec, ISO6400, 千葉県市川市
構図決めでも被写体をどこに置くかで終わらせてしまっては意味がありません。カメラの傾きも重要な構図決めになってきますが、風景写真の場合は基本的に水平を保つようにしましょう。
直線が多いから傾きに違和感を感じる
風景写真の基本は、魅力的な情景です。そしてビルや建物は、地上から一直線に建っている事がほとんどなので、傾くことで不安定な写真に感じられます。美しい情景写真を撮影するときは水平を意識するようにしましょう。
ポートレートやライブ写真では傾きを意識しよう
人物撮影の場合は、風景写真とは全く考え方が変わります。
ライブ撮影など臨場感があるときは、カメラを傾けよう
例えばライブ撮影をした時、風景写真系出身の私は当然のように水平に撮影していました。途中から「つまらない写真」になってしまっていると感じ、傾きを加えることで「工夫された写真」へと変えることができました。
anon EOS 6D, EF 24-105mm F4L IS USM, F4.5, 1/125sec, ISO6400, 団欒 from 竹谷依実子
作例ではライブの様子で傾きを使った写真ですが、街並と違い、垂直に立つものが目立たないので不安定なイメージが消えるからです。そして演奏や動きなどを表現する場であるため、傾かせることで躍動感が出ます。
まとめ
これまで構図についてご紹介してきました。撮影前にイメージを考えるのも一つですが、撮影の瞬間というのはイメージ通りにならないことが普通なので、瞬時に構図を決めることがほとんどです。
そんな時、先ほどご紹介した被写体を中心から少しずらしたりするだけで魅せる作品へと進化します。
良い作品を沢山見る
上達の秘訣としては、基礎を押さえた上で、色々な作品を見ることです。良い写真を沢山見ることで自然と良い構図のイメージというのが身についてきます。
今の時代、SNSなどで作品を気軽に発表できるようになりました。そして観る側も気軽に人の作品を観ることができるようになり、簡単に勉強することができます。是非SNSやインターネットを利用して色々な写真を見ましょう。
- 構図の基本は、被写体を中心からずらす
- インパクトのある被写体は中心に持ってくる
- 自分が出した雰囲気にあった望遠域を選ぼう
- 迫力を出したければ寄せる。臨場感を伝えるには引く
- 基本的に横位置で撮影し、無駄なスペースができたときに縦位置へ
- ハイアングルとローアングルを使って目線の高さから変えよう
- 風景写真を撮るときは水平を意識する
- 人物撮影では、動きやその場の臨場感を出すためにカメラを傾けてみよう
- 良い写真を沢山見て、良い構図を身につけよう