HARIOのV60コーヒードリッパーを解説。おすすめ商品や基本のハンドドリップ方法も
更新日2023/08/16
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HARIO[ハリオ]といえばコーヒードリッパー。その代名詞といえば“V60”。
V60は、世界有数のカフェでも採用されています。「カフェで使われる」=「見た目良し&味良し」ですよね。
「でも一体なぜHARIOが有名になったの?」
「使いやすいから?おしゃれだから?」
ちょっと疑問ではないでしょうか。
世界の人々が信頼するV60の魅力は、ずばり「機能性」と「デザイン性」の両方です。今回はそんなV60ドリッパーの魅力を解説します。
中でも人気のある商品のご紹介や、初心者にとっての扱いやすさ、ドリップの基礎をご紹介致します。
筆者のコーヒー歴としては以下のとおりです。
・今では職場でも家でもコーヒーはハンドドリップ派。
・前職でカフェを経験。豆は焙煎後10日で新しいものに交換するように徹底していた。
(その時の焙煎屋さんがとても良い方で、味の調整や変化を念入りに教えてくれた。)
⇒コーヒー購入者の半数がリピーター(近場の会社員)になってくれて、
⇒フード:コーヒー売上が3:7になった経験も。
・その他、趣味として地方の焙煎店を巡るなど
コーヒー歴は詳しい方からするとまだまだ浅いのですが、初心者の方と同じ目線でV60の素晴らしさをご紹介していきます。
本記事の目的
コンビニコーヒーが好きなあなたにも、
「今週末はちょっと自分で淹れてみようかな。」
と、コーヒーの面白さを感じていただけると幸いです。
本記事の内容
もくじ
1.そもそもHARIOってどんな会社?
「HARIOは日本で唯一工場を持つ、耐熱ガラスメーカーです。」
引用元:ABOUT US(HARIOについて)
HARIO株式会社は創業1921年当初から、耐熱ガラスの企画・販売・生産を一貫して行っている日本の会社です。
創業時は理化学品を製造販売しておられ、戦後にはコーヒーサイフォン、その後コーヒーや紅茶の関連器具、近年ではアロマやキッチン関連商品と、幅広く展開しています。
1-(1)V60は、どうしてそんなに有名なの?
動画:starbucks coffee channel引用
こちらはstarbucks coffeeが、ハリオ製のドリッパーを使って風味の変化を実験している動画です。
スターバックスチャンネルに出ているので、より一層お洒落に見えてしまうマジックもかかっています。動画内のドリッパーが最高にクールです。
あの大人気カフェの公式チャンネルに、メイドインジャパンの製品が登場しているって、凄いことですよね。
(※wikipedia調べで、スターバックスの店舗数は22,519店、YOUTUBEチャンネル登録者数 215,673人。)
このような味比べ動画に登場するのは、
「淹れ方で味への変化をつけやすい」
という特徴があるからでしょう。
また、ハリオは海外市場にも積極的にPRをしているため、世界のバリスタにも知ってもらえる機会を増やしています。
例えば、おしゃれカフェブームとなっているタイへは、コーヒーの見本市に数年連続で出店しています。(タイの南部・北部ではコーヒーが栽培されており、新鮮な豆が手に入ります。コーヒー豆はタイ土産としても人気です。)
現時点で、HARIOは世界各地の80か国以上へ製品を輸出しています。
情報元:HARIO 海外営業って?
1-(2)HARIOの代名詞「V60」の名前の由来。 円錐型と扇型の違いとは?
ドリッパーには大きく分けて円錐型・扇型があります。
Kalitaは扇型のドリッパーで有名ですが、ハリオのドリッパーはすべて円錐形です。
ハリオのV60という名前の由来は、形状が「角度60°」だからです。
「円錐型」と「扇型」における2つの違い
コーヒードリッパーの2つの形状「円錐型」と「扇型」の大きな違いは、こちらの2つ。
- 上から見たときの丸の面積
- ドリッパー内のお湯の溜まり具合
ドリッパーを上から覗いたとき、円錐型は大きな丸なのに対し、扇形は楕円形です。
そのためドリップ初心者の方は間口が大きい円錐型のほうが八の字(のの字)に注ぎやすいかと思います。
理由としては、
例えば両者にお湯を40㎖入れたとして、横幅が狭い扇型形のほうが上までお湯が溜まることになります。
お湯を一気に注いだ場合、お湯が下に落ちるまでの時間が長くなり、コーヒー豆を抽出している時間が長くなります。
その結果、良い豆の時はとても深い味わいになります。しかし、雑な豆だといらない雑味まで出てしまいます。コーヒーの層も崩れやすくなってしまうんです。
簡単にまとめると「コーヒーを美味しく入れるには、①一気にお湯を注ぎすぎない②コーヒーの層を崩さない」という2つのポイントがありますが、
大きな一つ穴式のV60ドリッパーは、初心者でうまくお湯を入れられない場合にも、雑味が出ないうちにスムーズにお湯が落ちていくというメリットがあるのです。
(更にV60は、トルネード状の溝でお湯の流れを良くしています。)
普段よく購入する豆のクオリティや上達度によってドリッパーの種類を変えるのも、ハンドドリップの楽しさのうちのひとつですね。
2.HARIOのV60ラインナップ、どれを選んだらよい?
ここまでで、初心者にはやさしく、プロからも人気があることが分かってきたV60ドリッパー。
HARIOのV60は価格帯が幅広いことも高ポイントです。安いものはなんと350円から。試しに使うのにばっちりだと思いませんか?
自分が買うにはどんな基準で選んでいけばよいのでしょうか。
2-(1)ドリッパーとペーパーフィルターはセット買いが基本!
まず、“ドリッパーとペーパーフィルターは必ずセットで買いましょう”。理由は「コーヒーの味を左右してしまうから」です。
ペーパーフィルターは、自社のドリッパーとの相性が一番いいように、各社が開発をしています。紙の目の細かさ具合や、サイズは、ドリッパーの形状に合わせて作られているわけです。
ちなみにV60は大きな一つ穴式の形状。お湯が抜けやすいので、高い位置から勢いよく注ぐことですっきりとした味わいに、反対にゆっくりと静かに注ぐことで深い味わいへと、味への変化がつけやすいことで知られています。
この良さを最大限生かすためにも、フィルターとのセット買いをお勧め致します。
上の絵のように、ドリッパーとフィルターの間には、空気の通り道があります。フィルターには内側に溝が付けられていますが、この溝は空気やお湯の筋道を科学的に計算して付けられています。この優れた形状は、2007年時点でGOOD DESIGN AWARDも受賞しています。
そのためサイズの合わないフィルターを使った場合、空気の抜けが悪くて注いだお湯が”水たまり状態”になってしまいます。
HARIOのペーパーフィルターは、スーパーやAmazonでお安く手に入ります。100円ショップの方が少し安いですが、純正の商品って良いものです。ぜひ一緒に使ってみてください。
2-(2)ガラス?陶器?素材の違いで選ぶ
続いてV60の選び方で重要なポイントが、素材の違い。
素材の違いは保温性や価格にも影響するので、慎重に選びましょう。
HARIO V60素材比較一覧表
素材 | 保温性 | 1つあたりの価格 |
---|---|---|
セラミック | 低 | 低(350~600円) |
ガラス、陶器 | 中 | 中(1500~2000円) |
メタル、カパー | 高(熱伝導が速い) | 高(4500~6000円) |
※価格はHARIO公式オンラインショップに基づきます。
上記のように、保温性が良くなるほど価格も高くなります。
お湯が冷めにくいことで味にも変化が現れますが、安いものでも一つ穴式の形状自体は同じです。350円からグッドデザインを味わえるなんて、お得すぎますよね。
日本ではスーパーで350円で売っているのに、世界のカフェで使われている??率直に言ってなんとも信じがたい話です。
「いやいや、さすがにカフェでそれ使ってないでしょ。」
「せっかくならお洒落なやつがいいよ。」
と思ったそこのあなた。
確かにカフェでは、V60の中でも見栄えのする耐熱ガラス製のものがよく使われています。そんなこだわり派のあなたには、オリーブウッドセットやカパー製品がおすすめです。
2-(3)HARIO V60のおすすめ人気商品のご紹介
お手軽の入門セットはこちら
V60で一番安く、手に入れやすいドリッパーがこちら。
本体はAS樹脂でできており、とにかく扱いが楽です。普段使い用として重宝します。
Amazonのカスタマーレビューにはこんな意見を発見。
「透明の方がカップにどれくらい注がれているのかがわかる」
コーヒーサーバーを使わずに、マグカップの上で直接淹れたほうが洗い物も減りますよね。こちらのドリッパーは、できるだけミニマムに済ませたい方にもぴったりです。
YOUTUBEのカフェ動画で一番見かける定番商品
磁器(有田焼)で出来ているため保温性に優れています。食洗器使用OKなので、お手入れが簡単なのも高ポイントです。冒頭のスターバックス動画に登場したのも、こちらのタイプです。
こだわり派のあなたに!お洒落なセットや素材
はじめからでは手を出しにくいのですが、いつかこんなセットで使えたら・・。
インダストリアルな外観は、飾る収納にぴったりです。コーヒー器具があるキッチンは、なんだかお洒落に見えますよね。
3.ハリオV60を使ってみよう!ハンドドリップに大切な5つのpoint
さて、値段も確認したところで、導入のしやすさが少しお解りいただけたのではないでしょうか。
ここからはハリオV60を使ったドリップ手順とポイントをコンパクトにご紹介致します。
3-(1)基本となるドリップ方法をご紹介
ハンドドリップは以下の手順で、どなたでも簡単に抽出できます。
抽出の手順
- ペーパーフィルターをドリッパーにしっかりとフィットさせる。
- 粉は水平に入れる
- フィルターにお湯がかからないように、粉全体が染み渡るくらいお湯を注ぐ
- 30秒蒸らす
- 1杯分とる場合、合計2分ほどかけてお湯を注ぐ。(2杯分なら合計3分程)
\ 完成です。 /
3-(2)ドリップ時の5つのpoint
さらにこのような点に気を付ければ、より美味しいコーヒーを淹れることができます。
ドリップのコツ
- お湯の温度は88~92度くらいの間で(はじめは89、90度を基準にすると良いです)。
- 最初の一投目は気泡のドームを作るように。
- 二投目からはフィルターや粉のフチの方を触らないように八の字またはのの字にお湯を注ぐ。
- そのあとは「少し減ったら注いで、少し減ったら注いで」という工程を繰り返し、1杯分(豆の分量分)取れたらOK。
- 最後の最後は雑味があるので落としきらない方が良いです。
基本の蒸らしの時間、合計の抽出時間、お湯の勢いを工夫していくことで、味も自分好みに変えることが出来ます。
また、温度管理には、こちら↓のケトルが使いやすくておすすめです。流行り廃りのないデザインってキッチン周りに無敵です。
また、HARIO公式動画もドリップの参考になります。
4.HARIO V60 コーヒーメーカーなら全自動で正解を出してくれるらしい。
HARIOから発売された「V60 オートプアオーバー Smart7 BT」。コーヒーメーカーの高級ラインです。
こちらの製品があれば、
・あらかじめ設定されているレシピで抽出
・自分で作成したレシピを再現
・共有サイトからレシピをダウンロードして抽出
ができるとのこと。(湯量・湯温・スピードがコントロール可能です。)
共有サイトのレシピの中には、World Brewers Cupチャンピオン、粕谷さんのレシピもあるんです。私もこれには興味津々なので、次回製品レビューをしていきたいと思います。
5.さいごに
いかがでしたでしょうか。
ハンドドリップの良さは家庭料理と一緒で、毎回同じ味にならないところです。お湯の勢いによって時間を調節したり、深入りの豆が手に入ったら思いっきり時間をかけてドリップすると、自分への特別な1杯が出来上がります。
また焙煎屋さんそれぞれのこだわりが詰まった、お店の方との会話なんていうのも、きっと楽しみの一つに加わりますよ。(肌感覚ですが、コーヒー好きって親切なお話好きの方が多いような気がしています。)
週末にハンドドリップで自分への1杯を淹れる楽しさを体感していただけると幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。