カール裁断機「DC-210N」と富士通スキャナ「ScanSnap FI-IX500A」で電子書籍化してみた
更新日2023/04/05
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自宅の本棚やデスクに積まれている書籍や漫画、会議や取引先から受け取った資料、それらをいつでもどこでも好きなときに読めるようにするのが電子書籍化です。
電子書籍化することで物理スペースに余白ができ、インターネット環境があれば様々なデバイスで確認することも可能になります。
特にリモートワークが進む昨今、デスク周りや自宅部屋の環境を整える上でも紙媒体は必要最低限にしておきたい方も少なくないと思います。
そこで、この記事では裁断機の「DC-210N」とスキャナの「ScanSnap FI-IX500A」を使って電子書籍化(自炊)したレビューをまとめたいと思います。
※電子書籍化したデータは個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内で使用することを目的とするなら著作権侵害に当たりません。その範囲を超えたデータの公開、譲渡、販売等は法律に抵触する恐れ、およびモラルに反する行為となりますので決して行わないでください。
もくじ
カール裁断機 DC-210Nの特長
「DC-210N」はスライドして裁断するタイプなので、平面的で棚に立て掛けて置くことができる高い収納性が魅力の裁断機です。
刃もむき出しになっていないので安全面においても申し分ありません。
裁断面が分かりやすい
盤面の黄色い部分は集光素材を採用した紙押さえ板になっており、光で裁断位置が分かりやすくなるような工夫がされております。
ハンドルとマグネットバーで用紙の固定もしっかりできますので、正確に裁断することができます。
最大A4サイズまで対応
裁断できるサイズは最大A4まで対応しており、盤面に表示されるサイズや31.5cmまで1mm単位の目盛りを使って簡単に位置合わせをすることが可能です。
また、裁断位置を調整したい場合は付属のマグネットマグネットバーを使って好きな位置で固定することもできます。
付属品とサイズ感
「DC-210N」には初期装着されている丸刃とカッターマットの他に、替刃(フッ素コート刃とミシン目刃が1枚ずつ)と替えのカッターマット1本が同梱されています。
本体右下がそのまま収納ケースにもなっておりますので管理が楽なのも嬉しいポイントです。
刃の種類 | 特長 |
---|---|
丸刃 | 普通用紙などの通常時に使う刃 |
フッ素コート刃 | テープやのり等の粘着物がつきにくい材質の丸刃 |
ミシン目刃 | チケット・クーポン券等のキリトリ線を付けられる(切れ目3mm/繋ぎ目1mm) |
平面的で高い収納性がある「DC-210N」ですが、サイズ感は13インチのMacBook Air2台分あります。
他の裁断機を比べると小型で軽量であることは間違いありませんが、決して小さい製品ではないで気をつけてください。
製品スペック表
製品項目 | スペック詳細 |
---|---|
裁断枚数 | 丸刃:40枚(約3.6mm厚)[2往復で40枚裁断(目安)] ミシン目刃:3枚 (約0.27mm厚) |
裁断幅 | 310mm |
対応サイズ | A4 |
大きさ (横×縦×厚み) |
約360mm×490mm×80mm |
重さ | 2.6kg |
Amazon税込価格 (2020年11月24日現在) |
10,227円 |
富士通スキャナ ScanSnap FI-IX500Aの特長
富士通スキャナの「ScanSnap FI-IX500A」は発売年が2015年ながら、今も根強い人気を誇るドキュメントスキャナーです。
シートフィードタイプなので、同じサイズの文書を連続給紙して読み取るのに適しています
電子書籍化だけでなく、書類・名刺・配布プリントなどA4サイズ内の紙媒体なら何でもデータ化できる製品です。
解像度は最大1,200dpi
スキャンの品質は「dpi(dot per inch)」の単位で表示される解像度で決まります。dpiの値が大きいほど高精細な原稿を取り込こむことができます。
通常は200dpi、OCR処理をするなら400dpi、写真や漫画など取り込むなら600dpiが必要とされておりますが、「ScanSnap FI-IX500A」の解像度は最大1,200dpiと十分なスペックを有します。
読み取りモード | 解像度 |
---|---|
ノーマル | カラー/グレースケール150dpi,白黒300dpi相当 |
ファイン | カラー/グレースケール200dpi,白黒400dpi相当 |
スーパーファイン | カラー/グレースケール300dpi,白黒600dpi相当 |
エクセレント | カラー/グレースケール600dpi,白黒1,200dpi相当 |
自動解像度モード | 原稿の長さが約148mm以下の場合:カラー/グレー300dpi,白黒600dpi相当 原稿の長さが約148mmよりも長い場合:カラー/グレー200dpi,白黒400dpi相当 |
毎分25枚・50面の高速読み取り
「ScanSnap FI-IX500A」の読み取り速度はA4カラー両面原稿にして最大毎分25枚・50面です。
本体に50枚までセットできますので、一回のセッティングで50枚・100面の読み込みをおよそ2分間で行います。
読み取り方法も下の原稿から給紙するため、読み取り途中でも原稿の継ぎ足しをすることで効率的に読み取り作業をすることができます。
読み取りモード | 解像度 |
---|---|
ノーマル | 片面・両面 25枚・50面/分 |
ファイン | |
スーパーファイン | |
自動解像度モード | |
エクセレント | 片面・両面 7枚・14面/分 |
Wi-Fi接続でワイヤレスに読み取り可能
「ScanSnap FI-IX500A」はWi-Fi接続可能なので、いつでもワイヤレスでの操作・ドキュメント読み込みが可能になります。
初回時のみUSBケーブルを繋いでの設定が必要となりますが、それ以降は配線の取り回しの煩わしさを気にすることなく使えるので便利です。
付属品とサイズ感
「ScanSnap FI-IX500A」に付属するのはACケーブル・ACアダプター・USBケーブル(AB)です。
本体の初期設定は電源を繋ぐだけなので簡単ですが、パソコンに専用ソフトウェアのインストールとセットアップが必要になります。
本体のサイズ感としては13インチのMacBook Air程度になりますが、トレーを開くと一回り大きくなります。
プリンターよりはコンパクトといっても据え置きタイプなので、収納/設置場所の事前確認は必要でしょう。
製品スペック表
製品項目 | スペック詳細 |
---|---|
読取速度 (A4縦の場合) |
両面・片面 最大25枚/分 |
読取サイズ | A4/A5/A6/B5/B6/はがき/名刺/レター/リーガル/カスタムサイズ(最大:216mm×360mm/最小:50.8mm×50.8mm) |
原稿搭載枚数 | 最大50枚(A4サイズ) |
読取方式 | 自動給紙方式(ADF),両面同時読み取り |
読取モード | 片面/両面,カラー/グレー/白黒/自動識別 |
光源 | RGB3色LED |
光学解像度 | 600dpi |
Wi-Fi | IEEE802.11b/g/n |
大きさ (幅×奥行×高さ) |
約292mm×159mm×168mm |
重さ | 3kg |
Amazon税込価格 (2020年11月24日現在) |
50,800円 |
DC-210NとFI-IX500Aを使って自炊してみた
それでは裁断機「DC-210N」とスキャナ「FI-IX500A」を使って自炊してみましたので、その手順を紹介したいと思います。
今回は四六判サイズ、約270ページの書籍を電子書籍化します。
裁断前の準備
書籍の表紙、帯、見返し(効き紙)は不要なので外します。その後にカッターを使って裁断できるサイズに分割します。
「DC-210N」で一度に裁断できるのは最大40枚なので、ページ数を目安に分けていきましょう。
DC-210Nで裁断する
裁断前に糊付け部の長さをざっくりでも計測しておきます。
今回は約2mm程度であることが確認できたので、裁断位置から3mmほど飛び出るように位置を調整して裁断しました。
マグネットバーの磁力は強力ですが、連続して裁断しているうちに微妙にズレてしまいますので気をつけてください。
糊付け部を切り落としたら、スムーズに読み込めるよう1ページずつパラパラとめくりながら最終チェックをしておきます。
ScanSnap Homeをインストールする
「ScanSnap FI-IX500A」はそのままでは取り込めないので、パソコンに「ScanSnap Home」をインストールします。
インストール手順は以下の通りです。
- 富士通のドライバダウンロードから「ScanSnap Home」をダウンロードする
- 利用規約に同意
- ソフトウェアのセットアップを行う
- 「ScanSnap FI-IX500A」の電源を入れUSBケーブルを接続する
- インストール完了
Wi-Fi設定を行う
「ScanSnap Home」をインストールした後は、本体後面にあるWi-FiスイッチをONに切り替えてWi-Fi設定もしておきましょう。
複数のWi-Fi回線がある場合は、書類を読み込むパソコンと同じ回線にします。
読み取るPDFは文字検索を可能にしておく
「ScanSnap Home」ではPDFとして読み込んだ文字列をテキスト認識して、検索可能なPDFに変換することが可能です。
特定のキーワードで検索できれば、瞬時に必要なコンテンツを見つけることもできますので事前に設定しておきましょう。
設定手順は以下のとおりです。
- 「ScanSnap Home」を開く
- 「Scan」ボタンをクリック
- 右上のプロファイル編集ボタンをクリック
- 「ファイル形式PDF(*.pdf)」の「オプション」をクリック
- 「検索可能なPDFにします」にチェックを入れて保存
- 保存したプロファイル設定で読み取りすれば、検索可能なPDFに自動変換
なお、読み込んだPDFファイルは右クリックして「検索可能なコンテンツに変換」することも可能です。
スキャンする
「ScanSnap FI-IX500A」に裁断した書籍・書類を設置してスキャンを開始します。
紙をセットする際は、最初のページを一番下側に置き上側をスキャナに差し込むようにすると正しい方向で読み取ります。
紙のセットが完了したら、本体の青く光る「Scan」ボタンを押すか、「ScanSnap Home」の「Scan」ボタンをクリックすれば開始されます。
DC-210NとFI-IX500Aを使って分かった注意点
何冊か裁断とスキャナでの取り込みを行い、気づいた注意点が2つあります。
特にビジネスドキュメントなどの取り込みを検討している方は、文字検索の精度について事前に理解しておくほうが良いでしょう。
マグネットバーがずれやすい
「DC-210N」のマグネットバーで裁断位置を固定して使いましたが、度々位置がズレてしまいます。
特に連続して使用する際は、裁断位置を都度確認しながら行ったほうが正確になります。
縦書き書類だと文字検索ができない
電子書籍化したPDFファイルは横書きだと文字検索ができますが、縦書き文章だと検索することができませんでした。
また画像ファイルとして読み込まれており、正常に変換できていないページも散見されました。
スキャン時の解像度を高くすることで精度も上げることは可能ですが、文字検索に100%対応するという前提は持たないほうが良いでしょう。
雑誌や書類などの自炊におすすめする「DC-210N」と「ScanSnap FI-IX500A」
カール裁断機「DC-210N」と富士通スキャナ「ScanSnap FI-IX500A」の組み合わせは、ビジネス書や文庫本よりも、漫画や雑誌、書類などの電子書籍化に向いています。
特に「DC-210N」は一度に裁断できる厚みが最大40枚程度になりますので、ページ数の多い紙媒体は裁断工数に手間がかかりすぎてしまうでしょう。
電子書籍化したい紙媒体の大きさや冊数を考えた上で、裁断機とスキャナの最適な組み合わせを探すことをおすすめします。
電子書籍化するならレンタルがおすすめ
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