Panasonic LUMIX DC-S1実写レビュー。パナソニック初となったフルサイズミラーレス一眼の実力を徹底検証
更新日2024/04/29
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すっかり一眼カメラの主流はミラーレス一眼となりましたが、ミラーレス一眼の中でも初心者モデルより性能に優れたハイエンドモデルの登場が盛んな印象です。
今回ご紹介していくのは、これまでコンパクトデジカメやマイクロフォーサーズセンサーを搭載したミラーレス一眼を中心に展開してきた「パナソニック」が、初の試みとしてフルサイズセンサーを搭載したミラーレス一眼を開発し、Panasonic LUMIX DC-S1Rとともに、最初のモデルとなった「Panasonic LUMIX DC-S1」です。
フルサイズミラーレス一眼市場は、カメラメーカー大手のキヤノン、ニコン、ソニーが激戦を繰り広げていますが、パナソニックが満を持して2019年に参入する形となりました。
もくじ
フルサイズ市場へと参入したパナソニック
パナソニックはこれまでデジタルカメラシリーズとして「LUMIX」ブランドを展開してきました。
主にミラーレス一眼カメラとコンパクトデジタルカメラで構成されるシリーズですが、ミラーレス一眼では、これまでマイクロフォーサーズセンサーを搭載したラインナップを中心に展開を行ってきました。
2018年にはこれまで一眼レフの開発で積極的であったキヤノン、ニコンの2大カメラメーカーが参入を果たし、市場の注目は瞬く間にミラーレス一眼へと集まりました。
この流れに乗るようにして2019年にはパナソニックはフルサイズセンサーを搭載した新シリーズ「Sシリーズ」を発表し、これまでマイクロフォーサーズセンサー搭載モデルのみであったラインナップの中に、新たにフルサイズセンサーシリーズを誕生させました。
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LUMIX初のフルサイズミラーレス一眼として誕生
今回ご紹介していく「Panasonic LUMIX DC-S1」は、パナソニックが新たに展開することになった「Sシリーズ」において最初のモデルであり、パナソニックにとって初のフルサイズセンサーを搭載したミラーレス一眼カメラとなります。(同時発売でDC-S1Rがラインナップに存在)
これまでパナソニックがLUMIXにおける製品開発で培ってきた技術力を基に、大手メーカーとの激戦が避けられない「フルサイズミラーレス一眼」市場へと参入したことは、同社にとっても大きな覚悟であったと思われます。
まさに原点である「Panasonic LUMIX DC-S1」ですが、今後フルサイズミラーレス一眼市場で末永く愛される存在になるための重要な一歩でしたが、2022年現在でシリーズの拡充が順調に進められていることを考えると、パナソニックにとって「DC-S1」は成功作と言えるのではないでしょうか。
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外観レビュー
ここからはPanasonic LUMIX DC-S1の実機を使用してレビューを行っていきます。
まずは、パナソニックにとって初のフルサイズミラーレス一眼として、気になるデザイン面やサイズ感についてご紹介していきます。
ハイエンドモデルとして洗練されたデザイン性
Panasonic LUMIX DC-S1では、Sシリーズにおける最初のモデルであり、これからをイメージ付ける重要な1台であることから、デザイン性においてもこだわりを感じます。
ボディでは、直線の鋭さと円の滑らかさを融合させた、洗練されたデザインを採用。
カメラデザインとしてのスタイリッシュさはもちろん、カメラとして構える際のホールド感が意識されたグリップ部の形状も、開発時点から試行錯誤が繰り返された経緯があります。
はじめてでも使いやすさが意識された操作性
Panasonic LUMIX DC-S1におけるボタンやダイヤル配置は初めてこのカメラを使う方にとっても優しく、馴染みやすい操作性を実現していると感じました。
カメラの操作性というのは、メーカーやモデルによって大きく異なるところですが、日頃キヤノンを使うことの多い私でも、特に説明書などの使い方を見なくてもスッと馴染むことができました。
その背景には、そのボタンやダイヤルにおける意味が分かりやすい視認性の高さがあり、日頃から一眼カメラに触れる機会が多い方にとっては使いやすいと感じるでしょう。
映像を見ていることを忘れさせてくれる電子ビューファインダー
Panasonic LUMIX DC-S1では、ミラーレス一眼として電子ビューファインダーが搭載されていますが、約576万画素の有機ELファインダーが採用されています。
有機ELを採用したことでドット数を向上させることを叶えており、より滑らかで精細な映像を実現しています。
今回、作例撮影を行う上でもこの電子ビューファインダーを存分に使用して撮影を行いましたが、何も違和感を覚えることはなく、安定した撮影を実現する重要な要素の一つになっています。
性能レビュー
パナソニック初のフルサイズミラーレス一眼として、どれほどの実力を叶えているのか、気になる方が大半かと思います。
ここからは、パナソニックが掲げる「生命力・生命美」を意識した撮影地として、春の北海道での作例を基に、画質などの性能面に迫ります。
初のフルサイズとは思えない安定した解像力
今回ご紹介しているPanasonic LUMIX DC-S1が、パナソニックにとって初のフルサイズミラーレス一眼となりましたが、とても「初」とは思えない安定感のある高画質を叶えています。
現代の一眼カメラとして一般的な約2,420万画素を採用し、AF性能や高速撮影性能などのバランスも配慮された、まさにSシリーズのスタンダードを位置づける存在です。
マイクロフォーサーズのGシリーズでも他の大型センサー搭載モデルに引けを取らない解像力や描写を特徴としていましたが、フルサイズセンサーであることによる階調の豊かさが更に際立つ形となり、Sシリーズでしか表現することのできない画というのも随所で見られました。
発色、階調性が想像以上の良さ
今回の作例撮影を通じて想像以上の能力だと感じたのは発色、階調性の良さです。
「LUMIX」の根本として、生命力・生命美を感じられる描写を掲げていますが、Sシリーズでもその伝統は感じることができます。
そしてフルサイズセンサーを採用したことによってより階調豊かな描写を叶えており、明暗差のある撮影シーンにおいても白飛びや黒潰れが気になることはありませんでした。
私自身、カメラの発色の基準として「青」と「緑」を重視しています。
この2色はカメラメーカーやカメラ個体で大きく異なる性能で、特に難しい部分だと感じるためです。
Panasonic LUMIX DC-S1では、この「青」と「緑」の発色が想像以上に素晴らしく、今回作例撮影を行った初夏に差し掛かる北海道では満足の撮影を行うことができました。
Panasonic LUMIX DC-S1では、フォトスタイル機能も搭載していることで、発色や仕上がりの雰囲気も調整できることから、撮影シーンに合わせた仕上がり調整が可能であることも特徴の一つです。
伸びしろを感じるAF性能
Panasonic LUMIX DC-S1では、メーカー側で進化したAF性能を特徴として挙げています。
独自の空間認識技術を使用したAF性能は、実際に使用してみて精度については非常に高い印象を受け、あらゆる被写体においても狙いたいポイントにしっかりとフォーカスが合っていました。
一方でAFにおける速度については、基本的に十分な性能ではあるものの、動きが俊敏な被写体に対しては少しフォーカスが追いつかず迷っているシーンも多く見られました。
この辺りについては、LUMIX Sシリーズが他社と競合する上で課題となるポイントですが、決して悲観するほどの性能ではなく、あくまで他社メーカーの同クラスミラーレス一眼と比較した際に違和感を覚える程度なので、今後の成長分野として十分に期待できる性能を実現しています。
Panasonic LUMIX DC-S1で写す初夏の北海道
製品仕様表
モデル名 | Panasonic LUMIX DC-S1 |
---|---|
撮像画面サイズ | 35mmフルサイズ(35.6mm×23.8mm) |
映像素子型式 | 35mmフルサイズ(35.6mm×23.8mm)CMOSセンサー |
画像処理エンジン | ヴィーナスエンジン |
有効画素数 | 2,420万画素 |
オートフォーカス方式 | 映像検出によるTTL方式(コントラストAF) |
フォーカスポイント | 225点 |
常用ISO感度 | ISO100~51200 |
シャッター速度 | 1/8000秒~60秒、バルブ | ボディ内手ブレ補正 | 最大7.5段(Dual I.S.時) |
連続撮影速度 | 最高約9コマ/秒 |
画面 | 3.2型/約210万ドット |
ファインダー | 0.5型/約576万ドット |
Wi-Fi搭載 | 〇 |
NFC搭載 | – |
Bluetooth搭載 | 〇 |
大きさ | 約148.9(幅)×110(高さ)×96.7(奥行)mm |
質量(バッテリー等含む) | 約1017g |
3大メーカーの対抗馬として十分な描写を実現
パナソニックのフルサイズミラーレス一眼というと、現時点ではまだ印象か薄いところが正直なところです。
市場では、キヤノン、ニコン、ソニーが激戦を繰り広げているところですが、今回Panasonic LUMIX DC-S1を使用してきて、3大メーカーの対抗馬として十分な能力を有していると感じました。
AF性能や高速連続撮影性能では、劣る部分も見られますが、風景写真に特化した撮影を考えると、独自性のある描写力や発色性は、他のメーカーにはない大きな魅力と言えます。
今回は北の大地北海道で新緑を中心とした撮影を行いましたが、風景写真の撮影にはこれからも持ち歩きたくなるほどの魅力を感じました。
Panasonic LUMIX DC-S1はレンタルできる
今回ご紹介してきたPanasonic LUMIX DC-S1は、購入前にお試しでレンタルすることも可能です。
高級なカメラであるほど、投資額は増加し、失敗したくないという思いも強くなるでしょう。
そんなときにおすすめなのが、カメラのレンタルサービスです。
Rentio(レンティオ)では、今回ご紹介してきたPanasonic LUMIX DC-S1をはじめ、一眼カメラ関連製品を豊富なラインナップから自由に選んで最短3泊4日からお得にレンタルすることができます。
是非この機会にRentioで気になるカメラをレンタルして、自分に合ったカメラ選びに役立ててみてはいかがでしょうか。
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