PENTAX KF実写レビュー。防塵、防滴、視野率約100%光学ファインダーなど上位機並みの機能、性能を実装

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RICOHは2022年11月25日にスタンダードモデルとなる「PENTAX KF」を発売しました。
PENTAXの伝統を受け継いだ小型・頑丈なボディ、高画質、ストレスのない操作性、PENTAXにしかない多彩な撮影が本製品でも可能になっています。
今回は一眼レフ初心者でも撮ることを簡単に、またこだわっての撮影も楽しめるように作られた「PENTAX KF」を紹介します。
もくじ
ペンタックスシリーズについて
RICOHはミラーレスが主流となっている昨今でも「撮影を楽しむ」をコンセプトに一眼レフの開発をおこなっています。
撮る過程・試行錯誤して思った通りの作品が撮れた時の嬉しさ、写真を見返した時の楽しさを感じられるのがPENTAXシリーズの良さの1つです。
色鮮やかに表現されるため風景撮影や、星空撮影がしやすい機能が搭載されている点もPENTAXの特徴。
他メーカーにはない防塵・防滴性能やエントリーモデルでのダブルダイヤルや様々な色味調補正なども強みや違いと言えるでしょう。
本製品「PENTAX KF」はAPS-Cセンサーを搭載した「スタンダードモデル」の位置づけとされており、性能面や外観はほぼ「K-70」とほぼ同等となっています。
ちなみに 「ペンタックス(PENTAX)」の名称は「ペンタプリズム」と「アサヒフレックス」を組み合わせた造語だそうです。
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「PENTAX KF」外観レビュー
本製品はカラー ブラックに加えて2種類のカラーバリエーションも発売しています。
クリスタルブルー・クリスタルホワイトの2色となり、全世界各700台の数量限定販売モデルとなっています。
※国内ではリコーイメージングストアをはじめ公式ECショップ、PENTAXクラブハウスのみでの販売となります
クリスタルブルーはK-30を思い出すという方もいましたし、K-Xの際には多種多様なカラーバリエーションのモデルが出ていたので懐かしさを感じますね。
ホワイトカラーは可愛さが感じられ、カラーリングで惹かれたという方もいるかもしれません。
一眼レフカメラの作成を続けるこだわりのPENTAXシリーズの外観、操作面についてフォーカスしてレビューします。
視野率約100%光学ファインダー
PENTAXこだわりのガラスペンタプリズムを採用しており、視野率は約100%、倍率約0.95倍の光学ファインダーを搭載。
みやすく被写体の状態や光の見え方など肉眼そのままに感じられ見れるように作られました。
ストレスのないピント合わせ、構図の確認など快適な撮影をサポートしてくれます。
安心感のあるグリップ・カスタムボタン
寒い季節に手袋をして撮影をしても安心感を持って持てる四角めのグリップも「K-70」に続き装備。
また各種操作ボタンも撮影のストレスになることのないようによく使用するボタンを配置されています。
またある程度撮影が行える方のために各種カスタムボタンも用意されています。
(Fx1ボタン、Fx2ボタン (ワンタッチRAW+、Wi-Fi、アウトドアモニター、赤色画面表示、プレビュー、電子水準器、測距点移動)、AF/AE-Lボタン (AF作動1、AF作動2、AFキャンセル、AEロック)、露出モード別電子ダイヤルカスタマイズ各種)
SDカードスロットは1つのみです。
ハードな環境にも耐えれる防塵・防滴構造
防塵・防滴を備えているPENTAXレンズ(AW/WR含む)は数多くあり、悪天候な日や山など様々なアウトドア面で頼りになります。
PENTAXでは従来よりほぼすべてのボディで寒冷地での撮影を想定して、氷点下10度以下の環境で耐えれるか撮影を実施。
テストの結果、安定性・操作性などを鑑み100点ものシーリング部材を液晶モニターを含めたボディ全体に施されています。
また使用温度「-10~40℃」までテストされているので、雪が降るような寒い中・暑い中でも比較的安心して撮影が可能なのも魅力です。
ただ最適な撮影をするためには「湿度 85%以下」「結露しないこと」とされています。
雪撮影や星空撮影など寒暖がひどい環境で撮影する時にはタオルに包む・車であれば徐々に温度を下げるなどで急激な温度・湿度変化をなるべく抑えるように注意しましょう。
バリアングル液晶モニター・感覚的な操作が可能なダブルダイヤル
PENTAX KFは下からあおっての撮影などに重宝するバリアングルモニターを搭載。
PENTAX独自のハイパー操作系といわれる、シリーズでは当たり前となっている2つの電子ダイヤルを装備しています。
マニュアルモードでもファインダーをのぞいたまま、ダブルのダイヤルで素早くシャッタースピード・F値の操作が行えます。
プログラムモードの状態から前ダイヤルを回せばシャッター速度優先、後ろダイヤルを回せば絞り優先モードにすぐに変更可能でグリーンボタンを押せば即座にプログラムモードに戻ります。
PENTAXの“ハイパー操作系”とは
PENTAXでは露出モードのうち、Pモード(プログラム)、Mモード(マニュアル)にボディ側面にある「グリーンボタン」の操作を加えることで、露出設定時の操作をより快適に行える仕組みが組み込まれています。
こちらのPモードを操作する『ハイパープログラム』とMモードを操作する『ハイパーマニュアル』の二つを合わせて、PENTAX独自の“ハイパー操作系”と呼ばれています。
- ハイパープログラムとは
Pモード(プログラム)の状態でも前ダイヤルを回せばTvモード(シャッター優先)、後ダイヤルを回せばAvモード(絞り優先)へと瞬時に切り換わる仕組みのことです。
側面のグリーンボタンを押せばいつでも設定されたプログラムライン(標準はオート)の露出値に復旧できるため、ひとつのモードで幅広いシーンに対応できるのが特長です。
- ハイパーマニュアルとは
まずMモード(マニュアル露出)の良さは自分ですべての設定(シャッタースピード、絞り値、ISO感度)をそれぞれ設定できることです。
またほかの撮影モードの様に勝手に撮影ごとに露出値が自動的に変わることがないため、環境光下が同じであれば露出も同じ仕上がりなることが挙げられます。
自由度が高いのがよさではありますが、経験や知識が必要なモードと認識されているかと思います。
PENTAXのハイパーマニュアルは上記の問題を解決してくれるものとなっており、シャッタースピード、絞り値を組み合わせていても「グリーンボタン」を押す事で、Mモードでありながらも一時的にPモード同様のプログラムラインの露出値に戻してくれます。
その後は露出値を固定したまま撮影を続けることができます。
室内から屋外へ移動したときのように露出値を大幅に変える必要があるシーンなどで活躍が期待できる機能になります。
- 各種撮影モードの露出設定について
(出典:PENTAX公式サイト)
「PENTAX KF」性能レビュー
野外から室内、明るい場所から暗い場所まで様々なところで使用可能なPENTAX KFの性能面についてフォーカスしてご紹介します。
有効約2424万画素の超高精細、ISO102400の超高感度
ペンタックスでは当たり前となっているノイズの抑えた高感度撮影。
本製品でも最大ISO102400の超高感度撮影が可能になっています。
通常利用感度での画質の向上はもちろんですが、高感度でもノイズを抑えれるため暗所での撮影の幅を広げることができます。
−3EV低輝度オートフォーカスに対応しており、多少被写体・場面が暗くてもピント合わせが出来るようになっています。
こちらのピント合わせのストレスが少ない所は個人的にPENTAXの強みの1つと思っています。
またライブビュー撮影時でもAFが合わせやすくなっているためバリアングルモニター使用時などにも重宝するでしょう。
昨今のボディに標準搭載のボディ内手振れ機構SRを有しているため、撮影可能なレンズであればどの製品でも手振れ防止が出来ます。
DR ダストリムーバル
野外にてレンズ交換行うことを想定して、イメージセンサーの表面にホコリなどが付着しにくいよう、ペンタックスではセンサー部にSPコーティングを施しています。
それでも付着してしまうほこりなどを本性能のDR(ダストリムーバル)で除去を行ってくれます。
手ぶれ補正機構SRを活用し撮像素子を高速振動してホコリを振り落とし、画像への写り込みを防ぎ、落としたホコリもSRユニット下部に設けた特殊な吸着シートでキャッチ、再付着を防止しています。
なるべく長く利用できることを考えられていて嬉しいですね。
カスタムイメージ・デジタルフィルターで被写体に合った表現を自由自在に
里び(SATOBI)
PENTAXの特徴であるカメラ本体内部で同じ場面であっても全く異なった写真を生み出せる各機能。
被写体やシーンに応じてその場で切り替えて手軽さに自分好みの写真を作ることが出来ます。
また本機種より今まで上位機種に搭載されたカスタムイメージ「里び(SATOBI)」「カスタムイメージ Special Edition」が新たに追加されました。
里び(SATOBI)はシアンがかった青空、くすんだ、褪せたような色彩表現と60~70年代のカラー写真の風合いに似たカスタムイメージです。
いつもと違った雰囲気にしたい、少し古めかしくしたいと思った時に使用してみることをおすすめします。
カスタムイメージではメインのイメージを選んだ後、更に詳細の設定で「彩度・色相・キーコントラスト・ハイライト・シャドー・シャープネス」の調整が可能です。
その他おすすめのカスタムイメージ
カスタムイメージ Special Edition
カスタムイメージ Special Editionでは春春夏秋冬(紅(HARUBENI) 冬野(FUYUNO) 九秋(KYUSHU) 夏天(KATEN))をイメージした内容となっており、それぞれ特化した表現が出来ます。
ただ2022年10月以降に発売されたボディやレンズが対象となっており、カスタムイメージごとに対応ボディ・レンズが決まっているためすべての装着レンズで表現出来るわけではない点に注意が必要です。
カメラ内で完結する作品作り
更にポートレートなど透明感・やわらかい雰囲気にしたい・逆に被写体をぱっきり表現したい場合などに有効な「明瞭コントロール」
髪や衣装、背景は高解像のまま、肌のみ柔らかな質感とな色合いにする「肌色補正」など仕上げ機能がカメラ内で調整可能。
後から現像の手を加えなくても撮って出しでイメージ通りの写真が残せるのもペンタックスの魅力の1つではありますが、ボディ内RAW現像も可能なため保存形式をRAWにしておけば後からカメラ内で現像してJPEGまたはTIFFで保存することもできます。
上記の各種設定に加えて更にホワイトバランス、レンズ補正など詳細なパラメータ設定ができるため、納得のいく写真を作り上げることが出来ますね。
スマートフォンとの連携に便利な無線LAN対応
最近は当たり前となっていますがスマートフォンやタブレットとワイヤレスで連携できる無線LAN(Wi-Fi)機能も搭載しています。
また専用のアプリ「Image Sync」を使用することで、スマートフォンと連動してライブビュー表示や静止画撮影、絞りやシャッター速度、ISO感度なども自由に調整できます。
三脚などで固定して撮影する場合などに重宝できる機能かと思います。
初期イメージ搭載・USERモード
「USERモード」は以前よりあり撮影意図や被写体に応じて頻繁に使う機能を好みに合わせて登録する機能ですが「PENTAX KF」には最初からオススメのセッティングが3つ登録されています。
今まで使い方がわからなかったという方も、こちらの初期設定から撮影に使用してみてもいいかもしれません。
USERモード1/CLEAR TONE
高彩度、高コントラスト、晴天の雪原や澄んだ湖など、クリアでヌケの良い世界観を出したい時に。
USERモード2/HDR LANDSCAPE
A-HDR(HDR明瞭強調)、カスタムイメージ調整により、風景写真をドラマチックにしたい時に。
USERモード3/ASTROPHOTO
星空の撮影時に背景の黒浮きを抑え、星々の色を美しく再現したい時に。(天体撮影向け)
「PENTAX KF」と「PENTAX K-70」の違い
正直なところ、「PENTAX KF」は「PENTAX K-70」とほぼ同じであまり違いはありません。
異なる点は下記の4点です。
- 重さが4g軽量化していること
- モニター解像度が「約92.1万ドット」→「約103.7万ドット」に上がっていること
- 新しいカスタムイメージ(里び/special edition)が追加されたこと (※カスタムイメージ(里び)については、専用の付属品ソフトウェアより後からでも適応可能となっています)
- 同梱される充電器が変更(ケーブルがUSB端子に)されたこと
既に「K-70」をお持ちの方はモニター解像度が少しでも高い方がいい、新しいカスタムイメージを使用してみたい、少しでも軽い方がいい、という方以外は現状のままでよろしいかもしれません。
[レンタル]PENTAX K-70実写レビュー!癖が強い評判ながらもおすすめしたい一眼レフを徹底解説 – Rentio[レンティオ]
「PENTAX KF」フォトギャラリー


「PENTAX KF」スペック表
モデル名 | PENTAX KF |
---|---|
撮像画面サイズ | APS-C(23.5mm×15.6mm) |
映像素子型式 | CMOSセンサー |
映像エンジン | PRIME MII |
有効画素数 | 約2424万画素 |
オートフォーカス方式 | TTL位相差検出式 |
測距点 | SAFOX X、11点測距(中央9点はクロスタイプ) |
常用ISO感度 | ISO AUTO / 100~102400 (1EVステップ、1/2EVステップまたは1/3EVステップ) |
シャッター速度 | オート:1/6000秒~30秒、マニュアル:1/6000秒~30秒(1/3EVステップまたは1/2EVステップ)、バルブ (タイマー露光設定可能:10秒~20分) |
連続撮影速度 | 高約6.0コマ/秒、JPEG(L・★★★・連続H):40コマまで、RAW:10コマまで、RAW+:8コマまで 最高約3.0コマ/秒、JPEG(L・★★★・連続L):100コマまで、RAW:16コマまで、RAW+:11コマまで ※連続撮影可能コマ数はISO100のとき |
画面 | 3.0型(インチ)103.7万ドット |
Wi-Fi搭載 | 〇 |
Bluetooth搭載 | × |
大きさ | 約125.5mm(幅)×93.0mm(高)×74.0mm(厚) (突起部を除く) |
質量(バッテリー、 SDメモリーカード含む) | 約684g |
まとめ
PENTAX KFを連れ歩いてみてやはり楽しいなと感じる反面、表現方法が多様にあるためどのイメージにしようか迷ってしまうこともありました。
後からこうしたらよかったかも、と撮影した写真をみながら考えるのも楽しい時間となりました。
簡単に撮れるミラーレスやスマートフォンが主流になりつつある今こそ、自分で考えながら撮影する楽しさを体験してみるのもいいのではないでしょうか。
軽量化や簡単な操作に慣れてしまった方、新しいカメラに触れてみたい方、試行錯誤しながら撮影するのが好きな方におすすめしたい製品です。
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カメラを趣味にしたいとお考えの方、まずは一度試して自分にあったメーカー、種類を考えてみるのはいかがでしょうか。
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