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2024年の3月にAppleから「M3チップ」を搭載した、MacBook Airが発売されました。
「M1チップ」を搭載したモデルの発売が2020年11月だったので、3年半ほどの年月が経過し、買い替えを検討している方も多くいるのではないでしょうか。
そこで、本記事ではM3 MacBook Airをレビューしながら、「M1チップ」を搭載したMacBook Proとどれだけ性能差が出るのか徹底比較していきます。
もくじ
M3 MacBook Airの特徴
M3 MacBook AirはM2モデルと比較してハード面での進化はなく、チップ性能などソフトウェアの面のみの進化となりました。
まずはM3 MacBook Airの特徴を、M2モデルから進化したポイントを中心に紹介していきます。
ハード面についてはM2 MacBook Airのレビュー記事で詳しく紹介しているので、そちらを参考にしてみてください。
[最安構成モデル]M2 MacBook Airをレビュー!動画編集、発熱、バッテリー持ちなど気になるポイントを徹底解説 – Rentio PRESS[レンティオプレス]
M3 MacBook Airのスペック一覧
M3 MacBook Air(2024) | |
---|---|
サイズ | ・高さ:1.13 cm ・幅:30.41 cm ・奥行き:21.5 cm |
重量 | 1.24 kg |
画面サイズ | 13.6インチ |
画面デザイン | ノッチのデザイン |
解像度 | 2560×1664(224ppi) |
画面 | Liquid Retina |
輝度 | 500ニトの輝度 |
広色域(P3) | ◯ |
True Tone | ◯ |
ProMotion(最大120Hz) | - |
チップ | M3:8コアCPU |
Geekbench 5スコア | シングル:2,932 マルチ:10,606 |
GPU | M3:8コアGPU(10コアGPUにアップグレード可能) |
メモリ | 8GB/16GB/24GB |
ストレージ | 256GB/512GB/1TB/2TB |
バッテリー容量 | 52.6Wh |
時間 |
・最大15時間のワイヤレスインター
・最大18時間のApple TVアプリのムービー |
急速充電 | ◯(70W USB-C電源アダプタによる高速充電に対応) |
ポート類 | Thunderbolt / USB 4ポート x 2 |
充電方法 | MagSafe 3 |
出力可能枚数 | 1台まで (最大6K/60Hz) |
スピーカー | ・4スピーカーサウンドシステム ・ドルビーアトモスの音楽またはビデオ再生時は空間オーディオに対応 |
マイク | 指向性ビームフォーミングを持つ3マイクアレイ |
カメラ | 1080p FaceTime HD |
カラバリ | ・ミッドナイト ・スターライト ・スペースグレー ・シルバー |
価格 | 164,800円(税込)から |
持ち運びやすいデザイン
MacBook Airを購入する上で、持ち運びのしやすさを重視している方も多くいると思われます。
今回紹介している13インチのM3 MacBook AirはApple公式で購入できるMacBookの中で最軽量の1.24kgとなっています。(M2 MacBook Airと同じ)
また、形状も一番小さく、厚さは1.13cmとAirの名に相応しく薄型です。
これまで筆者は1.4kgあるM1 MacBook Proを使用していたのですが、たった160gの差ではあるもののしっかりと軽量になったことを実感しました。
歴代のMシリーズのMacBook Airと比較してもM1 MacBook Airよりも50g軽量になっているので、M1 MacBook Airからの乗り換えでも多少の重量の違いを感じ取ることができると思います。
M3 MacBook Air | M2 MacBook Air | M1 MacBook Air |
---|---|---|
1.24kg | 1.24kg | 1.29kg |
どこでも快適なパソコンライク
新型モデルの発売にあたり大きく差が出るのがチップ性能です。
M3チップはこれまでのMacBookよりもGPUの性能が向上しており、クリエイティブな作業を快適行えるだけでなくMacBookで快適にゲームができるようになりました。
パソコンでゲームをするならWindows一択でしたが、M3チップの登場によりMacBookでゲームをすることの第一歩を踏み出したような気がします。
ゲーム性能について詳しくは後述しているので、まずはGeekbenchとCinebenchを使用してベンチマークの測定をおこなってみました。
Geekbench 6
CPUのシングルスコアはM2 Maxを搭載したMac Studioよりも高く、マルチスコアはM1 Proを搭載したMacBook Proよりも高いスコアになりました。
Cinebench 2024
デュアルディスプレイに対応
これまでMacBook Airを使用して2台のモニターへ出力を行うことができませんでした。
そのため、作業効率化などを目的としデュアルディスプレイで作業をするには、ProモデルのMacBookを選択する必要がありました。
M3 MacBook AirではMacBook Airシリーズ待望のデュアルディスプレイに対応し、クラムシェルモード時に2台までのモニターへの出力に対応しました。
動画編集をしながら調べ物をしたり、ゲームをしながら攻略サイトを調べたりなんてことが可能になります。
Wi-Fi 6Eに対応
M3 MacBook Airは、Wi-Fi 6Eに対応し通信速度が速くなりました。
これにより高速かつ安定した通信環境を実現できます。
実際に筆者が契約している1GbpsのネットワークとWi-Fi 6Eに対応したルーターを使用して、通信速度を計測してみました。
午前中、お昼時、夜の3回計測を行いましたが、平均しても400Mbps程度出ていました。
4K動画を快適に視聴するには20〜25Mbps、オンラインゲームなら100Mbps以上必要といわれており、そのどちらも基準値を満たしています。
M3 MacBook AirとM1 MacBook Proで比較
冒頭でもふれている通り、M1チップを搭載したMacBookが発売されてから3年半ほど経過し、性能面やバッテリー持ちなどから乗り換えを検討している方もいるのではないでしょうか。
そこで、筆者が所持しているM1チップを搭載したMacBook Proと比較してみました。
今回検証に使用したM3 MacBook Airは10コアGPUでメモリは16GBにアップグレードしたものになります。
M1チップモデルからの乗り換えを検討している方は、参考にしてみてください。
ディスプレイサイズ
性能面の比較の前に、ハード面での違いについて紹介します。
M1モデルのMacBook AirとMacBook Proのディスプレイサイズ13.3インチですが、M3 MacBook Airは13.6インチとディスプレイサイズが大きくなっています。
上部がベゼルではなくノッチになり、その分表示領域が広くなりました。
わずか0.3インチではありますが、従来のベゼルが太いモデルを使用したことがある方は画面が大きくなっていることを実感できると思います。
また、M1 MacBook Airまでのデザインは前面にいくにつれて薄くなる楔形の形状をしていましたが、M3 MacBook Airは全ての厚さが均等になりました。
これにより、M1 MacBook Airよりも50g、M1 MacBook Proよりも160g軽量化されています。
さらには、カラバリもスターライトとミッドナイトが追加され、合計4色の中から選択できます。
動画編集性能で比較
M3 MacBook Airを動画編集などのクリエイティブ用途として使用を考えている方も多くいるのではないでしょうか。
今回はM1チップが搭載されたMacBook Proと、M3 MacBook AirでAdobeのPremier Proを使用して以下の条件で動画の書き出し時間を計測しました。
- サイズ:1920 × 1080(フルHD)
- 尺:9分13秒
- 使用編集ソフト:Adobe Premire Pro(2024)
- 出力形式:H264
動画書き出し時間の比較
M3 MacBook Air | M1 MacBook Pro |
---|---|
2分4秒 | 3分2秒 |
動画の書き出し時間では1分ほどの差が出ました。
3DCG製作で比較
GPU性能の向上により、3DCG製作も快適に行えるようになりました。
Blenderを使用して、「Eevee」のレンダリングにかかった時間をM3 MacBook AirとM1 MacBook Proで比較しました。
M3 MacBook Air | M1 MacBook Pro |
---|---|
5分55秒 | 7分6秒 |
簡易的なオブジェクトを配置した3DCGではあるものの、レンダリングの時間に1分以上差が出ました。
もっと複雑な作品であればあるほど、レンダリングの時間に差が生まれると考えられます。
また製作中の動作もM3モデルの方がサクサクと動いたので、より快適に3DCG製作が可能になります。
ゲーム性能で比較
M3 MacBook Airは、Dynamic Cachingとハードウェアアクセラレーテッドレイトレーシングを採用することでゲーム性能も向上しています。
これにより、「バイオハザード RE:4」や「DEATH STRANDING」などのゲームをMacBookで快適にプレイすることができます。
実際に「バイオハザード RE:4」を解像度を2560×1600、画質を4K、その他の設定を最高設定にし、FPSにどれだけ差が出るのか検証してみました。
M1 MacBook Proは平均して20FPS前半でしたが、M3 MacBook Airは40FPSを超える場面もあり平均30FPS前後出ていました。
また、「DEATH STRANDING」ではM1とM3でFPSに倍以上の差が出たという結果もあり、ゲームタイトルによっては性能差をより感じることができると思われます。
ベンチマークで比較
動画編集やゲームは内容によってバラつきがありますので、ベンチマークでも比較してみました。
Geekbench 6
CPU
Metal
Cinebench
CPU、GPU性能ともに向上していることがわかりますが、CPU性能が1.2倍程度のアップデートに対して、GPU性能は1.5倍ほど向上しています。
前述した3DCG製作やゲーム性能にもGPU性能の向上が影響しているとわかります。
内蔵カメラ
M1モデルのMacBook AirとMacBook Proの内蔵カメラは720pの解像度でしたが、M3 MacBook Airでは1080pとフルHD画質になりました。
昨今はリモート会議も増え、カメラの画質が求められることもありますが、画質が綺麗になったことで印象も良く写ることが可能になります。
実際に720pのM1 MacBook Proと比較してみると、M1 MacBook Proは画像がざらついているように感じますが、M3 MacBook Airはより鮮明に映し出されています。
Wi-Fi 6Eに対応し通信速度
前述している通り、M3 MacBook AirはWi-Fi 6Eに対応したことで通信速度が向上しました。
実際にM1 MacBook Proと比較してみると、どの時間帯においても100Mbps以上の違いが現れました。
また、アップロードの通信速度に関しては500Mbps程でており、動画ファイルのアップロードスピードもより早くなっています。
Type-Cポートが2つ使用できる
MacBookを充電する際、M1 MacBookはThunderbolt / USB 4ポートからの充電が必要でしたが、M3 MacBook AirはMagSafeによる充電が可能です。
そのため、充電しながら2つのポートを使用することができるので、M3 MacBook Airで利用可能になった2つのディスプレイへの出力や、モニターへ出力しながらUSBハブを使用したりできます。
MacBook Airはポート数が少なく、周辺機器への接続が限定されてしまうので、小さなことではありますが便利に感じるポイントです。
M3 MacBook Airはどんな人におすすめ?M1モデルで十分?
M1モデルと色々比較をしてきましたが、M3 MacBook Airはどんな人におすすめなのか筆者なりに考えました。
M3 MacBook AirはMシリーズのチップを搭載したMacBook Airとしては3台目となり、簡易的なクリエイティブ作業だけでなく、3DCG製作などスペックを求められる作業もこなせるようになっています。
また、2024年はMacBookにおけるゲーム元年とも呼べる年であり、すでにいくつかのタイトルがMacBookで遊ぶことができ、M3 MacBook Airはより快適にゲームをプレイできるようになっています。
ゲーミングノートPCも同様に高負荷な作業やゲームなどをいつでもどこでもできるような設計ですが、重量が重たいモデルも多く、高出力な電源を必要だったり、ファンがうるさかったりと不便なことも多くあります。
そんな中で、M3 MacBook Airは軽量かつファンレスで静音な設計なので、自宅だけでなくカフェなどでも作業がしやすいです。
M3 MacBook Airはいつでもどこでも快適に高負荷な作業をしたい方におすすめPCと言えます。
一方で今回検証してみてわかったことは、軽い動画編集や3DCG製作であれば、M1チップもまだまだ現役で使用できるモデルだということです。
もしM1チップモデルのMacBookを使用していてそこまで不満を感じることがないのであれば、急ぎ乗り換える必要はなさそうです。
M3 MacBook Airは新たな時代の幕開けの予感がする
近年のAppleのイベントでは、新たに対応するゲームタイトルの発表があるほどゲームに対して力を入れていることが見て取れます。
そんな中で、2023年12月に「バイオハザード RE:4」が発売し、2024年1月には「DEATH STRANDING」の発売がありました。
まだまだWindowsと比較すると圧倒的に対応タイトルは少ないですが、2024年はMacでプレイできるゲームも増えてくるような予感がします。
M3 MacBook Airは、MacBookの新たな時代を切り開くデバイスになるのではないでしょうか。
Apple製品はレンタルできる
iPhoneやMacBookなどのApple製品は決して安い製品ではありませんので、できれば買ってから後悔はしたくないものです。
そのためにもApple製品のお試しレンタルをおすすめします。
家電レンタルサービスの「Rentio(レンティオ)」では、iPhoneやiPadをはじめ、Apple製品のレンタルを提供しています。
製品によってはそのまま購入できますので、実機で試してから検討してみてはいかがでしょうか。
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