ミシンを使う前に知っておきたい基本のキ‐糸編‐
更新日2024/05/31
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一度はご覧になったことがあると思いますが、手芸屋さんに行くと、色とりどりで数えきれないほどの種類の糸が販売されていますよね。
しかし、用途や特性に合ったものを選びたくても、なかなかわからなくて悩んでしまう人がほとんどだと思います。
選ぶのもひと苦労な糸選びを簡単にする基本的な知識を身に着けて、より手芸を快適にお楽しみいただければという思いでまとめました。
もくじ
糸って1種類じゃないの?
糸は布と同様で、素材や糸の紡ぎ方、色や風合い材質による印象など、幅広い種類が販売されています。
ここではまず、簡単に糸の素材をご紹介します。
糸には、絹糸や綿糸毛糸のような自然の素材からつくられた糸と、化学繊維からつくられた糸があります。
紡績の際に、2種類以上の繊維(たとえば木綿と羊毛)を先に混ぜ合わしてしまってからつくった糸を、混紡糸(こんぼうし)と呼びます。
それに対し、紡績する際にそれぞれ1種類の繊維で糸を作って、後で他の種類のものと撚(よ)り合わせて作るものを混撚糸(こんねんし)と呼びます。
また、基本となる糸の他にも、光る素材を使った金や銀の糸やラメ糸、伸縮性が強いゴム糸、弾性糸毛足の長いモール糸など、多くの糸が販売されているので、使い道に合わせて楽しめるでしょう。
近年流行のざっくり編みにも使用される、本来の糸にループや装飾がついていたり、太さに変化のある糸を意匠撚糸(いしょうねんし)と呼び、ニットなどに用いることでいつもとは違った面白い仕上がりのニットになります。
ミシンを始める前に、いろいろな種類の糸を知っておこう!
糸と一口に言っても、太さや色が様々あるので、見た目だけで初心者の方には難しく考えている方も多いと思います。
しかし、糸の作られ方や撚り(ねじれ)を理解していくことで、特徴を覚えていけば使用用途も簡単にわかってしまいます。
ミシン糸や手縫い糸、ニット用ミシン糸、しつけ糸など、名前も比較的理解しやすく、使い道が想像ができそうなものがほとんどです。
ミシン糸
ミシン糸と一口に言っても、その種類は多々あります。
初心者にも扱いやすい化学繊維からつくられた糸を紹介したいと思います。
スパン糸
綿糸の特徴に合わせた風合いで作られた糸ですが、ポリエステル100%なので縫いやすく、どんな生地にも使える、最初に購入しておくと便利な基本となる糸です。
短い繊維を束ねながら紡いだもので布なじみが良いので、日本だけではなく、全世界で縫い糸として人気の高い糸です。
テトロン糸
ポリエステル100%で絹の糸を意識してつくられた糸で、仕上がりを美しくしたいならおすすめの糸です。
スパン糸に比べると流通は少なめだと言われていますが、糸は光沢があり、縫製工場でも洋服を縫うのに利用されているそうです。
スパン糸よりは伸びが良いので、糸調子を気にして扱うことが必要です。
手縫い糸
ミシン糸と手縫い糸の違いは何かといえば、まず糸の撚りが違うということです。
糸に負荷のかかる方向を計算し、糸が切れたり絡まったりすることの緩和を考えられているので、ミシン糸はミシンの構造にあわせて左撚り、手縫い糸は右利きの人が縫うことを想定し右撚りに作られています。
ミシン糸を手縫い糸として使用する分には、短ければ問題なく縫えるかもしれませんが、長い場合は絡まってしまったり、反対に手縫い糸をミシンに使用すると故障の原因になってしまったりすることもあるので、気を付けて選ぶと良いでしょう。
また、左利きの人が手縫いする場合は、ミシン糸で代用するとスムーズに縫い進められることもあるので、チャレンジしてみてください。
ニット用ミシン糸
ニット用ミシン糸はレジロン糸がおすすめで、ミシン糸のところで紹介したスパン糸とは反対に、長い糸繊維を束ねて撚りをかけているもので、フィラメント糸の一種です。
伸縮性がありなめらかで、とても丈夫なのが特徴です。
伸びの良いニットには伸びの良い糸を使うことで、作るものの特性を生かすことができるでしょう。
より伸縮性のあるモノの制作をする場合、バネのような伸縮性を持つウーリー糸を下糸に代用することで、解決できることもあります。
しつけ糸
しつけ糸は、仮縫いや縫った後に解く糸なので、撚りが緩く、強度も縫い糸よりは落ちます。
そのため、必要がなくなれば手で引き抜けるようになっていて、初心者にも扱いやすいです。
待ち針では処理できないカーブの仮止めや、伸縮性のある部分に使用することで、誰でも簡単にきれいに縫い合わせることができるでしょう。
糸には番号がある!……番号って?
手芸屋さんの糸売り場に行くと見かけることがあると思いますが、糸には番号が振られています。
数字を見た途端に拒絶反応を示してしまった方もいらっしゃるのではないでしょうか?
この番号も素材や用途によって使い分けが必要ですが、基本的なことを押さえれば問題ありません。
また、番号によって糸の太さが判断でき、素材によって選ぶポイントを知っていると初心者でも安心して糸の準備ができます。
いくつかの要点ごとに分類し、はじめて糸を買いに行く人でもわかりやすく、糸の種類と使い方を交えて説明していきたいと思います。
30番
主にジーンズのステッチなど厚手の生地に用いられる番手の糸です。
太い糸なので、糸調子を取るのにコツがいるため最初は難しいかもしれませんが、アクセントになりますので、慣れてきたらチャレンジしてほしいところです。
60番
普通の厚さの生地に使えるので、ブラウスや子供の洋服づくりなどに向いています。
90番
薄くて柔らかい生地に使うので、上級者向けです。
プロでも扱いが大変なので、家庭の裁縫ではあまり使用しないでしょう。
糸と針と布の関係性を表にしてみた
生地の種類 | 針の大きさ | 糸の大きさ | |
---|---|---|---|
薄地 | シフォン、オーガンジー | 9番 | 90番 |
厚地 | ウール、デニム | 14番 | 30番 |
普通地 | ブロード、綿、麻 | 11番 | 60番 |
針の大きさって?
番号が大きくなるにつれて使う生地が薄くなる。
ミシン糸とは逆に、針の番号は数字が増えると太くなります。
用途に合ったものを使うことで、布へのダメージや針が折れたり、ミシンの故障を回避できます。
ミシンに糸を通してみよう!
7つのステップで、すぐに縫い始めることができます。
- まず糸とボビンをセットして、糸巻からボビンに下糸を巻き取ります。
- ボビンに巻き取った下糸を、針の落ちる下の部分を開けセットします。
- 2でセットした糸の先を取り出しふたを閉めます。
- 糸巻にまかれたままの上糸の先を、ミシンに記された番号順にジグザグにかけていきます。
- 針のところにたどり着いたら、手前側から穴に糸を通し5~10センチほど引きだします。
- 手動で一針分だけ針を落とし、下糸をひっかけます。
- 上糸の先を持ち引っ張ると、下糸も引き出されます。
糸をセットして直線縫い!ミシン初心者におすすめの小物は「コースター」
コースターはカップ類を置くものなので必要な布も少なく、直線だけで完成しますので達成感もあり、すぐ完成
するために誰にでも簡単に作ることができるでしょう。
不要になった洋服やハギレでつくることができるので、思い立ったらすぐできます。
コースターの作り方
材料は好きなサイズの正方形の布2枚だけです。
作り方はたった2ステップです。
- 裏表に合わせた2枚の布の端から1cmのところで、3辺を縫っていきます。
(角は手動で針を落として、押さえを外し方向を変えます。) - 裏返して内側に1cm折り返し、最後の1辺を縫ってできあがり!
簡単すぎる場合は、あらかじめ数種類の布を縫い合わせてから作ってみると、パッチワーク風のコースターができ、面白いと思います。
糸の基本をマスターすれば、好きなモノを作れる!
生地選びだけではなく、糸も好きなものを選べると作業効率が良くなったり、仕上がりイメージにより近いものを選べたり、どんどん作ることが楽しくなるでしょう。
ミシンを使って好きなものを作れるのは先の話ではなく、今すぐ実現可能なのです。
あなたも糸の基本を頭の片隅に置いて、作りたいものを考えてみるとワクワクしてくると思います。
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