DJI Osmo Action実写レビュー。気になる画質や手ブレ補正の効果など作例から徹底解説
更新日2022/10/31
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カメラの小型化は進み続けます。
カメラといっても一眼カメラ、コンパクトデジカメなど様々なジャンルに分かれていますが、最近アウトドアなどのシーンで人気を集めているのはアクションカメラです。
超小型のボディに多様なアクセサリーで様々な場所に取り付けることができる拡張性の高さをアクションカメラの代表格であるGoProが証明してきました。
長年に渡ってGoProの独壇場であったアクションカメラ市場に、ついにDJIが強力なライバルとしてアクションカメラOsmo Actionを発売しました。
今回はGoProのライバルとしてどのような実力が魅力的であるのか、実機を使用してレビューを行っていきます。
もくじ
DJIからアクションカメラ「Osmo Action」が新登場
2019年5月17日に発売となったDJIのアクションカメラ「Osmo Action」。
DJIはこれまで手ブレを抑えるためのカメラやスマートフォン用のジンバル、ジンバルを搭載した小型カメラとなるOsmo Mobile、空中撮影を簡単に行えるドローンなどの製品開発を行ってきました。
今回発売となったOsmo Actionは、同社にとってはじめてのアクションカメラであり、これまで培ってきた技術力を結集させた高性能超小型カメラとなります。
GoProを強く意識したコンセプト
アクションカメラといえばこれまで「GoPro」の存在感が圧倒的でした。
2018年にはGoProの最新モデルGoPro HERO7 Blackが発売となり、大幅に進化した手ブレ補正機構など、大きな話題を呼びました。
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今回ご紹介しているOsmo Actionは、これまでGoProの独壇場であったアクションカメラ市場において強烈な存在感を放つ新星として、GoProの強力なライバルになるべく誕生しました。
Osmo Actionの外観を実機レビュー
ここからは最新アクションカメラOsmo Actionを実際に使用して徹底レビューしていきます。
まずはデザイン性や大きさ、重さなどの外観面を実機の写真とともにご紹介していきます。
デザイン、大きさともにGoProに近い
Osmo Actionを見た第一印象は「GoProに似ている」でした。
先ほどGoProを強く意識したモデルとご紹介しましたが、その様子はデザイン面から分かるほどです。
手のひらサイズの大きさや、指だけで持つことのできる軽さ、ボディ一杯の背面ディスプレイなど、GoProとの共通点は多くのポイントで見られます。
象徴的なデュアルスクリーン
Osmo Actionでは、基本的な操作を行う背面の大きなディスプレイと、もう一つレンズが存在する前面にもディスプレイが搭載されています。
GoPro HEROシリーズでは、同じように前面に小さなディスプレイが配置されていますが、Osmo Actionでは、前面のディスプレイの性能も優れています。
Osmo Actionでは自分にカメラを向けたときでも様子が分かる
Osmo Actionの前面ディスプレイは、背面ディスプレイ同様に今撮影している様子を写しだすことも可能で、自分にカメラを向けたセルフィー撮影などにも効果的です。
これはGoProシリーズでは不可能であるため、Osmo Actionにおいて優れた装備の1つ言えるでしょう。
操作が簡単なボタン配置
一眼カメラなどではカメラボディに搭載された多くのボタン類から難しさを感じる方も多いですが、Osmo Actionでは、アクションカメラらしくボタン数をできる限り削減して、簡単な操作性を実現する配置となっています。
基本的に使うボタンはカメラ上部に配置された電源ボタンとシャッターボタンのみとなっており、その他の設定は全てディスプレイ上でタッチ操作によって行うことができます。
スマートフォンを操作するような感覚で設定を行うことができるため、カメラの操作において難しさを感じることがありません。
素早い撮影を実現するQSボタン
カメラ側部にもボタンが配置されていますが、こちらはQSボタンを呼ばれ、モード切換やフロント画面とバック画面を切り換える際、指定したカスタム設定を呼び出す場合など、撮影中において手間をかけずにシンプルな操作が求められる場面で活躍するボタンです。
一般的なカメラでは、設定の変更は複数工程を必要とすることが多いですが、Osmo Actionではたった一つのボタンで素早い設定変更を実現する、高速操作性に優れたカメラともいえます。
Osmo Actionの撮影性能をレビュー
ここからは実際にOsmo Actionを使用して撮影性能面を検証していきます。
GoProが築き上げてきたアクションカメラの性能の基準と照らし合わせながら、Osmo Actionが一体どれほどの実力を保有しているのか、作例とともにご紹介していきます。
4K60pで申し分のない高画質撮影
Osmo Actionで撮影することができる動画の最高画質は4K60pと、アクションカメラとしても水準以上の優れた性能を実現しています。
小型のボディに搭載された小さなレンズながら、そこから記録される画質というのは非常に優れており、大画面に映し出した場合でも鮮明で美しい映像を実現します。
GoPro HERO7 Blackでも4K60pを最高画質としており、アクションカメラにおいて最高峰の画質と言えるでしょう。
静止画もGoPro HERO7と同じ12MP
静止画撮影においてもアクションカメラは重宝します。
残念ながら一眼カメラほどのクオリティを実現することはできませんが、Osmo Actionでは、GoPro HERO7 Blackと同等の12MPでの静止画撮影も可能としています。
静止画のアスペクト比は16:9か4:3から選択することができ、GoPro同様に広角による歪みのON/OFFの切換も可能です。
スナップ写真として撮影する分には良いですが、静止画のクオリティとしては近年のスマートフォンの方が優れていることも否めません。
アクションカメラらしい画角を実現
GoProをはじめ、アクションカメラといえば超広角の画角が魅力的ですが、Osmo Actionでもアクションカメラらしい画角を実現しています。
Osmo Actionでは、145°の視野角を実現し、風景などの広く写したいシーンで大きく活躍します。
同じくDJIより小型カメラとして販売されているOsmo Pocketでは、広角側の画角に対応していなかったことから、アクションカメラらしい広角の画角を求めるユーザーにとっても待望の製品となりました。
3層構造のレンズで光の乱反射を抑える
画角が広くなることで問題となるのは、太陽などの強い光源が画角内に入りやすくなることです。
レンズは強い光源に弱く、対策のされていないレンズでは写る映像や画像にフレアやゴーストといった反射した光の輪などが表れます。
Osmo Actionでは、3層によるレンズの構造により、強い光源がレンズに入り込んだ場合でもフレアやゴーストの発生を抑える他、コントラストの低下も抑えてくれます。
DJIが自信としてきた手ブレ補正効果が光る
アクションカメラにおいて重要視される性能の一つとして手ブレ補正も挙げられます。
GoProの最新モデルHERO7 Blackでは、強化された手ブレ補正性能が話題を呼びましたが、Osmo ActionでもDJI伝統の優れた手ブレ補正性能を自信としています。
Osmo Actionでは、搭載されている手ブレ補正機構を「RockSteady」と名付け、電子式映像ブレ補正によって手ブレを抑制してくれます。
今回手ブレ補正をON/OFFで切り換えて両方の作例を同じシーンで撮影してみましたが、その差は歴然でした。
Osmo Actionの手ブレ補正機構「RockSteady」は、手持ちで振動の多いような場面でも自然な補正で映像内のブレを抑制してくれます。
240pの8倍スローモーション撮影を実現
FullHD1080pの画質で動画撮影を行った場合、フレームレートにおいて240fpsを指定することが可能です。
フレームレート数が多いほどスローモーション撮影に向いており、240pを実現したことで8倍スローモーション撮影に対応しています。
こちらは実際に240pで撮影したスローモーション映像ですが、これだけ低速にした場合でもなめらかな映像を実現しています。
静止画だけにとどまらず動画でも実現したHDR撮影
大半のカメラでは、静止画撮影においてHDR撮影の機能を搭載しているものの、動画撮影においてはHDR撮影に対応していません。
Osmo Actionでは、静止画撮影ではもちろんですが、動画でもHDR撮影に対応しています。
HDR撮影に対応していることで逆光シーンなど、コントラストが失われやすいシーンや、明暗差により潰れてしまうような階調を補正してくれます。
GoProでは動画でのHDR撮影に対応していないため、こちらもOsmo Actionで優れている性能の1つと言えるでしょう。
過酷な環境下を想定したタフネス性能
アクションカメラでは、様々なシーンで使える万能カメラですが、使用する機会が多いシーンとしてアウトドアアクティビティが挙げられます。
ウィンタースポーツやマリンスポーツにおいてアクションカメラを使用することは一般的になってきており、Osmo Actionもそのようなシーンで活躍するカメラとなります。
しかし、厳しい環境下でも使用が多くなるため、カメラに求められる耐久性も高いレベルが要求されます。
11mの防水性能
ダイビングやサーフィン、シュノーケリングでもアクションカメラは使用されることの多いシーンですが、その際に重要となるのが防水性能です。
Osmo Actionでは、11mの防水性能をハウジングケース無しで実現しています。
つまりカメラをそのまま海やプールなどの水中に入れても大丈夫な性能を保有しています。
カメラは基本的に水に弱い印象をお持ちだと思いますが、Osmo Actionは水に完全に沈めてしまっても大丈夫な防水性能となっています。
-10℃までの耐寒性能
スキーやスノーボードなどのウィンタースポーツにおいては外気温が氷点下のような環境でカメラを使用することになります。
一般的にカメラは常温での使用が推奨されており、氷点下での使用はバッテリーの性能が著しく低下するなどの弊害があります。
しかし、Osmo Actionでは-10℃までの耐寒性能を保有し、ウィンタースポーツにおいても実用的に使用できる耐久性を実現しています。
先ほどの防水性能と合わせても冬でも夏でも、1年を通して活躍するカメラです。
効率的な冷却で長時間撮影による熱暴走を防ぐ
機械というのは長時間ハードな動作を継続して行った場合、熱を発生されることが多く、場合によってはフリーズの原因になることや、故障の原因になることがあります。
カメラでも長時間の連続動画撮影などを行うことで熱が発生することが多く、長時間撮影に限界のあるカメラも少なくありません。
Osmo Actionでは、熱が発生する場合でも素早く放熱する機構を採用し、効率の良い冷却システムから長時間撮影にも適しています。
DJI Mimoアプリとの連携
スマートフォンアプリである「DJI Mimo」との連携もOsmo Actionを使用する上で注目しておきたい機能です。
DJIがiOSとAndroidユーザー向けに提供するアプリ「DJI Mimo」は、歴代のDJI製品との連携も担ってきた伝統あるアプリです。
新規開発ではないため、安定性にも優れており、改良が重ねられてきた使いやすいアプリとなっています。
スマートフォンからカメラを操作・撮影することはもちろん、撮影した映像や画像の転送なども行うことが可能で、撮影してすぐにSNSへアップロードすることも可能です。
気になるGoProとの比較や互換性を確認
これまでもGoProのライバル的存在としてご紹介してきましたが、実際にGoProとどのような違いがあり、似ているけど互換性はどうなの?という点を検証していきます。
比較対象は最新モデルであるGoPro HERO7 Blackです。
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GoProより優れている点
Osmo ActionはGoProを意識しているモデルとご紹介しましたが、後の発売であることから性能面で上回る必要があると言えるでしょう。
ここからはOsmo ActionがGoPro HERO7 Blackよりも上回っている点をご紹介していきます。
デュアルスクリーンの搭載
外観面でご紹介したデュアルスクリーンの搭載は、Osmo ActionがGoPro HERO7 Blackより優れている点の一つと言えます。
アクションカメラでは、カメラを自分の方に向けて撮影する自撮りのシーンも多いですが、GoProでは背面ディスプレイでしかプレビュー表示がされないため、フロントディスプレイにもプレビューが表示されるOsmo Actionが大きく優れていると言えるでしょう。
自撮りにおいて写っている様子が確認できないのは致命的であるため、自撮りもしやすいアクションカメラとしてOsmo Actionはおすすめです。
動画のHDR撮影はOsmo Actionだけ
逆光撮影など、明暗差の大きい場面での撮影に効果的なHDR撮影ですが、GoPro HERO7 Blackでは、静止画のみに対応していることに対し、Osmo Actionでは動画撮影においてもHDR撮影に対応しています。
小さいレンズを搭載しているアクションカメラにおいて階調の豊かさを求めることは難しく、HDR撮影によって対応する必要があります。
動きのある動画撮影においてもHDR撮影が可能なOsmo Actionは、美しく撮影できるシーンの幅が広いと言えるでしょう。
素早い処理能力
今回Osmo Actionを使用してみて感じたメリットはレスポンスの素早さです。
GoProでは度々動作が不安定になることも少なくなく、時にはフリーズしてしまうなど、ハード面でも稀に不安定でした。
しかしOsmo Actionは、動作の安定感はもちろん、突然撮影したいシーンに出くわした場合でも、素早い機器の動作からスムーズに撮影まで進んでくれます。
また、先ほどもご紹介した通り、熱を持ち続けないシステムであることから、長時間撮影でも安定感のある動作を実現しています。
カメラフレーム使用でGoPro関連のアクセサリーも使用可能
GoPro HERO7 Blackとサイズが近いとご紹介してきましたが、そこで出てくる疑問として「GoProの防水ハウジングケースなどは使えるの?」だと思います。
GoProのアクセサリー系を保有している方で乗り換えを検討されている方であればそのまま防水ハウジングケースなどのアクセサリー類が使えることに越したことはありません。
付属のカメラフレームを使用することで取り付け可能
Osmo Actionに付属されているカメラフレームを使用し、ネジで固定するタイプのアクセサリーであればGoPro用として販売されているアクセサリーも使用が可能です。
実際にOsmo ActionをGoPro用3Wayマウントなどに取り付けてみましたが、ネジ穴の関係からか若干の固さを感じるものの問題なく使用することができました。
なお、新しいThe Handlerなどのネジで固定するタイプではないアクセサリーに関しては使用することはできませんでした。
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GoProの防水ハウジングケースは使えない
しかし、残念ながらOsmo ActionではGoPro用の防水ハウジングケースは、使用することができません。
実際に装着してみようと試しましたが、幅の広いOsmo Actionではケースに入れることができず、一方で高さは低いため、ボタン操作が不可能でした。
今現在、Osmo Actionに対応した公式の防水ハウジングケースは存在しないため、水深11m以上の水中での使用が不可能となっています。
GoPro HERO7 Blackとの詳しい比較はこちら
より詳しくGoPro HERO7 Blackとの違いを知りたい方は下記の記事でご紹介しています。
実際の手ブレ補正の比較動画なども掲載しているので、ぜひご覧になってください。
DJI Osmo ActionとGoPro HERO7 Blackを実機を使って徹底比較!性能、大きさ、価格などの違いを完全解説 – Rentio PRESS[レンティオプレス]
Osmo Action製品仕様表
モデル名 | DJI OSMO Action |
---|---|
発売時期 | 2019年5月17日 |
参考価格 | 44,820円(公式ストア) |
センサー | 1/2.3インチCMOS |
有効画素 | 12M |
レンズ | FOV : 145°F2.8 |
電子シャッター速度 | 120~1/8000秒 |
最大静止画サイズ | 4000×3000ピクセル |
動画 | 4K(16:9) – 60、50、48、30、25、24fps 4K(4:3) – 30、25、24fps 2.7K(4:3) – 30、25、24fps 2.7K(16:9) – 60、50、48、30、25、24fps 1080p – 240、200、120、100、60、50、48、30、25、24fps 720p – 240、200fps |
HDR動画 | 4K:30、25、24fps 2.7K:30、25、24fps 1080p:30、25、24fps |
フロント画面 | 1.4 インチ、300 ppi、750 ±50 cd/m² |
バック画面 | 2.25 インチ、640×360、325 ppi、750 ±50 cd/m² |
バッテリー容量 | 1300 mAh |
Wi-Fi | 〇 |
Bluetooth | 〇 |
大きさ | 65×42×35 mm(幅×高さ×奥行) |
本体質量 | 124 g |
不動の存在であったGoProを脅かす存在になるか
ご紹介してきたOsmo Actionですが、まさにGoProに宣戦すべく誕生したアクションカメラと言えるでしょう。
これまでアクションカメラ市場において圧倒的な存在感を見せ、2018年のBCNランキングにおいてもダントツで1位となる74.3%の市場シェアを誇るGoProですが、その独占状態に戦いを挑むのがDJIのOsmo Actionなのです。
実はこれまでもGoProのライバル的商品として中国メーカーを中心に開発された経緯はありました。
しかし、どれもが日本市場において知名度などの理由から結果を残すことができなかった過去があります。
実績と技術力を結集させた新世代アクションカメラ
今回のOsmo Actionは、DJIという日本でも十分な知名度を誇り、Osmo Pocketなどでも大きな話題を呼んでいることからGoProに真っ向勝負できる新星として期待されています。
あらゆる性能でGoPro HERO7 Black以上もしくは同等の性能を実現し、勢いに乗るDJIの新製品としてアクションカメラ市場においてシェアを拡大することができるのか、今後に注目したい製品なのです。
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