Canon EF 8-15mm F4L フィッシュアイ USM実写レビュー。変わった作風を求める方におすすめ魚眼レンズ
更新日2024/07/17
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写真撮影の趣味を長く続けていると違った雰囲気を出したくなる時がいつかは来るもの。
作風を変えるのに一番効果的なのは「使用するレンズを変える」ことです。
世の中には様々なレンズジャンルが存在し、広角レンズ・標準レンズ・望遠レンズはもちろん、ズームレンズなのか単焦点なのかなど、ジャンルの細かさがはっきりしています。
今回は、数あるレンズの中でも一風変わった雰囲気を簡単に漂わせることができる魚眼レンズであるCanon EF 8-15mm F4L フィッシュアイ USMを作例とともにレビューしていきます。
もくじ
歪み方が特徴的な魚眼レンズ
カメラレンズの中でも特徴的な写真を撮影することができるのが魚眼レンズです。
魚眼レンズは、画像内での歪みが非常に特徴的で、極端に地平線がカーブするような仕上がりになります。
焦点距離としては、広角レンズに近いものが大半ですが、仕上がる画像は全く別物と考えてよいでしょう。
魚眼を英訳しただけのフィッシュアイ
魚眼レンズには商品名で「フィッシュアイ」と名前が付けられていることが大半ですが、これは魚眼レンズをそのまま英語で表記して、魚「フィッシュ」眼「アイ」=フィッシュアイとなっています。
そもそも魚眼レンズの名称の由来は、魚の視点において水中から水上を見上げた際に風景が円形に見えることから来ているとされています。
キヤノン純正のフィッシュアイはお手頃価格
今回はフィッシュアイレンズとしてキヤノン純正のEF 8-15mm F4L フィッシュアイ USMをご紹介していきますが、純正レンズとして非常に手頃な価格で購入することができるレンズです。
EF 8-15mm F4L フィッシュアイ USMは、名称にも「L」が入っているようにキヤノンの高級シリーズ「Lレンズ」に属していますが、Lレンズの中でも低価格であることが魅力です。
低価格でありながら、Lレンズらしい描写は非常に価値のある魚眼レンズなのです。
外観レビュー
ここからはEF 8-15mm F4L フィッシュアイ USMの大きさ、重さやデザイン性などの外観面に着目してご紹介していきます。
コンパクトなレンズ本体
一般的に高品位な広角系のレンズは大口径が採用されることで大型化する傾向にありますが、EF 8-15mm F4L フィッシュアイ USMは、コンパクトなレンズ本体を実現しています。
そのためカメラに取り付けた際もレンズが大きすぎることなく、バランスの取れた組み合わせとなります。
また、重さに関しても約540gと、Lレンズとしては軽量化に成功しており、気軽に持ち歩くことのできるレンズです。
球状のレンズ
EF 8-15mm F4L フィッシュアイ USMのレンズ面は球状になっており、フィルター類などを装着することができません。
また、レンズキャップも通常のものとは異なり、レンズフードを装着してからレンズキャップを装着することが条件となります。
レンズフードは取り外しも可能ですが、紛失等がないように注意する必要があります。
ケラレ防止のLIMITスイッチ
EF 8-15mm F4L フィッシュアイ USMでは、8mmから15mmまでの焦点距離を保有するズームレンズとなっています。
最も広角側の8mmの焦点距離を使用して撮影を行った場合、画像の四隅にケラレと呼ばれる黒く何も写らない箇所が発生します。
このケラレは大体8mm~10mm程度の範囲で生じる現象(35mmフルサイズセンサー使用時)ですが、このケラレを抑えるためのLIMITスイッチがレンズの側面に搭載されています。
このLIMITスイッチをONにすることで広角側にズームリングを回した場合でもケラレが発生する前の焦点距離でズームリングがストップされます。
画質レビュー
外観面や機能性をご紹介してきましたが、ここからは実際に私が撮影した作例を基にご紹介していきます。
広角レンズよりも広く写すことができる
まずは画角ですが、同じ焦点距離を保有する広角レンズよりも広い範囲を写すことができます。
これは写り方の問題で、広角レンズで周辺も歪むことはありませんが、魚眼レンズでは周辺の写り方に癖があり、周辺部が小さく見えることに特徴があります。
上の写真では縦位置で撮影した画像になりますが、自分の側面に立つビル群まで写るほどの画角です。
ズーム広角側は四隅にケラレが発生
LIMITスイッチの部分でもご紹介した通り、ズーム広角側においては四隅にケラレが発生します。
しかしフルサイズセンサーを使用し、焦点距離8mmで撮影するとケラレが逆に作品性を生む場面もあると言えます。
こちらはフルサイズセンサー搭載モデルであるEOS 6Dに取り付けて撮影した作品ですが、四隅にキレイなケラレができることで、円状に撮像されます。
3:2のアスペクト比では少々違和感があり、正方形などにトリミングを行えばInstagramなどへのアップロードにも最適と言えるでしょう。
水平線から上下にアングルを変えることで歪み具合に変化
魚眼レンズの特徴として水平線から上下にレンズの向きを変えることで画像内での歪み具合に変化が生まれます。
この歪み具合をうまく調整することで、魚眼レンズらしい作品を生み出すことが可能です。
逆に言えば魚眼レンズは癖の強いレンズであることから、通常のレンズよりも仕上がりが想像しにくい難易度の高いレンズでもあります。
Lレンズらしい解像力
EF 8-15mm F4L フィッシュアイ USMは、キヤノンが誇るLレンズブランドとしてレンズとして優れた解像力を保有しています。
レンズの品質において気になるのは特に四隅の解像力ですが、EF 8-15mm F4L フィッシュアイ USMでは、四隅においても解像力の低下はほとんど見られず、画像全体で高い解像力を誇ります。
その他、個体別で異なる色の再現力も気になるところですが、こちらも偏りを感じることのない、安定した発色を実現しています。
EF 8-15mm F4L フィッシュアイ USMを使った作例
製品仕様表
モデル名 | Canon EF 8-15mm F4L フィッシュアイ USM |
---|---|
焦点距離 | 8-15mm |
明るさ | F4 |
レンズ構成 | 11群14枚 |
最短撮影距離 | 0.15m |
最大撮影倍率 | 0.17倍(8mm時)、0.34倍(15mm時) |
フィルター径 | 後部挟み込み式 |
最大径 | φ78.5mm |
長さ | 83mm |
質量 | 約540g |
絞り羽根 | 7枚 |
最初絞り | F22 |
手ぶれ補正効果 | – |
フィッシュアイレンズでオリジナリティ溢れる作品を
今回ご紹介してきたEF 8-15mm F4L フィッシュアイ USMですが、こちらをメインのレンズとして使用することは正直難しいといえます。
しかし、日々の作品作りにおいて「何か変化をもたらすことができれば」というシーンにおいては大きく活躍するレンズと言えるでしょう。
「変化を加えたいとき」というと撮影シーンが限られそうな気もしますが、使い方に慣れてきてしまえば、どのようなジャンルにおいても使い道が存在する便利なレンズでもあります。
使うシーンとしては広角レンズを活用する場面に似ており、実際に私も広角レンズでの画角から少し変化をもたらしたいときに使用することが多いです。
そして負担にならないサイズ感とお手頃価格は、まさにプラスアルファのレンズとしておすすめです。
CANON EF 8-15mm F4L フィッシュアイ USMをレンタル
今回ご紹介してきたEF 8-15mm F4L フィッシュアイ USMを購入前に試してみませんか?
魚眼レンズを扱ったことがない方からすると、実際に一度撮影してみてから使い勝手を考えたいという方も少なくないと思います。
そんな時におすすめなのがカメラのレンタルサービスです。
家電レンタル「Rentio(レンティオ)」では、今回ご紹介したEF 8-15mm F4L フィッシュアイ USMをはじめ、様々なレンズを豊富なラインナップから選んでレンタルすることが可能です。
ぜひこの機会にRentioでカメラレンズをレンタルして、気になるレンズを購入前に試してみてください。
[レンタル] CANON EF 8-15mm F4L フィッシュアイ USM 魚眼レンズ – Rentio[レンティオ]