Prinker(プリンカー)を実機レビュー!消せるタトゥープリンターで遊んでみました

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「もっと気軽にタトゥーを入れられたらいいのにっ!」
タトゥーは皮膚に傷を刻むわけですから、後から消したい、変えたいと後悔しても完全に元通りになるわけではありません。まさに一生モノになりますので、特に最初の一歩を踏み出せない方も少なくないと思います。
筆者も何年も前からタトゥーを入れたいと考えており、一度タトゥースタジオに足を運んだものの、現在の妻から猛反対を受け、その時の一回きりでタトゥーを入れられずにいます。
そんな筆者の元に届いたのが、2021年3月18日にポップカルチャー先進国の韓国から登場したばかりの「消せるカラータトゥープリンター『Prinker S(プリンカー エス)』」です。
この記事では「Prinker S」の実機レビューを通して特長や注意点を紹介したいと思います。
体に傷を入れず、また周囲からも反対されずにタトゥーを入れて楽しみたい、おしゃれしたい方の参考になれば幸いです。
もくじ
Prinker Sの特長
「Prinker S」の特長を端的にまとめました。
1つでも気になるものがあれば、記事後半の製品外観や実際に使ってみた様子も参考にしてください。
- 5,600以上のデザインパターン、もしくはオリジナルデザインを登録してプリントできる
- カラーインク(YMCK)を使ったカラフルなデザインも可能
- 水と石鹸で簡単に洗い落とせる
- 米FDAとEUのCPNPに準拠した化粧品由来の顔料を使っているから安全
- スマホで簡単操作
- 76mm/秒の速さでプリントできるため、大人数にプリントするイベントにも使える
- バッテリー内蔵で持ち運びも自由
製品スペック一覧表
項目 | スペック詳細 |
---|---|
プリント解像度 | 1,000dpi |
プリント速度 | 76mm/秒 |
最大プリントサイズ | 1000mm×22mm |
デザイン種類 | Prinkerアプリに5,600以上の無料デザインを提供 オリジナルデザインの作成およびプリント可能 |
顔料 | 化粧品由来 ※米FDAとEUのCPNPに準拠 |
インク耐水性/耐摩擦 | 1日〜3日 |
カートリッジ容量 | 約1,000回分のプリント |
電源 | 内蔵バッテリー ※USB充電方式 |
バッテリー容量 | 動作時間:約4〜5時間 待機時間:約10時間 |
通信規格 | Bluetooth 2.1 + EDR Bluetooth 5.0 |
サイズ (幅×奥行き×高さ) |
約146mm×57mm×89mm |
重さ | 331g |
公式税込価格 | Prinker S + ブラックインク:39,990円 Prinker S + ブラック&カラーインク:55,990円 ブラックインクカートリッジ:14,990円 カラーインクカートリッジ:22,990円 |
Prinker Sを開封&実機レビュー
今回自宅に届いたのは「Prinker S + ブラック&カラーインク」。
あとから気づいたのですが、外箱表面にプリントされているのは「Prinker S」の等身大サイズでした。このような細かいデザインも海外製品らしさがあり、おしゃれに感じてしまいます。
外箱は全て英語の記載になっていたので少し不安でしたが、ちゃんと日本語の説明書も含まれていたので安心しました。
各同梱物は海外製のため注意書きも英語で記載されているため、説明書と合わせて各製品の使い方や注意を確認しておきましょう。
セット内容
「Prinker S」に同梱されているセット内容は以下のとおりです。
- Prinker S本体
- インクカートリッジ×3(BLK(ブラック)/YT(イエロー/透明)/CM(シアン/マゼンダ))
- リチウムイオンバッテリー(本体に取り付け)
- ドッキングステーション(本体に取り付け)
- スキンプライマー 300ml
- スプレーヘッド
- USB-A to USB-Cケーブル
- 説明書/保証
外観
- 正面(後面も同様)
- 側面
- 上面
- 底面
- 本体とドッキングステーション
- 本体
製品外観はマットブラックを基調にしたデザイン、正面/後面に「Prinker」と大きいロゴが入っています。
本体上面には液晶ディスプレイとプリントボタン、側面には電源ボタンとinfoボタン(バッテリー残量のチェック etc.)が付いています。
本体とドッキングステーションは磁石で合体しており、実際にプリントする際は取り外して使用します。
底面には6ヶ所のゴムパッドがあり、置いたときの安定性もしっかりしていました。
充電方法と充電時間
- ふたを開けると
- バッテリー
- USB-Cで充電
- 充電中は液晶で確認も可能
充電方法は本体にリチウムイオンバッテリーセットした状態でドッキングステーションに接続し、付属のUSBケーブルを使って充電します。
試しに12W入力(5V/2.4A)の電源に繋げて充電時間を計測してみましたが、残バッテリー40%→80%になるまで約45分でした。イベントやパーティー会場で電源確保が難しい状況でも、モバイルバッテリーがあれば十分な充電スピードだと思います。
[最新] モバイルバッテリーの容量別おすすめ13機種を一覧比較!軽い・大容量・ハイパワーな一台の選び方 – Rentio PRESS[レンティオプレス]
インクカートリッジについて
「Prinker S」に使う顔料は米FDA(アメリカ食品医薬品局)とEUのCPNP(化粧品情報管理システム)が認定する化粧品用の原料を使っています。
顔料自体は1〜3日程度の耐水・耐摩擦性もありますが、水と石鹸さえあれば簡単に洗い落とすことも可能です。そのため、日中はタトゥーを入れて観光を楽しみ、夜はタトゥーを落としてから温泉に入る、なんてことも問題ありません。
- 15度〜25度で直射日光のあたるところを避ける
- 密室・空調が悪い中で長時間使わない
- 肌荒れ・傷がある部位にプリントしない
- 痛み・かゆみが続く場合は直ちに医療機関にかかってください
スキンプライマーとは
付属のスキンプライマーはプリントしたい部位に吹きかける化粧下地です。スキンプライマーを塗布することで、プリントするデザインが長持ちしますので、できるだけ使用することをおすすめします。
なお、インクと同様に肌荒れ・傷がある部位には吹きかけないよう気をつけましょう。
アプリインストールが必須
「Prinker S」を使うには専用アプリ(App Store / Google Play)のインストールが必要です。
会員登録を済ませログインすると、様々なタトゥーデザインを確認できたり、自身でオリジナルのデザインをアップロードできるようになります。
ちなみにアプリには「ペアレンタル・コントロール」も備わっていますので、子供と一緒に遊んでいる時でも適切ではないコンテンツのアクセス制限をかけられるので安心です。
有料プランもあります
なお、「Prinker S」のアプリは基本的に無料で使うことができるのですが、2つの有料プランも用意されています。
有料プラン②はイベントやパーティー会場で使いやすいように、同時接続ユーザー数が多く、オフラインでも使えるプランとなります。
無料プランから有料プラン①にアップグレードするタイミングは、自作のオリジナルデザインのアップロード回数が制限の20回に達したときになるでしょう。
20種類のデザインを登録できるわけではなく、過去のデザインを削除したとしても20回アップロードした時点で制限がかかります。
無料プランで長く使いたい方は、できるだけ慎重にデザインのアップロードを行うようにしてください。
プラン | 無料プラン | 有料プラン① | 有料プラン② |
---|---|---|---|
コンテンツ利用 | 無制限 | ||
スケッチング | 無制限 | ||
アップロード回数 | 20回まで | 無制限 | |
同時接続ユーザー数 | 1ユーザー | 5ユーザー | |
画像リストの作成 | 不可 | 可 | |
オフラインモード | 不可 | 可 | |
月額金額 | 無料 | 4.99USD | 9.99USD |
Prinker Sを使ってみた
「Prinker S」でタトゥーを入れるまでの手順を解説します。
まずはプリントしたいタトゥーに合わせてインクカートリッジをセットしますので、デザインがモノクロの場合はBLKインクのみ、カラフルな場合はYTインクとCMインクを使います。
インクカートリッジのセット
- ふたを開ける
- ロックカバーを開ける
- インクの確認
- 保護キャップを外す
- 本体にセットする
- ロックカバーをかぶせる
プリンターのインクカートリッジを交換したことがある方なら、全く同じ手順でセットしますので簡単です。
ただ押し込んでも「カチッ」という音はなりませんので、カートリッジのロックカバーを閉じれるようになるまでしっかり奥まで押し込んでください。
インクとセット位置に注意
インクの取り付け位置は、BLKインクとCMインクが左、YTインクが右を決められています。
インクカートリッジにも大きな注意書きがあり、「Prinker S」にもL/Rの印字がありますので、確認しながら丁寧にセットしてください。
電源を入れる
- 電源ボタンを押し
- 起動を確認
電源ボタンを押すと、約5秒ほどで本体上面の液晶に「Hello」と表示されます。
その後に「p」の文字が表示されたらスタンバイ状態になります。
スキンプライマーをプリント部位にスプレーする
「Prinker S」とアプリの準備ができたら、先にプリントしたい部位に「スキンプライマー」を吹きかけておきます。
2,3分もすれば吹きかけた場所がパリパリに乾きます。乾いた接着剤が薄く塗布されている感じです。
乾かしている間にアプリと「Prinker S」のペアリングをします。
アプリとペアリング
ペアリングの手順は以下のとおりです。
無料のデザインで5,600以上あるらしいので、事前にお気に入り登録機能を使っていくつかピックアップしておくとスムーズに進みます。
- アプリを開き「Prinker」タブをタップ
- 「スキャン」をタップ
- 表示された製品/インクカラーをタップ
- ペアリング完了
- 「あなたのために」「作成」「検索」各タブからデザインを選択
※お気に入りにデザインはハートマークをタップし、「リスト」タブでまとめることも可能 - 気に入ったデザインの「Prink」ボタンをタップ
- 「カウント中」ページが消えたらデザインのアップロードが完了
- 任意の部位にプリント開始
タトゥーのプリント開始
アプリから希望のデザインをアップロードできたら、先ほど「スキンプライマー」を吹きかけた部位にプリントしていきます。
既に電源が入っている状態ですので、ドッキングステーションから本体を取り外し、上面にある操作ボタンを押すと数秒後に「>」のマークが表示されます。
表示された「>」の方向に「Prinker S」を軽く当てて、転がすように動かすとタトゥーがプリントされます。
耐水・耐摩擦性も問題なし
プリントした直後でも、手でゴシゴシしても色落ちはほとんどしません。
試しに濡らしたキッチンペーパーでも拭いてみましたが、強めにゴシゴシ拭いて動画のように色落ちを確認できる程度だったので、川や海のアウトドア、汗などで瞬時に落ちてしまうことはないでしょう。
温水とハンドソープ(ボディソープも可)を使えば比較的すぐ洗い流せるものの、回の洗浄で完全に洗い落とせるわけではありませんので、TPOは気にしたほうが良いでしょう。
レンティオの社長をタトゥーにする方法
「Prinker S」はオリジナルデザインのアップロードもできますので、今回はレンティオの社長である三輪さん(@miwawa0717)の写真を使ってタトゥープリントに挑戦してみました。
デザインの作成やアップロードはスマホアプリからでもできますが、筆者はパソコンからのほうがやりやすかったため、ここではパソコンを使ったアップロード方法を解説します。
ちなみに、パソコンならAdobeソフトやCanvaで作ったデザインをすぐ取り込めるのが利点だと思います。
「prinker.net」にアクセスをして、スマホアプリと同様にログインします。ログインしたら、上にある「Create」メニューをクリックしてください。
デザインのアップロード
ページが遷移したら「Import Image」をクリックし、任意の写真やイラストを選択してアップロードします。
アップロードしたデザインは横幅を30m〜1,000mmの範囲で自由に決められますので調整してください。
アップロードしたデザインは、3種類のフィルター「Original(そのまま)」「Edge(カラーの輪郭)」「Black-Edge(黒の輪郭)」をかけることもできます。素のままの三輪さんを体に刻みたかったので、今回は「Original」を選択しました。
そしてデザインの説明を記入し、カテゴリ・公開範囲(Public/Private)・ペアレンタルコントロール(Kids Friendly/Adults Only)を選択してください。
最後に「Saveボタン」をクリックし、「It has been uploaded」のポップアップが表示されたらアップロード完了です。(※無料プランだと、この時にアップロード回数が1つ減ります。)
ペアリングする
スマホアプリを開き、マイページでアップロードしたデザインを確認してください。
問題なく表示されたら「Prink」をタップして「Prinker S」にデザインを送信し、任意の場所にプリントします。(先述したプリント方法はこちら)
完成しました
こちらがタトゥーになったレンティオの社長、三輪さんです。
写真のような細かい描写までキレイに印字することはできませんでしたが、三輪さんと認識できるレベルでプリントされたと思います。
リモートワークだと気が抜けることもしばしばありますので、身を引き締めるためにも社長や上司をタトゥーにするのはありかもしれません。
オリジナルのままだと少し色潰れのような形になってしまいますが、線描画に加工するとタトゥーらしさが出ます。
写真をタトゥーにしたい場合は「Edge(カラーの輪郭)」もしくは「Black-Edge(黒の輪郭)」に加工してから使うことをおすすめします。
Prinker Sを使って気になったこと
気軽にタトゥーをプリントできるのは思ったよりも楽しく、Instagram感覚でデザインを探してプリントできるのも「Prinker S」の醍醐味です。
一方で使っていく過程で、やはり気になってしまった部分がありますので2点だけ紹介させてください。
詳細な顔料成分が気になる
「Prinker S」に使われているインク顔料は、米FDAとEUのCPNPに準拠した化粧品由来の成分を使っているので安心というのも分かりますが、やはり日本の該当機関に準拠しているという一文も欲しいと思いました。
加えて詳しい成分表示もないため、筆者のように金属アレルギー等を持っている方にとっては、事前に「インクに金属が含まれていないか」もしくは「インクアレルギーの可能性がないか」成分を調べることもできません。
筆者の場合は実際に使ってかゆくなったり、痛くなったりということはありませんでしたが、購入する前により多くの情報を知れるように改善して欲しいと思います、
Prinkerのインク各色のパッチテストを第三者機関にて実施しており、対象男女50名(21-69歳)において、72時間以内に反応が現れた人は0人だったそうです。
キレイなプリントには練習が必要
手軽にタトゥーを入れられるものの、キレイにプリントするには練習が必要です。
例えば上の写真は本来のデザインと実際にプリントされたものを比較したものですが、バーコードみたいになってしまいました。。。
特にレタリングのような長めのデザインは、十分なプリント場所を確保しておかないと印字スペースが足りなくて失敗することもあります。逆にワンポイント系のタトゥーだと比較的簡単に入れることはできます。
先ほどの写真からプリント場所と開始地点を変更(肘側へ)し、プリント速度も若干だけ速めたものがこちらの写真です。
前回よりもキレイに印字できていることが分かると思います。
何度か練習するとこのようにキレイに印字することもできます。
コツを掴むまでは、何回もプリントして遊ぶのが良さそうです。
- デザインのサイズを把握(アプリで確認可)し、十分なスペースのある体の部位に「スキンプライマー」を吹きかけておく
- 「スキンプライマー」はムラの出ないように吹きかける
- 程よい速度で「Prinker S」を動かす
- ワンポイント系のデザインを使う
- 何回も練習あるのみ!!
ファッションタトゥーとして楽しめるPrinker S
「Prinker S」を使ってみて率直に楽しく遊べる製品だと思いました。ファッションタトゥーを入れようと考えていた人には、その代わりになるやもしれません。
一方でサイズ制限や精細さを求めるなら、やはり本番のタトゥーには敵いません。
ファッションとして手軽にタトゥーを楽しみたい方は、「Prinker S」を一度手にとってみることをおすすめします。