Canon RF5.2mm F2.8 L DUAL FISHEYE実写レビュー!ミラーレス一眼でVR撮影をやってみた
更新日2024/07/17
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カメラ用のレンズ。それを聞いて思い浮かぶものは、当然1つの眼といったイメージでしょう。
しかし、そんなイメージを覆す商品がキヤノンより発売されました。
2021年12月24日に発売されたCANON RF5.2mm F2.8 L DUAL FISHEYE。
DUALという単語が表している通り、2眼のカメラレンズを搭載しているモデルになります。
今までの概念を覆す存在、そんなカメラレンズを実際に使用した上でご紹介します。
もくじ
RF5.2mm F2.8 L DUAL FISHEYEの特長は?今までのレンズと何が違うの?
冒頭にもお伝えした通り、5.2mmの魚眼レンズを2つ搭載していることが最大の特長。
このレンズを取り付けることにより、180°VRが撮影可能となります。
一眼レフカメラでVRを撮れるようになるのです。
VR撮影可能なカメラ機材で有名どころのTHETAでは最大2000万画素ほど、insta360でも1500万画素程度のところ、このレンズではEOS R5のスペック通り4500万画素で撮影可能。一眼レフレベルの高画質でVR撮影ができてしまいます。
ただ、現時点で撮影に使用できるカメラはEOS R5/R5Cの2種類のみ。
かつカメラ本体のファームウェアが最新のバージョンでないと認識されないため、使用する際は最新版にアップデートする必要もあります。
レンズの外観・構造を見てみる
レンズキャップを取り付けた状態。横長ですね・・・
カメラ本体に取りつける側の構造です。こちらも、従来のレンズだと一つ穴のものが、2つレンズがついている構造上、裏面にも2つ穴がついている状況となります。
高さが似ているレンズ、RF50mm F1.8と並べて比較してみました。
レンズ部分だけが横に大きく広がっており、やはりその部分の異質さがお分かりいただけるかと思いますが、レンズより下の部分は従来と同じような形状であるとお分かりいただけるかと思います。
実際に使ってみた。アマチュアでも使いこなせるのか?
今回はR5持ちでありながらアマチュアの筆者なりに使いこなせるのかどうか、いろいろ撮影して実体験してきました。
実際に取り付けてみると・・・
いざEOSR5に装着。やはりレンズの存在感が激しいですね・・・
今までのレンズに見慣れていると相当な違和感を覚えるかと思います。
従来ですとカメラ本体の中央部分程度が覆いかぶさる程度でしたが、このレンズだと横全体がほぼすっぽり。
異質さが際立つかと思います。
従来のレンズ装着時と比べるとその差は瞭然。
レンズを取り付けて、電源を入れ、いざ撮影画面を覗いてみてみましょう。
このようにファインダーや画面を覗きますと、同じ構図の円形が2つ写しだされます。
ちなみにカメラレンズの構造上、左右が反転することとなりますので、レンズの左側で写っているものは画面の右側に映る構造となります。
いざ実写!!
このレンズでいろいろ撮影してみました。
繰り返しになりますがこのレンズを取り付けることによってVRが撮影可能です。
VR = Virtual Reality、日本語では仮想現実などと訳されます。
簡単に言うとその場にいるような感覚になるもの。現場の雰囲気を味わえるような場所を自分なりに考えたところ・・・
下記3か所にて撮影するのがよいかと思い。実際に撮影してみました!!
1. 桜
桜吹雪が舞う瞬間をとらえてみました。
2. 公園
緑に囲まれた中、滝が流れる様子を写してみました。
3. 夜の街
賑わうスクランブル交差点の光景を収めてみました。
4K画質での撮影、いかがでしたでしょうか。
Youtube上では左上のボタンより画角を操作でき、かなり幅広く撮影できている状況であることが分かるかと思いますが、
VRゴーグルを装着の上でご覧いただくとより臨場感が味わえるかと思います。少しはその場の雰囲気を感じられましたでしょうか。
撮影したかったが撮影できなかったもの
高所からの撮影
VRでよく見られるもの?の1つに、バンジージャンプのように真下を見ると真っ逆さま!!という構図があると思います。
それを撮れないかいろいろ試行錯誤しましたが、ガラス張りの展望台で撮影しますとそのガラスが反射してきれいに撮影できません。
ただでさえ普通のレンズでもなかなか苦戦するところなのに、さらにもう1つレンズが増えることで難易度は激増。さらに180°映るので、展望台の床も見えてしまいます。
まずはガラスのない高所を探す必要がありますが、そうすると強風などで三脚が使えないといった別の問題が生じかねません。思ったより難しい撮影になりそうです。
ガラス張りでない展望台もなかなか見当たらず、今回は断念しました。
ちなみに、下のような写真をイメージしながら、これを180°広げられないかといった構図を想像していましたが・・・。
使用機材:EOS R5 + RF15-35mm F2.8 L IS USM
静止画も撮影可能
※写真はVR観賞用変換後です
このレンズでも写真撮影は可能ですが、魚眼レンズで撮ったものが2つくっついたような感じになります。
写真をVRゴーグル装着の上で見る機会はあまりないかと思うので、静止画撮影向きのカメラレンズではないかもしれません。
撮影でむずかしいところ・注意点
①すぐに撮影者が写りこんでしまいがち
上下左右に180°撮影可能のため、意外と簡単に手や頭が写りこみます。
撮影者が映らないようにレンズから十分離れ、せっかくの撮影を台無しにしてしまわないよう気を付けましょう。
②オートフォーカス非搭載、自動でピントが合わない
シャッターボタンを半押しするとオートフォーカスが反応するようなレンズではなく、
撮影者自身でピントの位置などを調整しなければなりません。
どこにピント位置があるかは、カメラ本体のフォーカスピーキング機能を使うなどして確認しましょう。
③手振れ補正機能がない。カメラ本体側も無効になる
手持ちでの撮影も難しいです。ビデオカメラのように、自動的に手振れ補正が効くものでもありません。
カメラが動かないよう、三脚や固定できるオブジェクトに設置の上での使用をおすすめいたします。
④実際にVRにするにも専用ソフトが必要
撮影しただけで自動的にVR対応のデータになるということでもありません。
一旦パソコン等に取り込んだ上で変換作業が必要です。
データを取り込んだだけではこの通り、丸い写真・映像が2つ重なっているだけです。動画でも同じです。
この状態から、EOS VR Utilityというソフトなどを使用して変換します。
静止画と2分以内の動画作成は無料ですが、2分以上の動画作成となりますと有料となります。
操作してみた感想
ご紹介してまいりましたように、ごく普通の写真を撮る用のカメラレンズではなく、VR撮影向けであることがお分かりいただけたかと思います。
今の時点ではEOS R5シリーズにしか対応しておらず、他のRシリーズではお使いいただけないところなので、レンズだけ借りても使用できる条件に沿う本体、EOS R5かR5Cがなければ撮影できないところが難点。
当レンズはクリエイター向けのものかもしれませんが、個人的には他のRシリーズなどの機種と組み合わせできるようになるなど、日頃撮影に使っている一眼レフにVRが撮影できるレンズの選択肢が加わるとより幅広い表現ができるようになるのかなと思っています。
また、ソフトウェアを開き変換する必要もなく、すぐにVRができあがるようになるとより使い勝手がよくなるかとも思いましたが、今後のリニューアルに期待でしょうか。
ただ、カメラ本体はそのままに、レンズ1本変えればVRが撮影できるという性能や構造にすごい技術を感じました。
「普通のレンズの画角だけでは伝えきれないものを撮りたい」「よりその場にいる雰囲気を味わってもらいたい」——そういった用途に十分お使いいただけるかと思います。
仕様表
画角(水平・垂直・対角線) | 190°00′・190°00′・190°00′ |
---|---|
レンズ構成 | 10群12枚 |
絞り羽根枚数 | 7枚 |
最小絞り | 16 |
最短撮影距離 | 0.2m |
最大撮影倍率 | 0.03倍 |
フィルター径 | 後部にゼラチンフィルターを装着可能 |
最大径×長さ | 約121.1(幅)×53.5mm |
質量 | 約350g |
対象機種 | EOS R5 C※/EOS R5※ ※最新のファームウエアにアップデートしたEOS R5 C、EOS R5 |
Canon RF5.2mm F2.8 L DUAL FISHEYEはレンタル
筆者のように趣味で楽しんでいる方もプロの方も、レンティオで借りて自分の身に合うか、思い通りの絵になるか確かめる際に使用してみてはいかがでしょうか。
買うとなかなか高額のカメラやレンズも、レンタルしてみてご自身の希望と合うかどうか、確かめる機会としていただければと思います。
今回ご紹介したCanon RF5.2mm F2.8 L DUAL FISHEYEが現時点で唯一使用可能の機種、EOS R5本体のレンタルもご用意しております。
それ以外にもいろいろな商品・ジャンルを取り扱っているレンティオ。ぜひいろいろ調べてみてくださいね。