RICOH THETA X実機レビュー!圧倒的高画質11Kで360度世界を撮ってみた
更新日2023/07/27
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夏真っ盛りの季節に突入し、旅行・行楽シーズンにもなってまいりました。旅中などの思い出はしっかり綺麗に残したいものです。
カメラのスペックも向上していく中、周囲一体を撮影できる360度カメラも進化が続いています。
そんな中、2022年夏登場したRICOH THETA最新モデル、その名もTHETA X。特徴や作例を交え、その魅力を伝えていきます!
もくじ
最新モデルTHETA Xの特徴
2022年7月22日に発売された360度カメラRICOH THETAの最新タイプ。
高スペックと使いやすさを追求したモデルと謡っており、これまでのTHETAデザインを踏襲しながら、性能・スペックはハイレベルに。
ここからは、主な特徴をピックアップしていきます。
①静止画画質11Kという超ハイスペック
最大の特徴といえると思います。1世代前のTHETA Z1でも7Kと高画質ながら、THETA Xは11Kとさらにその上をいく最高画質。
11Kという数字を聞いたことがありませんが、間違いなく4Kや8Kをさらに上回るハイクオリティ。
手軽なサイズかつ11Kレベルの画質で撮影できるカメラはそうそうないでしょう。
動画撮影の際も、Z1は4K画質が最高でしたがXは8K画質にて撮影可能。今までの360度カメラの中で抜群のスペックを搭載したといえます。
そもそも4Kや8K、11Kとは?
数字が大きければ大きいほど高画質というイメージはお持ちかもしれませんが、何を以て4Kや11Kというのでしょう?
まず、「K」というアルファベット1文字で1000を表すことがあります。なので4Kは4000と読み替えていただく形です。
よくお聞きになるであろうハイビジョンテレビ、これは画素数が横1920×縦1080の仕様です。最近では2Kとも称されますが、横の画素数を取って「〇K」と称します。
先ほどのハイビジョンテレビの場合、横がだいたい2000ほどなので2Kと呼ばれます。
4Kは3840×2160(→横がおおよそ4000程なので4K)、THETA Z1で撮影できる7Kは6720×3360(→横がおおよそ7000程なので7K)、そしてTHETA Xで撮れる11Kは11008×5504の画素数で撮影できるという感じです。
②液晶タッチパネル搭載! 撮影設定もTHETA本体から可能に
1世代前のZ1にインジケーターのパネルが搭載されるようになりましたが、Xには液晶画面が搭載されました。
この液晶画面から撮影時の設定も可能となり、今まではTHETAアプリと連携の上で詳細設定等操作する必要がありましたが
Xは本体上の操作だけで完結できてしまいます。
撮影した写真もTHETA本体から直接確認可能。スマートフォンを確認する必要がなくなった点はかなりの進化と感じます。
もちろん、今までと同じようにTHETAアプリをダウンロード・連携の上での撮影も可能。
状況や用途に合わせて都合の良い撮影方法を選択しましょう。
③microSDカードが挿入・使用できるように!
実は今までTHETAにはmicroSDカードをはじめ、外部ストレージを追加することができませんでした。
今回登場したXはついにmicroSDカードに対応、万が一本体内部メモリーが足りなくなった際も補充可能に!
ちなみに11K画質でも本体に4600枚記録でき、動画も最高スペックでも合計50分撮れるほどの大容量ストレージを内蔵。
よほど多量でない限りは内蔵メモリーだけで補えないことはないようにも思います。
Z1との比較! 見た目やスペックなど差異を比べてみた
1世代前Z1と比べてみました。左がZ1、右がXです。
電源を入れた際の状態
側面の写真
大きなデザインは大きく変わらないように見えますが、インジケーターパネルから液晶画面へ変わり
撮影時の設定など、より詳細の確認がTHETA本体から可能になりました。
また、シャッターを切る際は円形のボタンから液晶画面下の半円形の部分を押していただく構造へと変更。
また外見以外では、下記2点も大きな特徴といえそうです。
Xが優れている点①:有効画素数がZ1の1.5倍以上
上でも記載した通り、THETA Z1で撮影できる最高は7K、THETA Xは11K画質で撮影でき1.5倍ほど画質アップ。
動画撮影の場合、Z1の最高は4Kの傍ら、Xは8Kと2倍。コンパクトながら今までにないレベルの高画質で撮影できます。
Xが優れている点②:軽量化
Z1は182g、Xはバッテリー・microSDカードをセットしても170gと10gほど軽くなりました。
僅かながらの差かもしれませんが、旅行に持っていったり、撮影したりする際の負担は減らしたいものです。
高画質かつ軽くなったX一択と思いきや、、、一方で、XよりZ1が優れている点もありました。
Z1が優れている点①:XではできないRAWでの記録が可能
写真撮影にあたりJPEGとRAWと2種類記録方法がありますが、RAWという種類で記録すると、撮影データの編集がより容易に可能となります。
撮影物を細かに編集されたい場合はZ1が適しているかもしれません。
Z1が優れている点②:電池寿命が長め
Xは静止画250枚を寿命としているところ、Z1は300枚が寿命。
動画もXを最高画質で使用すると55分で寿命のところ、Z1は60分と長め。
僅かながらの差ではありますが、画質を取るか稼働時間を選ぶか、どちらかを選択する必要もありそうです。
Z1が優れている点③:ISO感度やF値、シャッタースピードの設定範囲が広い
Xは画質が高い分、ISOやシャッタースピードの設定範囲がZ1より狭いです。
画質が劇的に変わることはないと思いますが、よりISO感度を高めたり、シャッタースピードを速めにして撮影されたい場合もZ1を選択してもよさそうです。
詳しくは下記性能比較表も併せてご参照ください。
性能比較表
項目 | THETA X | THETA Z1(51GB用含む) |
---|---|---|
外形・寸法 | 51.7mm(幅)× 136.2mm(高さ)× 29.0mm(21.5mm※1)(奥行き)
※1 レンズ部を除く。 |
48mm(幅)×132.5mm(高さ)×29.7mm(24mm*9)(奥行き)
*9 レンズ部を除く。 |
質量 | 約170g(バッテリー、microSDXCメモリーカード含む)、約144g(本体のみ) | 約182g |
静止画解像度 | 11K: 11008 × 5504 (約6000万画素) 5.5K: 5504 × 2752 (約1500万画素) |
6720×3360 |
動画解像度/フレームレート/ビットレート | 8K:7680 × 3840 /10fps/120Mbps,96Mbps,40Mbps (※) 8K:7680 × 3840 /2fps/64Mbps,32Mbps,16Mbps 5.7K: 5760 × 2880 /30fps/120Mbps,64Mbps,32Mbps (※) 4K: 3840 × 1920 /60fps/120Mbps,64Mbps,32Mbps (※) 4K: 3840 × 1920 /30fps/100Mbps,54Mbps,32Mbps 2K: 1920 × 960 /30fps/32Mbps,16Mbps,8Mbps(※) ※無線LANオフ時、もしくはバッテリー未挿入でACアダプターK-AC166J(別売)給電時に使用可能 |
4K 3840×1920/29.97fps/56Mbps 2K 1920×960/29.97fps/16Mbps |
記録媒体 | 内蔵メモリー(約46GB)、microSDXCメモリーカード (64GB以上、UHS-Iインターフェース、ビデオスピードクラス V30、exFATフォーマットに対応) | 内蔵メモリーのみ |
記録可能枚数、時間 | 内蔵メモリー(約46GB)使用時 静止画:(11K) 約4600枚 (5.5K) 約11500枚 動画(1回の記録時間):最大5分/25分※3、 動画(合計の記録時間): 8K/10fps/120Mbps: 約50分 8K/10fps/96Mbps: 約65分 8K/10fps/40Mbps: 約160分 8K/2fps/64Mbps: 約100分 8K/2fps/32Mbps: 約195分 8K/2fps/16Mbps: 約390分 5.7K/30fps/120Mbps: 約50分 5.7K/30fps/64Mbps:約100分 5.7K/30fps/32Mbps: 約200分 4K/60fps/120Mbps: 約50分 4K/60fps/64Mbps: 約100分 4K/60fps/32Mbps: 約200分 4K/30fps/100Mbps: 約60分 4K/30fps/54Mbps: 約115分 4K/30fps/32Mbps: 約200分 2K/30fps/32Mbps: 約200分 2K/30fps/16Mbps: 約395分 2K/30fps/8Mbps: 約775分 ※3 枚数および時間は目安です。撮影状況により異なります。 |
RICOH THETA Z1 51GB: 内蔵メモリー 約51GB 静止画:RAW+ 約900枚, JPEG 約6350枚 動画(1回の記録時間):最大5分/25分*3*4 動画(合計の記録時間):(4K,H.264)約110分 2K,H.264)約360分RICOH THETA Z1: 内蔵メモリー 約19GB 静止画:RAW+ 約350枚, JPEG 約2400枚 動画(1回の記録時間):最大5分/25分*3*4 動画(合計の記録時間):(4K,H.264)約40分 2K,H.264)約130分 *3 モード変更やマニュアル設定にはスマートフォンが必要です。 *4 内部温度上昇時は自動終了します。 |
ISO感度(標準出力感度) | 静止画・動画:[オート・シャッター優先] ISO50~3200 (ISO上限設定 ISO100~3200)、[ISO優先・マニュアル] ISO50~3200 ライブストリーミング:ISO50~3200 |
静止画・動画:(オート)ISO80~6400 (上限設定可能)ISO200~6400 (マニュアルモード)ISO80~6400*3 ライブストリーミング:ISO80~6400 *3 モード変更やマニュアル設定にはスマートフォンが必要です。 |
シャッタースピード | 静止画:[オート] 1/16000秒~1/8秒(静止判定時:最長1/2秒)、[シャッター優先・ISO優先] 1/16000秒~15秒 、[マニュアル] 1/16000秒~60秒 動画:1/16000秒~1/30秒 ライブストリーミング:1/16000秒~1/30秒 |
静止画:(オート)1/25000秒~1/8秒、 (シャッター優先モード)1/25000秒~15秒 *1 (マニュアルモード)1/25000秒~60秒 *1 動画:(オート)1/25000秒~1/30秒 (シャッター優先、マニュアル)1/25000秒~1/30秒*3 ライブストリーミング:(オート)1/25000秒~1/30秒 *1 枚数および時間はあくまでも目安です。撮影状況により異なります。 *3 モード変更やマニュアル設定にはスマートフォンが必要です。 |
電池寿命 | 静止画:約250枚 ※6 動画:5.7K 30fps 約30分、4K 30fps 約55分 ※6 ※6 撮影可能枚数は当社測定方法による目安であり、使用条件により変わります。 |
静止画:約300枚 *8 動画:約60分 *8*8 撮影可能枚数は当社測定方法による目安であり、使用条件により変わります。 |
記録ファイル形式 | 静止画:JPEG(Exif Ver2.3.1) 動画:MP4(映像:MPEG-4 AVC/H.264、音声:AAC-LC(1ch)) ライブストリーミング: 映像:H.264、音声:AAC-LC(1ch) |
静止画:RAW(DNG)*2, JPEG(Exif Ver2.3) 動画:MP4(映像:MPEG4 AVC/H.264、音声:AAC-LC(モノラル)+Linear PCM(4ch空間音声) ライブストリーミング: 映像:H.264、音声:Linear PCM(4ch) |
F値 | F2.4 | F2.1, 3.5, 5.6 |
撮像素子 有効画素数 | 約4,800万画素 (x2) | 約2,000万画素 (x2) |
実際に撮影してみた! 11K画質の本領やいかに
実際にTHETA Xを使って撮影してみました。
先日ドイツへ旅行してきましたが、宿泊していたフランクフルト近辺で撮影してきました。
まずはフランクフルト中央駅。
Post from RICOH THETA. – Spherical Image – RICOH THETA
一眼レフでは写しきれない全体を収めることができてしまいます。
そして肝心の画質も、相当ハイクオリティであることがお分かりいただけると存じます。6000万画素のポテンシャル恐るべし。
別の場所でも1枚。フランクフルトにある広場の1つ、Willy-Brandt-Platzで撮影。
通貨ユーロのモニュメントが特徴的です。ここもTHETAで収めてみました。
Post from RICOH THETA. – Spherical Image – RICOH THETA
その時の瞬間を360度撮影できるのは面白いですね。普通のカメラレンズで写しきれない空間も、THETAなら360度全体まるっと写しきれます。
また一眼レフではその写真の構図だけしか確認できない一方、360°アングルで撮影すると色々な角度から景色を眺めることもできるので
違うアングルから見てみるのも面白そうです。
ちなみに、15mmの一眼レフで同じ場所から撮影してみると、このような感じです。
15mmのレンズでも十分広角に撮影できますが、それでも360°の世界にはかないません。
THETAで撮影した後に見てみると狭くすら感じます。広角かつ様々な視点・角度から写真を眺められる点では、THETA等360度カメラが圧倒的といえるでしょう。
※使用機材:EOS R5+RF15-35mm F2.8 L IS USM
その他作例
Post from RICOH THETA. – Spherical Image – RICOH THETA
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※1枚目:フランクフルト中心部
2~4枚目:葛西臨海公園
動画を8K画質で撮影してみた
※撮影場所:葛西臨海公園
8K画質で動画を撮影してみました。
動画でも8Kと、360度カメラ随一の画質を収められますが、フレームレートが最大10fps。カクカクした印象が否めません。
fpsの値が多ければ多いほど滑らかに撮影できるものとなりますが、上の動画のように
動く光景を収めたいなら最低でも24fpsほどに設定する必要があります。
そのため現状は8Kではなく1つ下の画質、5.7K以下に設定したうえでの撮影が望ましそうです。
8K動画に対しては今後の技術発展に期待したいですね。
使ってみて気になったところ
①電池の消耗が早い気がする
一眼レフカメラよりも消耗度合いが早いように感じます。少し電源を入れていただけでも10-20%ほど減っていったように思います。
こまめに電源を切るなど、必要な際にしっかり使用できるよう対策した方がよいかもしれません。
②画面はしっかりとタッチする必要ありそう?
実は筆者、このTHETA Xが360度カメラ初利用。不慣れなこともあってか、液晶画面がときどき反応しないようにも感じました。
指の腹でしっかりタッチしたりスワイプしたりする必要はありそうです。
③本体両面にレンズがあるので取り扱いは普通のカメラ以上に要注意!
360度カメラ全般に言えることですが、本体の表裏にレンズが搭載されております。
キズや汚れがつかないよう気を付けなければならないのは当然ですが、レンズが2個に増えているので注意も2倍に。
一方だけ気を付けて、もう一方に傷や汚れなど付着してしまい、せっかくの思い出を台無しにしてしまうことのないよう要注意です。
360度カメラもレンタルしてみよう
従来機同様手ごろなサイズながら、11Kと圧倒的画質を誇る最新モデルTHETA X。
アプリとの連携も必須でなくなり、本体1つで撮影画像の確認や設定もより簡単にできるようになるなど利便性は間違いなく向上しています。
画質も使い勝手も、という方にはうってつけの1台になること間違いないでしょう。
今回紹介したTHETA Xをはじめ、カメラ商品を買うとなるとまあまあの金額。
せっかく買ってみたもののいざ使ってみて「思っていたものと違う・・・」と後悔しないようにも、レンティオでレンタルしてみてはいかがでしょうか?
今回一部紹介したように、旅行などのタイミングだけという使い方も可能ですし、性能を確認するための機会としてもお使いいただければと思います。
他にもいろいろな商品を取り揃えておりますのでぜひチェックしてみてくださいね。