[初心者向け]旅先で使える“写真が変わる”7つの一眼カメラ撮影テクニック
更新日2022/10/13
写真テクニックカテゴリの人気記事
今や旅行にカメラを持っていくことが当たり前となるくらい、デジタルカメラの普及が進んでいます。
スマホで十分と言っている人も「気づけば旅行のためにカメラを買ってしまった…」そんなことも耳にします。しかしせっかく買ったカメラも、機能を十分に使ってあげないとスマホと変わらない写真になりがちです。
今回は旅先で一眼カメラだからこそ撮影できるテクニックを保存版としてQ&F形式でご紹介していきます。気に入った場所は是非スクショして旅先で見返してみてくださいね。
もくじ
今回のコンテンツ
- 1.風景をきれいに撮るには?
- 2.背景をボカした写真を撮るには?
- 3.夜景をきれいに撮るには?
- 4.空を青く写すには?
- 5.夕日を撮るには?
- 6.動いているものをブラさないためにはどうするの?
- 7.逆光のとき明るく撮るには?
今回はカメラ初心者の方が旅先でカメラを使うときに悩みそうなポイントを押さえてご紹介していきます。実はどれもオート撮影だけではキレイに撮れないところもあるのですよ。
1.風景キレイに撮るには?
旅先での写真撮影で現地の景色というのは必ず撮るでしょう。まずは並んでいるこちらの2つの写真をご覧ください。
おそらく多くの方が右の写真を好むと思われます。
右の写真のが左の写真に比べて色鮮やかでクッキリとした印象があります。
「色鮮やか」と「クッキリ」は写真において重要で、この2つを達成するだけで印象は大きく変わると言えるでしょう。
「風景モード」もしくはピクチャースタイル(メーカーにより呼び方が異なります)を「風景」に
色鮮やかでクッキリとした印象を与える仕上がりにするのは意外にも簡単です。
一眼カメラにはピクチャースタイル(ニコンではピクチャーコントロール)というシーンに合わせた写真の仕上がりを選択することができます。
まずは「風景モード」へと変更することで、カメラが自動的に風景写真に合わせた色合いやシャープさを実現してくれます。
EOS Kissシリーズなどのエントリー向けモデルであれば、に適した撮影が行えるスペシャルシーンというモードがあります。
こちらにも「風景」という選択肢が存在することが多く、色合いやシャープな印象が良くなることはもちろん、撮影の設定までカメラが自動で行ってくれる便利な機能です。
スペシャルシーン「風景」を選択、なかったらピクチャースタイルで風景を選択しましょう。
2.背景をボカした写真を撮るには?
旅行のパンフレットや雑誌を見ていると良く出てくる背景がボケた写真。「こんなの撮ってみたいな…」って思う瞬間もありますよね。
よく一眼レフはボケるって話も流れていますが、どうなのか気になる方の多いと思います。
このボケ写真、撮影することはとっても簡単なことはご存知でしたか?
絞り優先モード(Av)に設定して数値を落とす
一眼カメラには丸い円形のダイヤルがカメラ上部に付いています。
これはモードダイヤルと呼ばれますが、ここを回すことで個別の設定を行うことができます。
背景をボカした写真が撮りたい場合は、絞り優先モード(CanonではAv、NikonではA)に合わせ、F〇.〇と現れた数値を最大にまで落としてみましょう。
被写体と背景の距離を取った状態でカメラは被写体に近づき、焦点距離をできる限り望遠側にセットすることで背景のボケを表現することができます。
ポイントは絞り値という数値で、この数値がボケ具合に大きく影響します。
エントリーモデルであるCanon EOS Kiss X10などでは、撮影時の液晶ガイドで絞り値による変化を分かりやすく説明しています。
逆に背景をボカしたくない時は、絞り値を上げる必要があります。
しかし、絞り値が上がるとカメラが光を取り込む範囲が狭くなるため、シャッタースピードが遅くなり、長い時間で光を多く取り込もうとします。
しかし、シャッタースピードが遅くなると手ブレを起こしやすくなるので注意が必要です。
「絞り」について詳しくはこちら
初心者でもすぐ分かる「絞り」の基本。一眼らしいボケを表現するなら必須の撮影設定項目 – Rentio PRESS[レンティオプレス]
3.夜景をキレイに撮るには?
多くの方が撮りたいと思うことや、難しくて悩みやすい撮影の1つである夜景撮影です。
確かに夜は明るさもなく、シャッタースピードが落ちることで手ブレが目立ちやすい撮影です。
キレイに撮影する方法その1「三脚を使う(固定できる場所を見つける)」
夜景の撮影において、手持ちでキレイに撮影するのは困難に近いです。
よく車の光跡を残した夜景写真などを見かけることもあると思いますが、手持ち撮影では不可能と言えるでしょう。
ではどうやって撮影しているのか?疑問に思うことでしょう。
夜景の撮影では「三脚」がとても効果的です。
三脚を使うことでカメラは固定され、手持ち撮影などで生じる微妙な振動も起きることがありません。
固定した状態であればシャッターを何秒間も開けたままにすることもできるので、夜でも明るい撮影ができます。
しかし今旅先でこの記事を見て下さった方からすると「三脚を持っていない」という状況もあり得ます。
そんな時は平らな場所を見つけてカメラを置いてみましょう。そして、カメラを置くとレンズは置いた地面と平行になると思います。
特に地面などに置いた場合は、カメラが上を向いていない影響から画角内に地面が写る範囲が大きくなってしまいます。ビルなどの夜景を撮る時は全体が入らないこともあるでしょう。
そんな時はモバイルバッテリーや財布など厚さの薄いものをレンズの下に入れてカメラが上を向くように変えてみましょう。
ちょっとした工夫で三脚を使っているような写真が撮影できるようになります。
キレイに撮影する方法その2「ISO感度を上げる」
「ISO感度?」となる方も多いでしょう。あまり日中時間帯では聞くことのない言葉です。
ISO感度とは、夜間などの暗い場所での撮影時、電子的に光源を増幅させる機能です。
簡単にご説明すると「無理矢理明るくしている」という状況です。
ISO感度はISO100やISO3200などで表されますが、数値が大きくなるほど暗い場所でも明るく写る魔法のような性能です。
しかし、ISO感度には大きな問題があり、ISO感度を上げて撮影すると、ザラザラな粒子となるノイズが写真上に発生します。
ノイズが発生すると写真はザラザラになり、特に細かい文字などは潰れてしまうといっても良いでしょう。
適度なISO感度調整をすれば、シャッタースピードが落ちることなく、三脚を使わない手持ちでの撮影が可能となります。
カメラには常用ISO感度範囲というものがあり、ISO100~25600などで表されます。
この常用ISO感度の範囲は、カメラによってバラバラなので、基本的に使えるISOは6400までと考えるのも一つの線引きとして良いでしょう。
「ISO感度」について詳しくはこちら
初心者でもすぐ分かる「ISO感度」の基本。夜景や室内の撮影で活用できる高感度撮影を解説 – Rentio PRESS[レンティオプレス]
4.空を青く撮るには?
晴れ渡った空。旅行で気分の良い瞬間だと思います。晴天という環境は写真撮影においても好条件なのでおすすめの瞬間です。
しかし、キレイに青空を写したいのに思い通りの青さが出てくれないということもあるでしょう。
露出補正を使う
「プログラムオート」「シャッタースピード優先」「絞り優先」のモードでは、露出補正といって、意図的に撮影後の写真を明るくしたり、暗くしたりすることができます。
オートで撮影した場合、カメラはフレーム内で大きく面積を占領する部分を基準に露出(写真の明るさ)を決めます。
そのため、黒い部分がフレーム内の大半を占めている場合は、カメラは暗いと判断し、明るく写そうと自動で設定されます。
逆に白い部分など明るい色の面積が多い場合、カメラは明るすぎると判断し、暗く写そうと自動で設定されます。
そんな場合でも「露出補正」を使うことで、自分の思い通りの明るさにすることができます。空を青くしたいとき、この露出補正は非常に効果的です。
左が露出プラス補正、右が適正露出から少しだけマイナス方向に設定した写真。
写真は明るくすると白に近づき、逆に暗くすると黒に近くなります。
青空で美しく見える瞬間というのは「青が濃い」状態です。濃いということは黒に近づいているということです。そのため露出補正ではマイナスに設定し、暗めに撮影することがおすすめです。
暗めに撮影することで青空は濃くなり、全体的にも印象に残りやすい写真へと仕上がります。
また風景と写した場合でも緑など自然も濃い色へと変化するため、色がはっきりしたぱっと見でキレイな写真と分かるようになります。
5.夕日を撮るには?
旅先や観光地などで人気のシーンである夕日や夕焼け。
スマートフォンなどで撮影すると太陽の輪郭が綺麗に映らなかったり、フレアと呼ばれる残像のようなものが写真上に発生することがほとんどです。
今回は夕日や夕焼けをキレイに見せるための2ステップをご紹介します。
夕日をキレイに見せる その1「露出補正を使う」
夕日は地平線に近づくにつれて光量が落ちてきます。そのため、光量の変化に応じた設定が常に必要な難しい撮影です。
このような場合、「絞り優先」にして、シャッタースピードの設定はカメラのオート設定に任せると便利です。
カメラは自動で全体の平均を取ろうとするので太陽の明るさに合わすべく、先ほどご紹介した「露出補正」をここでも使いましょう。
太陽が真っ白に飛んでしまってはもったいないので、マイナス気味に設定し、夕日の輪郭をハッキリ見せるようにしましょう。
露出をマイナスに設定することで、先ほどを同じように色も濃くなるため、印象もだいぶ変わるでしょう。
夕日をキレイに見せる その2「ホワイトバランスを調整」
夕日や夕焼けの魅力といえば、オレンジ色に染まる空も魅力的でしょう。
実はオレンジ色を濃くするのはとても簡単で、露出補正だけで物足りない場合でもホワイトバランスを調整することでオレンジ色の濃さは増します。
ホワイトバランスというのは、色温度とも呼ばれ、見た目の色の感覚を大きく変えることができます。
ホワイトバランスはケルビン値というもので表され、通常カメラでは2500~10000の間で設定することができます。
ケルビン値が低いほど撮影後の仕上がりは寒色系(青など)寄りになり、ケルビン値が高いほど仕上がりは暖色系(赤など)寄りになります。
そのため夕日や夕焼けの撮影時はケルビン値を上げることでオレンジなどの暖色系の色が強調され、夕焼けの光景をより鮮やかに表現することができます。
私が良く夕日撮影で設定するケルビン値は7000~9000の間です。
6.動いているものをブラさないためには?
動物や乗り物など、動いているものを撮影する機会もあるでしょう。
そのときカメラで追いかけながら撮影することがほとんどだと思いますが、「被写体に合わせたつもりがぶれてしまっている…」や、本当は背景もブラしたくないという考えもあるでしょう。
シャッタースピードに注意
手ブレが起きるか背景がブレるかという要素は必ずシャッタースピードに関係します。
一般的にブレが生じる条件というのは1/焦点距離を切った時と言われています。
つまり200mmの焦点距離で撮影した場合、1/200秒以下で手ブレが生じる確率が高くなります。
これはあくまで静止物を撮影する場合の例で、動いている被写体を撮影する時は更なる考慮が必要です。
そのため、動いているカメラで被写体と背景を止めるには、シャッタースピードを1/1000秒以上に上げることを意識しましょう。
Tv(キヤノンの場合)モードにセットし、ダイヤルを回してシャッタースピードを調整することができます。
暗い場所になると夜景撮影のコーナーでご説明した通り、ISO感度が上がり画質に影響が出るので要注意です。
「シャッタースピード」について詳しくはこちら
初心者でもすぐ分かる「シャッタースピード」の基本。手ブレを抑えるために使う設定を徹底解説 – Rentio PRESS[レンティオプレス]
7.逆光のとき明るく撮るには?
カメラを向けたい方向に太陽があるなど、逆光状態の場面も出てくるでしょう。
そのような時、写したい被写体が真っ黒なシルエットになってしまうことが多いです。
先ほどもご紹介した通り、カメラのオートモードでは明るいと判断すると暗く写すようにし、暗いと判断すると明るく写そうとするためです。
逆光の場合は強い太陽光線をカメラが検知し、明るすぎると判断され、できる限り暗くしようとしてしまうためです。
そのため逆光状態のときは露出補正をプラスにして明るく撮影してみましょう。
プラスにすることで空などの背景は真っ白に染まる「白飛び」という状態になりますが、メインで写したい被写体の明るさを優先しましょう。
逆に人物撮影などでは、背景が明るくなるため柔らかい雰囲気が表現でき、一風変わった作品へと仕上がりそうですね。
旅先で使える撮影テクニック
これまで旅先ですぐ実践できる撮影テクニックとして7つをご紹介してきました。
スマートフォンとの違いを求めて一眼カメラを購入された方も多いと思いますが、せっかく違いを求めて新たに挑まれたのですから、少しカメラを設定して写真撮影を楽しんでいただければと思います。
今回の記事で数多く出てきた「露出補正」を使うだけでも大きな変化が現れます。
また、SNSなどに投稿する際は、カメラからスマートフォンへ写真をコピーし、これまでスマートフォンで撮影していた写真と同じように加工することも楽しそうですね。
レンタルカメラで旅行へ行こう
実は旅行期間中だけ安価でカメラをレンタルできることはご存知でしたか?
家電レンタルサービスを展開するRentio(レンティオ)では、最新の一眼カメラをはじめ、様々なデジタルカメラ製品のレンタルを3泊4日から行っています。
カメラは買うほどではないけど、旅行のときだけ欲しい!や気になるカメラがあって試してみたいというときは、是非Rentioのレンタルサービスをご利用ください。