RICOH THETA Z1実写レビュー。最新フラッグシップの画質、性能、価格を徹底解説
更新日2023/01/27
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カメラの周り全方向を写す360度カメラ。
かつてはあまり知られていない存在でしたが、近年になり各SNSが360度の画像や映像の投稿に対応し始めたことから、360度カメラの認知度が非常に高くなりました。
360度カメラを展開するカメラメーカーの中でもRICOH THETAシリーズは特に人気を集める360度カメラシリーズです。
そんなTHETAシリーズから2019年5月24日に発売となる最新モデル「RICOH THETA Z1」は、新たなフラッグシップモデルとして、高性能で360度カメラのレベルを大きく引き上げるカメラとして期待されています。
今回Rentio PRESSでは、THETA Z1は発売日前に使用することができたため、実際に作例を撮影して、その実力を徹底レビューしていきます。
もくじ
人気360度カメラ「THETA」から待望の最新モデル
リコーが展開するTHETAシリーズは、最も身近な360度カメラと言えるでしょう。
THETA Z1が発売されるまでは上位モデルであるTHETA Vと下位モデルであるTHETA SCの2つのみラインナップに存在しましたが、今回のTHETA Z1は、これらの更に上位モデルとなり、THETAシリーズにおけるフラッグシップモデルとなります。
THETA Vの発売から9月で2年となりますが、THETA Z1では様々な撮影に関する性能を向上させ、360度カメラ界全体のレベルを上げる存在としても期待されています。
「RICOH THETA」の選び方!360度カメラ全モデルを価格や特長から比較検証 – Rentio PRESS
新たなフラッグシップとして誕生
先述の通り、THETA Z1は、RICOH THETAシリーズにおいてフラッグシップに君臨する存在です。
詳しい性能などについては、後ほど性能レビューなどで細かく解説していきますが、これまでRICOH THETAシリーズに存在したTHETA VやTHETA SCから基本性能や拡張性を大きく進化させた、まさに次世代の360度カメラです。
THETA Vの発売から360度カメラ市場を見てみるとGoPro FusionやInsta360 ONE Xなど、強力なライバルも出現してきましたが、焦ることなく時間をかけてでも品質の高い製品へと仕上がったのが今回発売となるTHETA Z1なのです。
外観レビュー
早速、THETA Z1の実機を使用してレビューを行っていきます。
まずは360度カメラとしての性能をご紹介する前に、カメラとしてのデザインや大きさ、重さによる携帯性など、外観面についてレビューしていきます。
これまでのTHETAシリーズから大きくデザインが変わる
基本的な形状に関してはこれまでの主力ラインナップであったTHETA VやTHETA SCと大きく変わることはありませんが、パッと見た変化というのは沢山気がつくところがあります。
ボディの色はブラックに近いダークなイメージが採用され、これまでのTHETAシリーズよりも巨大なレンズが特徴的です。
大きく分厚くなったボディ
そしてこれまでのTHETAシリーズから大きく、分厚くなったボディがとても印象的でした。
THETA VやTHETA SC同様に片手に握れるほどの大きさであることに違いはありませんが、ボディが大幅に分厚くなった印象です。
実際に公表されているサイズの数値を見てみても、THETA Vの22.9mmからTHETA Z1では29.7mmまで分厚くなっていることが分かり、この感覚の違いは手に持った時にも大きく感じるほどです。
それに伴って重さも増加しており、フラッグシップモデルとして携帯性よりも撮影性能を重視したモデルになっていることが分かります。
素材には耐久性にも優れたマグネシウム合金を採用
THETA Z1を持った際、これまでの違いとして感じたポイントの1つに素材の違いもありました。
THETA VやTHETA SCではボディに使用されている素材が公表されていないものの、THETA Z1では、高級感と耐久性に優れた堅牢なボディを実現するためにボディの素材にマグネシウム合金を採用しています。
実際に触った感覚でもこれまでのモデルとは質感が大きく異なり、それらの質感からデザイン性における高級感にも繋がっています。
THETAシリーズ初となる表示パネルを搭載
THETA Z1の外観面で最大の注目ポイントといえばボディに設置された表示パネルと言えるでしょう。
歴代のTHETAシリーズにはレンズとボタン以外に搭載されたものは存在しませんでしたが、THETA Z1では、残り撮影枚数や現在の撮影モード、電池残量など、カメラが今どのような状態であるかを一目で確認することができる表示パネルを搭載しています。
これまで現在の設定などを確認する場合は、THETAとスマートフォンを接続することが必須でしたが、この表示パネルの搭載により、カメラ単体での撮影というのも使う機会が増えそうだと感じました。
性能レビュー
外観面ではこれまでのモデルと大きな違いが見られた最新のTHETA Z1ですが、性能面ではフラッグシップモデルとしてどれほど高性能であるのか、気になるところです。
ここからは画質など、撮影性能面を中心にレビューを行っていきます。
1.0型裏面照射型CMOSイメージセンサー搭載
これまでの上位モデルであったTHETA Vでは、1/2.3型のセンサーが搭載されており、デジタルのカメラのイメージセンサーとしては小さいものでした。
今回ご紹介している最新モデルのTHETA Z1では、高級コンパクトデジカメなどに搭載されることの多い1.0型裏面照射型イメージセンサーを搭載しています。
THETA Vで搭載されているイメージセンサーと比較するとイメージセンサーの大型化を実現し、静止画における描写力などで大きく貢献しています。
約23MPの超高画質静止画撮影
THETA Z1作例撮影 at 東京国際空港 第一ターミナル – Spherical Image – RICOH THETA
THETA Z1では、静止画で大きな進化を感じることができるモデルだと私は感じました。
これまでTHETA Vでは、有効画素数は1200万画素程度と、近年のデジタルカメラとしては少々物足りなさを感じるところがありました。
しかしTHETA Z1では、画素数についても大幅に増加させ、有効画素数で約2000万画素を実現しました。
360度カメラながら1.0型のセンサーと合わせた超高画質による静止画撮影が可能となりました。
RAW記録に対応
高画質を実現したカメラだからこそRAW記録というのは活きてくるものです。
THETA Z1では、シリーズでは初となるRAWデータでの記録に対応し、同時のJPEG記録にも対応しています。
一眼カメラなどでは一般的な記録方法となっているRAW記録がTHETA Z1で可能となったことで、表現の幅が広がり、フォトグラファーとしての表現力を示すことができます。
RAWデータはAdobe Lightroom Classic CCにて現像可能
RAWデータで撮影する場合、撮影後は現像ソフトなどを使用して調整していくことが一般的ですが、THETA Z1で撮影したRAWデータは専用プラグインを導入することで、Adobe社が販売する「Lightroom Classic CC」にて現像作業が可能となっています。
私自身、日ごろ一眼カメラを使用した写真の現像において「Adobe Lightroom Classic CC」を非常に重宝しており、視覚的かつ、思い通りの仕上がりに近づけることができることから数ある現像ソフトの中でもおすすめです。
写真をより美しく魅せる現代写真術!「RAW撮影・現像」のすすめ – Rentio PRESS
4K(3840×1920 29.97fps)の動画撮影
360度カメラでは、静止画撮影だけでなく動画による撮影も一般的となっています。
そしてカメラにおいて動画撮影に求められる性能というのは年々高くなっており、FullHD画質では相手にされない時代になりました。
THETA Z1では、近年のカメラとしてスタンダードである4K動画撮影に対応し、高画質の動画撮影を実現しています。
生まれ変わった新開発のレンズユニットの効果
THETA Z1では、あらゆる性能を向上させるために搭載されているレンズも新たに開発されました。
これまでのTHETA VやTHETA SCと比較しても非常に大きなレンズが搭載されており、THETA Z1ではじめて採用された1.0型の大型センサーと組み合わせて画像生成において非常に高い能力を発揮します。
また、新開発のレンズによって360度カメラで避けて通れない太陽光線など強い光源にも対策が行われ、フレアやゴーストの発生を抑制してくれます。
内蔵マイクを4つ搭載
THETA Z1では、動画撮影の際に行われる音声記録についてもこだわりを持った設計となっています。
THETA Z1の本体には4つのマイクが搭載され、それぞれが異なる方向を記録するため4chによる音声記録が可能となっています。
Wi-Fi/Bluetooth接続に対応
THETA Z1では、スマートフォンアプリを使用し、Wi-FiやBluetoothによってスマートフォンと接続することが可能です。
専用のスマートフォンアプリは、THETA Z1専用ではなく、歴代のTHETAシリーズで共通して使用されてきたアプリとなるため、これまで改良が重ねられてきた安定性のあるアプリとして使いやすさにも定評があります。
Androidベースのシステムを搭載し拡張性にも優れる
THETA Z1では、Androidベースのシステムを搭載しているため、あらゆる拡張性にも優れています。
Androidベースのシステムは既にTHETA Vで採用されており、このシステムを利用した拡張性のあるプラグインの開発が進められています。
今はまだプラグインの数は少ないですが、今後はプラグインによってTHETAシリーズの拡張の幅が大きく広がることが予想されます。
THETA Z1は、購入した時点の性能で留まることなく、進化し続ける360度カメラとして期待されています。
十分なバッテリー容量
あらゆる性能を向上させた最新モデルのTHETA Z1ですが、高画質を実現するために消費するパワーも大きくなっています。
実際に撮影を進めていましたが、実用的なバッテリー容量として十分だと感じました。
今回RICOH THETA Z1を複数日使用しましたが、1日において結構な枚数を撮影してもバッテリー容量で困ったことはありませんでした。
THETA Z1を実際に使用した作例
Post from RICOH THETA. – Spherical Image – RICOH THETA
Post from RICOH THETA. – Spherical Image – RICOH THETA
撮影時レンズの汚れには細心の注意を
新開発のレンズによりフレア・ゴーストの抑制など、性能面では大きく向上しているTHETA Z1ですが、カメラとしてレンズの扱いには細心の注意が必要です。
THETA Z1では、カメラレンズがボディから飛び出した状態で搭載されているため、何かに接触した際に汚れが付きやすくなっています。
手で持ち歩いたときもうっかりレンズ部分に触れてしまうことがあり、指紋などがレンズに付いてしまう可能性があります。
指紋が付いた場合は、光源が当たることでゴーストのように写り込む可能性があるため、レンズの汚れは撮影前に必ず確認するようにしましょう。
THETA Z1製品仕様表
モデル名 | THETA Z1 |
---|---|
発売日 | 2019年5月24日 |
有効画素数 | 約2000万画素 |
静止画解像度 | 6720×3360 |
動画フレームレート | 29.97fps |
動画解像度 | 4K(3840×1920) |
ISO感度 | 静止画:ISO80~6400 動画:ISO80~6400 ライブストリーミング:ISO80~6400 |
最高シャッタースピード | 静止画:1/25000秒 動画:1/25000秒 |
360°空間音声記録 | 〇(マイク4ch) |
ライブストリーミング | 〇 |
リモート再生 | 〇 |
Bluetooth | 〇 |
ジャイロセンサー | 〇 |
外部インターフェース | USB Type-C:USB3.0 |
内蔵メモリー | 約19GB |
外形寸法 | 48mm(幅)×132.5mm(高さ)×29.7mm(奥行き) |
質量 | 約182g |
アプリケーション | iOS/Android/PC |
360度カメラの代表となるかTHETA Z1
かつて360度カメラといえばTHETAの独壇場であったといえるでしょう。
そもそも360度カメラの知名度はあまり高くなく、近年になって人気が出てきたことからライバルメーカーが誕生するようになりました。
競合が登場したことでRICOH THETAに求められるレベルも時代とともに高くなっていきます。
THETA Z1は、360度カメラの市場において飛びぬけた存在になるべく誕生したカメラと言えるでしょう。
大型センサー1.0型のイメージセンサーを搭載してことで実現した圧倒的高画質な静止画撮影と、4K動画撮影。
新開発のレンズユニットから生成される画像や映像は、これまでのTHETAシリーズよりも格段にクオリティの高い仕上がりを実現していると言えるでしょう。
360度カメラの市場において、今後も圧倒的存在感を示すことができるか、THETA Z1にかかっていると言っても過言ではありません。
最新360度カメラはレンタルでお試し
今回ご紹介してきた最新360度カメラ「THETA Z1」は、気軽にレンタルして使用することができます。
家電レンタル「Rentio(レンティオ)」が展開するカメラのレンタルサービスは、気になるカメラのお試しや、短期間だけ使用したい場合にとても便利なサービスです。
新発売となった商品も購入前に気軽にお試しできるため、最新カメラの実力を一早く体感することが可能です。
ぜひこの機会に次世代の高性能360度カメラ「THETA Z1」をRentioでレンタルして、最新カメラの実力を体感してください。
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