Nikon Z6実写レビュー。激戦フルサイズミラーレス市場に満を持して参入したニコンの最新モデルを徹底解説

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フルサイズミラーレス一眼カメラの存在感は日に日に増す一方です。
これまでRentio PRESSでは、Canon EOS Rシリーズ、SONY α7 IIIといったフルサイズミラーレス一眼カメラ市場の中心的存在のカメラレビューも展開してきましたが、今回はこれまで一眼レフに力を入れてきたニコンのNikon Z6についてご紹介していきます。
フルサイズミラーレス一眼カメラとしては後発となったNikon Z6ですが、発売から時間が経つにつれて売り上げを伸ばしている注目のモデルです。
そんなNikon Z6を実際に使用し、多くの日本人が海外旅行先として選ぶことの多いハワイで撮影した作例を基に、その実力に迫ります。
もくじ
ニコンもフルサイズミラーレス一眼市場に参入
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「ミラーレス一眼」は、ここ最近になって注目されるようになりました。
ミラーレス一眼カメラ自体の歴史はそこまで浅くないものの、キヤノンやニコンが力を入れていた一眼レフカメラに影をひそめる形で、存在感がなかったと言えます。
しかし、近年ではソニーによる高性能ミラーレス一眼カメラの登場が目立ち、一眼レフよりも優れた携帯性を実現しているなどのことから、「ミラーレス一眼」が大きく注目される存在になりました。
ミラーレス一眼カメラ市場の展開について消極的であったニコンも、この流行の波に乗り遅れる訳にはいかず、急ピッチで最新ミラーレス一眼カメラシリーズであるZシリーズを開発しました。
現在Nikon Z7とNikon Z6の2モデルがシリーズに存在しますが、どちらもフルサイズセンサーを搭載しており、今回ご紹介するNikon Z6は、高画素モデルのNikon Z7と比較して、突出した性能はないものの、安定したオールラウンドモデルとして存在します。
ライバルに対抗すべくNikon Zマウント
今回開発されたNikon Zマウントは、まさにライバルメーカーであるキヤノンやソニーに対抗すべく開発された最新シリーズといえます。
ソニーでは長年αシリーズにおいてフルサイズミラーレス一眼カメラの開発を行っており、フルサイズミラーレス一眼カメラに関しては、どこよりも実績があります。
キヤノンではソニーに対抗すべくEOS Rシステムを開発し、キヤノンらしさを継承しながら、全く新しい機能も搭載した最新モデルとして注目を集めました。
今回ご紹介しているニコンのZシリーズは、フルサイズミラーレス一眼カメラとしては遅い部類になりますが、かねてより撮影性能に自信を持つニコンだからこそ実現できた高性能モデルなのです。
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Nikon Z6外観レビュー
ここからは実際にNikon Z6の外観からレビューを行っていきます。
気になる大きさ、重さはもちろん、新シリーズとして新たな機能は存在するのかなど、気になる点を中心にご紹介していきます。
ニコンの伝統デザインを受け継ぎながら小型化
フルサイズミラーレス一眼カメラとしてこれまでの一眼レフとは大きさ、重さは大きく異なると言えます。
それに伴ってボディの形状も変わってくるのですが、Nikon Z6では、これまで一眼レフで伝統としてきたデザインを継承しながら、コンパクトに収められたボディが特徴的です。
個人的な印象ではありますが、これまでニコンの一眼レフでは、頑丈なボディとして大型でゴツゴツとしたデザインが採用されていましたが、Nikon Z6では、基本的なシャッターボタン付近の赤いラインや一眼カメラらしいホールド感を意識したデザインで、伝統を継承しています。
突起部分が目立つデザイン設計
どうしても小型化を行う上で、カメラのデザインというのは薄型でフラットタイプになりやすい傾向にあります。
しかし、上位モデルとしてカメラのホールド感というのも撮影者が大切にすべき観点だと私は感じます。
Nikon Z6では、小型化こそ実現しているものの、グリップ部分の突起などで目立つ部分が多く、手に持ってカメラを構えた際のホールド感が重要視されていることが分かります。
3.2型チルト式大型液晶画面を搭載
Nikon Z6では、小型化を実現したカメラボディに対して、背面の大半の面積を保有する3.2型チルト式液晶モニターを搭載しています。
大型の液晶画面が搭載されていることで、画面上でのタッチ操作も行いやすく、約210万ドットの高解像度から、鮮明で見やすい液晶画面となっています。
見たままに近い「自然」を写す電子ビューファインダー
ミラーレス一眼カメラでよく懸念されるのがファインダーに液晶画面を採用する「電子ビューファインダー」です。
一眼レフでは、光学ファインダーといってミラーを反射させただけの「生」の様子から撮影することができましたが、電子ビューファインダーでは、センサーを通した後の映像をファインダーに映し出す構造が採用され、ファインダーを覗いた際も「映像」を見ながら撮影することになります。
電子ビューファインダーは、慣れるまでは違和感を覚えることがありますが、Nikon Z6では、約369万ドットの高解像度液晶が搭載され、光学ファインダーと遜色ない自然を見ている感覚で撮影を行うことができます。
加えて電子ビューファインダーの特徴でもある撮影設定による変化の反映は、撮影時における露出設定などのミスを軽減できる大きなメリットとなるでしょう。
操作性は一眼レフから大きな変化なし
キヤノンのEOS Rでは、一眼レフ時代のモデルから操作性の面で大きな変化がありました。
しかし、Nikon Z6では、一眼レフ時代のモデルから操作性の面で大きな変化はありません。
一眼レフ時代からの伝統であるモードダイヤルや操作を行う上でのボタン類は、Nikon Z6でも変わることのないスタイルとして採用されています。
これまでニコンの一眼レフを使用されていた方からしても、操作性の面において困ることはないと言えます。
記録メディアはXQDカードのみ対応
Nikon Z6を使用する上で必ず確認しておきたいのが対応する記録メディアです。
従来の一眼レフでは、SDカードによる画像の記録が一般的で、ニコンが販売する一眼レフシリーズでもSDカードやCFカードによる記録が主流でした。
しかしNikon Z6ではこれまで主流であったSDカードもCFカードも使用することができず、新規格であるXQDカードでの記録のみ対応しています。
そのため、新たにXQDカードを購入することは使用する上で必須の条件となり、更に高性能のカードであるため金額も高騰することから注意が必要です。
Nikon Z6性能レビュー
ここからはNikon Z6における撮影性能についてレビューしていきます。
今回Nikon Z6を使用して日本人に人気の観光地である「ハワイ・ホノルル」にて撮影した作例と一緒にニコンが誇る最新ミラーレス一眼カメラの実力に迫ります。
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オールラウンドで活躍する撮影性能
Nikon Zシリーズでは、高画素モデルのZ7も存在しますが、今回ご紹介しているZ6は、あらゆる撮影シーンで活躍するオールラウンドモデルとなっています。
2450万画素の有効画素数と、高精度ハイブリッドAFなど、決して突出した性能ではないものの、近年の一眼カメラとして高い水準を実現しています。
風景、人物、スナップ、スポーツ、乗り物など、あらゆるジャンルにおいても満遍なく対応してくれる万能モデルとしておすすめです。
撮って出しの仕上がりに驚く
今回私が実際にハワイで使用して驚いたのはJPEG撮って出しによる仕上がりの素晴らしさです。
Nikon Z6では、近年発売されている一眼カメラの中でも、カメラ内での仕上がり調整が非常に優秀で、絶妙なコントラスト加減やバランスの良い発色などを撮って出しの段階で感じることができます。
そしてRAWで撮影した写真において、Lightroomなど現像ソフトに取り込んだ際にも元々の素材が非常に優れているため、逆に下手に大きく現像処理を行わない方が良いという印象を持つほどでした。
非常に優れたオートホワイトバランス
これは撮って出しの仕上がりのクオリティにも繋がる話ですが、色味の印象を決定づけるオートホワイトバランスの判断力が非常に優れています。
ホワイトバランスは、オートに指定することでカメラが自動的にシーンから調整するものですが、カメラによってはケルビン値が高く設定されてしますケースも目立ちます。
しかしNikon Z6では、実際に温度感に合ったホワイトバランスの設定が適切に行われ、RAWの現像時のみ調整することができるホワイトバランスにおけるケルビン値の調整の必要がありません。
青色の発色に好き嫌いが分かれそうな印象
全体的に写真の仕上がりとして優れた印象を持つNikon Z6ですが、個人的に「青色」の発色のみ調整が難しいと感じました。
これまでニコンのカメラでは、「ナチュラルな仕上がり」が意識されており、キヤノンと比較すると彩度などが落ち着いた印象でした。
しかしNikon Z6では、青色における発色がこれまでのモデルから大きく変わったと言えます。
青色は大きく彩度が増し、今回撮影地として選定したハワイのように澄み渡った濃い青空の環境下では、青空の色がシアン色に偏った不自然に仕上がるケースも見られました。
これらはRAW現像時において修正を行うことが可能ですが、少々癖のある、現像処理において「難しさを感じる青の発色」という印象を持ちました。
高感度撮影はフルサイズミラーレス一眼の中でもトップクラス
カメラ性能において近年大きな差が出る分野として高感度撮影時による仕上がりがあります。
Nikon Z6は、高ISO感度で撮影した場合でもノイズが目立つことがないままディティールを維持した強い高感度耐性を感じることができました。
実際に上の写真では、日没から完全に暗くなるまでの間において、光量が激減した環境下での撮影となりましたが、ISO10000でもノイズが目立たない非常に自然な仕上がりを実現しています。
カメラボディ内手ブレ補正機構も優秀
そして上でご紹介した優れた高感度耐性に加えてNikon Z6では、ニコン初となるカメラ内センサーシフト式VR(手ブレ補正機構)を搭載し、カメラボディ自身が手ブレ補正機構を保有しています。
それにより、低速シャッタースピードの撮影時においても従来よりも手ブレによる心配が軽減しました。
実際に私も手持ち撮影にて夜間の撮影を行いましたが、ボディ内手ブレ補正機構を搭載していないモデルと比較しても大幅に手ブレを抑えることができる印象でした。
少なくともNIKKOR Z 24-70mm f/4 S使用時においてシャッタースピード1/10程度で手ブレが発生することはほとんど無い印象です。
Nikon Z6で写す夏のハワイ・ホノルル



製品仕様表
モデル名 | Nikon Z6 |
---|---|
撮像画面サイズ | フルサイズ(約35.6×23.9mm) |
映像素子型式 | ニコンFXフォーマットCMOSセンサー |
映像エンジン | EXPEED 6 |
有効画素数 | 2450万画素 |
オートフォーカス方式 | ハイブリッドAF |
測距点 | 273点 |
常用ISO感度 | ISO100~51200 |
シャッター速度 | 1/8000秒~30秒、バルブ | ボディ内手ブレ補正 | 5.0段 |
連続撮影速度 | 最高約12コマ/秒 |
画面 | 3.2型/約210万ドット |
ファインダー | 0.5型/約369万ドット |
Wi-Fi搭載 | 〇 |
NFC搭載 | – |
Bluetooth搭載 | 〇 |
大きさ | 約134(幅)×100.5(高さ)×67.5(奥行)mm |
質量(バッテリー等含む) | 約675g |
ライバル機種との比較
冒頭でもご紹介した通り、今フルサイズミラーレス一眼カメラの市場が大きく盛り上がりを見せています。
そこでここからはライバル機種にあたるCanon EOS RとSONY α7 III、それぞれのモデルとの比較もご紹介していきます。
Canon EOS Rとの比較
キヤノンがフルサイズミラーレス一眼カメラとして発売したEOS RはNikon Z6における直接的なライバルと言えるでしょう。
数値上の性能ではNikon Z6の方が上
製品仕様表などを見てみると、Nikon Z6とCanon EOS Rを比較したとき、常用ISO感度や連写性能、ボディ内手ブレ補正など、Nikon Z6が優れている性能も目立ちます。
しかしEOS Rの方がAF性能や、測距輝度範囲などで大きく優れた性能を保有しており、使うシーンによってはEOS Rが優位になることも少なくありません。
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SONY α7 IIIとの比較
フルサイズミラーレス一眼カメラとして大きな注目を集めているSONY α7 III。
こちらもNikon Z6とのライバル機種となりますが、ソニーはミラーレス一眼カメラの開発において長年の実績も保有しています。
AF性能で大きな違いが
Nikon Z6では、AF性能についてはあまくでも平均的な性能であると感じました。
一方でSONY α7 IIIでは、AF性能については非常に優れた性能を実現しており、その性能差は両モデルを比較したときに顕著に出るものでした。
しかし、Nikon Z6ではファームウェアのアップデートによって瞳AFの対応や低輝度側検出限界の性能の向上など、発売時の性能から進化させている部分もあるので、今後も期待できます。
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ニコンの今後を占う最新フルサイズミラーレス一眼
近年におけるフルサイズミラーレス一眼カメラ市場の盛り上がりを見ると、今後はフルサイズミラーレス一眼カメラ市場における存在感でカメラメーカーの価値観というのが大きく変化してくるものと予想できます。
実際にこれまでキヤノン、ニコンという二大メーカーに並ぶことができなかったソニーが、今や一眼カメラ市場において最も注目される存在にまで進化しています。
ジャンルの変わり目というのはメーカーにとってチャンスであり、シェアを失う危険性もある変化の時期なのです。
ニコンの未来を占う重要なカメラ
今回ご紹介してきたNikon Z6が今後フルサイズミラーレス一眼カメラ市場において、どれだけシェアを伸ばすことができるのか、今後展開されていくであろうZシリーズでどれだけの存在感を示すことができるのか、ニコンの未来を占うモデルになることは間違いありません。
私自身、これまで一眼レフカメラを使用されてきた方にも是非素晴らしさを体感して頂きたいと感じました。
いつかは一眼レフが無くなる日が訪れるかもしれません。ミラーレス一眼への乗り換えというのは、本格的に検討すべき時期が訪れているのかもしれません。
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フルサイズミラーレス一眼はレンタルがおすすめ
フルサイズセンサーを搭載したカメラは、非常に質が良いことで評判ですが、その分価格も大きく高騰します。
今回ご紹介してきたカメラに関しても、気軽に購入できるカメラとは言えないでしょう。
そんなときにおすすめなのがカメラのレンタルサービスです。
家電レンタル「Rentio(レンティオ)」では、フルサイズミラーレス一眼カメラの他にも豊富な一眼カメラのラインナップから選んで気軽にレンタルすることが可能です。
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