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Anker PowerHouse II 800を実機レビュー!充電時間が短い大容量のポータブル電源

まーしー/家電製品総合アドバイザー
まーしー/家電製品総合アドバイザー

更新日2024/11/26

Anker PowerHouse II 800を実機レビュー!充電時間が短い大容量のポータブル電源

モバイルバッテリーのようにスマホやタブレットなどのモバイル端末の充電に適した製品が充実している「Anker(アンカー)」

Ankerのポータブル電源は持ち運びのしやすいコンパクトなモデルが中心で、バッテリー容量を重視する宿泊日数の長いキャンプ泊/車中泊、防災用の非常用電源にはあまり向いていませんでした。ところが、2021年2月25日、とうとうAnkerから大容量タイプのポータブル電源が発売されることになりました。

そこで、この記事では大容量バッテリー「Anker PowerHouse II 800」の特長と実機レビューを紹介します。

前機種の「Anker PowerHouse II 400」との違いも含めて参考にしてください。

Anker PowerHouse II 800の特長

Anker PowerHouse II 800の実機レビュー

「Anker PowerHouse II 800」の特長は、前機種の「Anker PowerHouse II 400」の特長をそのままに大容量のバッテリーを搭載したことです。

ポータブル電源としての機能はもちろん、Ankerならではの充電技術や防災に役立つ機能も搭載されておりますので、具体的なスペックと合わせてその特長をまとめます。

216,000mAh(778Wh)の大容量

「Anker PowerHouse II 800」のバッテリー容量は216,000mAh(778h)です。

Anker PowerHouse II 400から2倍のバッテリー容量となり、並べる比べるとサイズも一回り大きくなっていることが分かります。

以下表に充給電製品とその使用可能時間/回数をまとめましたので参考にしてください。(使用機器の残バッテリーや状態、使用状況によって異なります)

使用機器 給電回数/使用時間
スマホ(3,110mAhバッテリー) 約55回
ノートPC(4,379mAhバッテリー) 約12回時間
LEDライト(5W) 約116時間
扇風機(30W) 約19時間
電気毛布(55W) 約11時間
小型炊飯器(280W) 約2時間以上
電動ドリル(400W) 約1.5時間

最大500Wの定格出力

Anker PowerHouse II 800の定格出力

「Anker PowerHouse II 800」のAC定格出力は500W(瞬間最大1,000W)です。

モバイル端末で電気毛布の利用をはじめ、小型の家電製品の充給電に適したパワーを有しています。持ち運びもしやすいので、リモートワークの電源にも向いています、

なお、定格出力はあくまでもACポート2口の合計出力となりますので、同時接続で利用する際は各家電製品の消費電力に十分お気をつけください。

AC出力は純正弦波で安心

ポータブル電源は純正弦波を選ぶ

AC出力は家庭用コンセントと同じ「純正弦波(正弦波)」を採用し、また定格周波数も50/60Hzどちらにも対応しています。

電子機器、精密機器も安全に給電できますので安心してください。

定格電圧は110V
「Anker PowerHouse II 800」のAC出力は定格電圧が110Vになっています。接続する家電製品の表示が「110V」もしくは「100-240V」と記載されていれば問題有りませんが、写真のように「100V」と固定されている場合は利用を控えましょう。
定格電圧について

USB-Cは60W出力のUSB PDに対応

AnkerのPowerIQ 3.0

「Anker PowerHouse II 800」のUSB-Cは「PowerIQ 3.0 (Gen2)」に対応しており、Appleの高速充電・Qualcomm® Quick Charge™(QC)・USB PDなど幅広いデバイスでの急速充電規格と互換性があります。

USB-Cは1ポートあたり最大60W出力を有しておりますので、MacBook Pro(13インチ)やMacBook Airのフルスピード充電も可能です。

11台同時に充給電が可能

Anker PowerHouse II 800は最大11ポート同時充給電が可能

「Anker PowerHouse II 800」には充給電ポートが全部で7種類、11ポートあります。

出力も入力も全て前面にまとめられており、3つのボタン(「DC出力」「DC出力」「AC出力」)でオン/オフの切り替えを行って使用します。使わないときはボタンをオフにすることで、不必要な電力消費を防ぐことができます。

ポート種類 ポート数 合計最大出力
AC出力 2口 500W(瞬間最大1,000W)
USB出力 USB-A:4口
USB-C(PD):2口
最大150W(USB-C合計120W+USB-A合計30W)
※1口あたり
USB-A×4:12W(5V/2.4A)
USB-C(PD)×2:60W(5V/3A, 9V/3A, 15V/3A, 20V/3A)
DC出力 シガーソケット:1口
5.5DCプラグ:2口
合計最大120W(12V/10A)

最短5時間でフル充電

Anker PowerHouse II 800の充電、入力値

「Anker PowerHouse II 800」は778Whのバッテリー容量を持ちながら最短5時間でフル充電することが可能です。

「Anker PowerHouse II 400」はDC入力とUSB-C入力を合わせることで最大125Wの入力でしたが、「Anker PowerHouse II 800」は合計最大240Wの充電が可能になりました。

また「Anker PowerHouse II 800」にはアンダーソン入力(PV入力)も新たに搭載されることになりましたので、使用できるソーラーパネルの幅が広がったと言えるでしょう。

以下表は各充電方法とその目安時間をまとめたものです。

充電時間(目安) 充電方法
約4.9時間 DCポートとUSB-Cポートの同時充電
約7.1時間 DCポート, USB-C×2, シガーソケット, ソーラーパネルを単体で利用

ソーラーパネルは純正品がおすすめ

「Anker PowerHouse II 800」に使うソーラーパネルは、メーカー純正品の「Anker PowerSolar 3-Port 100W」がおすすめです。使い勝手もよく、相性チェックを行う必要もありません。

充電時間を短縮するなら、120W出力のスペックが必要です。例えば、ELECAENTA 120Wソーラーパネルなら、実機確認でも互換性を確認下ので良いかもしれません。

とはいえ、純正品同士の組み合わせという安心感に勝るものはありません。

Anker PowerSolar 3-Port 100W実機レビュー!初心者でも扱いやすい高出力ソーラーパネル – Rentio PRESS[レンティオプレス]

Anker PowerHouse II 400と比較した製品スペック一覧表

「Anker PowerHouse II 800」の製品スペックを前機種の「Anker PowerHouse II 400」と比較できるよう一覧表にまとめました。

製品項目 PowerHouse II 800 PowerHouse II 400
バッテリー容量 216,000mAh / 778Wh 108,000mAh / 389Wh
AC出力 AC×2:500W (110V/4.54A, 瞬間最大1,000W) AC×1:300W (110V/2.72A, 瞬間最大600W)
対応周波数 50/60Hz 50/60Hz
USB出力 最大150W(USB-C合計120W+USB-A合計30W)
※1口あたり
USB-A×4:12W(5V/2.4A)
USB-C(PD)×2:60W(5V/3A, 9V/3A, 15V/3A, 20V/3A)
最大96W(USB-C合計60W+USB-A合計36W)
※1口あたり
USB-A×3:12W(5V/2.4A)
USB-C(PD)×1:60W(5V/3A, 9V/3A, 15V/3A, 20V/3A)
DC出力 合計120W(12V/10A)
シガーソケット×1
DC×2
合計120W(12V/10A)
シガーソケット×1
DC×2
DC入力 最大240W
DC:11-28V/10A(最大120W)
USB-C×2:60W(5V/3A, 9V/3A, 15V/3A, 20V/3A)
最大125W
DC:11-28V/5.5A(最大65W)
USB-C:60W(5V/3A, 9V/3A, 15V/3A, 20V/3A)
環境温度 動作温度:0度〜40度
充電温度:0度〜40度
動作温度:0度〜40度
充電温度:0度〜40度
サイズ
(幅×奥行き×高さ)
約300mm×185mm×204mm 約255mm×148mm×139mm
重さ 約8.3kg 約4.6kg
公式税込価格 74,800円 39,800円

Anker PowerHouse II 400を実機レビュー!8台同時に充給電できるポータブル電源 – Rentio PRESS[レンティオプレス]

「Anker PowerHouse II 800」の実機レビュー

Anker PowerHouse II 800の実機レビュー

実際に「Anker PowerHouse II 800」を使ってみたので、まずは外観や使用感からレビューしたいと思います。

記事後半では出力テストも行っておりますので参考にしてください。

外観レビュー

「Anker PowerHouse II 800」は「Anker PowerHouse II 400」のスタイリッシュな外観デザインをそのまま踏襲しており、増えた分の充給電ポートも全て正面にまとまっております。ポータブル電源の中には前面と後面でポートを分ける機種もありますので、それらと比べると使い勝手が良いデザインです。

側面のスリット部分はファン通気口で、AC出力時の温度上昇を抑えまための空冷機構となりますが、動作音が大きくないのは「Anker PowerHouse II 800」の特長と言えるかもしれません。(動作音の検証結果はこちら)
なお、使用時は各面から5cm以上スペースを空けるように使い、通気口を塞がないようにしましょう。

少し残念だったのが上面にある取っ手が固定式であることです。例えばJackeryのポータブル電源 700のハンドルは折りたたみ式で設置時はフラットな台としても活用できるだけに、上面スペースを活用できないのは「Anker PowerHouse II 800」のデメリットと言えるかもしれません。

底面には四隅にゴムパッドがあり、安定しておけるようになっています。

2種類のライト機能

「Anker PowerHouse II 800」にもAnker PowerHouse II 400に搭載されていたライト機能が搭載されております。

後面には3段階で明るさ調整できるアンビエントライト、一方の側面にあるフラッシュライトは2段階の明るさ調整と点滅するSOSモードが使えます。

アンビエントライトはLEDランプの代わりになりますし、フラッシュライトはちょっと先まで照射できるので懐中電灯代わりとしても利用できます。

大きな液晶ディスプレイ

Anker PowerHouse II 800の液晶ディスプレイ

「Anker PowerHouse II 800」には大きな液晶ディスプレイが搭載されており、入力値/フル充電までの推定必要時間・出力値/バッテリー切れまでの推定残り時間・バッテリー残量などを表示してくれます。

残バッテリーを考えながら調整したり、定格出力を超えないように家電製品を付け替えたりできます。

明るいディスプレイで夜間でも状態を知れるので便利です。

周波数の変更可能
「Anker PowerHouse II 800」は50Hz/60Hzどちらにも対応しておりますので、一番左のシガーソケットボタンと中央のUSB出力ボタンを同時に押すと、周波数の切り替えを行うことができます。

同梱するセット内容

Anker PowerHouse II 800に同梱するセット内容

「Anker PowerHouse II 800」に同梱するセット内容は以下のとおりです。

これまでのAnker製ポータブル電源には付属していなかった車載用シガーソケットが同梱されるようになりました。

セット内容
  • Anker PowerHouse II 800本体
  • ACアダプター
  • 電源コード
  • 車載用シガーソケット
  • USB-C to USB-Aケーブル
  • USB-A to USB-Aケーブル
  • 取扱説明書

パススルー充電に対応

Anker PowerHouse II 800のパススルー充電

「Anker PowerHouse II 800」はパススルー充電にも対応しています。ポータブル電源本体を充電しながら接続機器へ充給電もできるので一見便利そうではありますが、バッテリーを劣化させてしまう原因にもなります。

必要性がない限りは極力利用を控えるようにしてください。

「Anker PowerHouse II 800」の出力をチェックしてみた

Anker PowerHouse II 800の出力テスト

残バッテリーの少ないスマホとノートPCで「Anker PowerHouse II 800」の出力状態を検証しつつ、500Wを超える家電製品を使った際にどのような挙動をするのか調べてみました。

家電は消費電力が600W前後の製品が多いコーヒーメーカーを用いています。

500W以下であればブレンダーや電気ドリル、電気毛布などは問題なく使えますので安心してください。

※出力結果は機器の充電状況や動作環境によって変動するため、記載の結果はあくまでも弊社で行った時の確認結果となりますことを予めご了承ください。

USB-Aの出力を検証

各ポート最大12W出力(5V/2.4A)のUSB-Aポートに残バッテリー15%以下の「iPhone 11 Pro」と「OPPO Reno3 A」(QC 2.0対応)を繋いで出力数を比較してみました。

「Anker PowerHouse II 800」のUSB-Aに搭載されている「Power IQ」はApple 2.4Aの急速充電規格と互換性がありますが、Quick Chargeとの互換性がないことから、「OPPO Reno3 A」のほうが本来よりもパフォーマンスが落ちる結果になりました。

接続端末 出力数
iPhone 11 Pro 約8.9W(5.00V/1.78A前後)
OPPO Reno3 A 約9.4W(5.04V/1.12A前後)

USB-Cの出力を検証

USB-Cポートは最大60W出力ということで、残バッテリー30%以下の「MacBook Pro(13インチ, 2017)」を繋いでみたところ約56.7W(19.3V/2.94A前後)の出力を確認しました。同じバッテリー残量の「MacBook Pro」を自宅のコンセントに繋いだ時とほぼ同程度の出力を得られたことが分かります。

USB-Aとの出力を比較するためにPD対応のUSB-C to Lightningケーブルを使って「iPhone 11 Pro」でも検証しましたが、USB-Aと比べて約2倍の出力も確認できています。

接続端末 出力数
iPhone 11 Pro 約16W(8.80V/1.82A前後)
MacBook Pro 約56.7W(19.3V/2.94A前後)

500W超の家電製品を使った際の挙動

試しに消費電力600W(AC100V 50-60Hz)のコーヒーメーカーを使ってみると、790Wの出力を一瞬表示した後、自動的にオフになりました。

定格出力はメーカーによってバッファが設けられている場合があるのですが、「Anker PowerHouse II 800」の定格出力はかなり厳格に制限されているようです。

ちなみに、同じく定格出力500WのJackeryのポータブル電源 700だと、今回検証に使ったコーヒーメーカーでも問題なく使えることが分かっています。

動作音はなく静音設計

Anker PowerHouse II 800の動作音

「Anker PowerHouse II 800」はファンの稼働音がなく静音設計であることが分かりました。

400W近く出力を出しても本体からモーター音が聞こえてくることがなく、騒音計で調べても自宅の生活音と変わりませんでした。

使用中も静かなので、車中泊の夜間利用に向いていると思います。

大容量なのに手軽で使いやすいポータブル電源

Anker PowerHouse II 800の実機レビュー

「Anker PowerHouse II 800」は大容量のバッテリーを搭載しつつも、充電時間の短さやポート数の多さから手軽さがウリのポータブル電源のように思います。

特にUSBポートが充実しているため、一度にたくさんのモバイル端末やバッテリー充電ができるため、大人数でのバーベキュー、アウトドアでの写真撮影や動画撮影にもぴったりです。

Jackeryのポータブル電源700よりバッテリー容量が多いにも関わらずWhあたりのコスパが高く、おすすめのポータブル電源です。

「Anker PowerHouse II 800」に適したAnker純正のソーラーパネルがあれば用途の幅がさらに広がりますので、高出力ソーラーパネルの発売が待ち遠しいです。

ポータブル電源はレンタルできる

キャンプ、車中泊、アウトドア、イベントに短期間だけでもポータブル電源を使うならレンタルもおすすめです。

家電レンタルのRentio(レンティオ)では、3泊4日からポータブル電源やモバイルバッテリーのレンタルが可能です。

借りた製品が気に入った場合「そのまま購入」することもできますので、まずはお試しでレンタルするのもおすすめです。

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