Nikon NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S 実写レビュー【マイクロレンズ】
更新日2024/07/17
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近年、フルサイズカメラといえば「ミラーレス一眼レフ」が主流となっていますよね。
歴史あるカメラメーカーのNikonも「Zシリーズ」と呼ばれるミラーレス一眼レフカメラ及びレンズシリーズを展開しています。
正直、Zシリーズはミラーレス一眼レフ市場では後発気味だった印象で、レンズのラインナップも物足りなさがありましたが、最近ではかなり充実しています。
今回ご紹介する「NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S」は同シリーズ2本目となる「マイクロレンズ※」です。
中望遠の単焦点レンズやマイクロレンズを検討されている方の選択肢の1つになるであろう「NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S」の魅力を作例などをお見せしながらご紹介します。
なお、同シリーズのもう一本のマクロレンズについてもレビュー記事がありますので、参考にしていただければと思います。
Nikon NIKKOR Z MC 50mm F2.8 実写レビュー。さまざまなシーンで活躍する標準マイクロレンズ
※ニコンは定義の厳密性をより重要視し、各社が「マクロレンズ」と呼ぶ縮小光学系で等倍撮影ができるレンズを「マイクロレンズ」と呼んでいるため、ここでも「マイクロレンズ」と表記させていただきます。
もくじ
Zシリーズ待望の中望遠マイクロレンズ
各社の主力がミラーレス一眼レフに移行する中で、Nikonも「Zシリーズ」が主力になっていると言えます。
そのため、従来の一眼レフ「Fマウント」で定番となっていたレンズの多くが、Zマウント用レンズとして新たに展開されています。
今回ご紹介する「NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S」もその一つで、Fマウントでも定評のあったマクロレンズ「AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G」をZマウント用に開発したものかと思われます。
長年に渡って培われてきたNikonの確かな技術と最新技術の開発により、より高性能でかつ携帯性も改良された1本となっています。
外観レビュー
ここからは、「NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S」を実機写真や作例などもお見せしながらご説明いたします。
まずは、外観面について、携帯性や操作性なども一緒にご紹介します。
軽量化され携帯性がアップ
「NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S」を実際に手に取ってみた印象は「高級感のあるデザイン」そして「見た目ほど重くない」です。
中望遠レンズですので、ある程度の大きさは仕方のないところかと思いますが、それでもかなり軽量化が図られているのを感じます。
実際、Fマウントの「AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G」と比較しても重さが約120g軽くなっています。
それに加えて、従来の一眼レフよりもミラーレス一眼の方がボディも軽くなっているのが一般的ですので、全体的にはかなり軽くなっているのを感じることができると思います。
今回、Z5に装着して撮影しましたが、重たい印象はありませんでした。
撮影者に寄り添った設計
「NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S」は、多くのレンズにも搭載されている「フォーカスリング」、「フォーカスモード切り替えスイッチ」に加え、「レンズ情報パネル」、「コントロールリング」、「L-fnボタン」、「フォーカス制限切り替えスイッチ」などが搭載されています。
レンズ情報パネルでは、焦点距離や被写界深度などを確認でき、フォーカス制限切り替えスイッチはマクロ撮影時にピント合わせの範囲を制限できる設計になっています。
また、コントロールリングやL-fnボタンには好きな機能を割り当てることも可能です。
このように、レンズ本体で情報確認や様々な操作ができるのは、シャッターチャンスを逃すことのないスムーズな撮影につながります。
性能レビュー
ここからは実際にZ5につけてNIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR Sで撮影した作例をお見せしながら性能について紹介したいと思います。
なお、Nikonは、撮影距離が短くなって(より被写体に近づいて)撮影倍率が上がると、実質的な絞り値が大きくなる(より暗くなる)マイクロレンズの特性を重視しているため、撮影時のF値を実質的な明るさを示す「有効F値」として表示します。
そのため、今回紹介する作例のF値も「有効F値」で示しています。
マイクロレンズならではの接写撮影
そもそも、「マイクロレンズ」とは、被写体をほぼ実物大でカメラセンサーに写し込むことができ、被写体を大きく見せることができるレンズです。
(これは最大撮影倍率が1.00倍となっていることからもわかります)
そのため、被写体を実物大で写し出すために、かなり「寄って」撮影できるのもその特徴の一つです。
「NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S」の最短撮影距離も「撮像面から0.29m」であり、被写体にかなり近づいて撮影することが可能です。
花を撮影したものですが、花びら一枚一枚を大きく捉えることができ、肉眼では得られないようなマイクロレンズならではの世界観です。
また、色収差がかなり抑制されているため、被写体をこれだけ大きく捉えてもピント面前後の色にじみや縁の色づきなどはほとんど見受けられません。
ピント面はしっかりシャープに描写され、美しいボケ味です。
こちらはイクラのお寿司を撮影したものです。
ぐっと近づいて撮影することで、イクラ一粒一粒の質感までしっかりとそして繊細に描写することができます。
そしてマイクロレンズでおすすめの撮影方法の一つが赤ちゃんのパーツ撮影です。
赤ちゃんの繊細なまつ毛や口元や手など小さいパーツをマイクロレンズで撮影することで、とても尊い印象に。
一瞬で成長してしまうお子さんの写真を普段とは違った視点で残して欲しいなと思います。
身近なものも、細部まで美しく写し出すことができるはマイクロレンズの魅力のひとつで、ついついいろんなものを接写したくなります。
105mmという焦点距離
「NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S」はマクロ撮影だけでなく、当然ながら中望遠の単焦点レンズとしてさまざまなシーンで活躍します。
中望遠域の単焦点レンズといえば、圧縮効果のある描写や、歪みが少ないことなどが特徴として挙げられます。
桜と苺園での写真ですが、圧縮効果で桜や苺畑ががとても密集しているような描写で印象深い写真になります。
圧縮効果に加えて歪みも少ないので、桜に囲まれているような人物撮影には最適です。
AFもとても優秀なので、どうしても被写体がじっとしていられない家族写真などの撮影でも快適に撮影することができます。
子供の撮影にもおすすめで、中望遠で撮影することで、ぐっと子供達が際立ち、また、ある程度絞っていてもボケの効いた写真になります。
テーブルから少し離れて撮影す必要はありますが、歪みが少なく、細部まで描写されるので、普段の食事も印象深くなります。
このようにマクロ撮影以外のシーンでも活躍の場が多いレンズかと思います。
流石の描写力と高解像度
NikonのZマウントレンズは「S-Line」とそうでないものがあります。
「S-Line」はより高い基準を満たすシリーズとして展開されているもので、「NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S」はこのクラスに属するレンズであり、Nikonの最新技術が詰め込まれたレンズです。
そのため、描写力や解像度が高く、逆光耐性も強い設計になっています。
この写真を拡大したものがこちらです。
苺の質感までしっかり描写されていて、拡大することで解像度の高さもより感じることができます。
暗所でもチョコの包みの質感を繊細に見て取れます。
「NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S」はNikon独自の反射防止コーティング技術である「ナノクリスタルコート」と「アルネオコート」の両方が採用されており、あらゆる入射光に起因するゴースト、フレアを効果的に低減しています。
こちらは拡大したものですが、色にじみなどもなく、流石「S-Line」のレンズといった感じです。
NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR Sのフォトギャラリー
さまざまなシーンで撮影しましたので、作例を紹介いたします。
製品仕様
項目 | スペック詳細 |
---|---|
レンズ名 | NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR S |
焦点距離 | 105mm |
明るさ | F2.8 |
レンズ構成 | 11群16枚 |
絞り羽根 | 9枚 |
最短撮影距離 | 撮像面から0.29m |
最大撮影倍率 | 1倍 |
最小絞り | 撮影距離が∞のとき:f/32 撮影距離が0.29mのとき:f/51 |
フィルター径 | 62mm |
寸法 | 約85mm×140mm |
質量 | 約630g |
流石の描写力が光る中望遠マイクロレンズ
NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR Sは、マクロ撮影撮影はもちろん、ポートレートなどの人物撮影にも最適なレンズです。
「S-line」のレンズなだけあって、Nikonの技術力が集結されている高性能なレンズであり、液晶画面でレンズ情報を確認できたり、さまざまな操作をカスタマイズできるようになっていたりと、操作性も向上しています。
加えて軽量化も図られているので、Fマウント「AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G」と比較してもかなりアップグレードしている印象です。
Zマウントで中望遠域の単焦点レンズを求めている方には有力な選択肢のひとつになるかと思います。
NIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR Sはレンタルできる
今回ご紹介してきたNIKKOR Z MC 105mm f/2.8 VR Sをはじめ、気になるカメラ機材はレンタルでお試しすることもできます。
気になるけど購入を迷われているシーンにおいては、一度短期間でもお試しすることがおすすめで、カメラのレンタルサービスを有効活用することができます。
Rentio(レンティオ)では、気になるカメラボディやレンズを最短3泊4日から気軽でお得にレンタルすることができ、お試しするには最適なサービスを提供しています。
決して安くない買い物ですので、Rentioで気になるカメラ機材をレンタルして、失敗しないカメラ機材選びに役立ててみてはいかがでしょうか。
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