「HHKB Studio」使用レビュー!さらなる進化を遂げた高性能キーボードは作業 効率爆上げなオールインワンメカニカルキーボード
更新日2024/05/07
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PFUから販売されている高品質で人気のコンパクトキーボード「HHKB」(ハッピーハッキングキーボード)シリーズ。
コンパクトで合理的なキー配列、滑らかで快適な打鍵感はシステムエンジニアやライターなどを中心に多くのファンを抱え、レンティオでも人気のキーボードのひとつとなっています。
そんな「HHKB」シリーズから2023年10月に登場したのが、今回ご紹介する「HHKB Studio」です。
高性能なキーボードの特徴はそのままに、作業効率を向上させるためのポインティングスティックやジェスチャーパッドを搭載したのが大きな特徴。
カスタマイズ性にも優れ、万人の理想をかなえてくれる特別なキーボードとなっています。
今回は発売直後から大人気で売り切れ続出となった「HHKB Studio(日本語配列)」を実機を用いてレビュー。
細かい操作感から他のシリーズとの比較まで詳しく紹介します。
レビュー動画もチェック!
もくじ
HHKB Studioのポイント・魅力
「HHKB Studio」はHHKBの伝統である合理的なキー配列・コンパクトなサイズ感をそのまま継承。
高性能なキーボードとしての機能はそのままに、マウスキー・ポインティングスティック・ジェスチャーパッドなど、作業効率化に必要な入力デバイスを搭載。
キースイッチにはHHKBオリジナルであるリニアタイプの静音メカニカルスイッチを採用。滑らかな打鍵感と静音性を実現しています。
また、キーマップは専用ソフトを用いたカスタマイズに完全対応。さらに、キートップの交換にも対応しているため、自分の理想とするキーボードを実現することができます。
「HHKB Professional」シリーズとの比較・変更点
HHKBの現行製品には「HHKB Professional」シリーズがあり、その中でも
- HHKB Professional HYBRID Type-S
- HHKB Professional HYBRID
- HHKB Professional Classic
の3種類がラインナップされています。
さらにモデルごとにそれぞれ日本語/英語配列やカラー・刻印の有無など様々なバリエーションがあります。
今回ご紹介する「HHKB Studio」と「HHKB Professional」シリーズはどちらかが上位機種や後継機という位置づけではなく、それぞれ異なるコンセプトをもった別々のラインナップということになります。
HHKB Professional HYBRID Type-Sについての詳しいレビューはこちら!
HHKB Professional HYBRID Type-Sを実機レビュー!MacBookの外付けキーボードとして使ってみた感想 – Rentio PRESS[レンティオプレス]
「静電容量無接点方式」から「メカニカルスイッチ」へ変更
今回の「HHKB Studio」で大きく変わったのはキースイッチ。これまでHHKBといえば「静電容量無接点方式」が特長のひとつでした。
「静電容量無接点方式」はキーボードにおける最上級のスイッチング方式で、耐久性が高く打鍵感も非常に滑らかであるため、高品質なキーボードにふさわしい方式とされています。
一方、今回の「HHKB Studio」で採用されたのは「メカニカルスイッチ」。
「メカニカルスイッチ」は最近のゲーミングキーボードなどでよく採用されている方式で、反応速度が速くカスタマイズ性も高いというメリットがあるものの、耐久性や打鍵感の面では「静電容量無接点方式」に及ばないとされてきました。
しかし「HHKB Studio」で採用されているメカニカルスイッチはHHKBオリジナルの高品質なもの。静音性と滑らかな打鍵感を実現した、最高級のメカニカルスイッチとなっています。
「HHKB Studio」は新しいキースイッチを採用しつつ、これまでのファンも納得させる品質を維持しているのが大きな特徴です。
「HHKB Studio」のスペック
接続方式 | Bluetooth(接続台数:最大4台)、USB Type-C |
対応OS | Windows 10(64bit)以降、macOS 11以降、Android 9以降、iOS 13.7以降、iPadOS 13.0以降 |
キースイッチ | メカニカルスイッチ(押下圧45g) |
キーストローク | 3.6mm |
キー数 | 72(メインキー:69、マウスキー:3) |
電源 | 単3形乾電池×4本(無線接続時)、USBコネクターからの給電 |
動作時間 | アルカリ乾電池使用時の目安:約3カ月 |
サイズ | 308mm×132mm×41mm |
重量 | 830g (電池含まず) |
HHKB Studio実機レビュー
それでは早速実機を見ていきましょう!
どこをとっても高級感のある仕上がり
本機を手にしてまず感じるのは、キーボードとしての完成度の高さと高級感です。
画像手前の「HHKB Professional HYBRID Type-S」と比較すると、「HHKB Studio」の方が電源部分のはみだしがない分、上部のシルエットがすっきりしていて、全体的なフォルムもまとまりを感じます。
HHKBのロゴも必要以上に主張することなく、質感も光沢を抑えたマットな仕上げでどこからみても高級感があります。
HHKBのキーボードは「シリンドリカル・ステップ・スカルプチャー・キーボード」とよばれる構造で
- キーの列ごとに角度が違っていて自然なU字を描いている
- 奥の方のキーが高くなっていて自然な傾斜がついている
- キーの中央にくぼみがあり、手になじむ形状をしている
などの特徴があり、人間工学に基づいた、タイピングしやすい設計となっています。
さらに、底面に傾斜を2段階で調整できるスタンドもあるため、自分好みの打ちやすい角度に調整することが可能です。
作業効率を向上させるポインティングスティック・マウスキーとジェスチャーパッド
そして本機の最注目ポイントがマウスとジェスチャーパッドを統合した機能を搭載していること。
キーボードの下部にはマウスのようなクリックできるキー(マウスキー)があり、マウスと同様に右クリック、左クリックができるほか、真ん中のキーにはF2キーの機能が割り当てられています。
キーボードの中心にはノートパソコンで採用されているようなポインティングスティック(トラックポイント)が配置されています。
Leonovo社の「ThinkPad」に採用されている赤いトラックポイント(通称赤ポチ)と似たような操作感で、「ThinkPad」ユーザーには刺さりそうだと感じました。
なお、ポインティングスティックの移動速度は段階別に細かく調整可能です。
サイド部分はジェスチャーパッドになっていて左右・縦横で合計4つのアクションが可能です。
右のジェスチャーパッドを縦方向にスライドすると画面のスクロール、横方向にスクロールするとウィンドウの切り替えができます。
対して左のジェスチャーパッドは矢印キーの役割が割り振られていて、縦方向のスライドが上下の矢印キー、横方向のスライドが左右の矢印キーの動きとなっています。
筆者も実際に使ってみるまでイメージがつかなかったのですが、キーボードから手を離さずにあらゆる操作が完結するというのがここまで快適だとは思いませんでした。
キーボードとしての形を損なうことなく、様々な機能を持たせた設計は非常に見事で、オールインワンキーボードの名にふさわしい仕上がりです。
メカニカルスイッチに変わっても打鍵感は最高品質をキープ
気になる打鍵感ですが、スイッチが変わった影響を感じさせないほど滑らかで最高クラスの品質をキープしていると感じました。
「HHKB Professional HYBRID Type-S」と比べるとストローク(タイピングした時の深さ)はやや浅めと感じましたが、押し心地の良さではほぼ遜色がありません。
静音性にも優れ、かなり強めに打鍵しても衝撃を吸収してくれるようなクッション性を感じることができました。
好みの差はあると思いますが、従来までのHHKBファンも納得の仕上がりになっているのではないでしょうか。
徹底的にこだわったカスタマイズ性
カスタマイズ性にこだわったのも本機の特徴で、ユーザーのあらゆる要望に応える仕様になっています。
キーの配置は本機専用の「キーマップ変更ツール」であらゆるカスタマイズが可能。独特のキー配列がなじまないという方も簡単にキーの割り振りを変更できます。
ジェスチャーパッドの動作変更も「キーマップ変更ツール」で可能ですし、マウスキーにショートカットを割り振ることもできるので、よく使うショートカットを設定しておけばさらに作業効率をアップさせることも可能です。
さらに本体裏のDIPスイッチでマウスキー・ジェスチャーパッドの操作無効化やBS/Deleteキーの切り替えもできるなど、ユーザーの要望を徹底的にかなえるこだわりが随所に見られます。
ホットスワップ対応で交換可能なキートップ(キーキャップ)
さらに、キートップを互換性のある市販品と入れ替えることも可能。
最近のゲーミングキーボードのように、好きなデザインのキートップと入れ替えて、自分だけのカスタマイズができるようになりました。
「キーマップ変更ツール」でキー配列を入れ替えて、それに合わせてキートップを入れ替えるのも便利そうです。
現在、公式サイトでキートップの3Dデータが配布されているため、交換可能なキートップが今後増えていくことも期待できます。
接続は無線/有線をサポート
本機は複数機器(最大4台まで)のBluetooth接続に対応。ワンタッチで機器を切り替えることも可能です。
もちろんUSB Type-Cケーブルでの有線接続にも対応していて、その場合はPC本体からの給電のみで利用できます。
使用感としては、Bluetooth接続でも反応は全く問題なく、フラストレーションを感じることはまずありません。
なお、Bluetooth接続で使用中に本機をPCに有線接続しても自動的に有線接続には切り替わらないのでそこは注意が必要です。
ケーブルを挿したうえで、「Fnキー+Controlキー+0キー」を押下して有線接続モードに切り替える必要があります。
「HHKB Studio」を実際に使ってみてわかった魅力
ここからは本機を実際に1週間ほど使ってわかった魅力、ポイントをご紹介します。
とにかく快適!タイピングが楽しくなる
本機を使ってみて感じたのは、やはり滑らかな打鍵感が一番の魅力ということ。
シンプルにタイピングが楽しくなりますし、長時間タイピングしても全く疲れを感じません。
ストロークの浅いノートPCのキーボードと打ち比べてみるとその差は歴然。
抜群の安定感があり、長時間のタイピングをしっかりとサポートしてくれます。
ノートPCの上に置いてトラックパッド代わりにしても快適
意外だったのが、ノートPCのキーボード、トラックパッドの代用としてもかなり快適に使えること。
画像の通り、ノートPCのキーボード部分に置いても全く違和感なく使えるどころか、ポインティングスティックがある分、通常のノートPC操作よりはるかに快適だと感じました。
あらゆるカスタマイズに対応しているから作業効率を爆上げ可能
キー配列変更やジェスチャーパッド・ポインティングスティックなど、工夫次第で効率化につながる要素が多数ある本機。
先述のキーマップ変更ツールでのカスタマイズのほか、本体裏のDIPスイッチによる切り替えや、ポインティングスティックの移動速度など、カスタマイズ項目がとにかく多いのが特徴。
これらのカスタマイズをうまく駆使すれば、マウスを使わずにキーボードだけですべて作業を完結させるのも不可能ではないと感じました。
工夫して使いこなせば使いこなすほど効率化につながりそうで、いろいろ考えてカスタマイズするのが好き!という方には特におすすめです。
「HHKB Studio」の気になった点・デメリット
高性能な本機ですが、初めて使う方は知っておいた方が良いポイントもあります。
スリープから復帰するまでに時間がかかる
実際に使ってみて一番残念に感じたのが、スリープからの復帰時間が長いこと。
本機を無線接続している場合、キー操作が30分以上ないと自動的に省電力モードに移行します。それ自体は便利な機能なのですが、スリープからの復帰が期待よりもツーテンポほど遅く、ややフラストレーションを感じてしまいます。
時間にしてわずか数秒ではあるのですが、PC操作の効率アップを考えたとき、この数秒は決して小さくないと感じました。
独特のキー配列とジェスチャーに慣れるまでは時間が必要
HHKBシリーズ独特のキー配列は合理性を突き詰め、考え抜かれたものではありますが、慣れないうちはやはり難しいと感じます。
特に、
- Controlキーが通常より上の位置にある
- 半角全角キーがないので代わりにHHのロゴキーを使う
- Deleteキーがないので代わりにFn+BSキーを使う
といったあたりは初めて使う方は戸惑うのではないでしょうか。
もちろんこれらはカスタマイズで変更できるのですが、自分に合ったカスタマイズを考えるのもそれはそれで難しく、そこで脱落してしまう人もいるかもしれません。
そのあたりは公式サイトでも説明されているので使用前に一度確認をおすすめします。
また、ポインティングスティックやジェスチャーパッドも購入してみたら意外と使わなかった…ということもありそうで、購入前にしっかりとシミュレーションしておいた方がよさそうです。
値段に見合うポテンシャルあり!使いこなせば手放せない1台になりそう
慣れるまでに時間は必要ですが、全体的に考え抜かれたつくりで完成度が高い、まさに最高峰のキーボードだと思います。
記事執筆時点の参考市場価格は44,000円と高価ですが、1台で何役もこなしてくれることを考えると、決して高すぎるとは感じませんでした。
これさえあればマウスもトラックボールもいらなくなるほどのポテンシャルがあり、特にプログラマーの方や文章を書く機会が多い方には必需品となるのではないでしょうか?
一度手にしたら手放せなくなりそうなキーボード。ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
「HHKB Studio」はレンティオでレンタルできる
独特の操作感を持つ「HHKB Studio」はレンタルでのお試しが最もおすすめ。
独特なキー配列やポインティングスティック・ジェスチャーパッドの操作感、自分にあったカスタマイズなど、事前にしっかりシミュレーションしておけば安心です。
カメラ・家電レンタルサービスの「レンティオ(Rentio)」では、「HHKB Studio」をはじめとする「HHKB」シリーズのキーボードや様々なキーボードのレンタルも提供しています。
レンタル期間中に気に入った製品があれば、そのまま購入もできますので、いくつか試してみてから購入を決めてはいかがでしょうか。
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