USB PDとはどんな規格?見分け方や「Quick Charge」との違い、対応ケーブル、モバイルバッテリーの選び方も解説
公開日2024/12/30
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充電器やモバイルバッテリーを選ぶ際に、「USB PD」という規格を目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。
充電の規格のことだとはなんとなくわかっていても、正確に説明できる方は少ないかもしれません。
この記事では「USB PD」規格の特徴やメリット、見分け方からおすすめの対応製品まで詳しく解説します。
もくじ
「USB PD」とは?
「USB PD」とは「USB Power Delivery」の略。
USB Type-C(USB-C)ポートを用いて最大240Wまでの受給電を可能にする、急速充電のための規格のことです。
USB PDは標準化団体USB-IFが策定した共通規格であり、デバイス間の互換性が高いことが特徴。
対応する最大電力が高いため、スマートフォンだけでなく、消費電力の大きいノートPCやディスプレイにも使用することができます。
iPhoneにUSB Type-C端子が採用されたこともあり、最近発売された多くの電子機器はUSB Type-Cに対応しています。
それに伴い急速充電規格もUSB PDに統一されつつあるので、これから充電器やモバイルバッテリーを購入するなら、USB PD規格に対応したものがおすすめです。
「USB PD」と「Quick Charge」「PowerIQ」はどう違う?
先述の通り、USB PDは急速充電規格のひとつ。
そもそも急速充電規格とは、充電を高速化し安全な負荷範囲でデバイスの充電時間を短縮する規格のことで、USB PD以外にも各メーカー独自の規格が存在しています。
中でも有名なのが、Qualcomm社が開発した急速充電規格「Quick Charge」(QC)です。
Quick ChargeはQualcomm社の独自規格ですが、「Quick Charge 4」以降はUSB PDとの互換性があります。そのため、Quick Charge 4以降に対応している端末であれば、PD対応充電器でも高速充電が可能です。
同様に、Anker社が開発した独自規格として「PowerIQ」がありますが、こちらもPowerIQ 3.0以降はUSB PDとの互換性があります。
このように、USB PDは様々なメーカー規格との互換性が高いため、安心して利用できるのがポイントです。
「USB PD PPS」(PPS)とは
USB PDの拡張機能として誕生した最新規格が「USB PD PPS」(PPS)です。
「PPS」とは、「Programmable Power Supply」の略で、PDよりもさらに効率よく高速な充電を実現する最新技術です。
接続した端末に合った電力を小刻みに調整しながら供給することで、高効率かつ低発熱な急速充電が可能になります。
PPSを利用することでデバイスの発熱が低減されるため、バッテリーの寿命が延びるとされています。
USB PD対応機器の中でもより高性能なものがほしい場合は、PPS規格に対応したものを選ぶとよいでしょう。
USB PDの特長とメリット
USB PD規格を利用することでどんなメリットがあるのか、確認しておきましょう。
ハイパワーで充電速度が速い
まず、なんといってもハイパワーで高速な充電ができることが最大のメリット。スマートフォンだけでなく、消費電力の大きいPCも素早く充電してくれます。
ゲーミングノートPCなどでは100Wの給電が必要な端末もありますが、USB PD規格であれば対応可能です。(なお、実際は使用する充電器やケーブルのスペックにも左右されるのでご注意ください)
互換性が高く、充電器やケーブルをコンパクトにまとめられる
先述の通り、最近発売された多くの電子機器はUSB Type-Cに対応していて、急速充電規格もUSB PDに統一されつつあります。
USB PD対応の充電器自体もハイパワーでコンパクトなものが多いため、USB PDに対応した高性能な充電器とケーブルを一つ持っていれば様々な機器を急速充電可能です。
荷物がコンパクトになるため、外出時や旅行の際も便利です。
機器を接続するだけで自動的に最適な充電が可能
USB Type-Cには「CC(Configuration Channel)」と呼ばれる充電用の信号ラインがあり、USB PD対応機器同士を接続すると端末間で通信が行われ、最適な電力供給量が自動で選択されます。
これにより、機器を接続するだけで自動的に急速充電が可能になるのがポイント。
電力が供給過剰になることもないため、安全に使用することができます。
USB PD対応製品の選び方・見分け方と注意点
便利なUSB PD規格ですが、対応製品を選ぶ際に注意すべきポイントもあります。あらかじめ確認しておきましょう。
USB PD対応製品共通のわかりやすい目印はない
USB PD対応製品の見分け方ですが、残念ながら共通のわかりやすい目印はないのが実情です。
製品によってはUSB PDに対応したポート(端子)にUSB PDと記載があったり、電池やコンセントのマークでUSB PD対応を示している場合もありますが、メーカーごとに対応は異なります。
商品説明やパッケージに「USB PD対応」と記載があるかどうかを確認するのが最も確実でしょう。
特に注意すべきはケーブルで、見た目で判断することは難しいため、商品説明を事前にしっかりと確認したうえで購入することをおすすめします。
充電器と端末、ケーブルそれぞれの規格と対応W数を確認する必要がある
USB PD規格での充電を行うためには、充電器(ACアダプタまたはモバイルバッテリー)、ケーブル、充電するデバイスの端子のすべてが、USB PDに対応している必要があります。
さらに、USB PD規格に対応していても、製品ごとの最大出力と対応W(ワット)数は個別に確認する必要があります。
充電器とケーブル、充電する端末それぞれで対応W数が異なる場合は、最も低いW数に合わせて充電されることになります。
例えばスマートフォンに充電する場合、多くのスマートフォンは20Wまでの給電にしか対応していないため、充電器とケーブルが100Wに対応していても20Wの出力で給電されることになります。
一方、最近の一般的なノートパソコンは65Wの給電に対応しているものが多く、充電器とケーブルが100W対応の製品であれば65Wの出力で給電されます。
以上のことから、対応W数は充電する機器の仕様にあわせて選ぶとよいでしょう。以下は簡単な目安です。
- スマートフォン・・・約18W~20W
- タブレット・・・約18W~30W
- ノートパソコン・・・約45W~65W
- ハイスペックノートパソコン・・・65W~100W
スマートフォンのみに充電する場合は20W以上の出力に対応した充電器とケーブルがあれば十分快適に使えるでしょう。
一方、ノートパソコンの充電にも使用したい場合は、65W~100W以上の出力に対応したものが幅広く使えて便利です。
おすすめのUSB PD対応充電器とケーブル・モバイルバッテリー
ここまでの説明を踏まえて、USB PD対応のおすすめのケーブルと充電器・モバイルバッテリーをご紹介します。
【ケーブル】Anker PowerLine III Flow(100W対応)
「Anker PowerLine III Flow」は100W以上の出力に対応したUSB-Cケーブル。
柔軟性にすぐれ、カラーバリエーションも豊富な定番のケーブルです。
映像出力には対応していませんが、充電用にはぴったりです。
【ケーブル】UGREEN USB Type Cケーブル PD対応(100W対応)
安価な充電用ケーブルを探しているならUGREENのUSB Type Cケーブルもおすすめ。
高品質なアルミニウム合金シェルとナイロン編組により、コンパクト性と高耐久性を兼ね備えています。
【充電器】Anker Nano II 65W USB PD充電器(65W対応)
コンパクトで高出力な充電器なら「Anker Nano II 65W」がおすすめ。
65Wまでの出力に対応しているので、スマートフォンはもちろん、多くのノートPCの充電にも対応可能です。
大きさも比較的コンパクトで、筆者も個人的に愛用しているモデルです。
【充電器】エレコム EC-YAC04WH(100W対応)
エレコムの「EC-YAC04WH」はコスパの高い100W対応充電器です。
本体サイズはやや大きいですがシンプルで、ハイスペックなノートPCの充電などに最適です。
【モバイルバッテリー】Anker Prime Power Bank(20000mAh, 200W)(100W対応)
100Wでの出力に対応したハイスペックなモバイルバッテリーをお探しなら「Anker Prime Power Bank」シリーズがおすすめです。
こちらのモデルはハイパワーで高速な充電が特徴で、2つのUSB-Cポートからそれぞれ最大100W出力が可能です。
電源のない場所でPC作業をすることが多い方や、撮影などで多くのカメラに素早く充電したい方など、ビジネスシーンでの利用にも最適です。
MacBook Airを1回分充電できるほどの大容量を備えたおすすめのモバイルバッテリーです。
USB PD対応のモバイルバッテリーはレンタルできる
旅行や出張、キャンプなど、短期間だけモバイルバッテリーを使いたい方にはレンタルもおすすめです。
家電レンタルのRentio[レンティオ]では、USB PD対応のモバイルバッテリーもレンタル可能です。
カメラなど旅行に役立つアイテムと一緒に借りられるので、一時的に普段より容量の大きいモバイルバッテリーが必要になった場合にも、ぜひ試してみてください。
[レンタル] モバイルバッテリー 一覧|旅行や出張のスポット利用からサブスク型の月額制利用 – Rentio[レンティオ]
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