初心者でもすぐ分かる「ポートレート写真」の撮り方。カメラ、レンズの選び方、すぐ使える設定、構図まで徹底解説
写真テクニックカテゴリの人気記事
数ある撮影ジャンルの中でも人物を撮影する機会は多いのではないでしょうか。
せっかくカメラを持っているのだから家族や友人、恋人を綺麗に撮りたいということはもちろん、「自分を綺麗に撮ってほしい」と頼まれることもあるかと思います。
良い人物撮影(ポートレート)を行うためにはどのようなカメラ機材が良くて、どのような構図でどのように表現すべきか、今回の記事でご紹介していきます。
もくじ
人物を撮影する「ポートレート」
ポートレートとは、人物を被写体とする写真ジャンルにあたります。
数ある写真ジャンルの中でも人気があり、モデルやコスプレイヤーの撮影、身近な家族、恋人、友人を撮影することも全てポートレートに該当します。
スナップに近い感覚で、日常に寄り添う身近な撮影対象ですが、綺麗に撮影するためにカメラ、レンズ選びや撮影テクニックを学んでおくことが大切です。
ポートレート撮影におすすめのカメラ機材
ポートレート撮影において、一体どんなカメラ機材を選ぶべきかを先にご紹介していきます。
極端な話、スマートフォンでもそれなりの写真は撮影できてしまいますが、一眼カメラを使うことで大きく質を向上させた写真を撮影できるため、機材選びから非常に重要なプロセスになります。
カメラボディ
瞳AF搭載など被写体認識のあるカメラ
カメラボディを選ぶ上で大切なポイントになるのが、ピント合わせの速度や精度を左右するAF(オートフォーカス)性能になります。
数あるカメラの中でもAIなどの機能を活用して人物を被写体として認識できるカメラがおすすめで、その中でも人の瞳をしっかり検知してピントを合わせる「瞳AF」機能が搭載されているカメラがおすすめです。
例えばこんなカメラ
レンズ
標準~中望遠のレンズ
レンズを選ぶ上では、〇〇mmと表記されている焦点距離から選ぶことがおすすめです。
ポートレートの場合、いわゆる標準域(35〜50mm)から中望遠域(85〜135mm)辺りのレンズがおすすめで、これらの焦点距離をカバーしているレンズがおすすめになります。
焦点距離を調整することのできるズームレンズは便利な存在ですが、ポートレートの場合、自身で立ち位置を調整しやすいことや、ボケ味を存分に活かすことのできる観点から単焦点レンズを選ぶことも良い選択肢になるでしょう。
「焦点距離」とは、レンズごとに決められている画角を決める数値になります。
レンズにおいては、〇〇mmと表記されており、焦点距離の数値が大きいほど望遠撮影に適しており、小さいほど広角の画角になります。
例えばこんなレンズ
アクセサリー
ストロボライト
撮影したいシーンにもよりますが、「ストロボライト」をアクセサリーとして使用することもおすすめです。
主に「逆光での屋外」や「光量の少ない環境(室内など)」、「夜景ポートレート」などのシーンで活用することができます。
ただ、ストロボライトは光の当て方が非常に重要かつ難易度が高いため、逆に不自然な仕上がりになってしまう恐れもあります。
特に室内などの撮影でストロボライトを被写体に正面から当ててしまうと、影が強く出すぎてしまうなど不自然な仕上がりになりやすいので、あえて一度天井に光を当ててから被写体に反射させる「天井バウンス」などの手法を用いるなど、色々工夫を凝らす必要がでてきます。
焦点距離別の写り方(35mm判換算)
50mm(標準)

ポートレート撮影において「50mm」の焦点距離は、様々な構図を楽しむことができる万能な存在です。
被写体周辺の情報も取り入れやすいため、スナップ風味に仕上げた作品の撮影もおすすめで、日常的に持ち歩きたい焦点距離の一つです。
また、50mmで展開されている単焦点レンズも数多く、中には非常に低価格で購入することのできるレンズもあることから、初心者にとっても始めやすい焦点距離としておすすめです。
85mm(中望遠)
ポートレート撮影において「85mm」の焦点距離は、定番中の定番といっても良いでしょう。
被写体に対して程よい距離感を保つことができ、背景には美しいボケ表現を加えることができ、被写体を主役として引き立てるのにも最適な焦点距離になります。
そのため、バストアップや顔のアップなど、しっかりとしたカメラ目線で人物撮影を行うのに最適な焦点距離となります。
135mm、150mm(望遠)

望遠レンズもポートレート撮影で活躍するレンズとなります。
焦点距離については、色々な定番が存在しますが、135mmや150mmといった焦点距離を筆者自身は使用することが多いです。
望遠レンズを使用することで、背景のボケ味はさらに強調され、幻想的な作品へと仕上がる傾向にあります。
思い切った構図での撮影も可能で、例えば被写体との距離を離して、人物だけにピントを合わせて前後をぼかしたファンタジーな作品は、望遠レンズかつ明るさが特徴のレンズでないとできない手法です。
ポートレート撮影でおすすめのカメラ設定
ポートレート撮影では、「背景のボケ味」が非常に重要な要素となります。
絞り優先モードがおすすめ
そのため、カメラ側では「絞り優先」モードで撮影することがおすすめで、絞り値はレンズにおける最も低い数値(開放F値)に指定して撮影することが基本となります。
冒頭のカメラ選びのところで、瞳AFをご紹介したのにはここで大きな違いが生まれてくるところで、少しでもピントが外れてしまったらメインである人物すらボケてしまう恐れがあるからです。
立ち止まっている場合であれば、AF-S(シングルフォーカスやワンポイントフォーカス)でも大丈夫ですが、動く可能性がある場合には、フォーカスが追従し続けるAF-C(コンティニュアスやAIサーボ)へとフォーカス設定を変更することも考えておきましょう。
また、撮影中に瞬きをする瞬間も必ず存在するため、連写機能を活用して、しっかり目が開いているカットを残すように気をつけましょう。
「絞り値」は、F値とも呼ばれ「ピントの合う範囲を決める」設定になります。
レンズにはF〇〇という形で表され、〇の中には数字が入りますが、この数字が低いほどボケ味の表現に適した明るいレンズになります。
また、明るいレンズの場合は一度に多くの光を取り込むことができるため、暗い撮影環境でもシャッタースピードを稼ぐことができる優秀な存在になります。
初心者でもすぐ分かる「絞り」の基本。ボケ表現やピント範囲を把握するために知っておきたい「F値」の存在 – Rentio PRESS [レンティオプレス]
ポートレート撮影で使えるおすすめの構図
ここからはその場ですぐ実践できる、ポートレート撮影で使えるおすすめの構図についてご紹介していきます。
日の丸構図
ポートレートで基本となるのが「日の丸構図」です。
被写体を画角の中心に置くシンプルな構図ですが、被写体となる方がカメラに目線を送る際に、被写体の良さを最大限に引き立てることのできる構図でもあります。
背景をぼかすことで、より被写体である主人公が引き立てられ、魅力あるポートレート写真として、構図の基本としてもおすすめです。
三分割構図

写真ジャンル全般で活用されることの多い構図の一つに「三分割構図」が存在します。
これは、上の作例の様に、縦横で3分割した線の交点部分に被写体を配置する構図です。
例えばポートレート撮影の中でも雰囲気重視で、人物をあえて風景の中に小さめに写したいシーンなどでは、被写体を少し中心からずらして交点まで持っていくだけで魅力ある写真へと仕上がる傾向にあります。
余白を空ける

人物を横から撮影する様なシーンで、目線もカメラに向いていないときは、大胆に余白を作る構図もおすすめです。
このように余白をあえて作ることで、空間を活用することができ、シンプルではないアーティスティックな写真へと仕上がる傾向があります。
ただ余白の使い方というのは、入念に調整する必要があり、場合によっては中途半端になってしまうため、余白部分にどんなオブジェクトを入れられるか、写真に対してどんな意味を持たせることができるか、という撮影者のアイディアを大きく反映させることのできる構図です。
余白に関しては正直セオリーというものはあまり存在しないため、色々な作例を見たり、撮影を実践することで経験値を付けていくことがおすすめです。
ポートレート撮影に最適な機材はレンタルできる
今回ご紹介してきた「ポートレートの撮り方」ですが、初めてのポートレート撮影にピッタリなカメラ機材は、いきなり購入するのではなく、レンタルでお試ししてみるのも一つです。
特に明るい単焦点レンズや望遠レンズなどは、決して安いものではなく、これから趣味として始めようという方には特にハードルの高さを感じることでしょう。
Rentio(レンティオ)では、ポートレート撮影におすすめのカメラやレンズを豊富なラインナップから自由に選んで最短3泊4日からレンタルすることができます。
是非、この機会にレンティオを活用してワンランク上のポートレート撮影を楽しまれてはいかがでしょうか。








