写真テクニックカテゴリの人気記事
夜景の撮影というのはとても人気のあるジャンルの1つです。
日中の明るい撮影とは違い、僅かな光でも煌びやかに見える夜景の写真というのは人の心を動かす芸術性の高い作品となります。
そして夜景の撮影でも「星空」の撮影というのは、街中で撮影する夜景とは違い、自然の光景を写し出す神秘的な写真へと仕上がります。
SNSなどでも美しい星空の写真などを見かけることが多いですが、「どうやって撮っているのだろう」、「星空撮影は難しいのかな?」と疑問に思う方も多いでしょう。
今回は星空撮影のハードルをグッと下げる、初心者でも簡単にできる星空撮影のテクニックをご紹介していきます。
もくじ
夜景の中でも人気の「星空撮影」
夜景といっても色々なジャンルが存在しますが、星空の写真は夜景撮影の中でも特に人気を集めるジャンルとなります。
SNS上などでも空一面の星空写真や天の川を写した写真というのはとても人気で、TwitterやInstagram問わず多くの「いいね」が押されている印象です。
それだけ星空の写真というのは人の心を動かす力があり、単純に「美しい」と思える素敵なシーンなのです。
星空はどこで撮るべき?
キレイな星空写真を見たときに「どこで撮影したのだろう?」と疑問に思うことも多いでしょう。
残念ながら星空は街中でキレイに見ることはできず、街灯や建物の光など、何も光源が存在しない場所でしか満天の星空というのは見ることができません。
そのため、大きな都市などでは見ることができないため、建物も街灯、車もいないようなっ場所へ行く必要があります。
山の頂上など高い場所
星空の撮影地としておすすめの1つは、山の頂上などの高い場所です。
山などの高い場所などには建物も存在せず、眼下に街が見える場合でもあまり光の影響を受けにくい環境となります。
空気の澄んだ冬の季節などは、山に登ることで満天の星空を見ることができるができます。しかし登るほど気温は低下し、光もないため足元にも気を付ける必要がある、難しい環境であることを理解する必要があります。
それでも夜空に広がる星空を見ると想像以上の光景が広がります。写真撮影だけに気を取られず、生でその姿を見ることも大切にしてくださいね。
離島などの光源が少ない場所
小さな離島など、人工的な光源が少ない場所も星空の撮影におすすめの場所です。
私自身、これまで沖縄の離島を中心に星空の写真を撮影してきましたが、その光景はまさに圧巻でした。
夏場でも空気が澄んでいる日が多く、梅雨明け直後を狙うことで天候も安定するため、天の川の撮影には最適な環境が整っています。
星空撮影ではどんなカメラやレンズが必要?
実際に星空を撮影するときにどんなカメラやレンズが必要なのか、わからないという方も多いと思います。
実は星空撮影において特別に必要とする性能はありません。ただ暗い場所にある程度強い必要があるので一眼レフカメラやミラーレス一眼カメラがおすすめです。
暗い場所に強い一眼カメラ
星空を撮影する際の環境は想像以上に暗い場所が多いです。目に見えている星空もカメラでキレイに写すには性能に頼る以外ないところもあります。
そんなとき見ておきたい性能が「常用ISO感度」です。
お手持ちのカメラのメーカーサイトなどご覧頂けると、常用ISO感度範囲という項目が見つかるはずです。
そこで高い方のISO感度が大きいほど、暗い場所に優れていますが、常用ISO感度の最大がISO12800以上であると安心して撮影が行えると考えられます。
高感度撮影に優れたおすすめ一眼カメラ5選。暗い場所でも明るく美しく撮影できる高性能モデルを紹介 – RentioPress
更に上のレベルを求めるのであればフルサイズセンサー搭載がおすすめ
ハイレベルな写真を求める方にはカメラが光を受け取る部分であるイメージセンサーのサイズが大きいものがおすすめです。
一般的なエントリー向け一眼カメラ(EOS Kissなど)では、APS-Cセンサー(23.4mm×16.7mm)が採用されていることが多いのですが、星空撮影でより美しくキレイな写真を残すためにはフルサイズセンサー(36.0mm×24.0mm)が搭載されたモデルがおすすめです。
しかしフルサイズセンサーが搭載されたカメラは高価で、使用できるレンズもAPS-Cセンサー搭載モデルと比較すると限られるので注意が必要です。
[2023最新]おすすめフルサイズ一眼カメラ12選。今選ぶべき人気モデルを性能と価格から徹底解説 – Rentio PRESS[レンティオプレス]
初心者が気になる「フルサイズ」と「APS-C」の違いを徹底解説。画質、画角、対応レンズに大きな違い – Rentio PRESS[レンティオプレス]
レンズの選び方
一眼カメラを使用する場合は、ボディに対応したカメラレンズが必要となります。
星空撮影においてはこのレンズ選びも非常に重要なポイントとなります。
広角レンズでF値の低いものを選ぼう
星空撮影では、広角レンズと呼ばれる広い画角を写すことができるレンズで、開放F値(レンズ名称の隣などに記載されているF値)がなるべく低いレンズがおすすめです。
例えば今回おすすめするレンズとして「Canon RF15-35mm F2.8 L IS USM」をご紹介すると、このレンズでは焦点距離15mmから35mmという非常に広角域を得意としており、広い画角を写すことができます。
そして開放F値はF2.8と、星空の撮影では有利となる明るさになります。
更にCanon RF15-35mm F2.8 L IS USMはフルサイズセンサー搭載機にも対応しているため、使えるカメラの幅が広いのも特徴的です。
Canon RF15-35mm F2.8 L IS USM実写レビュー。焦点距離が広がり手ブレ補正機構を搭載した初の広角RFレンズ – Rentio PRESS[レンティオプレス]
星空撮影では三脚が必要?
カメラを固定して画角を定めた撮影時に効果的な三脚ですが、星空撮影でも三脚は必須アイテムとして持参する必要があります。
詳しくはカメラの設定解説の項でご紹介しますが、星空撮影ではシャッタースピードを遅くし、長時間露光撮影を行う必要があります。
撮影中はシャッターを開けた状態を維持するため、僅かな揺れでもブレとして写真として仕上がる際に写されてしまいます。そのためしっかり固定できる三脚が必要になるのです。
三脚は脚の太さが重要
先ほど揺れを抑える必要があると解説しましたが、三脚によっては風などによる振動に弱いモデルも存在します。
三脚の強度は「脚の太さ」がとても重要になり、脚が太いほど揺れることがない安定した撮影を実現してくれます。
星空撮影では三脚の高さを必要としないため、どれだけ安定感があるかどうかが最も重要なポイントとなります。
星空撮影でのカメラ設定ガイド
星空撮影で必要な機材をご紹介してきたところで、ここからは撮影の実践としてカメラの設定を解説していきます。
カメラのモードは「バルブ(B)」もしくは「シャッタースピード優先(Tv)」
写真撮影を行う場合、ボディの上部にモードダイヤルが存在し、それを使用して様々なモードに切り替えることができます。
星空撮影を行う場合は「バルブ(B)」か「シャッタースピード優先(Tv)」にセットしましょう。
オートで星空撮影を行うことは難しく、自身で露光時間を調整できるこれらのモードがおすすめです。
基本的にはバルブ撮影モードで対応することが理想的ですが、EOS Kissなどのエントリーモデルではバルブ撮影モードが搭載されておらず、シャッタースピード優先モードで対応する必要があります。
シャッタースピードの設定は絞り値やISO感度に応じて変化するため、こちらはカメラ設定解説の最後にまとめてご紹介します。
絞り値(F値)はなるべく低く設定する
星空撮影を行う環境は非常に暗いため星からの光源をできる限り拾いたいところです。
そのため一度に光を多く拾うことができる低いF値を設定するようにしましょう。
絞りについてはこちらで詳しく解説
初心者でもすぐ分かる「絞り」の基本。一眼らしいボケを表現するなら必須の撮影設定項目 – Rentio PRESS[レンティオプレス]
ISO感度も上げて明るさを調節
暗い場所での撮影時に電子的に光を増幅させてくれるISO感度も星空撮影時には可能な限り上げてみましょう。
ここでカメラ選びのポイントでご紹介した常用ISO感度が役立ってきます。
基本的には常用最大ISO感度より数段階落としたISOに設定することがおすすめです。(常用最大ISOが12800の場合ISO6400など)
ISOをあげるほど明るさを補助してくれますが、その分画像内にノイズが発生しやすくなるため、上げ過ぎても「ノイズなのか星なのかわからない…」という状況になりかねないので、その場の環境に合わせて試し撮りを行うことで調整してみましょう。
ISO感度についてはこちらで詳しく解説
初心者でもすぐ分かる「ISO感度」の基本。夜景や室内の撮影で活用できる高感度撮影を解説 – Rentio PRESS[レンティオプレス]
ピント合わせはMFがおすすめ
デジタルカメラでは当たり前となっているAF(オートフォーカス)による自動的なピント合わせですが、カメラのオートフォーカスは暗い場所を苦手としています。
そのため星空撮影を行う場合でAF(オートフォーカス)機能は使用せず、手動でピント合わせを行うMF(マニュアルフォーカス)を使用するようにしましょう。
ピント合わせのコツは∞から少しずつ戻していく
星空撮影を行う上でのピント合わせは、まずレンズのピントを焦点の限界である∞までフォーカスリングを回して調整します。
∞まで達したら少しずつフォーカスを戻していきましょう。この時ファインダーを見ながらの調整もできますが、カメラによっては液晶画面にて拡大表示することができるものもあるので、カメラの機能を有効活用して正確なピント合わせを心掛けるようにしましょう。
カメラ設定の一例
これまでシャッタースピード、絞り値、ISO感度を調整することを解説してきましたが、実際どのような設定で撮影すればいいのか理解するのも難しいと思います。
私もカメラをはじめたころはこの3つの設定を使用した関係性というのを理解するまでに時間がかかりました。
初心者向けにカメラ設定の基本を完全ガイド!3つの関係性で分かる写真のすべて – RentioPress
上の記事ではカメラ設定の関係性についてご紹介していますが、今回も分からない方のためにすぐ実践できる撮影設定の一例をご紹介していきます。
開放絞り値(F値)が低い場合
高級なレンズなどでは開放絞り値(F値)が低いレンズも数多く存在します。
開放F値が低い場合は、一度に取り込むことができる光の量も多くなるため、高感度に頼ることなく明るく撮影することができます。
シャッタースピード 約30~40秒 / 絞り F2.8(レンズの開放絞り値) / ISO感度 ISO1600~3200
(※30秒まではTv(シャッタースピード優先)モードで対応可能)
開放絞り値(F値)が高い場合
EOS Kissなどのレンズキットに付属されているレンズは開放絞り値(F値)が低くない場合があります。
その場合は、シャッタースピードを長くしたり、ISO感度をあげて対応する必要があります。
シャッタースピード 約40~60秒 / 絞り F4やF4.5(レンズの開放絞り値) / ISO感度 ISO3200~6400
(※30秒を超えるシャッタースピードの場合は、バルブ撮影のみで対応)
初心者向け星空撮影テクニックまとめ
ここまで星空撮影についておすすめのカメラやレンズ、撮影設定の基本などをご紹介してきました。
私自身もこれまで星空を撮影した経験はあまりなく、今回記事中で使用してきた星空写真を撮影した際がはじめてでした。
ハードルが高そうに思える星空撮影ですが、基本的な設定だけしてしまえば、揺らさないことを意識するだけの簡単な撮影です。
しかし1枚を撮影するのに30秒以上要するケースが大半であるため、満足いく作品を撮影するまでには結構な時間が必要になるため注意が必要です。
- 長めのシャッタースピード
- 絞りは開放
- ISO感度は常用最高ISO感度より少し落とした値
- マニュアルフォーカスで∞からゆっくり戻して合わす
といった手順を行うことで星空をキレイに撮影することができます。
星空はシーズン問わず撮影できるため、ぜひ一度美しい満天の星空を撮影してみてくださいね。
星空撮影に使うカメラはレンタルできる
「星空を撮影してみたいけど一眼カメラを持っていない…」という方も少なくないと思います。
そんな時はカメラのレンタルサービスが大変おすすめです。
家電レンタル「Rentio(レンティオ)」では、今回星空撮影でおすすめカメラ・レンズとしてご紹介したモデルを始め、さまざまな撮影シーンでおすすめできるデジタル一眼カメラを豊富なラインナップから選んでレンタルすることができます。
ぜひ一眼カメラのお試しや短期間だけ使ってみたい場面でRentioのレンタルサービスを利用されてみてください。