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美しい日本の四季でも木々が全面的に彩りを見せてくれる秋の紅葉シーズン。
目の前に広がる紅葉は、思わず写真に収めたくなる絶景として、写真ジャンルの中でも根強い人気を誇ります。
私自身もフォトグラファーとして活動している中で、秋の季節におけるメインの被写体は「紅葉」になるほど、個人的にもお気に入りの被写体です。
今回は、私がこれまで撮影してきた紅葉撮影の作例や経験を基に、すぐに実践することのできる紅葉の撮影テクニックをご紹介していきます。
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もくじ
秋の風物詩「紅葉」
秋の季節になると「紅葉」が見ごろを迎え、日本各地で美しい絶景が広がります。
地域によって季節感の異なる日本国内ですが、紅葉の見ごろを迎えるタイミングも異なるため、ベストシーズンに合わせて見に行く計画を立てる必要があります。
そして被写体として美しい紅葉を写真に収めることも人気で、秋は撮影のベストシーズンの一つでもあります。
日本各地の紅葉のベストシーズン
日本各地で気温差があることから、紅葉の見頃もタイミングが異なります。
ここからは一月を上旬と下旬に分けて、そのタイミングで平均的に見頃を迎える場所をご紹介していきます。
9月上旬
北海道・大雪山、岩手・三石山など
9月下旬
北海道・釧路/十勝岳、岩手・八幡平、宮城・蔵王、長野・アルプス系、富山・立山など
10月上旬
北海道・定山渓/知床、新潟・苗場、山梨・清里、長野・美ヶ原高原、岐阜・奥飛騨温泉郷、愛媛・石鎚山など
10月下旬
北海道・札幌、函館、青森・八甲田山/弘前公園/奥入瀬渓流、秋田・抱返り渓谷/白神山地、福島・裏磐梯高原、群馬・赤城山/榛名湖/伊香保温泉/谷川岳、栃木・日光/塩原、神奈川・大涌谷、富山・神通峡/黒部峡谷、福井・九頭竜峡、岐阜・伊吹山ドライブウェイ/白川郷、静岡・香貫山、奈良・吉野山、香川・大窪寺、愛媛・瀬戸川渓谷、熊本・緑仙峡、大分・くじゅう連山/由布岳、鹿児島・観音滝リゾートなど
11月上旬
茨城・筑波山/袋田の滝、群馬・妙義山、東京・昭和記念公園(イチョウ)/奥多摩、神奈川・箱根、愛知・大井平公園/茶臼山高原、三重・赤目四十八滝/亀山公園/御在所岳、滋賀・比叡山、兵庫・六甲山/高源寺、岡山・蒜山高原/奥津渓、広島・佛通寺/尾関山、愛媛・富郷渓谷、福岡・日向神峡/雷山千如寺大悲王院/呑山観音寺/英彦山、佐賀・御船山楽園、長崎・雲仙、大分・深耶馬溪、鹿児島・霧島など
11月下旬
茨城・花貫渓谷、栃木・大平山、群馬・徳明園、千葉・本土寺、東京・浜離宮恩賜庭園/新宿御苑/六義園/高尾山、神奈川・三渓園/鎌倉、石川・兼六園、岐阜・養老公園、静岡・千葉山/修善寺自然公園、愛知・香嵐渓、滋賀・石山寺/大津、京都(全エリア)/保津峡、大阪・大阪城公園/箕面、兵庫・姫路城、奈良・奈良公園/長谷寺、島根・松江城山公園、岡山・みやま公園、広島・宮島、山口・長府公園/紅葉谷公園、香川・栗林公園/寒霞渓、愛媛・西山興隆寺/松山城、福岡・小倉城/楽水園/舞鶴公園/紅葉八幡宮/永勝寺、熊本・麓城跡、宮崎・高千穂など
12月上旬
神奈川・箱根湯本、大阪・五月山など
紅葉撮影におすすめのカメラ・レンズ
撮影の実践編に移る前に、紅葉撮影においては、どのような機材が良いのか、カメラやレンズの選び方について解説していきます。
フルサイズ機が理想的だが基本的にカメラを選ばない
紅葉撮影におけるカメラボディ選びですが、紅葉撮影だからといって特別に重視する性能などは無いと言えるでしょう。
基本的には通常の風景写真撮影と変わることはないため、フルサイズセンサーを搭載したモデルがおすすめとなりますが、初心者の方にとってフルサイズ機は価格面で抵抗を感じることもあると思うので、APS-Cやマイクロフォーサーズの一眼カメラでも問題ありません。
あとは撮影のサポート面や、携帯性など、性能というよりも外観や機能面で選ぶことがおすすめです。
標準レンズを中心に望遠、広角の活用も
紅葉撮影では、基本的に「標準レンズ」の使用がおすすめです。
紅葉を少し離れた位置から撮影する際も、近づいて撮影する際も標準レンズが丁度良い画角になることが多く、私自身も紅葉撮影する際の7~8割は標準レンズを使って撮影しています。
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加えて離れた場所から迫力のある紅葉写真を撮影する場合には望遠レンズの使用もおすすめで、作例の様に紅葉と背景の雪山を絡める様な距離を置かなければ撮影できないシーンでは、望遠レンズが役立つことも多いです。
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また、紅葉の木の真下に入るなどのシーンでは、広角レンズを使うこともおすすめで、広い画角であることから、紅葉の木々から落ち葉まで一度に写すことができるなどのメリットがあります。
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紅葉撮影テクニック
ここからは、紅葉撮影においてすぐ使える実践的なテクニックをご紹介していきます。
ただ有名な撮影地に行くだけでなく、しっかりと撮影地におけるベストな時間帯や、カメラ側の設定を理解することで、より美しい紅葉写真へと仕上がります。
絞り値を上げて画角全体にピントを合わせる
一面に広がる紅葉を写す場合には、設定でF値をF8〜F11程度まで上げて画面全体にピントが合うようにしましょう。
これはどの風景写真にも共通していることで、F値をレンズの開放絞り値から数段階絞ることでピントが全体へと行き渡り、レンズとしての最高解像力へと仕上がる効果も期待できます。
ボケ表現を入れるなど、特定の狙いがない限りは基本的に絞り値は少し高めに設定することがおすすめです。
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太陽光線を意識する
どの被写体にも共通することですが、紅葉撮影の場合には、太陽の位置を確認するようにしましょう。
太陽がどの角度、高さかは入ってくるかによって仕上がる作品は大きく異なってきます。
順光
風景写真の基本となるのが「順光」での写真です。
紅葉においてもしっかりと太陽光線が正面から当たることで、より鮮やかな仕上がりとなり、一番定番で美しく見せることのできる光線状態です。
秋の季節になると1日通して太陽光線も低くなるため、どの時間帯においても太陽の向きだけを気にしておけば綺麗な順光での撮影を行うことができます。
サイド光
少し変わった作風に仕上げるのであれば「サイド光」もおすすめの光線条件です。
被写体に対して横から太陽光線が入る状態で、光が当たる部分と影となる部分の両方が生じるため、立体感のある作品へと仕上がります。
サイド光の場合は、秋の太陽光線においても特に低い瞬間に効果が出やすくなるため、早朝や夕方の時間帯を狙ってみることがおすすめです。
逆光
「逆光」時の撮影も紅葉撮影においてはおすすめの条件です。
葉に直接光が当たることはありませんが、葉を通して太陽光線が入ってきたり、逆光にすることであえてコントラストを落とした柔らかい表現を行いたいときに効果的な条件となります。
紅葉写真の定番カットを撮影したいときにはおすすめではないですが、サイド光と合わせて変わった作風を撮影したいときにおすすめの光線条件となります。
露出を明るめに設定
紅葉撮影では、露出を明るめに設定するとがおすすめです。
色鮮やかに見せたい紅葉撮影では、明るめに撮影することでより鮮やかさが際立ち、全体的に華やかな印象を持ちやすくなります。
これは特に紅葉のベストシーズンから少し外れてしまったときに効果的な設定で、実物では少し華やかさに欠け、隙間の見える紅葉も明るめに仕上げることで印象が大きく変わります。
ホワイトバランスのケルビン値を高めに設定
暖色系の紅葉は、ホワイトバランスの設定で色温度(ケルビン値)を高めに設定することがおすすめです。
ケルビン値を高く設定することで、紅葉がより温かみを持った鮮やかさになり、オレンジや黄色が濃くなるため、写真の印象も良くなります。
基本的な風景写真においてケルビン値を上げることはあまりおすすめではありませんが、紅葉写真に限ってはケルビン値を上げた方が仕上がりが良くなる特殊な例です。
ケルビン値は大体6000K~7000K程度に指定することで、しつこさがなく程良い紅葉の色付きを表現できるため、おすすめとなります。
紅葉ライトアップもおすすめ
紅葉の季節になると夜の時間帯に合わせてライトアップを行う場所も数多く存在します。
暗闇に照らし出された紅葉の姿も神秘的で被写体として非常におすすめの存在となります。
ライトアップが行われるのは公園や神社、お寺などの場所が多く、特に京都では様々な場所で行われているため、掛け持ちしたり、その日によって行く場所を変えることで様々な風情を楽しむことのできるおすすめのエリアです。
日中の撮影と比べて暗い環境下となるため、手ブレに注意しながらISO感度やシャッタースピードを設定して撮影を行うようにしましょう。
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落ち葉にも注目
木についた紅葉に注目しがちですが、落ち葉も被写体として注目したい存在です。
何気ない落ち葉も色付いた葉っぱであれば、周辺の自然とは異なったアクセントを与えてくれる良い存在となります。
落ち葉を活かした撮影をする際には「ボケ」がポイントになります。
開放絞り値の低いレンズを使用して、周辺のボケを写真に取り入れることで、何気ない一つの落ち葉でも雰囲気の出る作品へと仕上がります。
全国おすすめ紅葉撮影スポット
日本全国で紅葉の名所は存在しますが、ここからは私自身が実際に訪れて感動した紅葉のおすすめ撮影スポットをご紹介していきます。
北海道・美瑛
全国的に早くシーズンを迎える北海道の中でも美瑛エリアの紅葉は特におすすめで、私自身も毎年通う場所の一つです。
本州などとは木の種類も異なることから色付き方も異なり、ほぼ全ての木が鮮やかに色付くため、自然豊かな環境と合わせて絶景が広がります。
そして背景に写る大雪山系の山々は、紅葉の季節になると既に積雪が見られることから、雪山と紅葉というコラボレーションが見られることもおすすめポイントです。
一方で、紅葉の季節に快晴となる日は非常に少ないため、唯一その点だけが悩ましいポイントになります。
東京・イチョウ並木
東京都内でも紅葉を楽しむことのできるスポットは点在しています。
明治神宮近くのイチョウの並木道は、紅葉のシーズンにおすすめのスポットです。
道路の両サイドに並ぶ黄色く彩られたイチョウの木々は、望遠レンズで離れた場所から切り取ることでイチョウのトンネルの様にも見えます。
同じ様なスポットとしては北海道の札幌に位置する北大が存在し、どちらもイチョウ並木の名所としておすすめです。
長野・白馬
長野の白馬エリアも紅葉を撮影するのに最適なスポットです。
先ほどの北海道の美瑛エリアでは、天候が最大の難しさとご紹介しましたが、白馬でも紅葉と雪山のコラボレーションを撮影できる似たようなロケーションながらも天候も比較的安定している印象です。
特におすすめなのは白馬岩岳マウンテンリゾートのリフトに乗って終点まで登り、「HAKUBA MOUNTAIN HARBOR」から眺める景色。
標高が高いところから正面にそびえ立つ山を眺めることができ、頂上には積雪、中腹は紅葉が終わって枯れ木になっているところ、麓は紅葉が彩るという3つのシーズンの違いを楽しむことができます。
そして「HAKUBA MOUNTAIN HARBOR」にはカフェが併設されているため、コーヒーやパンを楽しみながら紅葉の絶景とともに優雅に過ごすことができるスポットでもあります。
京都
紅葉の名所といえば「京都」も外せない存在の一つでしょう。
紅葉の時期に関わらず、観光地として人気を集める京都ですが、紅葉の時期になると、至る所が紅葉の名所となります。
清水寺や東福寺、天龍寺といった有名なお寺でも紅葉シーズンは、美しい紅葉を見ることができ、歴史ある建物とともに写真に収めることもおすすめです。
そして夜になると高台寺や東寺といった場所では、紅葉のライトアップが行われるため、昼間の明るい時間帯とは異なる姿を見ることができます。
京都のあらゆる場所が紅葉の名所となっているため、基本的に紅葉に合わせることなく、有名な観光地を巡るだけでも紅葉も同時に楽しめるでしょう。
秋になったら紅葉を撮りに行こう
秋の代表的な被写体となる「紅葉」。
その美しい姿は、どこか出向いて撮影するほどの価値がある被写体です。
華やかな見た目を誇る紅葉ですが、写真撮影においてもちょっとしたコツを掴むことで、思わず見返したくなる印象的な作品へと仕上がります。
そして日本全国で少しずつ見頃が異なっていることから、紅葉前線を追いかけながら旅行計画を立ててみるのも面白い試みかもしれません。
是非、秋の風物詩である「紅葉」を、ご紹介してきたテクニックを駆使して美しく撮影してみてはいかがでしょうか。
紅葉撮影に使うカメラはレンタルできる
一眼カメラを使って紅葉を撮影してみたいけど、一眼カメラを持っていない…という方も少なくないでしょう。
カメラの購入は高価であり、簡単に購入を決められないのも正直なところです。
そんなときは短期間だけ利用することのできるカメラのレンタルサービスがおすすめです。
Rentio(レンティオ)では、今回ご紹介してきた紅葉撮影におすすめのカメラやレンズを最短3泊4日から、簡単で気軽にレンタルすることができます。
是非この機会に今年の紅葉シーズンに合わせてお試しから一眼カメラデビューや、気になるカメラやレンズをレンタルされてみてはいかがでしょうか。