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写真を撮影するシーンでも特に多い「風景」。
何か特定のシーンを狙うだけでなく、何気ない日常から気軽に撮影することのできる「風景写真」は、写真ジャンルにおいても特に人気があります。
風景写真を撮る上で、特に決められたコツがある訳ではないため、柔軟に対応する必要のある難しい写真ジャンルでもあります。
今回は、Rentio PRESSで展開する「初心者でもすぐ分かる」シリーズとして、風景写真の基礎をご紹介し、応用力を身につけるための解説を行っていきます。
構図だけでなく、色々考える必要のある風景写真の奥深さを感じ取って頂ければ何よりです。
もくじ
旅先などで写すことの多い「風景写真」
写真を撮ろうと思うシーンに「風景」が含まれることは多いのではないでしょうか。
特に旅行先において「絶景巡り」というのは定番コースの一つで、日常的に見ることのない光景に感動することが醍醐味でもあります。
風景といってもその場所によって様々な違いがあります。
しかし、どの絶景においても写真に収めることは旅の思い出を鮮明に残してくれるツールであり、風景写真を上手に残すことで、その思い出もより美しく良いものになります。
今回ご紹介していく風景写真の撮り方を参考にして、ワンランク上の風景写真を撮影して、何年か経ったときに見返したときの感動も楽しみの一つになるでしょう。
風景写真に必要な機材選び
まずは、風景写真を撮影していく上で必要となるカメラボディ、レンズについて解説していきます。
風景写真は、比較的他のジャンルよりも機材選びも自由の幅が広いところですが、初心者の方にとっては想像しにくいところかと思います。
風景写真における機材選びで重要なポイントを厳選してご紹介していきます。
ボディは画素数が多いモデルがおすすめ
風景写真を撮影する上で重要となるのは、画像のきめ細やかさです。
画像の精細さの決め手の一つとなるのがカメラボディにおける「画素数」ですが、この画素数が多いほど、細かい部分までしっかり写すことのできる性能となります。
一般的な一眼カメラでは2000万画素強が平均的で、どのカメラを選んでも基本的には十分な性能ですが、3000万画素数以上を有したカメラは、風景写真において更に有利となります。
また、画素数に関連して、センサーサイズも風景写真における重要な観点で、「フルサイズセンサー」を搭載したモデルであるほど、階調豊かで風景写真に適した存在となります。
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レンズは基本的に広角~標準がおすすめ
風景写真を撮影する上で使用する頻度の高いレンズは基本的に広角から標準域をカバーしたレンズとなります。
風景写真は、その場の壮大な光景を残すことが多くなるため、広範囲を写すことのできるレンズが必然的に必要になってきます。
広角レンズ、標準レンズどちらを選ぶべきかは、撮影地によって異なりますが、基本的に広角側を優先して保有しておくと、風景写真で不便に感じることはありません。
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旅スナップではズームレンズがおすすめ
旅行先のスナップ写真の撮影では、焦点距離として広角から標準をカバーしたレンズがおすすめとご紹介しましたが、同時に「ズームレンズ」を使用することがおすすめです。
風景写真を撮影する環境では、自分が動くだけでは画角を調整できないようなシーンも多くなります。
単焦点レンズを使った撮影は、画質やボケ表現などでメリットはあるものの、風景写真においては完全に決められた画角がない以上は、調整が困難になるため、おすすめではありません。
近年では、ズームレンズでも解像力に優れた広角、標準レンズが数多く誕生しているため、画質の心配をすることもなく、思い通りの画角へと調整することが可能であることから、臨機応変に対応できるズームレンズの使用が突発的な撮影シーンの多い旅スナップではおすすめです。
カメラ初心者が知りたいレンズの選び方!理想のレンズの見つけ方を徹底解説 – Rentio PRESS[レンティオプレス]
美しい風景を探す撮影地選び
風景写真の撮影において、最も重要なポイントとなるのが「撮影地選び」です。
日本や世界各地には、様々な絶景ポイントが存在しますが、有名な絶景ポイントに限らず、自分で絶景ポイントを探して撮影することも、楽しみの一つになります。
ここからは、美しい風景が広がる場所の探し方について、私が日頃実際に行っている手法を交えてご紹介していきます。
美しい光景が広がりやすいシーン
私自身、カメラやレンズを使った撮影を行う場合、移動中に撮影ポイントを見つけることも少なくありませんが、大体のイメージを持ってあらゆる場所を巡るようにしています。
田園風景が広がる地域
田んぼが点在するような広々とした田舎地域は、風景写真を撮影する上で、どこでも画になる魅力があります。
雑多とした都会には広大な空気感や、田んぼに水が張られているときは、水に浮かび上がる反射などが写真に写した際にも美しく仕上がる要素になります。
設計された都市
建物が均等に並んでいることや、遊歩道や道路が整備されている設計された都市では、写真撮影でも美しく写すことができます。
日本においては、丸の内地区やみなとみらい地区などが代表例としてあり、海外に目を向けると特に欧州で美しい都市美を感じることができます。
ごみごみとした都会も作品的には工夫のし甲斐がありますが、美しさが重視される風景写真においては、「作られた都市」というのは魅力的に写るものです。
海岸線沿い
絶景ポイントを探す上で定番となるのが「海岸線沿い」です。
海岸線沿いは港や公園など整備された地区、整備されていない自然のままの風景どちらも画になる撮影スポットとしておすすめです。
ここでポイントとなるのが「海」と「陸地」のグラデーションで、両方を一緒に写すことのできる場所が撮影には適しています。
例えば海を一望できる展望台など、少し高い位置にある撮影地は、風景写真を撮影する上でもアクセントとなり、遮るものが何もない海岸線の空気感が非日常的要素を写真へと加えてくれます。
有名な撮影地はGoogleマップから探し出せる
もちろん、有名な絶景撮影地もどこか訪れた際には、立ち寄って撮影することもおすすめです。
観光ガイドなどを参考にするのも一つですが、有名な景勝地についてはGoogleマップにもポイントとして登録されていることが多いので「景勝地」や「観光」などのワードを検索すると、地図上に表示されるので事前の下調べでおすすめです。
時間帯に要注意
撮影を行う際、天気が良くても「何か思い通りにならない…」と感じることもあるでしょう。
実は風景写真の撮影において、撮影する時間帯が非常に重要になります。
明るい、暗いだけでなく、撮影においては照明となる太陽の位置は、ストロボの位置調整と同じように撮影における重要な要素となります。
基本的に太陽は東から西へと動いていきますが、西方向を向いて撮影する場合は午前中が順光となり、東方向を向いて撮影する場合は午後が順光となります。
また、夏は日の出が早く、より北側から太陽が昇り、正午付近はほぼ真上まで高く昇ります。
一方で冬は日の出が遅く、より南側から太陽が昇り、一日を通して太陽が高くまで昇ることがありません。
太陽の高さの一例では、仮に自分の背景に何か障害物がある環境で、夏場であれば太陽光線が遮られる心配がなく、冬場では太陽の位置が低いことから太陽光線が背後の障害物に遮られ、被写体まで太陽光線が届かない可能性があります。
日の出や日の入りを狙う際も要注意
また、夏と冬では日の出、日の入りの位置も異なるため、朝日や夕日の名所でも1年を通して同じ方向に見られる訳ではないため、注意が必要です。
ある程度事前に季節と場所が似ている作例をWEB上で探してから撮影に臨まれることがおすすめです。
天気予報を要チェック
風景写真を撮影する上で、撮影選びと合わせて気にしておきたいのが「天気」です。
屋外で撮影することが基本になる風景写真では、「天気」による印象の変化が目立ち、特に注意したい要素です。
天気は「晴れ」「曇り」「雨や雪」と区別されることが多いですが、特定の狙いをもった撮影以外は「晴れ」での撮影が望ましいところです。
最も重要な「空の青さ」
しかし、写真において「晴れ」にも様々な要素が関わっており、「空の青さ」を見極めることで風景写真の質は大きく向上します。
「空が青い」という状況は「空気が澄んでいる」ことに直結します。
空気が澄んでいると、遠くの被写体までクッキリと見えることができるため、写真におけるコントラストによるメリハリがハッキリとし、鮮やかな仕上がりになる傾向にあります。
「空気が澄んでいる」状態を見極めるためには、空気が汚れていないことが第一条件となるため、大気汚染の原因となる「PM2.5の発生」や「黄砂の飛来」を予報サイトでチェックする様にしましょう。
また、季節として冬の方が真っ青な空が広がりやすい傾向があります。
夏でも沖縄は真っ青な空が広がりやすく、日中時間帯には太陽に位置が非常に高くなるため、濃い青空と照らし出される鮮やかな珊瑚礁を見ることができるため、風景写真としてもおすすめです。
風景写真撮影時のテクニック
これまでご紹介してきたのは、風景写真を撮影する上での下準備でしたが、ここからは実際に風景写真を撮影する際に活用できるテクニックについてご紹介していきます。
どれも簡単に実践できるテクニックなので、実際に撮影される際の参考になれば幸いです。
絞り値は高めに設定
先程からご紹介している通り、風景写真では広角~標準域をカバーしたレンズがおすすめで、全景を写すことが多いですが、その際に画像四隅までしっかりピントを合わせる必要があります。
一眼カメラを使ってオートモードで撮影すると、ISO感度を低くしようと自動で設定される他、シャッタースピードも稼ごうとすることで自然と絞りも開放値で撮影されることがあります。
絞りを開放値で撮影すると、レンズの解像力を最大限に発揮できず、場合によっては四隅がボケた様な仕上がりになることもあります。
風景の全景を撮影する場合には、カメラのモードを「絞り優先(AvやAと表記)」にして、F8からF13程度まで絞り値を上げて撮影することで、同じレンズでも仕上がりが良くなります。
初心者でもすぐ分かる「絞り」の基本。一眼らしいボケを表現するなら必須の撮影設定項目 – Rentio PRESS[レンティオプレス]
露出設定はマイナスがおすすめ
写真の明るさについても印象を大きく左右する部分です。
風景写真においては、露出設定で「マイナス」側へと調整することで、コントラスが際立つ仕上がりへと変化することでおすすめの設定です。
特に森林など所々で影の入る被写体では、光の当たった部分と影の部分のメリハリが感じられる仕上がりとなり、印象に残りやすい作品となります。
つい黒く潰れてしまうことを恐れるところですが、「黒」を利用した美しさというのを理解することで、風景写真としてのレベルは一段と上がります。
風景写真においては、少し暗めの仕上がりを意識すると良いでしょう。
被写体のバランスを意識した構図
風景の撮影においても構図決めが重要になってきます。
基本的には見た光景を写すことで風景写真としては成り立つのですが、写真内に入るあらゆる被写体要素をバランス良く配置することがポイントとなります。
例えばこちらの作例では、美しい海を主題として、画面半分以上を鮮やかな海が占めています。
この瞬間は、カメラを向けた方向に雲が点在していたことで、画になる雲というよりも白っぽさが際立つ印象であったため、海を主題とした経緯もあります。
こちらの作例では、先程の作例と環境は似ていますが、空の面積が半分以上を占めています。
先程の作例と比較しても、広角側を使用し、空模様が特徴的であったことから空を画角内で多く取り入れるようにした経緯があります。
こちらの作例では、超広角レンズを使用した作例になります。
超広角レンズを使用した場合には、余白に気を付けることを意識して構図決めを行うことがおすすめです。
無駄と思われる余白を無くすような位置に持っていき、写り込む被写体の間隔などを調整しながら構図を決めることで、バランスの良さを感じられる作品となります。
こちらの作例では、建ち並ぶヤシの木がポイントで、これらの存在がなければ青空における余白が目立ちすぎてしまうことろで、超広角レンズを使うメリットが薄れるところでしたが、木々が建ち並ぶことや、その下の縦列駐車された車がアクセントになっています。
個人的に「写真は引き算で考える」という構図決めは分かりにくいと感じるため、「なるべく余白を埋めるように被写体を画角の向きで調整する」手法がおすすめです。
絶景は写真に残そう
その場に広がる絶景は、目で見ることも大切ですが、写真に残しておくことも大切です。
その場所の写真に限れば、他の人が撮影した写真が沢山あるでしょうが、自分で撮影することは、あなたがその場所に居たことを示す記録にもなるのです。
写真というのは「ただの記録」ではなく、その時の思い出や記憶も一緒に残してくれる存在だと思います。
旅先に限らず、何気なく美しく感じた風景には、是非カメラを向けてみてください。
そして、色々な写真を後になって見返したとき、色々な思い出が蘇る素敵なひとときになるでしょう。
旅先でワンランク上のカメラを使ってみよう
せっかく旅行に出かけられるのであれば、ワンランク上のカメラやレンズを持って出かけられるのがおすすめです。
とはいえ、新しいカメラやレンズを購入するには、旅行代金以上の出費になってしまうこともあるでしょう。
旅行など一時的な利用におすすめなのが、カメラのレンタルサービスです。
Rentio(レンティオ)では、豊富なラインナップから自由にカメラやレンズをレンタルすることができ、注文から返却まで非常にシンプルです。
是非この機会に風景写真に活かせるカメラやレンズをレンタルして、一生に残る1枚を撮影されてみてはいかがでしょうか。