Anker 757 Portable Power Station実機レビュー!長寿命かつ大容量で実用性の高いポータブル電源
更新日2024/11/26
ポータブル電源カテゴリの人気記事
バッテリー容量・定格出力・充給電ポート数と種類などに注目しがちなポータブル電源の選び方ですが、意外と見落としがちなのが内蔵バッテリーの種類です。
特に店頭のデジタルサイネージの電源として毎日のようにフル充電が必要であったり、毎週のようにキャンプに持ち運んだりする方なら、できるだけ長寿命で耐久力のあるバッテリーのほうが長い目で高いコストパフォーマンスを発揮するでしょう。
そこで紹介したいのが、モバイルバッテリー業界を牽引するAnkerが発売した大容量かつ長寿命バッテリーを搭載したポータブル電源、「Anker 757 Portable Power Station (PowerHouse 1229Wh)」です。
本記事では実機レビューを通して製品の特長や機能性、実際の使い勝手などをまとめましたので、購入を検討している方の参考になれば幸いです。
もくじ
Anker 757 Portable Power Stationの特長
「Anker 757 Portable Power Station」はAnker社初の1,000Wh超の大容量モデルであり、内蔵バッテリーに安全性と長寿命が特徴のリン酸鉄リチウムイオン電池が採用されたポータブル電源です。
Ankerのポータブル電源らしい特徴も踏襲しており、国内で選択肢の少ないリン酸鉄リチウムイオン電池の大容量ポータブル電源の中でも、とりわけ利便性の高い製品に仕上がっています。
- 充放電サイクル3,000回の長寿命バッテリーを搭載
- 1229Whの大容量
- 1.5時間でフル充電完了
- 堅牢で錆びにくい金属フレーム構造
- 最大1500W(瞬間最大2,400W)のパワフルな定格出力
- USBはType-Cが最大100Wの急速充電に対応
- 両手での持ち運びやすさと負担軽減を追求したダブルグリップ設計
- 有事の際にも役立つLEDライトを搭載
製品スペック一覧表
製品項目 | スペック詳細 |
---|---|
バッテリー容量 | 1229Wh |
定格出力 | 6口最大1500W (瞬間最大出力2400W) |
対応周波数 | 50Hz/60Hz |
DC出力 | – |
シガーソケット | 1口:合計120W |
USB-C (急速充電) |
2口:合計160W 上部:最大100W 下部:最大60W |
USB-A | 4口:合計48W |
入力 | 最大1000W ※ソーラー充電:最大300W ※シガーソケット充電:12V対応 |
充電時間 | 最短1.5時間 |
ライト | ◯ |
環境温度 | 動作温度:-20度〜40度 充電温度:0度〜40度 |
バッテリーサイクル数 | 3000回 |
大きさ (幅×奥行き×高さ) |
約463mm×237mm×288mm |
重さ | 約19.9kg |
公式税込価格 (2022年5月24日現在) |
169,900円 |
Anker 757 Portable Power Stationの実機レビュー
「Anker 757 Portable Power Station」の実機を触りながら、本機の特徴や機能性をより詳しく解説します。
セット内容
同梱されているセット内容は以下のとおりです。
充電ケーブル類の中にUSBケーブルは含まれていませんので、スマホやモバイルバッテリーに付属するもの、もしくは100WのUSB PD対応品を事前に用意しておきましょう。
- 本体
- AC充電ケーブル
- ソーラー充電ケーブル
- シガーソケット充電ケーブル
- カバー
- 取扱説明書
リン酸鉄リチウムイオン電池の長寿命バッテリーを搭載
分解して実際のバッテリーを確認することはできませんが、「Anker 757 Portable Power Station」最大の特徴は高品質なリン酸鉄リチウムイオン電池を採用した長寿命バッテリーです。充放電サイクル3,000回の後も初期容量の80%以上を維持するとしています。
一般的なリチウムイオン電池が採用されたポータブル電源のサイクル数は通常300〜500回程度と言われているので、「Anker 757 Portable Power Station」は約6倍も長持ちします。
電源を頻繁に使い切ってしまう、防災用に中長期の保管をしたい、こんなケースにぴったりです。
メーカー | バッテリー種類 | サイクル数(目安) |
---|---|---|
Anker | リン酸鉄リチウムイオン電池 (一部製品) |
3000回 |
EcoFlow | リチウムイオン電池 | 800回以上 |
Jackery | リチウムイオン電池 | 500回 |
JVCケンウッド | リチウムイオン電池 | 500回 |
バッテリー容量は1229Whの大容量
バッテリーは大容量の1229Whです。
以下表は公式サイトが公表している目安の抜粋ですが、小型冷蔵庫なら約25時間、電気毛布なら約18時間使えるので、夏場も冬場も1泊2日程度であれば十分まかなえる電力量です。
電化製品/端末 (消費電力) |
充電回数 /充電時間 |
---|---|
iPhone 13 | 約88回 |
ノートPC(50Wh) | 約20回 |
扇風機(35W) | 約28時間 |
小型冷蔵庫(40W) | 約25時間 |
電気毛布(55W) | 約18時間 |
小型炊飯器(200W) | 約5時間 |
ミニヒーター(500W) | 約2時間 |
電子レンジ(1000W) | 約1時間 |
ヘアドライヤー(1200W) | 約45分 |
堅牢な金属フレームを採用したシックなデザイン
製品外観を見て、まず目につくのはアルミニウム合金のフレーム構造です。光沢のあるフレーム部分とマットな質感のボディの組み合わせて、シックで落ち着いたデザインが好印象でした。
加えて、アルミニウム合金は自動車と同じ6000系が採用されているため、強度・耐食性(錆びにくさ)・耐衝撃性能も優れています。
大きく重いサイズ感
同程度のバッテリー容量を搭載するポータブル電源と比べると、「Anker 757 Portable Power Station」は大きく、特に重量は一回りほど重いです。
ただ、その分、約6倍も長寿命なバッテリーを搭載し、強度に仕上げるための金属フレームでを採用していることは忘れてはいけません。それらの要素を考えると、むしろ説得力のあるサイズに感じます。
見やすい大きな液晶ディスプレイを搭載
これまでのAnkerのポータブル電源同様に、「Anker 757 Portable Power Station」にも確認しやすい大きな液晶ディスプレイが搭載されています。
ディスプレイ内では入出力値・充給電/充電の残時間・バッテリー残量・注意アイコンなどが表示されます。
ディスプレイボタンを押せばバックライトが光るので、暗い場所や夜間でも視認しやすいです。
暖かい色のLEDライトを搭載
本体正面上部には暖色のLEDライトが搭載されています。
LEDライトは2つのモードに切り替えられるので、用途に応じて使い分けしましょう。
モード | 操作方法 |
---|---|
アンビエントライト | 点灯モード。ライト正面右下のボタンを押し、3段階の明るさ調整が可能 |
SOSモード | 点滅モード。ボタンを2秒間長押しする。 |
同時充給電数は豊富な4種類13口
充給電ポートは全部でACコンセントが6口、USBはType-Cが2口にType-Aが4口、カーソケットが1口の計4種類13口を備えます。
出力ポートはすべて本体正面にまとまっているため、設置場所とケーブル類が干渉することもなく使いやすいです。
ACポートとカーソケットはボタンで出力のオン/オフの切り替えができるので、無駄な電力消費を抑えることが可能です。
入力ポートは背面にXT-60DCポートとACポートがそれぞれ1口ずつあります。
ACコンセントは付属の充電ケーブルを差し込めば最大1000Wでの高速充電、XT-60DCポートはソーラーパネルもしくはシガーソケットからの充電をする場合に使用します。
なお、中央にあるのは過負荷保護スイッチです。コンセントから本体に充電できない場合には、このボタンを押してリセットして充電を再開してください。
定格出力は1500Wのハイパワー
「Anker 757 Portable Power Station」の定格出力(コンセントからの電力)は最大1,500W、瞬間最大2,400Wあります。
一般家庭にあるほとんどの電化製品を使えるパワーを有しているので、写真のように沸騰時に消費電力が1,000Wを超える電気ポットはじめ、1,500W以内であれば電気ケトル、ホットプレート、冷蔵庫、電子レンジなども使えます。
ただ当然ですが、消費電力が大きい電化製品を使えば、その分バッテリー消費は激しくなりますので、バッテリー容量のペース配分に注意して使いましょう。
純正弦波かつ50/60Hz
定格出力は50Hz/60Hzどちらにも対応したヘルツフリーです。日本東西どちらの電化製品も問題なく使えます。
波形も「純正弦波(正弦波)」のため、ご自宅にある電化製品もそのまま利用できるため安心してください。
USBは最大100Wの急速充電に対応
「Anker 757 Portable Power Station」にはType-Cが2口、Type-Aが4口搭載されています。
USBはそれぞれ急速充電規格と互換性を持つAnkerの独自技術「PowerIQ」が搭載されているため、USB PDやQualcomm® Quick Charge™対応機器へのフルスピード充電が可能です。
USB Type | 1口あたりの最大出力数 | 合計出力数 |
---|---|---|
Type-C(上部) | 100W×1口 | 160W |
Type-C(上部) | 60W×1口 | |
Type-A | 12W×4口 | 48W |
最短1.5時間で完了する充電スピード
「Anker 757 Portable Power Station」は1000Wh超の大容量モデルでありながら充電スピードも魅力です。0→80%なら約1時間、フル充電なら最短1.5時間で完了します。
一般的なポータブル電源だと充電ケーブルと本体を接続するACアダプタ(直方体のボックス)があるのですが、「Anker 757 Portable Power Station」にはそれがなくAC充電ケーブル一本だけで充電できます。
かさばるパーツが1つ少ないので、充電スペースの確保がしやすく、持ち運びも便利です。
パススルー充電が可能
ポータブル電源本体を充電しながら電化製品やモバイル端末に充給電できるパススルー充電にも対応しています。
パススルー充電には入力数が最大1200W(通常充電は1000W)になるので、消費電力200W以下の電化製品であればポータブル電源本体の充電スピードを落とすことなく給電することが可能です。
一般的にポータブル電源のパススルー充電は充放電サイクルによる劣化が懸念されますが、「Anker 757 Portable Power Station」はバッテリーを介さずにパススルー充電が可能なため、劣化の影響がありません。
「Anker 757 Portable Power Station」にとって、パススルー充電は大きなメリットの1つと言えるでしょう。
UPS(無停電電源装置)機能を搭載
「Anker 757 Portable Power Station」は無停電電源装置(UPS)機能を搭載しています。
パススルー充電した状態であれば、停電時はわずか20ミリ秒でバッテリー給電に自動で切り替わるのでバックアップ電源になります。
例えば災害や大規模停電によって帰宅難民になったことを想定した場合、家を出る際に冷蔵庫のバックアップ電源として接続しておけば少し安心できませんか?
パススルー充電はバッテリー劣化を早めてしまうデメリットはあるものの、長寿命バッテリーを搭載する「Anker 757 Portable Power Station」だからこそできる活用法と言えるかもしれません。
0ミリ秒の切替えには対応していないため、データサーバや医療機器など非常時に不具合が起こると人命/財産に重大な危険を及ぼしうる用途でのご使用はお控えください。
純正ソーラーパネルでオフグリッド電源に
純正の折りたたみソーラーパネル「Anker PowerSolar 3-Port 100W」を使えば、オフグリッド環境(電力の自給自足)を構築することもできます。
「Anker 757 Portable Power Station」には最大3枚(最大入力300W※)まで並列接続ができるので、電源のない場所での滞在期間や使用環境によって適した構成を練れるのも楽しみの1つかもしれません。
Anker PowerSolar 3-Port 100W」は2枚までの並列充電に対応しており、「Anker 757 Portable Power Station」への合計最大入力値は200Wとなります。2022年6月以降に発売予定の新ソーラーパネルは3枚並列充電に対応し、合計最大300Wでの入力が可能になります。
「Anker PowerSolar 3-Port 100W」は別途レビューしていますので、どんなソーラーパネルなのか気になった方は参考にしてください。
Anker PowerSolar 3-Port 100W実機レビュー!初心者でも扱いやすい高出力ソーラーパネル – Rentio PRESS[レンティオプレス]
Anker 757 Portable Power Stationのメリット
「Anker 757 Portable Power Station」の特長と製品を詳しく確認した上で、改めてメリットに感じた部分を紹介します。
なお、Ankerの他のポータブル電源の違いは別の記事でまとめていますので、機能性や予算なども踏まえて比較検討するのに参考になれば幸いです。
Ankerのポータブル電源7機種を比較!各製品の特長と選び方を徹底解説 – Rentio PRESS[レンティオプレス]
中長期で見るとコスパが高い
バッテリー寿命が一般的なボータブル電源と比べて約6倍も長いのはお得感があります。
言い換えるとポータブル電源を5度も買い換える必要がないので、将来的なコストの削減にもなります。さらには、買い替えた回数分だけ廃棄の手間(原則、一般家庭の燃えないごみとして処分できない)も省けます。
長く使うことを想定している方にぴったりのポータブル電源です、
防災用アイテムとして強み
基本性能に加えて、LEDライト・UPS/パススルーも備える「Anker 757 Portable Power Station」は万能型のポータブル電源です。
特に防災意識の高い方には、ベストポータブル電源の1つと言えるかもしれません。長期間に渡って保管できるので、いつ訪れるか分からない非常時の備蓄用アイテムとして役立つでしょう。
Anker 757 Portable Power Stationの注意点
一方で事前に把握しておきたい注意点として、2点紹介します。
防塵防水ではない
「Anker 757 Portable Power Station」には防塵防水性能は施されていないため、朝露が発生する時間帯に外に出しっぱなしにしたり、海や川の近くに置かないように注意してください。
同梱物に本体をすっぽり覆うカバーを使えば、ホコリや塵、砂埃からのある程度守ることができます。
使う使わないに限らず、カバーは常に本体と一緒に携帯しておくことをおすすめします。
一人では重く、持ち運びにくい
持ち運びやすさと負担を軽減するために計算されたダブルグリップであっても、約20kgの重さのポータブル電源を運ぶのは骨が折れます。
例えば1,534W容量のJackery 1500は約16kg、1260Wh容量のEcoFlow EFDELTAは約14kgであることを考えると、「Anker 757 Portable Power Station」はかなり重いことが分かります。
長寿命と携帯性、この両者を天秤にかけて検討しなければならないのが悩ましいかもしれません。
ちなみに、「Anker 757 Portable Power Station」を一人で持つときは、写真のようにグリップを手首に乗せるように握って持つと持ち運びやすくなります。
握力や指のひっかけだけで持つと負担が大きくなりますので、持ち方の参考になれば幸いです。
複数人いるなら、2人以上で持ち運ぶことをおすすめします。
車中泊や防災用途におすすめの万能ポータブル電源
「Anker 757 Portable Power Station」の特長を考えると、ポータブル電源本体をあまり移動させずに利用する方に向いているかもしれません。そのほうが、長寿命のメリットそのままに重さのデメリットを打ち消してくれるので、「Anker 757 Portable Power Station」の良さを最大限活かすことができるでしょう。
車中泊・オートキャンプ・防災品、これらの用途に合うポータブル電源を探している方は、ぜひ「Anker 757 Portable Power Station」を一度検討してみてください。
ポータブル電源は試してから購入できる
キャンプ・車中泊・アウトドア・イベントの短期利用だけでなく、防災用アイテムとして月額払いでポータブル電源を自宅に保管する方も増えています。
家電レンタルの「レンティオ」では、3泊4日から月額までニーズに合わせたポータブル電源のレンタルを提供しています。
レンタル期間中に気に入った製品があればそのまま購入もできますので、まずはいくつか製品を試してみてはいかがでしょうか。
[レンタル] ポータブル電源 一覧|キャンプや車中泊のスポット利用からサブスク型の月額制利用で防災備蓄にも – Rentio[レンティオ]
[レンタル] アンカー(Anker) ポータブル電源の検索結果一覧|中古/新品・点検済み・保証付き – Rentio[レンティオ]
関連記事
[2022最新]ポータブル電源のおすすめ17機種を比較!大容量でキャンプや防災に活躍するポタ電の選び方 – Rentio PRESS[レンティオプレス]
[2022最新]Jackeryのポータブル電源5機種を比較!容量別の特長と選び方を徹底解説 – Rentio PRESS[レンティオプレス]
EcoFlow(エコフロー)のポータブル電源全機種比較!シリーズの違いと特長、おすすめ5選を紹介 – Rentio PRESS[レンティオプレス]
[2022最新]折りたたみソーラーパネルのおすすめ9機種を比較!キャンプや災害に備えるコンパクトな発電機 – Rentio PRESS[レンティオプレス]