TAMRON 50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD実写レビュー。魅力あるスペックを採用した超望遠レンズを徹底検証

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近年、サードパーティーレンズメーカーであるタムロンは、レンズとしての質の高さだけでなく、斬新なコンセプトから開発されるレンズが目立っている印象です。
ミラーレス一眼におけるSONY EマウントやFUJIFILM Xマウントでのレンズ開発を積極的に進めており、これまでもRentio PRESSでは、タムロン様より発売前の機材をお借りするなど、各製品の魅力をお伝えしてきました。
今回は、2022年7月28日開発発表が行われ、9月22日に発売となった、SONY Eマウント用の超望遠ズームレンズ「TAMRON 50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXD (Model A067)」の実機をお借りして、長崎や北海道で撮影した作例を中心に、最新レンズのレビューを行っていきます。

もくじ
ミラーレス一眼用のレンズ開発を進めるタムロン
サードパーティ製レンズメーカーとして人気を集めるタムロンですが、直近ではミラーレス一眼用のレンズ開発を積極的に進められている印象です。
タムロンではミラーレス一眼で展開されるレンズマウントのうち、SONY EマウントとFUJIFILM Xマウントを特に注力しており、今回ご紹介していくTAMRON 50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXDも、SONY Eマウントで展開されるレンズとなります。
Rentio PRESSでも、これまでSONY Eマウント用で展開されてきたタムロン製品レビューを数多く展開してきましたが、新製品が登場するたびに良い意味で驚かされる進化やコンセプトを有しており、最も注目すべきレンズメーカーの一つであると私自身は考えています。
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焦点距離域を広げた超望遠ズームレンズ
タムロンでは、これまでも数多くの望遠系レンズを展開してきましたが、今回ご紹介していくTAMRON 50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXDは、50mmから400mmの幅広い焦点距離域を有する望遠ズームレンズです。
望遠ズームレンズでこれまで主流であったのは、70mm始まりとなる70-200mm、70-300mm、100mm始まるとなる100-400mm、150mm始まりとなる150-500mm、150-600mmでしたが、今回ご紹介するTAMRON 50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXDは、50mm始まりかつ400mmまで望遠域をカバーするレンズとなります。
高倍率ではあるものの、極端に広角域を広げることなく、フルサイズセンサーに対応していることから、ハイアマチュア層をターゲットとしているレンズと言えます。
これまでもライバルメーカーであるシグマが50-500mmや60-600mmといった焦点距離域の幅広いレンズを開発してきた経歴がありますが、かつて高倍率ズームを売りにしていたタムロンがこの50-400mmでどれほどのインパクトを与えることができているのか、徹底検証していきます。
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外観レビュー
まずは、レンズの大きさや重さ、デザイン性、機能性などの外観面について、実機写真とともにご紹介していきます。
一見、レンズの大型化が懸念されるスペックを採用したレンズですが、どれほどの携帯性に優れているのかなど、SONY α9 IIと組み合わせた様子からご紹介していきます。
超望遠ズームレンズとしてコンパクトなサイズ感
TAMRON 50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXDは、焦点距離50mmから400mmまでカバーする超望遠ズームレンズの1つとなりますが、超望遠ズームレンズの中でもコンパクトなサイズ感を実現しています。
超望遠ズームレンズにおける携帯性の面では、焦点距離域は狭いか、画質面で妥協が見られる場合でないと、なかなか小型・軽量化の難しいジャンルでしたが、タムロンにおける最新技術によって焦点距離、画質、携帯性全てで優れた画期的なモデルとなります。
長さは183.4mmと20cm以下の大きさとなっており、比較対象に挙げられるであろう「FE 100-400mm F4.5-5.6 GM OSS」の205mmよりもコンパクトなサイズ感となっています。
また、小型化に合わせて重さも1,155gと軽量化を実現しており、一般的な超望遠ズームレンズと比較すると非常に小型で軽量な携帯性を大きな特徴としています。
他のタムロンレンズとの互換性が考えられたフィルター径
高画質を叶えるレンズは、レンズ口径が大型化する傾向にありますが、タムロンでは、フィルターアクセサリーなどの互換性を考えて、なるべく多くのレンズでフィルター径の統一化を目指しています。
近年タムロンから発売されるレンズでは、「67mm」のフィルター径を採用する傾向にあり、今回のTAMRON 50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXDでも「67mm」のフィルター径を採用しています。
これによって、レンズプロテクターやPLフィルター、NDフィルターといったフィルター径に左右されるアクセサリーを複数購入することなく、タムロン製品であれば使い回しを行うことのできるメリットが存在します。
TAMRON Lens Utility用のコネクターポートを搭載
近年発売されるタムロンレンズでは、レンズ本体にコネクターポートを搭載していることが多く、TAMRON 50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXDでもコネクターポートが搭載されています。
ケーブルを使用してレンズとPCを接続し、専用ソフトウェア「TAMRON Lens Utility」を使用することで、レンズのカスタマイズを行うことができます。
「TAMRON Lens Utility」を使用することで、フォーカス/絞りリング機能切り替えやマニュアルフォーカス時のフォーカス速度の調整、レンズのファームウェアのアップデートを行うことができ、自分好みのカスタマイズを行うことができる大きな魅力があります。
性能レビュー
広い焦点距離域を有しながら、携帯性にも優れたレンズであると外観レビューを通してご紹介しましたが、レンズの本質である画質面が気になるでしょう。
ここからは、TAMRON 50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXDが画質面でどれほどの性能を実現しているのか、私が実際に撮影した作例とともにご紹介していきます。
各作例においては、Flickrを通じて等倍表示することができるため、是非そちらもご覧ください。
使って分かる広角域のありがたさ
日頃100-400mmクラスのレンズを使用することの多い私ですが、今回ご紹介しているTAMRON 50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXDは、100-400mmよりも広角側で大きな余裕があります。
この50mmから100mmをカバーしていることは、これまで標準レンズへの交換を必要としていたことを不要にしてくれる存在で、使ってみてありがたさを強く感じる部分です。
私自身、旅客機をメインに撮影することが多く、望遠レンズを使用する機会が多いものの、標準系のレンズを多用することも事実です。
例えば、羽田空港の展望デッキで撮影する場面で滑走路上の機体に対しては、300~400mm必要な状況に対して、ターミナルの前を地上走行する機体は、70~100mm程度の焦点距離が必要になります。
そんなシーンにおいて、100-400mmを使用する際は、撮影対象によってレンズを都度交換する必要がありましたが、このTAMRON 50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXDであれば先程の様な撮影条件においても、レンズ交換の必要がなく、1本でカバーしてくれる存在だと、実際に羽田空港で撮影する際に強く感じました。
高倍率ながらもズーム全域で優れた解像力
今回のレビュー執筆段階では、TAMRON 50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXDが開発発表のみの状況であることから、製品版としての性能ではないものの、実現する画質には間違いないと言えます。
これまで焦点距離域の幅広いレンズは、画面四隅を中心に解像力に難があることが大半でした。
しかし、近年タムロンが開発してきたレンズにおける技術力を見ると、今回のレンズにおいても妥協を見せることはないだろうと確信していました。
その通り、ズーム全域で非常に優れた解像力を叶えており、使い勝手の良い焦点距離域と合わせて望遠ズームレンズにおける新たな可能性を感じられるほどです。
広角側から望遠側まで様々なシーンでの撮影を行いましたが、画像内で解像力の安定性が感じられ、なるべく使用を避けたい焦点距離が存在しないことにこのレンズにおける性能の高さを感じました。
ファインダー内で明確な手ブレ補正機構
近年レンズにおける手ブレ補正機構の性能進化も著しく、今回ご紹介していくTAMRON 50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXDでも、その効果を存分に体感することができました。
TAMRON 50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXDでは、現時点で数値による効果を公表していませんが、優れた手ブレ補正効果を発揮する性能を有しており、実際に今回夜景撮影を行った際にも低速シャッタースピード時における成功率の高さが印象的でした。
実際に撮影する瞬間においても、ファインダー内でピタッと手ブレが止まる感覚は、撮影前から強力な効果を感じることができ、手ブレさせたくないという余計な緊張感すら掻き消してくれるほどでした。
望遠レンズにおいては、もう手ブレ補正が不可欠な時代となりましたが、画質だけでなく、手ブレ補正の性能も妥協することなく、優れた性能を発揮しています。
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h2>TAMRON 50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXDを使って撮影した作例/h2>




今回の作例撮影を行った長崎県における撮影ガイドはこちら
[2022最新] 長崎県おすすめ絶景スポット12選。自然溢れる景観と異国情緒感じられる街並み | Rentio TRAVEL
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タムロンらしさ光る次世代の超望遠ズームレンズ
昔からタムロンは高倍率ズームレンズの開発を得意とし、自らの特徴として推し進めてきました。
今回ご紹介してきたTAMRON 50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXDは、まさにタムロンが得意としてきた特徴を凝縮し、最新技術によって求められる性能以上の実力を有した望遠ズームレンズとしておすすめです。
焦点距離距離の幅が広がっても画質を維持するレンズは、これまでも存在はしてきたものの、数は少なく、更にTAMRON 50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXDでは、小型・軽量化まで叶えた革新的な存在と言えるでしょう。
SONYのαユーザーにとっても、超望遠域をカバーする純正レンズでは、高額かつ携帯性が犠牲となったG、G Masterレンズが中心となることから、今回ご紹介してきたTAMRON 50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXDは、超望遠レンズにおいて非常に有力な候補になるでしょうし、私自身からも今回のレビューを通して非常におすすめしたいレンズと言い切れます。

TAMRON 50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXDのレンタルはこちら
今回ご紹介してきたTAMRON 50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXDですが、記事公開時点では、開発発表のみ行われているため、実際に皆さんのお手元の届くには時間を要する見込みです。(→9月22日に発売となり、レンタルも開始となりました)
いざ発売のタイミングとなったとき、いきなり購入するのではなく、一度お試しでレンタルしてみるという手段もおすすめです。
Rentio(レンティオ)では、今回ご紹介してきたTAMRON 50-400mm F/4.5-6.3 Di III VC VXDを最短3泊4日からレンタルすることができます。
SONY αユーザーの皆さんはもちろん、他社マウントを使用されている方も、是非αのカメラボディと一緒にレンタルして、お試しいただきたい1台となっています。
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