TAMRON 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD (Nikon Zマウント用) 実写レビュー【望遠レンズ】
更新日2024/11/13
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数あるメーカーの中でもソニーのミラーレス一眼は、サードパーティー製レンズを含めて選択肢が非常に多い印象です。
一方で、他のメーカーは、サードパーティーメーカーの参入が少ない問題もありましたが、近年「タムロン」がその状況の打開を図っています。
タムロンでは、今回初めて「Nikon Zマウント」への参入を発表し、大きな話題を呼んでいます。
今回ご紹介していく「TAMRON 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD (model A047)」は、タムロンにとって初のニコンZマウント用のレンズで、Zマウントユーザーにとってもレンズ選択肢の幅が広がる注目の製品です。
今回も株式会社タムロン様より発売前の機材をお借りし、実際に私自身が撮影した作例を基に「TAMRON 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD (model A047)」の魅力をご紹介していきます。
もくじ
攻めの製品展開を進めるタムロン
今サードパーティーレンズメーカーの中でも特に勢いを感じるのが「タムロン」です。
歴史あるメーカーですが、近年では昔に比べて製品の方向性も変わってきている印象です。
かつては純正レンズよりも安く購入できるものの、画質に関しては大きく妥協する必要のあったサードパーティーレンズメーカーでしたが、近年タムロンでは、驚異的な安さは捨て、純正よりも一定の安さを維持しながらも純正と同等、もしくはそれ以上の性能を実現したレンズが増えている印象です。
また、純正レンズではカバーされていない領域に踏み込むなど、斬新なアイディアから誕生する製品も存在します。
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初となるNikon Zマウント用レンズ
そんなタムロンが今回発売した製品は、初のNikon Zマウント対応レンズである「TAMRON 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD」です。
既にSONY Eマウントでは、2020年10月に発売されているレンズですが、Nikonとのライセンス契約の下、現在の主流であるZマウント版として販売されることになりました。
これまでCanon RFマウントと並んでサードパーティーレンズメーカーのレンズ開発に否定的と思われていたNikon Zマウントですが、遂に一眼レフFマウントと同様にサードパーティーレンズによる開発が進められていく第一歩の現れと言えるでしょう。
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TAMRON 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDメーカー公式サイトはこちら
70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD (A047) | レンズ | TAMRON(タムロン)
外観レビュー
ここから実機を使用したレビューを展開していきますが、まずはデザイン性や大きさ、重さなどの外観面についてご紹介していきます。
Nikon Zマウントの純正望遠レンズは、基本的に大きく、重いモデルが多いのですが、サードパーティー製レンズであるTAMRON 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDがどのような特徴を有しているのか、解説していきます。
300mmクラスのフルサイズ対応望遠レンズ世界最小・最軽量
今回ご紹介しているTAMRON 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDは、300mmの望遠域をカバーする望遠レンズとして、発売時点で世界最小かつ最軽量を実現しています。
私自身、実際に手にしたときも第一印象は「軽さ」を特に感じ、これまでも望遠レンズを中心に愛用されてきた方であれば特にTAMRON 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDが軽量化に成功していることがわかるでしょう。
数値にしてみても約580gと、望遠レンズとは思えない軽量化を実現しており、それに伴って大きさも最大限まで小型化されています。
タムロンでは、様々なレンズでフィルターなどのアクセサリー類を併用できるようなコンセプトもあり、TAMRON 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDにおいてもZマウントではまだ他にレンズがありませんが、Eマウントレンズで共通している「67mm」を採用しています。
この辺りは、タムロンが今後Nikon Zマウントにおけるレンズラインナップを拡充させる際に期待できるポイントとも言えるでしょう。
Zシリーズのモデルにも合うデザイン性
TAMRON 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDのデザインは、シンプルながらも洗練されたデザイン性が特徴的です。
黒を基調とした一見単純なデザインですが、タムロンとすぐ分かるリングの形状やフォントは、既にブランドイメージとして浸透している印象です。
そして、このデザインはニコンのカメラにも似合うデザイン性で、自然になじむデザイン性となっています。
ZマウントモデルのみTAMRON Lens Utilityでファームウェアアップデートに対応
TAMRON 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDは、既にSONY Eマウントでは発売となっていますが、今回ご紹介していくNikon ZマウントのみTAMRON Lens Utilityを使用してレンズのファームウェアのアップデートを行うことができます。
残念ながらTAMRON Lens Utilityを使用したレンズのカスタマイズは行うことができませんが、Nikon Zマウント用のモデルには、コネクターポートが搭載されており、付属のUSBケーブルを使用することでファームウェアアップデート作業を行うことができます。
レンズは購入以降、それ以上のアップデートが行われないことがこれまでの通例でしたが、近年では、レンズ自体もアップデートが行われることで、今後TAMRON 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDが更に性能が向上する可能性も秘めていると言えるでしょう。
性能レビュー
ここからはTAMRON 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDを実際に使用して撮影した作例を基に、画質を中心とした性能面に迫ります。
今回は、海外旅行における諸々の条件が緩和したことで行きやすくなった韓国・ソウルでの撮影を実施しました。
ズーム全域で優れた解像力
TAMRON 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDでは、70mmから300mmまでの焦点距離を有する望遠ズームレンズですが、ズーム全域で優れた解像力を実現しています。
小型・軽量化の実現と、解像力の両立は難しく、解像力に妥協を必要とすることがこれまでは目立ちました。
しかし、TAMRON 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDでは、作例を等倍していただくと分かる通り、画面四隅まで優れた解像力を叶えており、性能にも優れたレンズです。
あらゆる撮影シーンでも安定した発色も実現しており、今回作例撮影で使用したNikon Z6IIにおける発色性の良さを消すことなく、これまで純正レンズを使用していたユーザーにとっても不自然さを感じることはないでしょう。
程よい焦点距離域を採用
TAMRON 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDで採用されている焦点距離域は、「70mm」から「300mm」です。
この焦点距離域は、昔から望遠ズームレンズでよく採用されてきた伝統的な焦点距離域で、長年変わることのない使いやすさが特徴的です。
超望遠域を必要とする方には、物足りなさを感じるかもしれませんが、これ以上望遠域を拡大するとレンズの大型化が避けられず、このクラスが一番携帯性と性能を両立させやすいと言えるでしょう。
70mm側は、比較的余裕のもった画角という印象で、望遠域というよりも標準域に近い画角となります。
風景写真やスナップにも活用できる焦点距離域であることから、このレンズが望遠側だけに特化しているレンズではないことも分かります。
300mmになると様々な被写体をクローズアップして撮影することができ、乗り物や動物、スポーツなど特定の被写体に絞った撮影に対応しています。
このように汎用性の高い焦点距離域を採用していることから、日常的な撮影で十分に活用することのできるレンズとなっています。
静音性と高速、高精度が自信のAF
ニコンユーザーにとって、懸念要素の一つとなるのがAF性能でしょう。
今回、作例撮影を行った韓国では、市内上空をアクロバットチーム「Black Eagles」が飛行する予定があり、AFの俊敏性を試すチャンスがありました。
ビルから突然飛び出してくる状況であったため、素早いフレーミングと素早いAFが求められましたが、TAMRON 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDは、瞬時に機体へとピントが合い、撮影後のデータを確認してもピントが外れているカットはなく、優秀なAF性能を実現していると感じました。
その他の通常の撮影においても、Nikon Zレンズと遜色のない性能を感じ、実用的に様々な被写体に使用できると実感しました。
TAMRON 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDで写す
製品仕様表
モデル名 | TAMRON 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD (Nikon Zマウント用) |
---|---|
焦点距離 | 70-300mm |
明るさ | F4.5-6.3 |
レンズ構成 | 10群15枚 |
絞り羽根 | 7枚(円形絞り) |
最短撮影距離 | 0.8m(ワイド端)/1.5m(テレ端) |
最大撮影倍率 | 1:9.4(ワイド端)/1:5.1(テレ端) |
最初絞り | F22-32 |
手ぶれ補正効果 | -(ボディ側対応) |
フィルター径 | φ67mm |
最大径 | φ77mm |
長さ | 150.3mm |
質量 | 580g |
Zマウントユーザー待望のサードパーティーレンズは高品位
今回ご紹介してきたTAMRON 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDは、タムロン初のZマウント対応レンズであると同時に、ニコンZマウントユーザーにとっても待望のサードパーティ製レンズとなります。
これまでほぼ純正レンズしか選択肢がなかったZマウントにおいて、サードパーティ製レンズの選択肢が増えることは、マウント自体が今後盛り上がりを見せていく期待も感じられるところです。
サードパーティ製レンズとはいえ、近年タムロンが発売するレンズの数々は、光学性能で非常に優れており、画質で妥協のないこだわりを感じられ、純正レンズとどちらを選ぶか迷うほどの完成度を実現しています。
今回ご紹介してきたTAMRON 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXDも、まさにその特色を感じられるレンズで、望遠レンズにおいて質の高さを維持しながら、携帯性にも大きく配慮されたレンズとして、純正レンズのラインナップには存在しない大きな魅力も感じられるレンズとなっています。
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今回ご紹介してきた「TAMRON 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD (Nikon Zマウント用)」ですが、購入前にお試しされることもおすすめです。
簡単に購入することのできるレンズではないからこそ、購入前に検討材料として短期間使用してみることは、自分の感覚を確かめる上で役立つプロセスになります。
Rentio(レンティオ)では、今回ご紹介してきたTAMRON 70-300mm F/4.5-6.3 Di III RXD以外にも豊富なカメラ、レンズラインナップから自由に選んで最短3泊4日からお得にレンタルすることができます。
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