初心者でもすぐ分かる「野鳥」の撮り方。カメラやレンズの選び方や設定、野鳥のいる場所などを徹底解説

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カメラの趣味は被写体に応じて専門性が分かれる奥深さがあります。
向き合う被写体に応じて選ぶべき機材も異なれば、カメラの設定も異なってくるため、被写体ごとの撮影スタイルを理解する必要があります。
今回は、撮影ジャンルの中でも望遠レンズを活用した撮影が必須となる特殊な被写体である「野鳥」の撮影テクニックについてご紹介していきます。
もくじ
被写体として注目度の高い「野鳥」
カメラを使って何かを撮影するとなったとき、「野鳥」を撮影する方が急増しています。
野鳥はどこを歩いていても見かけることのある身近な存在でありながら、様々な種類が存在し、なかなか目にすることのない珍しい鳥に出会える可能性もあることから、コレクション感覚でも楽しむことのできる被写体です。
元々、バードウォッチングが趣味の一環として存在しましたが、近年一眼カメラにおける望遠レンズ導入のハードルが下がったことや、レンタルサービスなどによって気軽に始めやすい環境が整ったこともあり「野鳥」の撮影は非常に人気となっています。
野鳥を撮影するために必要な機材
野鳥は、被写体として小さく、野生動物の一環であることから警戒心が非常に強く、近づくことは困難です。
望遠レンズが必須
そのため、カメラボディを選ぶ以前に「望遠レンズ」の存在が必須になります。
望遠レンズの中でも焦点距離の長い400mm以上にあたる超望遠レンズがおすすめで、他の撮影ジャンルと比較しても極めて特殊なジャンルとなります。
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カメラボディにはAF、連写性能に優れたモデル
カメラボディに関しては、特に「AF性能」「連写性能」に優れたカメラがおすすめで、素早く一瞬を捉える必要のある野鳥撮影においては、どれだけ高い精度で素早くピントを合わせられるかが重要になります。
AF性能は最新のカメラであるほど性能が良くなる傾向にあるので、超初心者向けのモデルを除いてレベル関係なく新しいカメラを選ぶことがおすすめです。
そして決定的瞬間を収めるために連写速度も重要で、カメラの仕様上で1秒間に10コマ以上記録できるカメラがおすすめとなります。
その際には、ピントを追随し続けるAIフォーカスやコンティニュアスAFといった被写体を追い続けるモードで10コマ/秒以上の高速連写性能を有するモデルがおすすめです。
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野鳥はどこで撮影すべきか
野鳥を撮影するには、何よりも自然豊かな場所へと訪れる必要があります。
池や湖がある公園
鳥は水辺に集まることが多く、池や湖など一定の広さを誇る水辺のある公園がおすすめです。
特に遠くにいく必要もなく、身近な場所に存在することも多いことから、野鳥の撮影をはじめる場所としても最適な場所になるでしょう。
山や森に近い広大な公園
水辺だけでなく木々が生い茂る自然の多い場所でも野鳥が見られることが多いです。
森林公園や山や森に近い自然の多い公園も野鳥撮影におすすめです。
川や海の近く
公園でなくとも自然の水辺となる河原や海の近くも野鳥が集まりやすい場所になります。
公園のように範囲が限られることなく、川沿いや海沿いすべてがスポットになるため、広範囲にはなりますが、より様々な野鳥が見られるチャンスにもなります。
野鳥撮影を行う際のカメラ設定
ここからは撮影の実践編として野鳥撮影を行う上でのおすすめのカメラの設定をご紹介していきます。
シャッタースピードに要注意
野鳥撮影を行う上で最も大切なのはシャッタースピードの設定です。
超望遠での撮影かつ動く被写体となる野鳥の撮影では、手ブレを抑えるためにシャッタースピードを上げて撮影する必要があります。
目安としては、1/1000秒以上が欲しいところで、シャッタースピード優先モードを活用するなど、あらゆるシーンでシャッタースピードが低下しないように注意しましょう。
「シャッタースピード」とは、デジタルカメラにおける写真を記録する時間になります。
「1/1000秒」などの表記で表され、1/3200秒などシャッタースピードが速いほどブレが生じにくく、1/20秒などシャッタースピードが遅いほどブレが生じやすくなります。
一方でシャッタースピードが速いほど一度に取り込める光が少ないため暗い写真になり、シャッタースピードが遅いほど一度に取り込める光が多くなるため明るい写真になります。
シャッタースピードについては下記記事で詳しく解説
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絞り(F値)は開放でOK
絞り(F値)の設定については、基本的に各レンズにおける最も低い数値である「開放」がおすすめです。
野鳥をクローズアップすることが多いことから、画面全体にピントを合わせるというよりも、ピントは野鳥だけに合った状態で背景はボケ味のある状態が理想的になります。
また、絞り値を上げることによりシャッタースピードの低下も招くため、その対策のためにも絞り値はなるべく低めでの撮影がおすすめです。
「F値」は、絞り値とも呼ばれ「ピントの合う範囲を決める」設定になります。
レンズにはF〇〇という形で表され、〇の中には数字が入りますが、この数字が低いほどボケ味の表現に適した明るいレンズになります。
また、明るいレンズの場合は一度に多くの光を取り込むことができるため、暗い撮影環境でもシャッタースピードを稼ぐことができる優秀な存在になります。
絞り(F値)については下記記事で詳しく解説
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AFは追随するモードを選択
オートフォーカスの設定は、フォーカスを常に合わせ続ける追随モードがおすすめです。
モードの名称はカメラメーカーによって異なりますが、キヤノンの場合はAIサーボ、ニコンではAF-C、その他のメーカーではコンティニュアスAFという名称がつけられています。
動きのある野鳥撮影においては、オートフォーカスの設定ではこの追随モード一択と言えるでしょう。
また、カメラによっては、被写体認識AFが搭載されており、鳥の目などを認識してくれるAF性能も存在するため、カメラ選びの時点でこれらのカメラを候補にすることも一つです。
AFモードについては下記記事で詳しく解説
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高速連写を指定
鳥を撮影する際の連写設定は、連写速度が最も速いモードを指定するようにしましょう。
止まっている鳥を撮影している状況でも、いつ飛び立つか予測が難しく、連写で記録しておくことで、飛び立つ瞬間など、決定的瞬間を撮影できるチャンスが増加します。
ファインダーを覗いた撮影
望遠レンズでの撮影が基本となる野鳥撮影では、ファインダーを覗いた撮影がおすすめです。
ミラーレス一眼が主流になってからカメラの背面ディスプレイを見ながら撮影を行う頻度も増えているかと思いますが、望遠での撮影に関してはしっかりとカメラをホールドすることが重要になるため、両腕+額という3点で支えることのできるファインダーを覗いたスタイルが安定感をもたらすために重要になります。
機材によっては非常に重量感が出てくるため、三脚や一脚を使用することも手段の一つになりますが、その際にもファインダーを覗いた方が画角の安定性は高くなります。
野鳥撮影テクニック
ここからは、野鳥を撮影する上でどのようなシーンが存在して、どのように撮影すべきか、撮影テクニックの実践編としてご紹介していきます。
水辺に浮いている野鳥を撮影
野鳥撮影の上で最も簡単なのが、水辺に浮いている姿を撮影することです。
動きが少なく、明るい場所に居ることが多いので見つけやすいのも撮影がしやすいポイントの一つです。
このようなシーンでは特に設定面でも気をつける必要はないため、野鳥撮影の第一歩として目を向けてみるのも良いでしょう。
木々の上に止まっている野鳥を撮影
鳥は木の枝に止まっていることも多く、その瞬間もシャッターチャンスになります。
周りが雑多としている木々の中では、自然の中で撮影している雰囲気が出しやすく、構図としてもおすすめです。
このようなシーンでは、鳥を木々の中から見つけることが必要になるため、鳥の生態系や鳥が潜んでいる様な木々の特徴を把握する必要があります。
そしていざ見つけるためには「双眼鏡」などのアイテムも活用すると良いでしょう。
撮影の際には、設定の項でもご紹介した絞り値開放を意識して、鳥以外の部分が綺麗にボケる写真を撮影することで、より作品として磨きがかかります。
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飛び回る野鳥を撮影
野鳥撮影において人気のあるシーンの一つに飛んでいるシーンが存在します。
やはり飛ぶことのできる動物だからこそ、飛んでいるシーンを撮影したいという方は多いのではないでしょうか。
しかし、動きの予測が難しいことから飛んでいる鳥を撮影するのは、止まっている鳥を撮影するのと比較すると圧倒的に難易度が高くなります。
まさに瞬発力が必要になるため、対象となる鳥を見つけた瞬間に素早くフレームに入れる練習は必要になってきます。
そして追いかけ続けることができれば理想的ですが、動きの予測が難しく、ここは経験があってもカバーしきれないところが出てくるため、なるべく鳥が画角の中に入っているときは連写で撮影することで、その中にベストショットが含まれていることを信じましょう。
また、高速で動き回る被写体を撮影するため、シャッタースピードの低下には注意が必要です。
鳥の場合は動きが不規則のため、流し撮りの撮影には向いていません。
流し撮りとは、シャッターを落として被写体を追いかけることで、被写体以外の部分の背景が流れる様にブレることから「流し撮り」と呼ばれています。
流し撮りを行うためには、カメラ側でしっかりと被写体を正確に追いかけ続ける必要があるため、動きの予測が難しい野鳥には向かないということになります。
飛び立つ瞬間は神秘的
鳥が飛び立つ瞬間を狙うのも良いシャッターチャンスになります。
こちらも飛び回るシーン同様に、動き出しの予想が難しいため、辛抱強く待ち続ける必要があります。
水辺や木々に止まっている鳥にフォーカスして、動き出す一瞬をも見逃さないためには構図を変えない必要がありますが、手持ち撮影では構図を固定するのに限界があるため、このようなシーンでは「三脚」の活用がおすすめになります。
こちらでも鳥の素早い動き出しでもブレが生じないようにシャッタースピードを上げた撮影を心がけましょう。
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数ある写真ジャンルの中でも野鳥は特殊
野鳥撮影は、数ある写真ジャンルの中でも特殊なジャンルということがお分かり頂けたと思います。
機材に関してはとにかく超望遠レンズが必須となり、他の撮影ジャンルと比べて難易度は上がるものの、だからこそ綺麗に撮れたときの達成感は大きくなります。
最初のうちは野鳥を見つけることすら困難に感じるかと思いますが、これも場数を踏むことで慣れてくるかと思います。
また、自然相手に撮影していることを忘れず、決して野鳥たちの住む環境を破壊したり邪魔するようなことがないマナーにも気を使って撮影を行うようにしましょう。
野鳥撮影に使う望遠レンズはレンタルがおすすめ
今回ご紹介してきた野鳥の撮影テクニックの記事を観て、カメラを使った撮影に興味が出てきた方も少なくないでしょう。
しかしカメラやレンズは高価なものが多く、いきなり気になるモデル全てを購入することは難しいと思います。
そこでカメラのレンタルサービスの活用がおすすめです。
カメラや家電のレンタルサービスを展開するRentio(レンティオ)では、豊富なラインナップから気になるカメラやレンズを最短3泊4日から自由にレンタルすることが可能です。
日常的に存在する身近な存在だからこそ、Rentio(レンティオ)を活用して、カメラ撮影に挑戦されてみてはいかがでしょうか。