TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2実写レビュー。タムロン史上最高の広角レンズを徹底検証
更新日2024/07/17
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旅のスナップなどで活躍することの多い広角レンズ。
歪みや周辺減光、画面全体を通した解像度など、広角レンズの開発は想像以上に難しく、かつて純正レンズ以外は、あまり質の高いモデルが存在しませんでした。
しかし、近年になるとサードパーティーレンズメーカーが開発における技術力を向上させ、純正レンズと競うように高品位な広角レンズを数多く発表しています。
今回ご紹介するTAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2もサードパーティーレンズメーカーであるタムロンが開発する広角ズームレンズです。
もくじ
タムロン史上最高の広角レンズの名に懸けて
タムロンでは、伝統的に高倍率ズームレンズの開発を得意としてきました。
今現在も高倍率ズームレンズの開発も進めていますが、純正や他のサードパーティーレンズメーカーと競うようにして高級路線のレンズ開発も進めています。
今回ご紹介していくTAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2も、高級路線が意識された高品位な広角レンズとして、「タムロン史上最高の広角レンズ」とメーカー直々に名乗っています。
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シリーズラインナップで最も広角域を実現
タムロンでは、今回のTAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2以外にも多くの広角レンズを販売していますが、TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2は、レンズラインナップの中でも最広角の画角を実現しています。
焦点距離でいうと、10-24mm F/3.5-4.5 Di II VC HLDの方が広角域に優れているように思えますが、こちらはAPS-C用のレンズとしてキヤノンの場合でも35mm換算16mmの画角となります。
TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2では、フルサイズセンサー搭載のカメラにも装着することができるため、最広角35mm換算15mmというワイドアングルを実現します。
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外観レビュー
ここからはTAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2を実際に使用した感想を基にレビューを行っていきます。
まずは、大きさや重さ、デザイン性などの外観について実機の写真とともにご紹介していきます。
画質を求めた大口径
標準レンズでは携帯性が意識されたレンズが多く開発されていますが、広角レンズに関しては逆に大型化されているモデルが目立ちます。
高画質を求める上でレンズ口径というのは大きいほど有利になり、画質の向上に繋がります。
レンズの携帯性というのは、持ち運びの際に重要視しておきたい要素ですが、今回のような高級路線のレンズでは、妥協しなければいけないポイントの一つです。
最新モデルらしいシックなデザイン
近年サードパーティー製レンズでは、各メーカー通してシンプルながらスタイリッシュなデザインが採用される傾向にあります。
TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2でも黒を基調としたシンプルさが意識されており、絶妙なバランスで配置されたズームリングや文字によってスタイリッシュなデザインを実現しました。
シンプルながらタムロンが開発するG2シリーズで統一されたデザインで、ブランド力も感じられるデザイン性となっています。
簡易防滴構造を採用
TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2では、降雨や湿気の多い環境下での撮影にも対応すべく、簡易的ながら防滴機構が搭載されています。
あくまでも簡易的な機能であるため、度を越えた環境での撮影はおすすめできませんが、小雨における撮影シーンなどでは、防滴構造無しのモデルと比較して、安心感があることは間違いありません。
カメラ関連の製品は、精密機械である以上、場合によっては少量の水分が命取りになる危険性があるため、簡易的な防滴機構が採用されていることには、大きな意味があると言えるでしょう。
撮影性能レビュー
ここからは実際にTAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2を使用して撮影した作例を基に、撮影性能のレビューを行っていきます。
フルサイズ対応の広角レンズが増えつつありますが、TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2はどのような特徴があるのかをご紹介していきます。
画面全体で高い解像力を実現
広角レンズは、一度に広範囲を写すことで画面の各所で解像力を維持することが難しいレンズで、各レンズによって性能差が顕著に表れます。
TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2では、広角側15mmから30mmのズーム全域どこで撮影しても画面全体で優れた解像力を実現しています。
レンズによってディティールの仕上がり方に違いがありますが、TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2では、シャープネス度の高い、クッキリとした描写が特徴的です。
風景写真には最適な発色とコントラスト加減
広角レンズは様々なシーンで使用することができますが、その中でも風景写真は、広角レンズが最も活躍するシーンの一つです。
風景写真は、多くの色を扱うレンズにおいても発色が難しいジャンルですが、TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2では、安定感のある自然な発色を実現しています。
他社のレンズでは、青空が鮮やかに写ることや、自然の緑が強調されるなどの特徴を保有したレンズも存在しますが、TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2では、何かの色で突出して際立つということではなく、トータルでのカラーバランスが良く、撮影後に大幅な調整を加える必要もないです。
強力な手ブレ補正機構で夜間の撮影も
広角レンズでは、焦点距離が短いことから手ブレ補正機構については、あまり強力でないことも少なくありませんが、TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2では、CIPA規格準拠4.5段分と非常に強力な手ブレ補正を搭載しています。
今回私はTAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2を使用して富山駅近くの富岩運河環水公園にて夜間の撮影を行いましたが、イルミネーションや建物のわずかな光源以外にほとんど明るさの無い暗い環境下で、低速シャッターを使用してもブレが生じた写真は極めて少なかったように感じます。
広角レンズとはいえ、1/10秒のシャッタースピードを下回ると手ブレ補正無しではブレが生じることが多いです。
更に高画素化が進む現代では、わずかなブレでも大きく目立ってしまうため、広角レンズにおいても手ブレ補正機構の有無というのは重要な性能の一つになると言えるでしょう。
TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2で写す北陸
製品仕様表(キヤノン用)
モデル名 | TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2 |
---|---|
焦点距離 | 15-30mm |
明るさ | F2.8 |
レンズ構成 | 13群18枚 |
最短撮影距離 | 0.28m |
最大撮影倍率 | 1:5 |
フィルター径 | フィルター装着不可 |
最大径 | Φ98.4mm |
長さ | 145mm |
質量 | 約1,110g |
絞り羽根 | 9枚(円形絞り) |
最初絞り | F22 |
手ぶれ補正効果 | 4.5段分 |
他社モデルとの比較
前述の通り、近年ではフルサイズセンサーモデルに対応した広角レンズが純正、サードパーティーレンズメーカー問わず多く誕生しています。
ここからは人気の広角レンズ2モデルとの違いについて比較を行っていきます。
Canon EF16-35mm F4L IS USM
キヤノン純正で広角レンズとして定番モデルとして人気を集めるEF16-35mm F4L IS USM。
キヤノン純正では、同じ焦点距離域でF2.8通しのモデルも存在しますが、価格が高騰するため、比較対象となるのは、F4通しのレンズと言えるでしょう。
1mmの差とディティールの仕上がりで違いが
モデル名の通り、EF16-35mm F4L IS USMとTAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2では、広角側の焦点距離で1mmの違いがあります。
この1mmの違いは、広角レンズにおいて非常に大きな違いとなり、画角においても表現の幅が広がるのは1mm画角が広いTAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2と言えるでしょう。
また、TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2ではシャープネスが強めの仕上がりとなるとご紹介しましたが、EF16-35mm F4L IS USMでは、比較すると柔らかめの描写が特徴的と言えるでしょう。
Canon EF16-35mm F4L IS USM実写レビューはこちら
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SIGMA 12-24mm F4 DG HSM Art
タムロンにおいてライバル的存在となるシグマが開発したSIGMA 12-24mm F4 DG HSM Art。
シグマでもサードパーティーレンズメーカーとして質の高いレンズ開発を行っていることで、広角レンズも数多く開発しています。
シグマ製は圧倒的な広角域、描写力はタムロン
焦点距離域に関してはSIGMA 12-24mm F4 DG HSM Artが実現している広角側12mmというのはクラス内でも最広角と言えるでしょう。
非常に広範囲を写すことができることから、撮影の幅も広がりますが、その分画面内における周辺部の流れや描写力は少々気になるところがあります。
その点では、焦点距離域を制限しながらも描写力に注力したTAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2の方が質に関しては優位と言えるでしょう。
SIGMA 12-24mm F4 DG HSM Art実写レビューはこちら
SIGMA 12-24mm F4 DG HSM実写レビュー。貴重なフルサイズ対応の超広角レンズの実力を検証 – Rentio PRESS[レンティオプレス]
サードパーティー製広角レンズの中でも有力候補
今回ご紹介してきたTAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2は、数あるサードパーティー製広角レンズの中でも有力候補としておすすめです。
何かが一番優れているというモデルではありませんが、全体の性能を通して高い水準を実現しており、繊細な描写や、安定したカラーバランスが魅力的です。
是非TAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2は、単調な風景写真だけでなく、被写体が多く含まれる複雑な風景写真においても使用して頂きたい広角レンズです。
気になるレンズはお試しで
今回ご紹介してきたTAMRON SP 15-30mm F/2.8 Di VC USD G2をはじめ、カメラレンズは購入前にお試しで使用されることがおすすめです。
レンズは一度購入すると一生ものとして撮影ライフを共にすることが多いため、レンズ選びには慎重になることがおすすめです。
Rentio(レンティオ)では、フルサイズ対応の広角レンズをはじめ、一眼カメラ用のカメラレンズを豊富なラインナップから選んで使用することができます。
ぜひこの機会にRentioで気になるレンズをレンタルして、失敗しないレンズ選びに役立ててください。
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