SIGMA 12-24mm F4 DG HSM実写レビュー。貴重なフルサイズ対応の超広角レンズの実力を検証
更新日2024/07/17
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2016年10月28日に発売された「SIGMA 12-24mm F4 DG HSM | Art」
数少ないフルサイズ対応の超広角レンズとして人気を集めたSIGMA 12-24mm F4.5-5.6 II DG HSMの後継モデルとして誕生しました。
今回従来モデルであるSIGMA 12-24mm F4.5-5.6 II DG HSMからどのような進化があり、SIGMA 12-24mm F4 DG HSM | Artはどれほどの実力があるのか、夏の沖縄で撮影した作例を基にレビューしていきます。
もくじ
究極を求めた超広角レンズ「SIGMA 12-24mm F4 DG HSM | Art」
APS-C専用の超広角レンズはこれまでもリーズナブルな価格で購入することができましたが、フルサイズ対応の超広角レンズというのは極めて種類が限られます。
特に12mmのような焦点距離を実現するには超望遠レンズ同様に高価な値段が付く場合が多く、身近な存在として存在したのは「SIGMA 12-24mm F4.5-5.6 II DG HSM」のみでした。
SIGMA 12-24mm F4.5-5.6 II DG HSMも非常に満足度が高く、貴重な手軽に使える超広角レンズとして人気を集めていましたが、シグマが新たに開発した後継モデルであるSIGMA 12-24mm F4 DG HSM | Artは、シグマが高品質を常に意識するArtシリーズとして最高性能を求めた完全に新しいレンズとなっています。
大口径の超広角レンズ
従来機との比較は後ほどご紹介しますが、比較対象を無くしてもSIGMA 12-24mm F4 DG HSM | Artは、超大型レンズと言えるでしょう。
シグマの高品質なArtシリーズとして、高解像度を実現する技術が取り込まれていますが、その結果口径が非常に大きくなったレンズです。
重量も1kgを超えるため、持ち運びにも少々難があります。しかし、価格を抑えながら写真の質を上げることができる貴重な選択肢であることは間違いありません。
その他のおすすめ広角レンズはこちらでご紹介
[2020最新]一眼カメラにおすすめの広角レンズ10選。写真撮影の幅を大きく広げる広角の魅力を徹底解説 – Rentio PRESS[レンティオプレス]
圧倒的な高解像度を実現
シグマのArtシリーズは高い解像能力に定評があります。
12-24mm F4 DG HSM | ArtでもArtシリーズとしての圧倒的な解像度は、従来モデルと比較して驚くほどです。
開放から抜群の解像力
従来モデルの12-24mm F4.5-5.6 II DG HSMでは、絞り開放時の描写力は甘く、シャープな仕上がりを得るためには数段階絞って使用する必要がありましたが、新型の12-24mm F4 DG HSM | Artでは、絞り開放時から良い描写力を誇ります。
数段絞ることで更に解像度が向上
開放でも良い描写力ですが、数段階絞りF6.3~F10周辺では更に解像力が増し、画像全体でシャープな仕上がりを実現します。
従来型ではどうしても周辺の流れが気になるところでしたが、新型では大幅に改善されています。
それでもワイド端撮影時の撮影では等倍時に周辺の流れが少々気になりました。
逆光に強いフレア・ゴースト耐性
超広角レンズであるためにフレーム内に太陽が入る場合が多々あります。その際に気になるのが強い太陽光による画像内のフレアやゴースト。
従来型12-24mm F4.5-5.6 II DG HSMでは、逆光にあまり強いとは言えず、フレーム内に太陽光が入った場合、フレアやゴーストに悩まされることが頻繁にありました。
新型12-24mm F4 DG HSM | Artでは、スーパーマルチレイヤーコートの採用で逆光時のフレアやゴーストに強くなりました。
このように日中の強い太陽光線がフレーム内に入っても若干のゴーストは発生するものの、フレアに関しては全く影響を感じることがありません。
逆光時でもフレアによる霞み具合に悩まされることなく、しっかりとしたコントラストで描写力を維持しています。
従来モデルからの開放絞り値の変化
従来モデルでは、広角レンズとしては開放絞り値に難があり、暗いレンズと言われていました。
新型となった12-24mm F4 DG HSM | Artでは、従来よりも明るいレンズとして従来のF4.5-5.6から絞り開放F4固定へと変化しました。
ズーム全域でF4を実現し、従来から一絞り分明るくなったレンズにより、暗い場所での撮影にも少し強くなりました。
大幅に大きくなったレンズ本体
従来レンズである12-24mm F4.5-5.6 II DG HSMは、標準ズームレンズに近いコンパクトさを実現していましたが、新型の12-24mm F4 DG HSM | Artでは、大幅に大型化されました。
画質を追求するArtシリーズとして、最大径は従来の87mmから102mmまで大きくなりました。
本体サイズが大きくなったことで重さも大幅に増量しています。
新型12-24mm F4 DG HSM | Artは、1kgを超える1,150gと重いレンズになっており、初心者にはあまりおすすめできない携帯性となります。
ズームリングの回転方向がキヤノンと同様に
従来レンズである12-24mm F4.5-5.6 II DG HSMでは、ズームリングの回転方向がニコンと同じでしたが、新型の12-24mm F4 DG HSM | Artでは、逆方向へと回転する、キヤノンと同じ方向になりました。
キヤノンユーザーにとっては他の純正レンズなどと統一され、良い変更点ですが、ニコンユーザーとしては、日頃と逆に回す必要がある違和感を覚えることになりそうです。
SIGMA 12-24mm F4 DG HSM | Artで撮る南国
ここからは実際にSIGMA 12-24mm F4 DG HSM | Artを使って撮影した南国の情景をご紹介していきます。
超広角レンズとして風景写真を得意とします。
南国の青い海や自然豊かな風景を高い解像力で残すことができるレンズの実力をお楽しみください。
従来モデルとの製品仕様比較表
モデル名 | 12-24mm F4 DG HSM | Art | 12-24mm F4.5-5.6 II DG HSM |
---|---|---|
焦点距離 | 12-24mm | |
開放絞り値 | F4 | F4.5-5.6 |
レンズ構成 | 11群16枚 | 13群17枚 |
最短撮影距離 | 24cm | 28cm |
最大撮影倍率 | 1:4.9 | 1:6.4 |
最大径 | φ102mm | φ87mm |
長さ | 131.5mm | 120.2mm |
質量 | 1,150g | 670g |
絞り羽根 | 9枚(円形絞り) | |
最初絞り | F22 | |
手ぶれ補正効果 | – | |
標準付属品 | ケース、かぶせ式レンズキャップ(LC1020-01)付 | ケース、かぶせ式レンズキャップ(LC870-01)付 |
対応マウント | シグマ用/キヤノン用/ニコン用 | シグマ用/ニコン用 |
超広角レンズの新たな選択肢「SIGMA 12-24mm F4 DG HSM | Art」
超広角レンズという少数モデルしか存在しない分野の中で、新たな選択肢となった「SIGMA 12-24mm F4 DG HSM | Art」。
フルサイズ対応の仕様は想像以上にハイアマチュアユーザーが求める理想的な存在です。
冒頭でもご紹介した通り、超広角レンズでフルサイズ対応というモデルは数える程度しか存在せず、純正のものになると高価になるため、手の届きにくい存在でした。
従来モデルである「12-24mm F4.5-5.6 II DG HSM」は、リーズナブルな価格で気軽なフルサイズ超広角撮影を実現するレンズでしたが、今回の「SIGMA 12-24mm F4 DG HSM | Art」で、値段を大幅に上げることなく、品質をよりプロフェッショナル仕様へと近づけました。
大きい、重いなどのデメリットも存在しますが、リーズナブルに高品質な超広角レンズを使えるという面を考えると、カメラ愛好家の新たな定番レンズとしても期待されます。
SIGMA 12-24mm F4 DG HSM | Artをレンタル
今回ご紹介してきたSIGMA 12-24mm F4 DG HSM | Art。購入前にレンタルしてお試ししてみませんか?
Rentio(レンティオ)では、SIGMA 12-24mm F4 DG HSM | Artを最短3泊4日からレンタルが可能で、気軽に超広角レンズを使うことができます。
購入の検討としてお試しするのも、旅行の期間だけバリエーションを拡大するためにレンタルすることも可能です。
是非Rentioでお得に賢くレンズをレンタルして、カメラライフに活かしてみてくださいね。