Nikon NIKKOR Z 28-75mm f/2.8 実写レビュー【標準レンズ】
更新日2024/08/26
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伝統あるカメラメーカー「Nikon(ニコン)」でも、近年主力となるラインナップはミラーレス一眼へと完全に移行されたと言えるでしょう。
それに伴って新たに開発された「Zマウント」に対応したレンズの開発も続々と進められています。
今回は、Zマウントの中でも一眼レフ「Fマウント」で存在しなかったコンセプトを有しているレンズ「NIKKOR Z 28-75mm f/2.8」をご紹介していきます。
一風変わった焦点距離とF2.8通しと明るさを特徴とした標準ズームレンズの魅力を作例とともにご紹介していきます。
もくじ
ニコンの主力ラインナップとなったZマウント
各カメラメーカー同様にニコンも現在はラインナップの主力が「ミラーレス一眼」へと移行しています。
ニコンでは、ミラーレス一眼のラインナップとして「Zマウント」を展開しており、一眼レフ「Fマウント」の後継的存在として、長年に渡る開発の歴史と技術力が活かされた製品展開を特徴としています。
並行して新たな規格を採用したマウントであることから、レンズの開発も積極的に進められている印象で、Fマウントで人気のあったレンズ群のZマウント版としての開発はもちろん、新たなコンセプトを採用したレンズも数多く誕生している印象です。
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明るさ、コスト、画角のバランスが取れた1本
今回ご紹介していくNIKKOR Z 28-75mm f/2.8は、標準域をカバーしながらズーム全域で開放F2.8の明るさが採用された標準ズームレンズです。
標準ズームレンズにおいてズーム全域開放F2.8を採用したレンズはこれまで最上位大三元レンズでしか存在しない仕様で、高価格であることによって選択肢から外れることがありましたが、こちらのNIKKOR Z 28-75mm f/2.8は、広角域で一般的な焦点距離よりも削減されているなど、様々な仕様調整から価格面でも抑えられています。
レンズにおいて明るさは重要だけど、大三元レンズは高価すぎると感じる方において、新たな選択肢としてNIKKOR Z 28-75mm f/2.8は、有力な候補になることでしょう。
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外観レビュー
一風変わったこれまでにないコンセプトを有したNIKKOR Z 28-75mm f/2.8ですが、まずはデザイン性や携帯性など外観面でどのような特徴があるのか、実機写真とともにご紹介していきます。
明るさを特徴としていることから、携帯性の面については、特に気になる方が多いところかと思いますので、「24-70mm F2.8」モデルとの比較の話も交えながらご紹介していきます。
日常的に持ち運べるサイズ感を優先して採用
Nikon NIKKOR Z 28-75mm f/2.8は、フルサイズ対応かつズーム全域で開放F2.8の明るさを採用した標準ズームレンズですが、通常フルサイズ対応の明るいレンズというのは大きく重くなる傾向にあり、携帯性の面では妥協する必要がありました。
しかし、こちらのNikon NIKKOR Z 28-75mm f/2.8では、明るさというメリットを維持したまま小型・軽量化を叶えた1本としてZマウントのラインナップで新たに誕生しました。
同じF2.8通しの標準ズームレンズとしてZマウントのラインナップには、「NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S」が存在しますが、こちらのレンズよりもNikon NIKKOR Z 28-75mm f/2.8は、「約240g」の軽量化を叶えており、実際に使った際にも重いと感じることはなく、F2.8通しのフルサイズ対応標準ズームレンズとしては、非常にコンパクトで持ち運びで苦にならない仕様であると感じました。
シンプルで使いやすい操作性
Nikon NIKKOR Z 28-75mm f/2.8のデザイン性は、近年Zマウントで統一されているシンプルなデザインを採用しており、余計な装飾も何も無い計算されたシンプルさという印象を受けます。
ズームレンズとして焦点距離を調整するズームリングはもちろん、お好みの設定を割り当てることのできるコントロールリングを搭載しています。
このコントロールリングには、AF時にコントロールリングを操作することで瞬時にMF絞り値へと切り替わりフォーカスリングとしての機能を持たせる「M/A」や、「絞り値」「露出補正」「ISO感度」のいずれかを割り当てることができます。
一見シンプルに見えるレンズのデザイン性ですが、カスタマイズを行うこともできるため、自分好みの操作感へと調整することも可能な拡張性も特徴的です。
性能レビュー
明るいレンズながら優れた携帯性を実現したNIKKOR Z 28-75mm f/2.8ですが、レンズの本質である描写力などの性能面で劣っていては選択肢から外れてしまうでしょう。
ここからは、NIKKOR Z 28-75mm f/2.8を実際に様々なシーンで使用して撮影した作例を基に、レンズとしての性能面をご紹介していきます。
サイズ感を考えると優秀な描写力
外観レビューの項目でご紹介しましたが、 Nikon NIKKOR Z 28-75mm f/2.8は、持ち運びにもおすすめできるほどの携帯性を実現しています。
Nikon NIKKOR Z 28-75mm f/2.8を使用してみて、どのレンズにも劣らない最高クラスの解像力を叶えているかと言われるとそのレベルではありませんが、これほどの携帯性を叶えていることを考えると、期待以上の解像力であったことは間違いありません。
今回も様々なシーンでの作例撮影を行いましたが、ズーム全域で安定した解像力を感じることができ、四隅まで描写が乱れる様なことはありませんでした。
強いて一点挙げるとすればシャープネスが全体的に甘めの印象を受けたため、この辺りは現像作業で気にしておく必要があると言えます。
汎用性の高い28-75mmの焦点距離域
Nikon NIKKOR Z 28-75mm f/2.8で変わった仕様なのが28mm始まりの焦点距離でしょう。
一般的に標準ズームレンズにおける広角端は「24mm」が採用されていることが多く見られますが、広角側で「4mm」犠牲となっており、広角域では弱みと取れる仕様でもあります。
しかし、これはリーズナブル、携帯性を保ちながら「F2.8」の明るさを保持したコンセプトであり、広角側の焦点距離を削ったからこそ実現した低価格と小型・軽量なのです。
では、実際に広角側の焦点距離が削られたことでどれほど不便に感じたかというと、正直なところあまり不便だと感じることはありませんでした。
使った感覚としては、通常の24mm始まりの標準ズームレンズと変わらない感覚で使用することができ、風景写真からスナップまでこの1本で様々なシーンを撮影することのできる汎用性の高さを感じられました。
焦点距離の面ですが、24-70mm F2.8との比較が気になる方も少なくないかと思いますが、こちらも感覚としては広角側「4mm」の違い以外に望遠側の「5mm」で感覚の違いを感じることは特にありませんでした。
開放F2.8と最短撮影距離0.19mの表現力
Nikon NIKKOR Z 28-75mm f/2.8の撮影シーンにおいて、表現力の幅を大きく広げることができると感じた存在が、ズーム全域「F2.8」の明るさと最短撮影距離「0.19m」の仕様です。
明るさと近接撮影性能を有していることから、ボケやすいレンズとして、スナップ撮影時には撮影シーンの幅を大きく広げてくれる能力として体感することができます。
今回の作例においても、花などの被写体に対して接近した撮影も行いましたが、被写体までの距離感を気にすることなく構図を考えることができ、F値の選択肢も広がっていることからボケ具合の調整も自由自在でした。
明るさの面では、特に夜景撮影のシーンではズーム全域で開放「F2.8」の明るさであることから、シャッタースピードを数段分上げることができ、光源の少ないシーンにおいてもブレを気にすることなく撮影できるメリットが感じられました。
Nikon NIKKOR Z 28-75mm f/2.8フォトギャラリー
今回作例撮影を行った「横浜・みなとみらい」の撮影ガイドはこちら
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今回の作例撮影で使用したカメラボディは「Nikon Z 6II」
製品仕様表
モデル名 | Nikon NIKKOR Z 28-75mm f/2.8 |
---|---|
焦点距離 | 28-75mm |
明るさ | F2.8 |
レンズ構成 | 12群15枚 |
絞り羽根 | 9枚(円形絞り) |
最短撮影距離 | 0.19m(焦点距離28mm)/0.22m(焦点距離35mm)/0.3m(焦点距離50mm)/0.39m(焦点距離75mm) |
最大撮影倍率 | 0.34倍 |
最初絞り | F22 |
手ぶれ補正効果 | – |
フィルター径 | 67mm |
最大径 | 約75mm |
長さ | 120.5mm |
質量 | 565g |
旅のお供に最適な1本としておすすめ
今回ご紹介してきたNikon NIKKOR Z 28-75mm f/2.8は、優れた携帯性、汎用性の高い焦点距離域、ズーム全域F2.8の明るさを兼ね備えた万能レンズと呼べる1本です。
あらゆる撮影シーンで活用できることから、旅行で持ち歩くのにおすすめの1本でもあります。
なるべく持ち歩くレンズの本数を減らしたい撮影シーンにおいては、使い勝手のよい明るいレンズは理想的な存在となります。
今回の作例撮影においては、長野・白馬を中心に巡りましたが、個人的にもバリエーションを豊富にすることができたと感じられるほどで、この1本から感じられる可能性は非常に大きいものがあります。
機動性が求められる撮影シーンの多いフォトグラファーにとって、まさに有力な標準ズームレンズの選択肢になると言えるでしょう。
Nikon NIKKOR Z 28-75mm f/2.8のレンタルはこちら
今回ご紹介してきたNIKKOR Z 28-75mm f/2.8をはじめ、気になるレンズやカメラはお試しで使ってみることがおすすめです。
これまでレンズの性能に関する様々な観点をレビューしてきましたが、最終的な判断はやはり自分の感性に合っているかどうかというところになるかと思います。
そんなとき購入前にお試しすることのできるカメラのレンタルサービスの利用がおすすめです。
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