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2022年9月に開催された「SCAJ2022」(コーヒー関連の見本市)で登場し、筆者がずっと気になっていたタイガーのコーヒーマシン「Siphonysta(以下サイフォニスタ)」。
以前ドリップ式コーヒーメーカーACT-E040をレビューしてから、タイガーはおすすめのコーヒーメーカーの1つとして紹介していたのですが、いつか本格的なコーヒーマシンも登場しないかと期待していただけに、「サイフォニスタ」の発表はかなり興味をそそられました。
今回は、ありがたいことに実機をお借りすることができたので、「サイフォニスタ」の使用レビューをお届けします。忖度なしで感じたことをまとめましたので、少しでも参考になれば幸いです。
もくじ
サイフォニスタの特長
「サイフォニスタ」は、手軽に再現性の高いサイフォン式コーヒーを楽しめるのが魅力です。
これまでも電気式のサイフォン式コーヒーメーカーはいくつかありましたが、全自動コーヒーメーカーのような抽出メニューまで取り入れられたのは、サイフォン式コーヒーメーカーとしてはおそらく国内初ではないでしょうか。(筆者調べ 2023/3/3現在)
撹拌工程が自動化され、コーヒー豆に応じて好みのテイストを指定できるので、革新的なサイフォン式コーヒーメーカーと言えるでしょう。
- 半自動のサイフォン式コーヒーメーカー
- 全9種類の組み合わせが可能な抽出メニュー
- スペシャルティコーヒーの味わいを引き出す「Dual Tempメニュー」(2段階温度抽出法)を搭載
- 安全性の高い樹脂製のシリンダー
- 抽出過程を楽しめる演出性の高いデザイン
製品スペック一覧表
項目 | スペック詳細 |
---|---|
抽出方法 | サイフォン式 ※コーヒー粉から抽出 |
最大容量 | 0.29L ※コーヒー2杯分 |
抽出モード | 全10種類(風味×濃さの組み合わせ9種類+おすすめ抽出) ・風味選択:3段階(酸味〜苦味) ・濃さ選択:3段階(ライト〜ストロング) ・Dual Temp:二段階温度抽出法/おすすめモード |
保温機能 | なし |
予約タイマー機能 | なし |
電源コードの長さ | 1.4m |
消費電力 | 1225W |
サイズ (幅×奥行き×高さ) |
約31.3cm×23.9cm×36.6cm |
重さ | 約5kg |
公式サイト価格(税込) | 66,000円 |
サイフォニスタの実機レビュー
「サイフォニスタ」の実機を手に取り、触ってみた感想を紹介していきます。
百聞は一見に如かず、もしご自身の目で確認したい方は、サイフォニスタのレンタルもありますのでご活用ください。
セット内容
本体以外の付属品は以下のとおりです。
取扱説明書とは別に厚紙のクイックスタートガイドがあるので、使い慣れるまでパッと確認できるので便利です。
コーヒーメーカーでクイックスタートガイドが付属する製品は少数派なので嬉しいですね!
- 本体
- シリンダーユニット
- シリンダースタンド
- 計量スプーン
- パイプ洗浄用ブラシ
- 取扱説明書
- クイックスタートガイド
樹脂製のロート・フラスコ一体型ユニット
一般的にサイフォン式コーヒーはロートとフラスコを用いますが、「サイフォニスタ」はそれらを一体型のシリンダーユニットにしています。
素材もガラス製ではなく樹脂製なので、倒したり落としても割れないため安心感があります。
シリンダーユニットはこのように、上ふた・上シリンダー・中央のジョイントパーツ・揚水パイプ・メッシュフィルター・下シリンダーの6つに分解されます。
さらに上シリンダーのパッキン・ジョイント部分のパッキン・揚水パイプのパッキンの取り外しも可能なため、コーヒーかすをしっかり洗い落とせます。
少し幅広なサイズ感
「サイフォニスタ」は幅広で奥行きの浅いコーヒーメーカーです。
スタバのグランデサイズカップと並べましたので、実際のサイズ感の参考にしてください。
- 幅:約31.3cmm
- 奥行き:23.9cm
- 高さ:36.6cm
なお、重さは約5kgとミル付きの全自動コーヒーメーカーと比べても若干重めです。
ミニマルでシンプルなデザイン
見た目は無駄なものが削ぎ落とされ、極力シンプルに洗練されています。ボタン部分もStartとStopだけで、電源ボタンや抽出メニューボタンの文字やアイコンなどもありません。
昨今のトレンドでもある黒とシルバーのシックなモダンデザインです。
ちなみに、お手入れの際にトレイカバーをずらすと、クエン酸洗浄の注意書きと説明動画への2次元コードの案内がありました。
クエン酸洗浄は頻度高く行うものではないため、その都度説明書を取り出さなくてもすぐアクセスできる配慮は嬉しいですね。
ただデザインをシンプルにすれば良いものではないので、適切な導線に配慮が隠されているのは好感が持てました。
全10種類の抽出メニュー
電源が入ると火のゆらぎのような雰囲気のあるテキストが操作ボタンの両端に表示されます。
上の段がコーヒーの風味(Acidic/酸味〜Bitter/苦味)、下の段がコーヒーの濃さ(Light/軽め〜Strong/濃いめ)で、それぞれ3段階で決めた組み合わせによって、注湯温度や時間、攪拌具合を自動調節して淹れてくれます。
左下(Startボタンの左側)にあるボタンは「Dual Temp Brewing Method(2段階温度抽出法)」と呼ばれるおすすめ抽出モードです。
抽出過程の後半で温度を下げて注湯することで雑味を抑え、コーヒー豆本来の味わいを引き出す独自のメソッドを搭載しています。
バルミューダのコーヒーメーカーにも徐々に注湯温度を下げ、最後にたし湯をすることで雑味を抑える「Clear Brewing Method」という技術が搭載されています。
目指すアウトプットが似通いながらも各メーカーがそれぞれのアプローチ方法を見出していることが非常に興味深く感じました。
サイフォニスタを使ってみた感想
見た目や設計は非常に好みの「サイフォニスタ」。
実際にコーヒーを淹れる工程を確認しながら、使い勝手やコーヒーの感想をレポートします。
ちなみに、今回はTAIVAS COFFEEさんのペルー農園直輸入のスペシャルティコーヒー中深煎りを淹れました。普段ハンドドリップも嗜んでいる筆者が最近飲んでいる豆で、苦味を強く出すこともできれば、スッキリ淹れることもできたりと、その日の気分によってテイストを変えられるコーヒー豆です。
酸味と苦味のバランスが取れているので、サイフォン式コーヒーにもおすすめです。
- 中深煎り
- 中細挽き(コマンダンテで30クリック)
視覚で楽しめる抽出工程|メリット1
視覚で抽出過程を楽しめるのがサイフォン式の醍醐味ですが、「サイフォニスタ」もその例に漏れません。
むしろ設定した抽出メニューによって、撹拌や浸漬、注湯スピード、スチーム量(おそらく注湯温度の違い)も微妙に変化しますので、より視覚で楽しめると思います。
抽出メニューの工程が見える化されているので、それを他のサイフォンや浸漬式に活用してみる面白さもあると感じました。
雑味がなくまろやかな仕上がりを見せたDual Tempモード|メリット2
おすすめモードの「Dual Temp Brewing Method(2段階温度抽出法)」で淹れたコーヒーは、香りも立っていましたし、雑味がなく、まろやかでかろやかな仕上がりでした。非常に満足度の高い一杯でした。
また、「サイフォニスタ」で淹れたコーヒーは冷めてからも美味しいのも魅力だと思いました。
ハンドドリップ(透過法)だと注ぎ続けるため抽出後半になると苦味や雑味が出やすく、コーヒーが冷めてくるとその輪郭が強くなるのですが、浸漬式の「サイフォニスタ」だとその心配はありません。
コーヒーマシンとして再現性の高い抽出ができるので、このようなコーヒーを好む人に「サイフォニスタ」はハマると思います。
稼働音が静か|メリット3
コーヒーマシンとしては、稼働音が小さいのも強みの1つだと思います。
騒音計を50cm範囲に持って調べてみると、抽出中の最大音量は50-55dB、我が家の普段の生活音は40dB-45dBほどですので「サイフォニスタ」は生活音に溶け込んでいました。
樹脂製で落としても安全|メリット4
前述したとおり、「サイフォニスタ」のシリンダーユニットは樹脂製です。
筆者がサイフォン式コーヒーになかなか手を出せなかった大きな理由の1つがガラス製品だったので、「サイフォニスタ」なら小さい子供がいる家庭でも安心して使えると思います。
コーヒー粉を入れる口が狭い|デメリット1
下シリンダーにコーヒー粉を入れる際は、中央の揚水パイプに粉が落ちないように注意しなければならないのですが、口が小さいので計量スプーンで入れるのに少し苦労しました。
慣れで解消できるとは思いますが、Barista & Coのようなスコップ型の軽量スプーンが付属していたら、コーヒーマシン一式としての完成度はもっと高かったように思います。
抽出バーの出っ張りに注意|デメリット2
コーヒーカップに注ぐ抽出レバーが、本体サイズから少し出っ張っているので設置場所と導線には注意したほうが良いかもしれません。
レバーを引いてから遊びもあるので、すぐコーヒーが注がれないよう配慮はされておりますが、筆者は使用中にトレーナーをひっかけてコーヒーをこぼしてしまいました。
チャイルドロックのようなロック機構もないため、誤ってレバーを強く引いてしまうことがないように気をつけましょう。
レバーは引っ張らずに押す仕様だったなら、移動の多いキッチンでもなにかひっかけてこぼしてしまうことは減りそうに思いました。そもそも作り置きを想定したコーヒーマシンではないので、淹れたてを楽しむのが一番です!
日々の片付けが面倒|デメリット3
上ふた、上シリンダー、揚水パイプ、下シリンダーは食器洗い乾燥機を使えるので、従来のサイフォン一式のお手入れ方法と比べれば楽かもしれません。
が、普段ハンドドリップやコーヒーメーカーを使っている筆者にとっては、分解して洗浄するパーツが多く、日々のお手入れは面倒でした。
ボディ本体は凹凸のないデザインのおかげで、濡れタオルの拭き掃除がしやすかったです。
サイフォン式コーヒーが好きでコスパを重視しない人におすすめ
「サイフォニスタ」はハマる人にはハマるコーヒーメーカーです。一方で、万人受けするコーヒーメーカーではありません。全自動コーヒーメーカーのようにミルがあったり、作り置きしやすかったり、コーヒーにそのような効率も重視したい方にはハマらないように思います。
ただ、サイフォン式で淹れるコーヒーは一般的なコーヒーメーカーやハンドドリップ、他の浸漬式では作れませんので、いつでも品質の高いサイフォン式コーヒーを再現してくれるのは「サイフォニスタ」をおいてほかにないでしょう。
公式サイト価格(税込)は6.6万円とミルなしコーヒーメーカーの中ではバルミューダのコーヒーメーカーを超えて高額ですが、そういう意味だと唯一無二のコーヒーメーカーとも言えます。
手頃に購入できるコーヒーマシンではありませんので、購入を躊躇している方はお試しレンタルをしてじっくり検討してみるのもおすすめです。
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