ツインバードのCM-D457Bを実機レビュー!ハンドドリップの空間を生み出す全自動コー ヒーメーカー
更新日2022/10/13
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新潟県燕市に本社を構える調理家電メーカー「TWINBIRD(ツインバード)」の注力ジャンルであるコーヒーメーカー。ラインナップが豊富というわけではありませんが、1つ1つの製品にはコーヒー愛好者のこだわりが垣間見れます。
そんなツインバードの全自動コーヒーメーカーはハンドドリップに近い形状や機能が搭載されており、おすすめの全自動コーヒーメーカーの中でも個性的なコーヒーメーカーと言えるでしょう。
この記事ではツインバードの全自動コーヒーメーカー CM-D457Bを実際に使用し、その特長や魅力についてレビューしました。全自動コーヒーメーカーの購入を検討している方の参考になれば幸いです。
もくじ
ツインバードの全自動コーヒーメーカー CM-D457Bの特長
ツインバードの全自動コーヒーメーカーはハンドドリップに近い形状をしており、2019年度のグッドデザイン賞も受賞したコーヒーメーカーです。
もちろん見た目のデザインが良いだけでなく、コーヒーにこだわりのある方にも嬉しい機能が搭載されているのも魅力です。
今回紹介するのはツインバードに2機種ある全自動コーヒーメーカーのうち、3杯容量(1〜2人向け)のCM-D457Bです。
モデルの違い | CM-D457B | CM-D465B |
---|---|---|
最大容量 | 450ml(3杯) | 900ml(6杯) |
サイズ (幅×奥行き×高さ) |
約160mm×335mm×360mm | 約160mm×335mm×425mm |
重さ | 約4.1kg | 約4.8kg |
Amazon税込価格 (2020年12月28日現在) |
23,800円 | 32,800円 |
ツインバードのコーヒーメーカーを比較したい方はこちらの記事も参考にしてください。
ツインバードのコーヒーメーカー3機種を比較!各製品の特徴と選び方を徹底解説 – Rentio PRESS[レンティオプレス]
独自の低速臼式フラットミル
ツインバードの全自動コーヒーメーカーには独自設計の低速臼式フラットミルが搭載されており、ミルダイヤルを使って細挽き・中挽き・粗挽きの3段階に挽き目調節をすることができます。
カッター式とコニカル式が融合したような形状をしており、摩擦熱が生じしにくく、ムラなく均等に挽けるのが特長です。
コーヒーミルの種類や特長について詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。
電動コーヒーミルの種類と選び方、おすすめメーカーまとめ – Rentio PRESS[レンティオプレス]
2段階調整できる抽出温度
コーヒー豆の焙煎度合いや挽き目に応じて、抽出温度を83度/90度の2段階から選べるのもツインバードの全自動コーヒーメーカーならではかもしれません。
主なカフェチェーンの抽出温度(スターバックス:90度~96度、ドトール:93度、タリーズ:90度)と比べると低めの湯温設定に感じるかもしれませんが、80度〜85度はハンドドリップでコーヒーを淹れる喫茶店でよく目にする湯温設定です。
抽出温度には以下のような関係がありますが、最適なお湯の温度というものはありませんのでコーヒー豆や好みに応じて自身で模索するのもコーヒーの楽しみ方です。
抽出温度 | ||
---|---|---|
高い | 低い | |
抽出スピード | 早い | 遅い |
抽出される風味 | 苦味が出やすい | 酸味が出やすい |
おすすめの焙煎具度合い | 浅煎り | 深煎り |
おすすめの挽き目 | 細挽き | 粗挽き |
バッハ・コーヒー代表、田口護氏が監修
ツインバードの全自動コーヒーメーカーは「プロフェッショナル仕事の流儀」に出演し、日本スペシャルティコーヒー協会会長も務めた田口護氏の監修によって完成した製品です。
抽出温度の83度は、「苦味」「酸味」「甘み」「渋み」「風味」のバランスが最も取れた味わいでコーヒーを淹れられる田口メソッドの1つです。
抽出温度以外にも、ツインバードの全自動コーヒーメーカーには豆量・粒度・水量・蒸らし時間・ドリッパーリブの高さなど至るところに田口護氏の目指すこだわりが見られます。
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ハンドドリップのような過程の見える化
ドリッパーが本体から分離され、コーヒー抽出の過程を楽しめるのもツインバードの全自動コーヒーメーカーの魅力と言えるでしょう。
一般的な全自動コーヒーメーカーなら本体内部の見えないところで蒸らしからドリップまで行われますが、ツインバードの全自動コーヒーメーカーなら挽かれた豆が落ちるところから蒸らし、豆の膨らみ、シャワードリップの様子、香り立つコーヒーアロマと五感で感じられるような設計がされています。
全自動コーヒーメーカーでありながら、カフェでハンドドリップしている光景を見ているような気持ちにさせてくれる製品です。
ちなみに、コーヒーケトルがあればドリッパーとガラスサーバー、もしくはドリッパーとマグカップだけでハンドドリップもできるので、湯温や蒸らし時間にこだわりたい方にもおすすめの全自動コーヒーメーカーです。
写真のようにドリッパーがマグカップとぴったりハマりますので、自分の好みに合った1杯分のコーヒーをハンドドリップすることもできます。
片付けが楽なペーパーフィルター
CM-D457Bはペーパーフィルターを使いますので、淹れ終わったコーヒー粉の片付けが非常に楽です。
以前にコーヒーミルとステンレスフィルターが一体となったシロカのカフェばこ SC-A371をレビューしましたが、使用するたびに洗って乾かさなければいけないのが難点でした。
ツインバードの全自動コーヒーメーカーはミルとお湯の通り道が分離しており、かつペーパーフィルターの交換だけで済ませられるので魅力に感じるポイントでした。
ただし、1回あたり1〜3円(メリタもしくはカリタの2〜4杯用[1×2 or 102])のペーパーフィルター費用が生じるので、できるだけ節約したい方はステンレスフィルターの全自動コーヒーメーカーを探すのが良いかもしれません。
製品スペック一覧表
ツインバードの全自動コーヒーメーカー CM-D457Bのスペックを一覧表にまとめました。
製品項目 | スペック詳細 |
---|---|
容量 | 3カップ(450ml) |
ミル | 臼式フラットミル |
フィルター | ペーパー |
カラフェ/サーバー | ガラス |
挽き分け | 粗挽き/中挽き/細挽き |
湯温調整 | 83度/90度 |
大きさ (幅×奥行き×高さ) |
約160mm×335mm×360mm |
重さ | 約4.1kg |
付属品 | 計量カップ,お手入れブラシ,ペーパーフィルター(5枚) |
カラーバリエーション | ブラック |
Amazon税込価格 2020年12月28日現在 |
23,800円 |
ツインバード CM-D457Bの実機レビュー
ツインバードの全自動コーヒーメーカー CM-D457Bの実機を触って、外観や使い勝手をまとめました。ところどころにこだわりが垣間見れ、全自動コーヒーメーカーらしさをあまり感じられないのがCM-D457Bの魅力のように思います。
外観デザイン
CM-D457Bの外観はマットブラックで統一されており、シックで高級感のあるデザインになっています。
リビングルーム、ダイニングルームなどどこに置いても馴染みやすいプロダクトデザインだと思います。
正面上部にはコーヒーミルの挽目調節ダイヤル、正面下部には各種設定ダイヤルがあります。
CM-D457Bの操作部分は全てダイヤル式となっており、このアナログ感と英語フォントやアイコンが海外メーカーのようなおしゃれさを醸し出してくれます。
ダイヤルを回す重さを1つ1つ感じることで、デジタルにはない手作業感/手作り感を得られるのもツインバードの全自動コーヒーメーカーならではと言えるでしょう。
コーヒーメーカーの本体上部には水タンクの給水口とコーヒー豆の投入口があります。
水タンクは取り外しできないため使い勝手に少し難がありますが、一方でコーヒーミル部分は取り外し/分解ができるため、高いメンテナンス性に好感を持てました。
セット内容
ツインバードの全自動コーヒーメーカー CM-D457Bに付属するセット内容は以下の通りです。
バッハ・コーヒー代表の田口護氏との出会いやエピローグが収録されたガイドブックはぜひ読んでほしい一冊です。
- コーヒーメーカー本体
- ガラスサーバー
- 計量カップ
- お手入れブラシ
- ペーパーフィルター102(5枚)
- ガイドブック
計量カップの目盛りに注目
計量カップにはコーヒー豆の焙煎度合いに分けた分量目盛りが付いています。
あくまで好みではありますが、焙煎度合いや挽き目、湯温の組み合わせは以下を参考にしてください。
焙煎度合い | おすすめ挽き目 | おすすめ湯温 |
---|---|---|
深煎り | 細挽き | 83度 |
中深煎り | 細挽き | 83度 |
中煎り | 中挽き | 83度 |
浅煎り | 中挽き〜粗挽き | 90度 |
サイズ感
CM-D457Bのサイズは約160mm×335mm×360mm(幅×奥行き×高さ)あります。3杯モデルとしては大きめかもしれません。
設置場所を考えたい方は、写真のようにスタバのグランデサイズカップ2杯分の高さ、13インチのノートPC(MacBook Air)を並べたくらいのサイズ感でお考えください。
2つ穴の台形ドリッパー
代表的なドリッパーにはメリタ式は一つ穴、カリタ式は三つ穴、ハリオは円錐形がありますが、ツインバードのCM-D457Bに付属するドリッパーは台形型の2つ穴と珍しいタイプです。
リブの深さや形からカリタ式のドリッパーをベースにしているのが見て取れます。
お湯とコーヒー粉の接触時間が「カリタ式<メリタ式」となるような設計は、まさに”ツインバード×田口式ドリッパー”と言えるかもしれません。
ガラスサーバー
CM-D457Bのコーヒーサーバーはガラス製です。ステンレス製と異なり保温性がなく壊れやすい材質ではありますが、コーヒーが抽出される様子を目で楽しめるのがポイントです。
コーヒーメーカー本体には抽出後20分間保温する機能も付いておりますが、作り置きに向いていないコーヒーメーカーとなります。
ドリッパーの代わりのフタがありませんので、保温したいなら淹れ終わってすぐにステンレスボトルに入れておくのが良いでしょう。
なお、直火不可、電子レンジ不可です。
ガラスサーバーを電子スケールで計測すると255gあり、3杯分450mlのコーヒーと合わせると最大700gの重さになります。
満杯のときはそれなりの重量になりますので気をつけて注いでください。
お手入れ方法
CM-D457Bの手入れ方法は、写真左側が拭き掃除(乾いた布やキッチンペーパー)、写真右側が水洗い(中性洗剤とスポンジ、食器洗い乾燥機はNG)できる部品です。
コーヒー粉がこびりついたりしますので、基本的に毎回手入れすることをおすすめします。
手入れ方法 | 部品一覧 |
---|---|
拭き掃除 | コーヒーメーカー本体,ミル,お手入れブラシ |
水洗い | ガラスサーバー,サーバーふた,ドリッパー,計量カップ,水タンクふた,水タンクふたのパッキン |
3つメンテナンスモード
CM-D457Bには3つのメンテナンスモードが搭載されており、目的に応じてお手入れを補助してくれます。
特に水タンクは本体一体型で手入れがしにくいため、DRAINとCLEANモードはこまめに活用しましょう。
モード | メンテナンス内容 |
---|---|
DRAIN(ドレイン) | 水タンクに残った水を全て排水する機能 |
CLEAN(クリーン) | 水タンクをクエン酸洗浄(約5g使用)する機能 |
OPEN(オープン) | コーヒーメーカー本体のミル固定部のシャッターを開く機能 |
ミルの清掃
CM-D457Bのミルは本体から外しカバーを開けることもできるので、お手入れブラシを使って清掃することができます。
ミルの手入れが難しい全自動コーヒーメーカーも多いなか、ツインバードのCM-D457Bは清潔に保管しやすい機種だと思います。
ツインバード CM-D457Bでコーヒーを淹れてみた
実際にCM-D457Bを使ってコーヒーを淹れてみました。
使ったコーヒー豆はサンフランシスコ発祥のカフェ「Philz Coffee(フィルズコーヒー)」の「PHILHARMONIC(フィルハーモニック)」を使いました。ミディアムローストで、ACIDITY(酸味)/BODY(コク)もミディアムテイストの飲みやすいコーヒー豆です。
今回は細挽きにし、抽出温度を変えたコーヒーの飲み比べもしてみました。
コーヒーを淹れる手順
容量いっぱいの3杯分のコーヒーを淹れるまでの様子をまとめたのが上の動画です。
コーヒーが淹れ終わるまではトータルで約15分程度かかります。
「豆を挽く・お湯を沸かす・蒸らす・ドリップする」過程を動作音の変化で楽しんだり、シャワードリップの様子を眺めたり、香るコーヒーアロマにリラックスしたりと、まさに五感で楽しめるコーヒーメーカーだと感じました。
83度で抽出
83度で抽出したコーヒーは酸味・苦味(コク)のバランスが良く、まろやかな口当たりでした。
普段飲んでいるコーヒーよりも低い温度であるためか、コーヒーの個性がくっきりと表れていたように思います。
90度で抽出
90度で抽出したコーヒーは酸味が少なく、苦味が際立った仕上がりになっていました。
83度抽出のコーヒーと比べて甘みやまろやかさが軽減されており、飲み慣れたブラックコーヒーという印象です。
抽出温度はコーヒー豆の焙煎度合いや挽目、それから好みによるところではありますが、今回使用した「Philz Coffee(フィルズコーヒー)」の「PHILHARMONIC(フィルハーモニック)」に関しては83度抽出のほうが美味しくできたと思います。
コーヒーミルだけの利用も可能
ツインバードの全自動コーヒーメーカーはミルだけの利用もできます。
写真のように正面左にあるメニューダイヤルでミルを選択し[スタート/ストップボタン]を押すとコーヒー豆が挽かれます。豆の量に関わらず5分間挽き続けますので、任意のタイミングで再度[スタート/ストップボタン]を押して止めるのが良いでしょう。
上の写真は細挽き・中挽き・粗挽きの3段階で挽き分けたものになります。
定義が難しいのですが、実際の挽き目をみると細挽き・中細挽き・中挽きくらいのサイズ感だと思います。
低速臼式フラットミルだけあって粒の大きさも均一でしたが、挽き終わりは微粉が積もってしまうので豆が完全に無くなる前に止めたほうが良いでしょう。
ツインバード CM-D457Bを使って分かった注意点
ツインバードの全自動コーヒーメーカー CM-D457Bは大変満足のいく製品なのは間違いありません。
ですが、実際に使って分かった注意点もありますので紹介したいと思います。
動作音は85dB前後と大きめ
コーヒー豆から淹れる場合、気になるのはCM-D457Bの動作音だと思います。
騒音計を使って計測したところ85dB前後(最高値は94dB)となりました。これは“地下鉄の車内”や“5m範囲の犬の鳴き声”の騒音と同等とのことです。
使う場所や時間帯によっては気をつけたほうが良いでしょう。
水タンクは改善の余地あり
CM-D457Bの水タンクは一体型なので、取り外して水を入れたりキッチンで洗ったりということができません。
また水タンク内側には水量目盛りもなく、ガラスサーバーの目盛りを使って水を入れます。そのため連続して使用するときは、ガラスサーバーを一度空にして洗ってからでなければ使えないので少し不便に感じました。
水タンクをむき出しにしなかったことで統一感のあるデザインを実現できていると思うので、水タンクの内側に目盛りが付くと利便性も高まると思います。
なお、水タンク内の金属フィルターは取り外せるので、こびりついたカルキ汚れはしっかりつ水洗いして使いましょう。
ガラスサーバーの使い勝手
CM-D457Bのガラスサーバーはドリッパーを外すと代わりになるフタがなく、また保温時間も20分しかありません。ドリッパーを付けたまま使うのも使い勝手が悪いですし、かといってそのまま置いておいても冷めてホコリも入りやすくなってしまいます。
淹れたてのコーヒーを短時間で飲み切るか、ステンレスボトルに入れ替えておくのが良いでしょう。
ミルに微粉が溜まりやすい
写真は細挽きで3杯分のコーヒーを入れたあと、ミルの手入れ時に出た微粉(もしくはコーヒー粉の残り)の量です。
想像以上に刃の間に詰まっていたり、管の中にこびりついていたりしました。
連続使用しやすい全自動コーヒーメーカーだとは思いますが、1回1回しっかり淹れたい方は毎回ミルの清掃はかかせません。
奥行きがあり置き場所に困るかも
ツインバードのCM-D457Bは奥行きがあるので置き場所に困る方もいらっしゃるかもしれません。
同じようなスペックの全自動コーヒーメーカーのサイズを比べてみると、CM-D457Bが奥行きのある製品だということが分かります。
事前に置き場所の調査はしっかり行っておきましょう。
機種 | 幅 | 奥行き | 高さ | 容量 |
---|---|---|---|---|
ツインバード CM-D457B |
160mm | 335mm | 360mm | 0.45L |
シロカ SC-C111 |
160mm | 270mm | 390mm | 0.54L |
メリタ AFT1021-1B |
263mm | 237mm | 441mm | 1.25L |
本格派なコーヒーを楽しみたい方におすすめの全自動コーヒーメーカー CM-D457B
ツインバードのCM-D457Bは、湯温・蒸らし・挽き目などコーヒーの面白さを知っている方におすすめの全自動コーヒーメーカーです。
毎回同じクオリティでコーヒーを淹れられるのが全自動コーヒーメーカーの良さではありますが、ツインバードのCM-D457Bならコーヒー豆の焙煎度合いや挽き目に応じてカスタマイズも加えられるのがプラスポイントです。
色んな全自動コーヒーメーカーがありますが、カフェ独特の雰囲気や空気感を自宅に作りたい方は、ツインバードの全自動コーヒーメーカー CM-D457Bはおすすめの一品と言えるでしょう。
なお、今回紹介した3杯容量(1〜2人向け)のCM-D457B以外に6杯用(2〜4人向け)のCM-D465Bもありますので、使い場所や人数によって適切な容量モデルを選びましょう。
コーヒーメーカーはお試しレンタルができる
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