SIGMA 70-200mm F2.8 DG DN OS Sports実写レビュー。ミラーレス用として進化を遂げた望遠大三元レンズ
更新日2024/11/13
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ミラーレス一眼用のレンズが純正、交換レンズメーカー製ともに急速に増加していますが、交換レンズメーカーによって手の付けられていないジャンルが存在しました。
大三元レンズの中でも望遠部分を担う「70-200mm F2.8」のレンズジャンルはミラーレス専用が純正レンズしか存在しない状況が長年続いていましたが、ついに交換レンズメーカーから発売されるときが来ました。
SIGMA(シグマ)では、SONY Eマウント用およびLマウント用において70-200mm F2.8のレンズとなる「SIGMA 70-200mm F2.8 DG DN OS Sports」を開発。
一眼レフ時代には、70-200mm F2.8 DG OS HSMを展開していましたが、ミラーレス用に設計を大きく見直した全く新しいレンズとして生まれ変わっています。
一眼レフ用のレンズから定評のあったクオリティですが、ミラーレス一眼用のモデルとして生まれ変わったSIGMA 70-200mm F2.8 DG DN OSの従来からの変化や描写力について、実際に使った感覚や豊富な作例とともに徹底解説していきます。
もくじ
ミラーレス用レンズの積極展開を進めるシグマ
今回ご紹介していくSIGMA 70-200mm F2.8 DG DN OSは、近年ミラーレス一眼用に数多くのレンズを開発する交換レンズメーカーであるSIGMA(シグマ)が開発、販売を行うレンズです。
交換レンズメーカーは、各カメラメーカーが展開するレンズマウントに合わせてレンズ開発を行う存在ですが、シグマは交換レンズメーカーとして長い歴史を有し、性能についても定評のある存在です。
特に近年開発されるレンズは、純正レンズにも劣らない性能を実現したモデルも多く、ファーストチョイスとしてプロカメラマンからもシグマが選ばれることも珍しくなくなりました。
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待望のミラーレス用大三元「70-200mm F2.8」
歴史あるシグマのレンズ開発は、一眼レフ全盛期に遡ります。
Canon EFマウントやNikon Fマウント用として開発され、シグマが当時新たに展開を始めた「Sports」シリーズで誕生したSIGMA 70-200mm F2.8 DG OS HSMは、弊メディアでもご紹介しましたが、これまでの交換レンズメーカーの印象を大きく変える衝撃の性能でした。
そんな衝撃の望遠大三元70-200mm F2.8のミラーレス一眼用のモデルは、待望の存在として多くのユーザーの期待を集めています。
今回ご紹介していくSIGMA 70-200mm F2.8 DG DN OSは、私自身も非常に楽しみにしていた1本で、様々なシーンで楽しみながら撮影を行いました。
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外観レビュー
ミラーレス一眼が各社のメインになってから、レンズの携帯性向上も目立つ様になりました。
70-200mm F2.8においても小型・軽量化を実現したモデルが各社から開発されており、今回ご紹介していくSIGMA 70-200mm F2.8 DG DN OSにおいても携帯性が気になる方も少なくないかと思います。
ここからはSIGMA 70-200mm F2.8 DG DN OSの携帯性や機能性など外観面にフォーカスしてご紹介していきます。
一眼レフ用時代から大幅な小型・軽量化
SIGMA 70-200mm F2.8 DG DN OSを最初に持ったとき、第一印象として「小さくなったな」という感覚が先に来ました。
一眼レフ用70-200mm F2.8 DG OS HSMも弊メディアではレビュー記事を展開していますが、70-200mm F2.8 DG OS HSMよりも遥かに携帯性が改善していると感じました。
数値上でも両モデルにおいて差は明確に出ており、SIGMA 70-200mm F2.8 DG DN OSは従来と比較して大きさは全長こそ4mmほど長くなっているものの、最大径は従来のφ94.2mmからφ90.6mmへと小型化しています。
更に一番の驚きは軽量化で、従来は1,805gであったのに対して、SIGMA 70-200mm F2.8 DG DN OSでは1,335gを実現し、約470gの軽量化を実現しています。
一方でソニーEマウント純正のFE 70-200mm F2.8 GM OSS IIと比較すると全長は7mmほど長く、重さも290gの重くなっており、現役の純正レンズと比較すると重さが際立っている仕様になっています。
あらゆる撮影環境に対応する強靭性
※引用元 株式会社シグマ https://www.sigma-global.com/jp/lenses/s023_70_200_28/
SIGMA 70-200mm F2.8 DG DN OSは、シグマが展開するブランド「Sports」ラインで展開されたレンズだけに、プロフェッショナルカメラマンによる過酷な環境下での撮影も想定された設計となっています。
過酷な環境下というのは、様々なシチュエーションが該当しますが、主に水滴を浴びる、塵の影響を受ける様なシーンでの耐久性に優れた設計となっています。
マウント接合部、マニュアルリング、ズームリング、スイッチ類などに防塵防滴構造が施されており、僅かなホコリなど異物の侵入を防いでくれます。
なるべく故障の原因となる撮影環境での使用は控えるべきではありますが、劇的なシーンが撮影できるのは、気象の変化が激しい場面などであるため、このようなシーンに対応したレンズとして信頼性もあります。
インナーズーム機構を採用
元々インナーズーム機構が採用されることの多い70-200mm F2.8のジャンルですが、キヤノンのRFマウントにおいて伸縮式か採用されたことで、インナーズームが当たり前の存在では無くなりました。
SIGMA 70-200mm F2.8 DG DN OSにおいては、携帯性が意識された小型・軽量化が行われましたが、引き続きインナーズーム機構が採用されています。
焦点距離を変えた際にもレンズの筒が伸縮することがないため、カメラを構えた際にもズームリングを回したことによる安定性の欠如が感じられないメリットがあります。
絞りリングの搭載、他充実の機能性
SIGMA 70-200mm F2.8 DG DN OSでは、リングを回転させることで感覚的に絞り値を調整することのできる絞りリングを搭載しています。
この絞りリングは、滑らかに回転させることもできれば、各絞り値でクリック感を持たせることもでき、これらを切り替えることのできる絞りリングクリックスイッチも搭載しています。
この他、カスタマイズ性に優れた各種スイッチ類も綺麗にまとめられており、どのスイッチがどの役目を果たすということが明確にわかるデザインと文字配置になっています。
また、付属品としてかぶせ式のレンズフードが存在し、コンパクトで軽量なサイズ感ながらもCFEP製の強度に優れた仕様を実現しています。
性能レビュー
70-200mm F2.8で最も重要視されるのは、やはり何より性能面と言えるでしょう。
望遠ズームレンズの中でも大三元レンズとして各社が技術力を結集させて開発するだけに、期待値は自ずと高くなる存在なのです。
ここからは実際にSIGMA 70-200mm F2.8 DG DN OSを使用して撮影した作例と共に、SIGMA 70-200mm F2.8 DG DN OSの画作りにおける魅力をご紹介していきます。
望遠大三元レンズで求められる以上のクオリティ
今回ご紹介しているSIGMA 70-200mm F2.8 DG DN OSにおいて何よりの楽しみであったのが、解像力などの性能面です。
まさに期待を裏切らない圧巻の性能を叶えており、キレのある精細な描写力が特徴的です。
シグマらしく、柔らかい描写というよりも、風景やディティールのはっきりした被写体に合うシャープネス強めの仕上がりが特徴的です。
被写体を鮮明に写すシーンではもちろんですが、SIGMA 70-200mm F2.8 DG DN OSにおいては優れたコーティングがレンズに施されていることから、逆光シーンなど強い光源が正面から入る場面でも、フレア・ゴーストの影響を受けることなく仕上がることも大きな魅力だと感じました。
一眼レフ用の70-200mm F2.8 DG OS HSMから、コーティングの優秀さは体感していましたが、ミラーレス一眼用のSIGMA 70-200mm F2.8 DG DN OSへと生まれ変わってから更に強化された部分だと感じます。
デュアルHLAを採用した高速かつ高精度のAF性能
レンズによってオートフォーカスの精度や速度にも変化が出てきますが、SIGMA 70-200mm F2.8 DG DN OSにおいては、AF性能についても特筆すべき性能を誇ります。
2つのフォーカス群を逆方向へと動かす構造を採用したことで、フォーカスレンズの移動範囲を短縮させ、更にリニアモーターHLA(High-response Linear Actuator※高速リニアアクチュエーター)を採用したことで、ピント合わせにおいても素早く精度の高い動作を実現しています。
既にあらゆるレンズにおいて日中晴天時など、撮影環境の良い条件下では、あまり性能差が出ることがありませんが、夜間や雑多とした空間など、ピントが迷いやすいシーンにおいてもSIGMA 70-200mm F2.8 DG DN OSを信頼した撮影を行うことができました。
新アルゴリズムを採用した強力な手ブレ補正
一眼レフ用のSIGMA 70-200mm F2.8 DG OS HSMからレンズ内の手ブレ補正は、強力で十分な効果を体感できるレベルでしたが、今回ご紹介しているSIGMA 70-200mm F2.8 DG DN OSでは、更にレンズ内の手ブレ補正が強化されています。
最新の手ブレ補正アルゴリズムであるOS2を採用したことで、その効果はワイド側で7.5段、テレ側で5.5段を実現しています。
実際に撮影を行っている際にも、その強力な手ブレ補正は、SIGMA 70-200mm F2.8 DG DN OSにおける大きな魅力で、夜間などシャッタースピードが低下しやすいシーンだけでなく、モードを切り替えることで流し撮りにも適した手ブレ補正効果を発揮します。
私自身、70-200mm F2.8レンズの使用用途として、夜間の旅客機撮影が多くなる傾向にありますが、低照度での高速、高精度AF、フレア・ゴースト発生を抑えるレンズコーティングに並んで、この手ブレ補正効果が大きな役目を果たしてくれました。
SIGMA 70-200mm F2.8 DG DN OSフォトギャラリー
今回の作例撮影で使用したカメラボディは「SONY α7R V」
SONY α7R V実写レビュー。AF性能や手ブレ補正を強化し、更なる解像力を求めた高画素モデル – Rentio PRESS[レンティオプレス]
製品仕様表
モデル名 | SIGMA 70-200mm F2.8 DG DN OS | Sports |
---|---|
焦点距離 | 70-200mm |
明るさ | F2.8 |
レンズ構成 | 15群20枚 |
絞り羽根 | 11枚(円形絞り) |
最短撮影距離 | 65cm(ワイド端)/100cm(テレ端) |
最大撮影倍率 | 1:5.2(焦点距離200mm時) |
最初絞り | F22 |
手ぶれ補正効果 | 〇 |
フィルターサイズ | φ77mm |
最大径 | φ90.6mm(※SONY Eマウント用) |
長さ | 207.0mm(※SONY Eマウント用) |
質量 | 1,335g(※SONY Eマウント用) |
正統進化を遂げた望遠大三元レンズ
今回ご紹介してきたSIGMA 70-200mm F2.8 DG DN OSですが、個人的にも長年待ちわびていた製品でした。
それだけに使用前から期待値の高い存在でしたが、その期待を裏切ることのない圧巻の描写力は、もはや写真を見るだけで安心感を得られる程でした。
一眼レフ用「70-200mm F2.8 DG OS HSM」から好みの存在でしたが、良かった部分をそのままにミラーレス時代にも順応する機能性や進化させた性能を感じられ、シグマの歴史を感じられる1本でもあります。
一眼レフ用の従来モデルと比較して機動性の面でも優れており、より使いやすい存在になったと言えますが、ミラーレス一眼市場全体で比較してみると、大三元レンズという存在であることから特に優れた携帯性とは言えないため、価格面を配慮してもハイアマチュア以上のユーザーにおすすめできる存在となります。
SONYでは、純正レンズとして展開する70-200mm F2.8も性能面で定評を集めていますが、こちらのSIGMA 70-200mm F2.8 DG DN OSの方がシャープネスやコントラストが強く感じられる画作りでも違いが見られるため、単純比較とはいきませんが、好みに合わせて比較対象として選ぶことのできるレベルには達していると感じました。
SIGMA 70-200mm F2.8 DG DN OSにおすすめのカメラボディ
SONY α7R V
SONYが展開するαシリーズにおいて高画素モデルとなるα7Rシリーズの5代目。
6100万画素の高画素を誇り、圧巻の解像性能は、解像力を得意とするSIGMA 70-200mm F2.8 DG DN OSとの相性も抜群です。
SONY α7 IV
α7シリーズにおいてスタンダードな存在となるα7 IVもおすすめ。
全体的にバランスの取れた性能を特徴としていますが、AF性能に関してはフラッグシップ機α1譲りの性能を実現しています。
高感度耐性にも優れていることから、夜間の撮影でSIGMA 70-200mm F2.8 DG DN OSとの組み合わせで大きな力を発揮してくれます。
SONY α7IV実写レビュー。大ベストセラーモデルの後継機として正統な進化を遂げた4代目のα7シリーズ – Rentio PRESS[レンティオプレス]
気になるレンズはレンタルできる
今回ご紹介してきたSIGMA 70-200mm F2.8 DG DN OSがより気になったという方にはレンタルサービスを利用して購入前にお試しすることがおすすめです。
気になるカメラやレンズは、レビューを参考にするだけでなく、実際に自分で一定期間使用してみることも大切なプロセスとなります。
Rentioでは、今回ご紹介してきたSIGMA 70-200mm F2.8 DG DN OSはもちろん、豊富なラインナップから自由に選んで最短3泊4日からレンタルが可能です。
是非この機会にRentioで気になる機材をレンタルして、失敗しない機材選びに役立ててみてはいかがでしょうか。
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