OM SYSTEM M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3 IS実写レビュー。圧巻の35mm換算1200mmの超望遠を叶える唯一無二の望遠レンズ
更新日2024/07/18
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望遠域でアドバンテージのあるマイクロフォーサーズセンサー。
そのアドバンテージを活かして短い焦点距離ながらも35mm換算で2倍の焦点距離を得ることのできることでレンズ自体の携帯性の向上にも繋がっています。
しかし、携帯性を犠牲にしてまでも超望遠に特化したレンズというのはこれまであまり存在しませんでした。
今回ご紹介していくのは、OM SYSTEMがマイクロフォーサーズの特権を活かしたレンズとして35mm換算で300mmから1200mmをカバーするM.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3 ISをご紹介していきます。
これまでエクステンダーでも使用しない限りは実現しなかった1200mmという驚異的な画角を有したレンズを作例と共に解説していきます。
もくじ
伝統あるM.ZUIKOレンズ
フィルムカメラ全盛から長年に渡ってカメラやレンズを開発してきたOM SYSTEMの前身となるオリンパス。
そのオリンパスが交換レンズとして歴史を築いてきたのがM.ZUIKOブランドとなりますが、カメラのブランドがオリンパスからOM SYSTEMに完全移行した後も名前が残り続けています。
まさに伝統あるレンズブランドであり、これまで数々の名レンズを世に放ってきたブランドとして、現在ではマイクロフォーカスレンズの開発に注力しています。
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マイクロフォーサーズの利点を存分に活かせる望遠レンズ
今回ご紹介していくM.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3 ISは、150mmから600mmという望遠ズームレンズとしては、これまでも存在した領域ですが、マイクロフォーサーズセンサーに対応するという意味では、非常に珍しい存在になります。
APS-Cセンサーの場合でも、焦点距離×1.5または1.6でしたが、マイクロフォーサーズの場合は、焦点距離×2となります。
それだけマイクロフォーサーズは、望遠撮影において利点を活かせるセンサーであり、今回のM.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3 ISとの組み合わせも望遠に特化した撮影を臨む方におすすめのレンズとなります。
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外観レビュー
150-600mmクラスとして平均的なサイズ感
M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3 ISは、150-600mmクラスとしては平均的なサイズ感となっています。
長さが264.4mm、最大径がØ109.4mm、重さが2,065gと、これまでも150-600mmレンズに触ったことがある片であれば、しっくりくるサイズ感かと思いますが、マイクロフォーサーズ用レンズを中心に愛用されてきた方からすると、前例のない大きさに驚かれるかと思います。
マイクロフォーサーズを活かした小型・軽量の特徴は、正直M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3 ISでは、感じられない仕様となっているため注意が必要です。
分かりやすく迅速な操作を叶える設計
M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3 ISが活躍するシーンでは、焦点距離を頻繁に変える様な動体撮影が多くなります。
そのような撮影シーンにおいては、迅速なズームリングの操作など、高速性が求められます。
M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3 ISの操作については、ズームリングの操作はもちろん、レンズの先端を持つことで前後に素早くズーミングの調整が可能となっており、より直感的かつ高速で画角調整が可能となっています。
また、ズームリングの回転についてもズームトルク/ロックスイッチが搭載されており、滑らかに動く「Smoothモード」、重めのトルクとして細かい焦点距離の調整が可能な「Tightモード」、ワイド端でズームリングが固定される「Lockモード」が存在します。
IPX1の防滴性能
M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3 ISにおいては、レンズとしては珍しく防水性能を示すIPX等級が定められており、IPX1の防水性能を叶えています。
IPX等級としては下位の部類となりますが、レンズ自体にIPX等級が定められていることは珍しく、一般的な防水性能と比較すると雨天などのシーンでも安心して使用することができます。
性能レビュー
35mm換算300mmから1200mmの威力
M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3 ISを使用することで、実現する35mm換算における焦点距離は300mmから1200mmという驚異的な画角になります。
ズームレンズかつテレコンバーター未使用でここまでの望遠性能を有するのは唯一無二の存在で、まさに超望遠に特化したレンズとなっています。
広角側が300mmと既に超望遠域に差し掛かっているため、使用できるシーンも一般的な望遠ズームレンズと比べても制限される形になりますが、乗り物や野鳥、動物撮影においては相当な距離が離れた場所でもこの1本で対応します。
1200mmの画角とは思えない手ブレ補正による安定感
望遠域にいくほど悩まされるのが手ブレやフレーミングの不安定さですが、ボディ側と合わせて強力な手ブレ補正効果が撮影に大きな安定性をもたらしてくれます。
レンズ単体ではWide 6.0段/Tele 5.0段、今回作例撮影に使用したOM-1 MarkⅡとの組み合わせではWide 7.0段/Tele 6.0段まで補正効果は増加します。
1200mmという超望遠域の撮影は、私自身も未経験の域でフレーミングに対して不安を使用する前に感じていましたが、その心配も無用だと思えるほど、フレーミングは安定し、1200mmだからと特段身構える必要はありませんでした。
ズーム全域での解像力
150mmから600mmという高倍率にも近い焦点距離域において、ズーム全域での解像力の安定性についても性能面では重要な観点となります。
今回の撮影を通して感じたのは、150mmから300mm程度までの解像力は、非常に優れており満足の描写力が得られます。
しかし、それ以上の焦点距離においては、レンズの性能以外の環境要素が強くなりすぎて、レンズの性能だけではどうしようも評価できないというのが正直なところです。
今回の作例撮影においてもこのレンズが活躍するシーンの一つである旅客機をメインの被写体としましたが、400mm以上の焦点距離においては陽炎の影響が大きくなりすぎることから、陽炎による甘さなのか、解像力による甘さなのか現場での撮影においては差が分かりにくいと感じました。
陽炎などか生じないテスト環境下で解像力を調べるべきではありますが、実際にそのようなテストを行ったところで現場ではその能力を発揮する機会が訪れないため、400mm以上においては冬場など陽炎の影響を受けにくい条件を探すなどの工夫が必要となるのが前提として存在すると感じました。
M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3 ISで写す超望遠の世界
今回の作例撮影で使用したカメラボディは「OM SYSTEM OM-1 Mark II」
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製品仕様表
モデル名 | OM SYSTEM M.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3 IS |
---|---|
焦点距離 | 150-600mm (35mm換算300-1200mm) |
明るさ | F5-6.3 |
レンズ構成 | 15群25枚 |
絞り羽根 | 9枚(円形絞り) |
最短撮影距離 | 0.56m(ワイド端)/2.8m(テレ端) |
最大撮影倍率 | 0.35倍(ワイド端)/0.20倍(テレ端) |
最小絞り | F22 |
手ぶれ補正効果 | 〇 |
フィルター径 | φ95mm |
最大径 | φ109.4mm |
長さ | 264.4mm |
質量 | 2,065g |
はじめて知る1200mmの魅力
今回体感した1200mmの画角というのは、望遠レンズを多用する私にとってもはじめての経験でした。
しかし、1200mmだからといってより一層手振れに気をつける様な心配はこのレンズからは感じられず、150-600mmのサイズ感にも慣れていたことから、特に気を使う必要がないのは良いポイントだと感じています。
どちらかというと、1200mmという画角において、レンズの性能をフルに発揮できる環境を見つけることが難しく、テレ端においては使うことのできる条件が限られるという問題の方が大きいと感じました。
それだけ異次元に近い画角を叶えた望遠レンズですが、望遠側の幅が大きく広がるという意味でこれまで踏み込めなかった領域に達したレンズだと感じました。
気になるカメラやレンズはお試しレンタルがおすすめ
今回ご紹介してきたM.ZUIKO DIGITAL ED 150-600mm F5.0-6.3 ISをはじめ、気になるカメラやレンズは、レンタルでお試ししてみることがおすすめです。
今回ご紹介してきたレビュー記事にて、ある程度の性能を知ることはできたかと思いますが、最終的にはご自身の好みに左右されることは否めないです。
そこでカメラのレンタルサービスを利用することがおすすめで、一定期間自分で試すことで、本当に自分に合った機材であるか確認することができます。
Rentioでは、豊富なラインナップから自由に選ぶことができ、最短3泊4日から気軽にお試しレンタルすることができます。
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