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いつ来てもおかしくないとされている首都直下型地震。“備えあれば憂いなし”という言葉がある通り、防災グッズを用意しているというご家庭は多いのではないでしょうか。
防災グッズの中でも値段が高価で持っている人が少数なのがポータブル電源です。
さまざまなメーカーからポータブル電源が販売されていますが、果たしてどのくらいの時間、家電を稼働させることができるのでしょうか。
今回はポータブル電源1台で冷蔵庫が何時間使用できるのか確認してみました。
ぜひ参考にしてみてください。
もくじ
災害時にポータブル電源で家庭用冷蔵庫が使えれば便利
災害時にポータブル電源を活用すれば、停電になった際にも家庭用冷蔵庫を使い続けることができ、ライフラインとなる大切な食材を夏場でも腐らすことなく保存できます。
冷蔵庫以外にもスマートフォンやPCなどを充電することができるため、情報の確認や連絡手段を確保しつつ、冷蔵庫の利用も可能になります。
そのため、非常時に備えた電源の確保が重要です。
検証を行うに当たって調べてみた
果たして災害時に、ポータブル電源を使うことで家庭用冷蔵庫をどれくらい稼働することができるのでしょうか。
稼働時間や使用できる時間の計算方法について簡単に解説します。
家庭用冷蔵庫の消費電力は年間200～400kWhほど
今回、検証に使用した家庭用冷蔵庫は、シャープの「SJ-PD27A-T」です。
シャープ「SJ-PD27A-T」の容量は冷蔵室169L、冷凍室が102L。年間消費電力量(06年新測定方法)は、50Hzと60Hzどちらも380kWh/年となっています。
一般的に家庭用冷蔵庫の消費電力は、およそ年間200～400kWhとなっており、 1日あたり0.5～1.0kWh程度の消費電力量です。
シャープの「SJ-PD27A-T」は年間380kWhのため、365日で割ると1日あたりは、1.04kWhとなります。
家電製品の制御の仕方によって消費電力が変わる
冷蔵庫の消費電力については、その容量に応じて消費電力が変わると思いがちですが、消費電力の差は少ないのが実情です。
ただし冷蔵庫の制御方法によって、消費電力は大きく変動します。
例えば、冷蔵庫の温度設定やドアの開閉頻度を調整することで、消費電力を抑えることができます。
検証に使用するシャープ「SJ-PD27A-T」の場合、一番消費電力の小さい「弱(庫内の温度は約4〜8℃)」に設定していました。
実際の消費電力は理論値と異なることが多いため、検証を行う前に、冷蔵庫の制御方法による影響や誤差についても理解しておきましょう。
理論上の稼働時間の計算方法
冷蔵庫の大まかな稼働時間は、以下の計算式で求められます。
「ポータブル電源の電気容量(Wh)÷ 家庭用冷蔵庫の消費電力(W)」
ただし、あくまでこれは理論値で、実際の使用可能時間は変換ロスにより「計算結果の80％程度」となります。
そのため、計算結果に0.8をかけて、より正確な使用可能時間を算出したほうが安心です。
例えば、ポータブル電源の容量が3000Whで家庭用冷蔵庫の消費電力が200Wの場合の総使用可能時間は以下になります。
「3000Wh ÷ 200W ＝ 15 × 0.8 ＝ 12h(時間)」
ポータブル電源でどのくらい冷蔵庫が使えるのか検証してみた
実際に、ポータブル電源を用いて、シャープ「SJ-PD27A-T」がどれくらい稼働できたのか検証した結果を下記に紹介していきます。
今回検証に使用したポータブル電源は「Jackery 3000 New」になります。
「Jackery 3000 New」のスペックに関しては、下記の表をご確認ください。
| 項目 | スペック詳細 |
|---|---|
| バッテリー種類 | リン酸鉄リチウムイオン電池 |
| 定格容量 | 3072Wh |
| 定格出力(AC×5合計) | 3000W |
| USB-C出力×2 | 最大100W |
| USB-A出力×2 | 最大18W |
| ソーラー入力ワット数 | 最大400W |
| 充電環境温度 | 0〜45℃ |
| 大きさ(幅×奥行×高さ) | 416 x 325 x 305 mm |
| 重さ | 約27kg |
| 同梱品 | AC充電ケーブル |
Jackery 3000 Newの詳しいレビューはこちら
Jackeryポータブル電源 3000 New使用レビュー！大容量のポタ電とソーラーパネルで災害時の備えとしても最適！
Jackery 3000 Newのポータブル電源があれば29時間稼働できる
上の画像は、ポータブル電源「Jackery 3000 New」の容量(%)が減っていく様子と、0%になった際の使用時間(タイマー)のスクリーンショットになります。
| 充電開始から稼働何分後 | バッテリーの残り% |
|---|---|
| 0分後(12:17) | 100% |
| 2時間17分後(14:34) | 90% |
| 4時間47分後(17:04) | 80% |
| 7時間38分後(19:55) | 70% |
| 10時間26分後(22:43) | 60% |
| 17時間46分後(6:06) | 36% |
| 18時間55分後(7:15) | 30% |
| 22時間3分後(10:23) | 20% |
| 25時間29分後(13:46) | 10% |
| 29時間20分後(17:37) | 0% |
結果として、ポータブル電源(ディスプレイ設定オフ)を使用してから29時間20分の時間、冷蔵庫を使用することができました。
前章で紹介した理論上の計算式に当てはめると「3000Wh ÷ 128W × 0.8＝ 約18.75h(時間)」でしたので、理論値よりも10時間以上長い結果になりました。
この結果は外気温が20℃前後で冷蔵庫の設定を弱(庫内の温度は約4〜8℃)にした場合であり、それ以外にも冷蔵庫や冷凍庫の設定温度、庫内に入っている物の量、夏場や冬場などの外気温、また扉の開閉回数(検証時は10〜20回程度)によっても消費電力は変化します。
とはいえ、理論値よりも10時間以上長く使用できたので、設定方法を変更しても理論値以上の結果になると考えられます。
電力消費量も一つの要因として考えられる
冷蔵庫の設定や使用方法以外にも電力消費量が低くなる理由がいくつかあります。
その電力消費量が低くなる要因は以下の2つです。
電力消費量が低くなる理由
- 家電製品の制御
- 出力の調整
上写真のように、充電中にOUTPUTが0Wとなることが何度か見られ、「出力の調整」が目に見えて確認できました。
この0Wの状態でも、冷蔵庫の中はちゃんと電気が付いて冷却効果も確認できています。これは、「家電製品の制御」も意味していると考えられます。
電力復旧まで有効に食料を消費できる
内閣府が発表した資料(東京湾北部地震の被害想定)によると、電力被害は復旧するまでにおよそ6日とされています。
「Jackery」アプリ側でAC出力をタップしてOFFにしたり、冷蔵庫の消費電力を抑える節電モードにすることで、今回の検証時間である29時間20分間の稼働時間をもっと伸ばすことができそうです。
また、冷蔵庫内の隙間が空いているほど、消費電力を抑えることにもつながって保存力が高まります。
冷蔵庫に詰め込みすぎないことを常日頃から意識するのも大切かもしれません。
冷蔵庫の電気代相場はいくら？大きさ別の電気代の違いや5年,10年前との比較、節約のコツも紹介
実際に一度検証してみることで、稼働時間を長くするコツを掴める
今回はポータブル電源「Jackery 3000 New」1台で冷蔵庫が何時間使用できるのかを検証してみました。
結果として理論上の計算で導いた時間よりも長くで稼働することが可能ということがわかりました。
夏や冬といった季節の違いでも冷蔵庫の消費電力は異なってきますが、冬場であればさらに長い時間稼働することが可能になるのではないでしょうか。
「我が家の冷蔵庫はポータブル電源でどれくらい稼働できるのか」、実際に一度検証してみることで、稼働時間を長くするコツを掴んだりと防災訓練にも繋がりそうです。
ポータブル電源をレンタルして、冷蔵庫の稼働時間を確認してみましょう。
ポータブル電源は試してから購入できる
ポータブル電源は、防災用アイテムとして月額払いで自宅に保管する方も増えています。
家電レンタルのRentio(レンティオ)では、1泊単位で設定できるワンタイムプランから月額のサブスク利用までニーズに合わせたポータブル電源のレンタルを提供しています。
レンタル期間中に気に入った製品があればそのまま購入もできますので、まずはいくつか製品を試してみてはいかがでしょうか。
[レンタル] ポータブル電源 一覧｜キャンプや車中泊のスポット利用からサブスク型の月額制利用で防災備蓄にも – Rentio[レンティオ]
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