Canon EOS Kiss X10i実写レビュー。人気初心者向けシリーズの最新上位モデルの実力を徹底解説

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一眼カメラを始めようと考えるとき、キヤノンが展開する「EOS Kiss」シリーズは、必ずと言っていいほど目にする存在だと思います。
初心者向けに誰でも簡単に一眼カメラの魅力を感じられる写真が撮影できることが意識されたEOS Kissシリーズは、長年に渡って入門機として愛され続けています。
実は私も一眼カメラデビューはこのEOS Kissシリーズで、一眼カメラにおける撮影の基礎を学ぶことや、何よりも写真を撮ることの楽しさを教えてくれたカメラでした。
今回は、そんなEOS Kissシリーズにおいて、スタンダードモデルEOS Kiss X10よりも、性能の高さを特徴としているEOS Kiss X10iを実際に使用して、レビューを行っていきます。
もくじ
初心者向け「EOS Kiss」から最新モデルが発売
今回ご紹介していくEOS Kiss X10iは、キヤノンより2020年6月25日に発売となった初心者向けEOS Kissシリーズの最新モデルです。
EOS Kissシリーズでは、スタンダードモデルと高性能モデル、廉価モデルの3タイプに分かれますが、EOS Kiss X10iは、高性能モデルに位置するモデルです。
既にスタンダードタイプの最新モデルであるEOS Kiss X10は、2019年4月に発売となっていたため、EOS Kiss X10をベースに特定の性能で差別化されたモデルとなります。
[2020年最新版]一眼レフ初心者が知りたいEOS Kissシリーズの選び方と全ラインナップの比較 – Rentio PRESS[レンティオプレス]
「i」の付くモデルはシリーズ上位
EOS Kiss X10iでは、末尾に「i」の文字が付けられていますが、EOS Kissシリーズにおいて「i」が付けられたモデルは、上位モデルであることを意味します。
シリーズとしては2012年に発売となったEOS Kiss X6iが最初となり、今回で5代目のモデルとなります。
「i」の付かないスタンダードモデルよりも価格は高騰するものの、少しだけ性能を向上させて差別化を図っているラインナップとなります。
スタンダードモデルEOS Kiss X10の実写レビューはこちら
Canon EOS Kiss X10実写レビュー!初心者向け最新モデルを現役カメラマンが使って徹底解説 – Rentio PRESS[レンティオプレス]
Canon EOS Kiss X10i外観レビュー
ここからはEOS Kiss X10iを実際に使用した感覚を基にレビューを行っていきます。
まずは大きさや重さ、デザイン性など外観面についてレビューを行っていきます。
EOS Kissシリーズの中では大きめのサイズ感
キヤノンが展開する初心者向け「EOS Kiss」シリーズでは、気軽に使用することを意識して小型・軽量化を実現したモデルが多いです。
EOS Kiss X10iも、一眼カメラ全体としては程良い大きさで、負担に感じることは少ないと思いますが、EOS Kissシリーズ内では比較的大きめのボディが特徴的です。
近年では、小型・軽量に特化したミラーレス一眼カメラの開発が進められていることもあり、一眼レフという時点で携帯性には劣るところもあります。
しかし、「一眼レフだからこそのホールド感」も魅力の一つで、特に動体撮影を得意とするEOS Kiss X10iでは、シーンによってメリットとなります。
簡単撮影や写真の勉強にも最適
一眼カメラを使って撮影を行う場合、カメラ側でどのようなモードを使用して撮影するのか指定する必要がありますが、EOS Kiss X10iでは、選ぶことのできるモードが非常にシンプルです。
EOS Kiss X10iに搭載されているモードダイヤルでは、半分が「簡単撮影ゾーン」、もう半分が「応用撮影ゾーン」となっており、簡単撮影ゾーンでは、カメラ側で専門的な知識を必要とせず、シーンに合わせた設定を自動で行ってくれます。
応用撮影ゾーンでは、一般的な一眼カメラらしく、撮影に関する設定を自分で行うためのモードが並べられており、シャッタースピードや絞り値の変化による違いなども明確に知ることができるため、撮影設定の勉強にも使えます。
スマートフォン感覚でタッチ操作
近年ではすっかり当たり前の機能となった一眼カメラにおけるタッチパネル液晶ですが、EOS Kiss X10iでも採用されています。
液晶画面をタッチすることで設定できることはもちろん、後ほどご紹介するEOS Kiss独自の初心者に優しいガイド機能などと合わせて使いやすい操作性を実現しています。
初心者にとってカメラの設定というのは、ハードルの高さを感じるところかもしれませんが、EOS Kiss X10iでは、その心配は無用と言えるでしょう。
Canon EOS Kiss X10i性能レビュー
ここからは実際にEOS Kiss X10iを使用して撮影した作例を基に、性能面についてレビューを行っていきます。
一眼カメラだからこその魅力、初心者が活用したい性能を解説していきます。
中級機レベルのAF性能を搭載
初心者モデルにおいて上級モデルとの差が顕著に出る性能の一つにAF性能があります。
EOS Kiss X10iでは、AF性能において他のEOS Kissシリーズで差別化を図り、中級機に搭載されるようなAF性能を実現しました。
EOS Kiss X10iでは、中級機にも搭載されることの多い「オールクロス45点AFセンサー」を搭載し、ファインダー内でフォーカスポイントを増やし、動きの俊敏な被写体に対しても正確で素早くピントを合わせてくれます。
顔検出「EOS iTR AF(顔優先)」モード
今回、目玉の性能としてあげられるのが顔を優先的に検知してピントを合わせる「EOS iTR AF」機能を搭載し、人物撮影におけるAF性能も強化されました。
人物の表情こそ一瞬が大切になるため、動きのあるようなシーンでもしっかり顔を捉え、決定的瞬間を逃さないための優れた性能となります。
上級モデルにも搭載される「DIGIC8」が生み出す高画質
EOS Kiss X10iで採用されている映像エンジンは、最新の上級モデルでも採用されている「DIGIC8」を搭載しています。
映像エンジンというのは、カメラにおいて作画の基本ともいえる重要な部分で、画質や色味、夜間などISO感度を上げた撮影時におけるノイズの出方など、目に見える部分の表現を支えるところです。
映像エンジンは、新しいほどカメラにとって良いことは間違いなく、最新の映像エンジンを載しているEOS Kiss X10iは、EOS Kissシリーズの中でも優れた描写を実現していると言えます。
約7.0コマ/秒の高速連写で決定的瞬間を
AF性能が優秀なことで、動く被写体に対してもピントを外さず精度の高い撮影を行うことができますが、決定的瞬間を逃さないためにも高速連続撮影性能も重要となります。
他のEOS Kissシリーズのモデルにおいては最高約5~6コマ/秒が大半ですが、EOS Kiss X10iでは、最高7.0コマ/秒の高速連続撮影性能を実現しています。
1秒間に1コマの違いは非常に大きく、7コマ/秒の性能は、決定的瞬間を逃す心配のない、初心者向けモデルとしては非常に優れた性能となります。
EOS Kissだからこその操作性
一眼カメラというと画質や性能面が大きく注目されがちですが、それ以上に初心者にとって使いやすさは重要なポイントと言えるでしょう。
EOS Kissシリーズは、伝統的に初心者に寄り添ったカメラの開発が行われてきたことで、はじめて一眼カメラを使う方にとっても優しい機能面も充実しています。
スマートフォンを操作するような感覚で画像を調整「クリエイティブアシスト」
EOS Kiss Mで初めて搭載されたクリエイティブアシストは、既にEOS Kissにおける定番の機能と言えるでしょう。
お好みに合わせて明るさやボケ具合、コントラスト、鮮やかさの調整などを液晶画面上のゲージをスライドするだけでお好みの画作りを行うことができ、難しいカメラの知識を一切必要とせず理想的な写真へと仕上げることができるおすすめの機能です。
クリエイティブフィルター
インスタグラムなどSNSなどで映える写真を撮影したいとき、クリエイティブフィルターを使用した撮影がおすすめです。
EOS Kiss X10iでは、11種類のフィルターの中から選んでお好みの仕上がりへと変化を加えることができます。
クリエイティブアシストでは、基本的な調整のみでしたが、クリエイティブフィルターを使用することでよりダイナミックでフォトジェニックな写真へと仕上げることができます。
個人的には「トイカメラ風」のモードがあらゆるスナップ撮影でも使えるフィルターとして日常的に使用することができるおすすめモードです。
Canon EOS Kiss X10iフォトギャラリー


製品仕様表
モデル名 | EOS Kiss X10i |
---|---|
撮像画面サイズ | 約22.3×14.9mm(APS-C) |
映像素子型式 | CMOSセンサー |
映像エンジン | DIGIC8 |
有効画素数 | 約2410万画素 |
オートフォーカス方式 | 専用AFセンサーによるTTL二次結像位相差検出方式 |
測距点 | 最大45点 |
常用ISO感度 | ISO100~25600 |
シャッター速度 | 1/4000秒~30秒、バルブ |
連続撮影速度 | 最高約7.0コマ/秒 |
画面 | 3.0型/約104万ドット |
Wi-Fi搭載 | 〇 |
Bluetooth搭載 | 〇 |
使用バッテリー | LP-E17 |
大きさ | 131.0×102.6×76.2mm |
質量 | 約515g(バッテリー、カードを含む) |
初心者向けモデルの水準も上がり続ける
依然として初心者向けのモデルと中上級者向けのモデルに格差があることは否定できませんが、技術の進歩とともに初心者向けのモデルにおける性能の水準が向上していることも間違いありません。
今回ご紹介してきたEOS Kiss X10iは、まさにその水準が向上していることを体感できるモデルと言えるでしょう。
かつて中上位モデルでないと実現することのできなかった性能を初心者モデルでも実現できるようになっていることを体感できるレビューとなりました。
性能が向上する一方でご紹介してきた通り、初心者に使いやすい操作性や機能性も叶えており、初めての一眼カメラとしてもおすすめです。
特に動きものを被写体とされる方は、EOS Kissシリーズの中で最もおすすめできるモデルこそEOS Kiss X10iとなります。
最新モデルもまずはレンタルでお試し
今回ご紹介してきたEOS Kiss X10iは、早速レンタルでお試しすることが可能です。
これから一眼カメラを始めようと検討されている方で、他のカメラと迷われている場合には、購入前にレンタルでお試しされることもおすすめです。
Rentio(レンティオ)では、初心者向けのカメラからステップアップを考えた中上位向けのカメラ、レンズを豊富なラインナップから選んでレンタルすることができます。
ぜひこの機会に気になるカメラをお試しして、後悔しないカメラ選びに役立ててくださいね。