ねっとり甘~い焼き芋ができる最強トースターはどれだ!? 5種類の人 気オーブントースターで焼き比べて辿り着いた結論とは
更新日2022/10/27
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ねっとり甘~い焼き芋。「さつまいもを焼くだけ」というシンプルな調理方法なのに、スイーツのように甘く幸せな香りがする魅惑の食べ物です。
スーパーで売っている焼き芋は季節限定の場合も多いのですが、生のさつまいもであれば旬の秋だけでなく一年中手に入ります。
自分好みの極上焼き芋を、お家で作っていつでも楽しめたら最高ですよね。
そこで今回は、かんたん・美味しく作ることができるオーブントースターでの焼き芋の作り方について解説。
バルミューダ、ヘルシオ グリエ、アラジン、すばやき、ビストロの5種類の人気オーブントースターで実際に焼き芋を作り比べて、焼き芋作りに適した最強トースターを探してみます!
もくじ
オーブントースターでの美味しい焼き芋の作り方
美味しい焼き芋作りは基本から!
まずはどうやったらさつまいもが美味しく焼き上がるのか基礎知識を頭に入れておきましょう。
ねっとりorホクホク?さつまいもの品種と選び方
焼き芋の好みの二大派閥といえば、ねっとり派とホクホク派。どのような仕上がりになるか?は、まず第一にさつまいもの品種によって左右されます。
濃厚な甘さを楽しめるねっとり派の代表格が、安納芋・紅はるか・シルクスイート。
芋らしい素朴な甘さが楽しめるホクホク派の代表格が、紅あずま・鳴門金時などです。
たくさんの品種があるので、自分好みのさつまいもを探すのも楽しいですね。
また、スーパーでさつまいもを選ぶ際には、以下のようなポイントに注意して選ぶと良いと言われています。
- ラグビーボール型のふっくらとした形状
- 手に持つとずっしり重みがある
- 表面がなめらかで艶があり色が濃い
- 切り口や表面に蜜が出ている
買ってきたさつまいもは13〜15℃の場所で2週間ほど貯蔵することでデンプンが糖化して甘さがアップするので、時間がある場合は試してみるのもおすすめです。
焼き芋の美味しさは、さつまいも自体の美味しさで決まります。まずは美味しいさつまいもを手にするところからスタートです!
甘くてやわらかい焼き芋の作り方(温度・加熱方法)
さつまいもを焼くとなぜ甘くなるのか?その秘密はデンプンの糖化にあります。
さつまいもに含まれるデンプンは加熱することで、糊化デンプンという状態を経て麦芽糖に変化します。その変化が起こりやすい温度が65~75℃だそうです。(※品種による)
さらに加熱により水分が適度に飛ぶことで、糖分が凝縮されて甘さを感じやすくなります。
デンプンを最大限糖化させつつ水分を飛ばすことが、甘くて美味しい焼き芋作りのポイントです。
じゃあずっと70℃付近で低温調理をすればいいか?というと、そうでもないらしく。
70~75℃以下の低温で長時間加熱することで、今度は細胞同士を接着するペクチン質が硬化して、かたくてボソボソした食感の焼き芋になってしまうのです。
やわらかくて美味しい焼き芋作りには、ペクチン質を硬化させないことがポイントとなります。
もうおわかりですね?
さつまいもの内部温度を75℃ぴったりにキープして加熱すれば良いのです!
………… 無 理 ! ! !
(※参考文献:「焼き芋」の甘さの秘密 / 野菜の加熱とペクチン質 / 甘藷の加熱調理に関する研究)
かんたん美味しいオーブントースターでの焼き芋の作り方
理論上では75℃キープが理想ですが、トースターの庫内温度やさつまいもの中心温度を細かく管理するのは非常に難しい…。となると、どうやったらお家のオーブントースターで手軽に美味しい焼き芋を作れるのでしょうか?
じつは60~80℃の温度帯におけるデンプンの糖化は非常に早いそうで、トースターのようにゆっくりと食材に火を通す方法であれば、自然と十分な糖化ができるようです。しかも、そこまで長時間の低温状態ではないためペクチン硬化の心配もなさそうです。
つまり、完璧な糖化を目指さなければ、割と適当に焼いても美味しく焼き上がるということですね!!!
具体的に何度で何分焼くかは、200℃30分から140℃3時間まで様々な説があります。温度と時間はさつまいもの品種や太さ、オーブントースターの性能にもよるので、一概には言えないところのようです。
アルミホイルを巻くかどうかも諸説ありますが、アルミホイルなしだと皮や先端が焦げやすくなるのでしっとりした食感が好みなら巻くほうがいいでしょう。
今回は、メーカーの付属レシピやレシピサイトで推奨されることの多い「アルミホイルなし・数か所に穴あけ・200℃30分以上」(かたいようなら追加)を基本としたいと思います。やっぱり手軽で早いに越したことはないですよね!
5種類の人気オーブントースターで焼き芋作り検証
それでは、実際にオーブントースターを使って焼き芋を作り比べてみます。
今回は、ねっとり系のシルクスイートと紅はるかをオーブントースターで焼いていきます。
使用するオーブントースターは、人気の高いこちらの5種類。いずれも加熱性能の高さが魅力のオーブントースターです。
- アラジン グラファイトグリル&トースター AGT-G13A
- シロカ すばやきトースター ST-2D351
- パナソニック オーブントースター ビストロ NT-D700
- バルミューダ The Toaster K05A
- シャープ ヘルシオ グリエ AX-GR1
ねっとり甘~い焼き芋ができるのは、どのオーブントースターなのでしょうか!?
アラジン グラファイトグリル&トースター
おしゃれな見た目で最近人気のオーブントースターが、アラジン グラファイトグリル&トースターです。
発熱時間わずか0.2秒と立ち上がりが早い「遠赤グラファイトヒーター」で、短時間で一気に温度を上昇させて焼き上げます。
“ゆっくり加熱”が基本の焼き芋に、この立ち上がりの早さがどう影響するのでしょうか?
アラジン グラファイトグリル&トースターは200℃に設定し、15分タイマー×3回=合計45分で加熱しました。
シロカ すばやきトースター
シロカのすばやきトースター ST-2D351は、高火力と熱風コンベクション機能による「炎風テクノロジー」が特徴のオーブントースターです。
今回のなかでは唯一コンベクション機能を搭載。熱風で庫内の空気を循環させることで、焼きムラなく全体を加熱できます。
オートメニューに焼き芋モードがあることからも焼き芋作りに対する自信が垣間見えますが、実力のほどはいかに!?
すばやきトースターは焼き芋モードで30分加熱後、200℃15分の加熱を追加。合計45分加熱しました。
パナソニック オーブントースター ビストロ
パナソニックのオーブントースター ビストロ NT-D700は、食材の中と外を同時に加熱する遠近トリプルヒーターが特徴のオーブントースター。
庫内の温度上昇や周辺環境に合わせて加熱する「インテリジェント制御」による、精緻な温度調整も魅力です。
焼き芋のオートモードについては「焼きいも」「じっくり焼きいも」の2種類を搭載するこだわりっぷり。これは相当期待できるのではないでしょうか…!
ビストロに関しては、オートモードの「じっくり焼きいも」で約65分加熱しました。
バルミューダ The Toaster
バルミューダ The Toasterといえば、高級オーブントースターのパイオニア。
独自のスチームテクノロジーと温度制御によって究極のトーストを焼き上げる、こだわりのオーブントースターです。パンに特化して開発されたトースターというのは間違いないようで、パン専用のモードは複数用意されていますが焼き芋モードはありません。
焼き芋は専門外かもしれませんが、トーストを焼き上げる加熱能力をいかんなく発揮していただきましょう!
BALMUDA The Toasterは、マニュアルモード(スチームなし)で200℃に設定。15分タイマー×3回=合計45分加熱しました。
シャープ ヘルシオ グリエ
シャープ ヘルシオ グリエは、過熱水蒸気調理が特徴のオーブントースター。
過熱水蒸気の力で、食材の水分をキープしたままこんがりと焼き上げます。グリル調理にも自信ありということで、焼き芋に関しても公式レシピが公開されています。
今回使用する中では唯一スチームを使用するヘルシオ グリエですが、それが吉と出るか凶と出るか…。
ヘルシオ グリエの温度設定は4段階のみ。トースト(250℃)・弱(120℃)・中(180℃)・強(200℃)ということで、強モードに設定。タンクに水を入れてタイマー×3回=合計45分加熱しました。
調理中の様子
5台のトースターによる焼き芋作りのスタートです。
ビジュアル的にもっとも好評だったのがビストロ。明るいヒーターで庫内の様子が見守りやすくなっています。
バルミューダは上品で貫禄すら感じる佇まい。
ヘルシオ グリエは、扉が水滴でびしょびしょになるほど過熱水蒸気が充満しています。
15分ほど経った時点で、部屋中がすっかり焼き芋の甘い香りで包まれました。出来上がりが待ち遠しい~!!!
約1時間後…すべての焼き芋が完成!
トースター5台×さつまいも2品種の計10本の焼き芋が完成しました!
トースターの写真と同じ順番に並べた焼き芋がこちら。
やはり一番長い時間焼いたビストロは皮がこんがり黒く焼けています。他のトースターは意外にもそれほど焦げ感は強くありません。
半分に割ってみると、すべての焼き芋がねっとりとやわらかい感触に仕上がっていました。
焼き芋の甘くて良い香りが部屋中に充満してきて、もう我慢できません…!
実食!完成した焼き芋を食べ比べ
さっそくそれぞれの焼き芋を10名ほどのメンバーで試食していきます。その場で出たコメントをもとに焼き芋の仕上がりを比較していきたいと思います。
アラジン グラファイトグリル&トースター
まずはアラジンで焼いたシルクスイートです。
水分たっぷりでしっとりしつつも、やや食感が残る仕上がりになりました。甘みも強く、かなり「芋感」を感じられる焼き芋でした。
こちらはアラジンで焼いた紅はるか。
ねっとりと言うよりはほくほくした食感で、上品な甘さ!芋好きにはたまらない美味しさです。
シロカ すばやきトースター
続いて、シロカのすばやきトースターで焼いたシルクスイートです。
見た目にはわかりづらいのですが、かなりとろとろでねっとりした食感です。なめらかでかなりペーストに近い状態。甘いなかにも酸味が少し感じられ、スイーツに近い仕上がりになっています。
こちらはすばやきで焼いた紅はるか。
ねっとり系の紅はるかですが、ほくほくという言葉が合う食感。かなり甘みも強く、栗っぽさも感じる焼き芋になりました。
パナソニック オーブントースター ビストロ
こちらがビストロで焼いたシルクスイートです。
割ったときの感触では芯があるように感じたのですが、食べてみると意外にも全体がなめらかでやわらかい!味もまるで芋羊羹のような甘味感のある焼き芋です。
続いて、ビストロで焼いた紅はるかを試食。
これまで「ほくほく」と評されてきた紅はるかですが、ビストロの紅はるかはかなりしっとり・ねっとり・やわらかい食感。もっとも長時間加熱した効果でしょうか、甘みが強く皮が焦げていて石焼き芋に近い焼き上がりになっています。
バルミューダ The Toaster
お次はバルミューダで焼いたシルクスイートです。
少しかためで歯応えもありますが、ふんわりとしたやわらかさ。しっかり甘くて美味しい芋感のある焼き芋になっています。
こちらがバルミューダで焼いた紅はるか。
ねっとりとろとろした食感で、水分もたっぷり。かなり芋らしい甘さになっていて美味しいです。
シャープ ヘルシオ グリエ
最後にヘルシオ グリエで焼いたシルクスイートを実食。
かなり水分が多く、手に蜜がついてしまうほどねっとりしています。食べてみると意外にもあっさりとした甘みでした。過熱水蒸気で水分が蒸発しづらいヘルシオの特徴かもしれませんね。
こちらがヘルシオ グリエで焼いた紅はるか。
ねっとりとしていて完全にペースト状態。こちらもあっさりとした上品な甘さですが芋あんのような感じでした。
結論…最強の焼き芋トースターはどれだ!?
実際に焼き比べてみて、焼き芋作りに最適なオーブントースターについて考えてみました。
手間が省けるのは長時間タイマー
もっとも重要な味の話をする前に、焼き芋作りの手間については考えておきたいところです。
30分~1時間という長時間の加熱が必要になるトースターでの焼き芋作り。一般的なトースターでのタイマー設定は15分程度なので、1回目のタイマー終了後に再度加熱をスタートする手間が増えてしまいます。
手間を減らしてかんたんに作るなら、長時間のタイマー設定ができるトースターがおすすめです。
今回使用したなかでは、パナソニックのビストロが「じっくり焼きいも」モードで約65分、シロカのすばやきトースターならマニュアルモードで最大90分の加熱が可能なので、手間を減らしたい方にはおすすめです。
焼き芋上級者はアレンジのしやすさにも注目
さらに焼き芋を極めたい上級者の方は、アレンジのしやすさにも注目です。
焼き芋作りではとくに温度設定が非常に重要。より細かく温度設定できるトースターだと、自分好みの焼き加減を追求しやすくなります。
今回のなかでは、パナソニックのビストロが260℃~120℃で20℃刻み、シロカのすばやきトースターが280℃~60℃で20℃刻み、アラジン グラファイトグリル&トースターが280℃~100℃で20℃刻みの温度設定が可能で、こだわり派の方におすすめです。
味は全部美味しい
結論、すべてのトースターで美味しい焼き芋を作ることができました。
非常に単純明快なこの結論に至るまでには、長い道のりがありました…。
同じ焼き芋を食べても「すごく甘い!」「意外と甘くない…」という正反対の意見が出ることもありました。
10種類も食べていると焼き芋のゲシュタルト崩壊を起こしかけて「焼き芋とは一体…」と迷走することも。
そして、最終的には「芋の個体差が大きいのでは」という元も子もない説が飛び出して一時騒然となりました。
そうして辿り着いた結論が、「みんな違ってみんな美味しい」。
それぞれに違った美味しさがあって、焼き芋好きならどれが出てきても幸せになれると思います。
(ちなみに、個人的ねっとり甘~い焼き芋No1はビストロの紅はるかでした!)
オーブントースターで素敵な焼き芋ライフを
5種類のオーブントースターでの焼き芋作りを終えた今、強く心に残っているのは焼き芋は素晴らしいということです。
焼き芋の甘い香りに自然と人々が引き寄せられて、焼き芋を食べているうちにみんな笑顔になっていく様子は、まさに焼き芋こそが平和の象徴といっても過言ではないほどでした。
ストレスの多いこの現代社会に必要なものは、もしかしたら焼き芋だったのかもしれません…。
そんな焼き芋のある幸せな時間は、オーブントースターと美味しいさつまいもさえ用意すればお家でも手軽に作ることができます。
今回ご紹介した焼き芋作りの知識をぜひ活用して、みなさんも素敵な焼き芋ライフをお送りください!
オーブントースターをレンタルしてお家で焼き芋作り
記事を読んで猛烈に焼き芋を作りたくなったけど、オーブントースターが無い…!という方には、オーブントースターをレンタルする方法もおすすめです。
家電レンタルサービスのRentio(レンティオ)では、今回ご紹介したすべてのオーブントースターをレンタルして試すことができます。
もちろん複数台をレンタルして、お家で食べ比べて自分好みの焼き芋ができるトースターを選ぶこともできます。
気になるトースターがある方は、ぜひ一度お試しください!
[レンタル] トースター 一覧 – Rentio[レンティオ]
[レンタル] キッチン家電 一覧 – Rentio[レンティオ]
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