SONY FE 70-200mm F2.8 GM OSS II (SEL70200GM)実写レビュー。2代目となった王道大三元レンズの実力を徹底解説
更新日2024/08/26
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最近のミラーレス一眼市場では、斬新なアイディアを採用したレンズの誕生の目立ちますが、もちろん伝統的な仕様を採用したレンズの開発も各社では行われています。
数ある望遠レンズ群の中でも、「70-200mm F2.8」のジャンルは、各社が技術力を結集されて開発するほど、会社の代表モデルとして多くの注目が集まるレンズジャンルです。
今回は、αシリーズでミラーレス一眼市場において存在感を放つSONY(ソニー)の最新70-200mm F2.8レンズである「FE 70-200mm F2.8 GM OSS II (SEL70200GM)」の実写レビューを展開していきます。
既に2代目となったソニーにおける王道ジャンルレンズを、実際の作例とともに従来モデルとの比較を交えて性能や魅力をご紹介していきます。
もくじ
勢力を拡大するSONY Eマウントのレンズ群
一眼カメラといえば「ミラーレス一眼」が主流となった今ですが、その流れを作ったのは「ソニー」の存在でしょう。
特にフルサイズミラーレス一眼の開発については、パイオニア的存在として他のメーカーよりも先に開発を行っていた分、ラインナップについても充実している印象です。
今回ご紹介していくFE 70-200mm F2.8 GM OSS IIも、ソニーが展開するミラーレス一眼「Eマウント」のラインナップ拡充を更に進めるレンズで、王道70-200mm F2.8レンズにおける既に2代目のモデルとなります。
早くも既存のモデルを更新するフェーズに入ったソニーの最新技術にも注目が集まっています。
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2代目となった望遠の大三元レンズ
今回ご紹介していくFE 70-200mm F2.8 GM OSS IIは、大三元ズームレンズの一つとして定番の存在である「70-200mm F2.8」レンズでSONY Eマウントにおける2代目のレンズとなります。
70-200mm F2.8のレンズは、各メーカーの性能を表すと言っても過言ではないほど、各メーカーが優先して開発するレンズです。
ソニーでは、既に初代としてFE 70-200mm F2.8 GM OSSを2016年9月に誕生させていますが、2021年11月にリニューアルを行い、今回ご紹介していくFE 70-200mm F2.8 GM OSS IIが誕生しました。
約5年の時を経て、リニューアルしたFE 70-200mm F2.8 GM OSS IIですが、従来モデルからの変化点や、実際に使用して撮影した作例を交えた性能面を中心にご紹介していきます。
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外観レビュー
FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIを語る上で、従来モデルから特に大きな変化が見られるのは外観面です。
まずは、従来モデルとの比較を交えて携帯性などのどのような変化があったのか、外観面についてレビューを行っていきます。
従来モデルから大幅な軽量化を実現
外観面で従来モデルと比較した際、最も大きな違いとなるのが携帯性です。
従来の1型と比較して、今回ご紹介していく2型においては、約435gの軽量化を実現しています。
この重さは、発売時点においてあらゆる70-200mm F2.8レンズの中で世界最軽量を叶えており、持ち運びや長時間の撮影において大きな効果が出てきます。
事実、大きさについてはキヤノンが展開するRF70-200mm F2.8L IS USMには、敵わない形となりますが、重さについてはこれまでと同じサイズ感でありながら、撮影時における負担が大幅に低減したと感じます。
インナーズーム方式を採用
FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIでは、ズームリングを回転させても伸縮することのない「インナーズーム方式」を採用しています。
この「インナーズーム方式」には、一長一短があり、伸縮しないことで撮影時にレンズの大きさに変化が生じないことから安定性を求める方にはおすすめです。
例えば私が日頃撮影行うことの多い、空港の展望デッキにおいては、ワイヤーフェンスが設置されていることが大半ですが、ワイヤーの映り込みを避けるためにできる限りワイヤーにレンズを近づけて撮影する際、インナーズーム方式であればワイヤーとの距離感を一定に保ったまま安定した撮影を行うことができます。
一方で伸縮式の場合は、画角によってレンズの長さが異なるため、画角毎にワイヤーまでの距離感を確認しながら撮影する必要がありました。
これは特に三脚を使用してバルブ撮影を行う様なシーンで顕著な差が出るため、インナーズーム方式の恩恵を強く受けた一例となります。
しかし、伸縮式の場合は収納時のコンパクトさに長けており、FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIが世界最軽量を実現したものの、最小まで実現できなかったのは、携帯性を重視し、伸縮式を採用したキヤノンのRF70-200mm F2.8L IS USMの存在があるからと言えるでしょう。
使いやすい操作性・機能性、好みに合わせたカスタマイズ性を実現
FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIでは、レンズに様々なボタンやリングが搭載されており、使い勝手が良く、拡張性の高い操作性を特徴としています。
望遠系のレンズでは、他社であまり採用されることのない絞りリングも搭載しており、リング回転時にはどのくらい絞りを調整したのか体感できるクリックのON/OFFをスイッチで切り換えることも可能です。
また、レンズ周囲に3つのフォーカスホールドボタンが配置されており、これらのフォーカスホールドボタンは、カメラ側の好みの機能を割り当てることが可能です。
日頃よく使う様な機能があれば、3つのフォーカスホールドボタンに割り当ててカスタマイズすることで、より自分の撮影における効率を改善させることにも繋がります。
性能レビュー
王道かつ人気のレンズジャンルである「70-200mm F2.8」では、レンズの性能においても多くのユーザーが他のレンズジャンルよりも細部まで気にされることが多い印象です。
それだけ期待値の高いレンズジャンルなのですが、ここからは実際の作例を交えてFE 70-200mm F2.8 GM OSS IIの性能面にフォーカスしてご紹介していきます。
「別格」を感じられるG Masterの解像力
ソニーでは、レンズラインナップにおいてブランド分けを行っており、最上位に位置するレンズには「G Master」の称号が与えられます。
今回ご紹介しているFE 70-200mm F2.8 GM OSS IIは、まさに「G Master」レンズに属しており、妥協を一切感じることのない、圧倒的な解像力を叶えています。
近年では、最上位でないレンズにおいても光学性能の進化が著しいですが、やはり最上位のレンズは、一味違った表現力が感じられ、質感や白色部分の描写力で特に違いを感じました。
今回の撮影においても、様々な被写体を対象とした撮影を行いましたが、進化を続けるカメラボディと比例してレンズが魅せる表現性から、生み出される作品においても撮って出しの状況から可能性が感じられる描写力を実感できました。
是非今回掲載している作例においても、細部まで拡大して見て頂きたい表現力です。
更に高速化した優秀なAF性能
従来のFE 70-200mm F2.8 GM OSSより大幅に改善したポイントとして「AF性能」も存在します。
特にAF速度においては、フラッグシップα1に装着した際に従来比で最大約4倍まで高速化し、コンマ何秒というシビアな世界においても決定的瞬間を逃さない絶対的な性能を実現しました。
速度だけでなくAF精度や動体に対する追随性能を大幅に向上していることも特徴的で、今回実際に旅客機の撮影も行いましたが、画角を構えてシャッターボタンを半押しした瞬間からピントが一切外れることなく、急にシャッターチャンスが訪れる様なシーンでも、瞬発性にも優れた信頼できるレンズだと感じました。
逆光時にもクリアな描写を叶える「ナノARコーティングII」
レンズの品質において、性能差が出るシーンの一つに「逆光時の撮影」があります。
逆光の撮影シーンにおいては、強い光源が直接レンズに当たることで乱反射が発生しやすく、「フレア」や「ゴースト」の弊害が出てきます。
近年、解像力以外での性能面で特に違いが出てくるところが、このフレア・ゴースト耐性で、どれほど優れたコーティングが施されているかによって影響度に大きな違いが出てきます。
FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIでは、長年の開発によって培った技術力を活かした「ナノARコーティングII」を採用しており、逆光撮影時においてもフレア・ゴーストを極限まで抑えており、逆光時によく見られるモヤっとした描写を感じることのないクリアな描写を叶えています。
レンズによっては、逆光の撮影は極力避けたいものもありますが、実際にFE 70-200mm F2.8 GM OSS IIを使用してみて、逆光時でも積極的に使っていきたいと思える性能でした。
SONY FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIフォトギャラリー
今回の作例撮影で使用したカメラボディは「SONY α7 IV」
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製品仕様表
モデル名 | SONY FE 70-200mm F2.8 GM OSS II |
---|---|
焦点距離 | 70-200mm |
明るさ | F2.8 |
レンズ構成 | 14群17枚 |
絞り羽根 | 11枚(円形絞り) |
最短撮影距離 | 0.4m(ワイド端)/0.82m(テレ端) |
最大撮影倍率 | 0.3倍 |
最初絞り | F22 |
手ぶれ補正効果 | 〇 |
フィルター径 | 77mm |
最大径 | 88mm |
長さ | 200mm |
質量 | 1,045g |
軽量化が光る最新の王道望遠レンズ
これまでも70-200mm F2.8のレンズは、性能面では圧倒的な力を見せ、ここぞという撮影では積極的に使いたい存在でした。
一方で大きく、重いモデルが多かったことから気軽に持ち歩くというには少し気が引ける存在であったことも間違いありません。
しかし、今回ご紹介してきた「FE 70-200mm F2.8 GM OSS II」は、従来よりも大幅な軽量化を実現し、持ち運びに対する抵抗が大幅に減少しました。
そして、携帯性を改善しながらも伝統ある70-200mm F2.8の名に恥じない描写力とAF性能を実現し、より活躍する範囲が広がったと言えるでしょう。
70-200mm F2.8のレンズにおいて次世代のフェーズに入ったといえる存在が今回ご紹介してきたFE 70-200mm F2.8 GM OSS IIなのです。
SONY FE 70-200mm F2.8 GM OSS IIのレンタルはこちら
今回ご紹介してきたFE 70-200mm F2.8 GM OSS IIをはじめ、気になるカメラやレンズは、一度レンタルでお試しすることができます。
Rentio PRESSにおいても皆様の参考になるように、豊富な作例を用いたレビュー記事の展開を行っていますが、カメラ機材については実際に使ってみないとわからないことも沢山存在します。
そんなときは、カメラのレンタルサービスを利用して一定期間お試ししてみることがおすすめです。
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