TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD (Zマウント用)実写レビュー。ニコンZマウントで有力な選択肢となるコンパクト超望遠レンズ
更新日2024/11/13
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超望遠レンズを使った撮影は、常に人気を集めるジャンルの1つです。
そしてレンズにおける選択肢も非常に豊富で、各マウントにおいては純正レンズだけでなく、サードパーティーレンズメーカーによる製品開発も進められています。
サードパーティーレンズメーカーとして人気を集めるTAMRON(タムロン)では、昔から高倍率の望遠レンズ開発を得意としており、近年では各ミラーレス一眼マウントに合わせたラインナップの拡充が行われています。
今回ご紹介していくのは、既にRentio PRESSでもご紹介したSONY Eマウント用およびFUJIFILM Xマウント用で先に発売となっている「TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD」のNikon Zマウント用です。
タムロンでは、近年Nikon Zマウント用のラインナップ拡充も進められており、今回ご紹介していくTAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXDも待望の超望遠ズームレンズとなります。
もくじ
新製品の勢いが止まらないTAMRON(タムロン)
一眼レフカメラが全盛の時代から、カメラメーカー以外がレンズマウントに合わせてレンズを開発するサードパーティー製レンズも人気を集めています。
今回ご紹介していくのはサードパーティーレンズメーカーとして長い歴史を誇り、近年では純正レンズに近いと言えるほどの性能にこだわった製品を開発していることで話題になることも多いTAMRON(タムロン)が開発するTAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXDのNikon Zマウント用をご紹介していきます。
このレンズ以外にもタムロンからはここ数年で様々なレンズが発売され、まさに止まらない勢いを感じられるメーカーとして、業界においても注目の存在です。
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EマウントとXマウントで実績のある超望遠ズームレンズ
TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXDは、既にSONY EマウントおよびFUJIFILM Xマウントで販売されているモデルで、実績のあるレンズとして知られています。
Rentio PRESSでも、両マウントにおけるレビュー記事も展開しており、外観面や性能面においてもほぼ同様となっていますが、Nikon Zマウントでの発売はZマウントユーザーにとって待望の瞬間と言えるでしょう。
これまでサードパーティー製のミラーレス一眼用レンズは、SONY Eマウント用が大半を占めていましたが、最近になってNikon Zマウントに対応するモデルが増えてきています。
TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXDは、既にEマウントおよびXマウントにおいて実績を残してきたレンズだけに、Zマウントユーザーも安心して使用することができるのが、大きなメリットと言えるでしょう。
SONY Eマウント用レビューはこちら
FUJIFILM Xマウント用レビューはこちら
TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXDメーカー公式サイトはこちら
150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD (A057) | レンズ | TAMRON(タムロン)
外観レビュー
サイズ感については、SONY Eマウント用およびFUJIFILM Xマウント用と大きく変わることがありませんが、今回は作例撮影に使用したNikon Z6IIと組み合わせた実機写真とともに外観面についてご紹介していきます。
Nikon Zマウント用にしか搭載されていない機能についてもご紹介していきます。
500mmをカバーするレンズながらコンパクトサイズを実現
一般的に超望遠域を有するレンズは、大きく重くなる傾向にありますが、今回ご紹介しているTAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXDは、500mmというズームレンズの中でも超望遠の焦点距離を有しながらも、このクラスとしてはコンパクトなサイズ感を特徴としています。
コンパクトといっても初めて超望遠レンズを使う方にとっては、大きくて重いレンズだと思われるかもしれません。
しかし、500mmクラスのレンズに携帯性を求めること自体が極めて難しく、そんな中でも気軽な手持ち撮影を叶えてくれるサイズ感を叶えた貴重な存在であることは間違いなく、超望遠というジャンルの中では数少ない存在となります。
Zシリーズのカメラボディにも合うデザイン性
TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXDでは、近年タムロンが統一して各レンズへと採用している、シンプルでどのカメラボディにもマッチにする優れたデザイン性が採用されています。
一眼カメラらしさを存分に残したデザインを採用してあるニコンのZシリーズの各モデルにも違和感なくフィットし、カメラボディとのデザイン面でバランスを考える必要はないと言えるでしょう。
今回はNikon Z6IIとの組み合わせで実機写真撮影および作例撮影を行いましたが、写真の通り、デザイン性だけでなく大きさの面でもバランスが取れていることが分かると思います。
実際に使用していても、Nikon Z6IIのサイズ感とのバランスの良さが感じられ、日頃から使用していない身からしても、すぐに馴染むことのできる組み合わせでした。
Zマウント用のみTAMRON Lens Utilityに対応
これまでRentio PRESSでは、TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXDにおけるSONY Eマウント用およびFUJIFILM Xマウント用をご紹介してきましたが、今回ご紹介するNikon Zマウント版にしか搭載されていない機能も存在します。
近年タムロンから発売されるレンズには、USBポートが搭載されており、ケーブルを使用してPCやスマートフォンと接続し、専用アプリ「TAMRON Lens Utility」からレンズファームウェアのアップデートや各種フォーカス設定を行うことのできるシステムを実装しています。
SONY Eマウント用およびFUJIFILM Xマウント用では、USBポートが搭載されなかったことから、TAMRON Lens Utilityには非対応でしたが、今回ご紹介しているNikon Zマウント版では、USBポートがレンズ根元付近に搭載され、ケーブルを介してTAMRON Lens Utilityによるカスタマイズを実現しています。
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性能レビュー
ここからは、TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXDとNikon Z6IIの組み合わせで撮影した作例を基に、画質などの性能面をご紹介していきます。
今回は、TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXDの超望遠性能を活かして撮影することのできる旅客機をメインの被写体として色々撮影を行ってみました。
ズーム全域で安定した優れた解像力
既にSONY Eマウント用およびFUJIFILM Xマウント用のレビュー記事でもご紹介してきましたが、TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXDでは、150mmから500mmまでズーム全域で安定感のある優れた解像力を実現しています。
今回作例を行ったのは、気温が低下し、視程も良くなる傾向にある秋の季節で、望遠レンズにおける解像力のチェックには最適な条件が整う中で行いましたが、テレ端の撮影においても期待を裏切ることのない、カリッカリの描写を感じられ、今回メインの被写体として選んだ飛行機において、ディティールの美しさを存分に感じられる仕上がりになりました。
飛行機の撮影においては、シャープネスの感じられる仕上がりが好まれる傾向にありますが、輪郭がハッキリとし、機体に描かれた細かい文字も大きさにもよりますが、読解が可能なほど解像するレンズであると体感することができました。
堅実なZマウントボディの発色を崩さない安定感
私自身、はじめてZマウントのカメラの中で使用したボディはNikon Z6でしたが、Fマウント時代の発色に対するアプローチからは大きく変わったと感じました。
ホワイトバランスをほとんど自身で調整する必要がなく、安定感のある発色を叶えているZマウントのモデルにおけるイメージセンサーの良さを潰さないことは、サードパーティーレンズに求められる大きな要素だと感じていました。
レンズによって発色には違いが生じていますが、TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXDにおいては心配することのない安定感のある発色を叶えています。
個人的な感覚ですが、タムロンのレンズは昔から暖色寄りになりやすい傾向にあると感じていますが、TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXDにおいても若干その傾向が感じられます。
しかし、少しホワイトバランスを寒色系へと調整することでカメラボディ×純正レンズに近しい発色を再現することができます。
動く被写体に対しても大活躍の手ブレ補正機構
コンパクトなレンズであるとご紹介しましたが、正直超望遠レンズとしてはコンパクトながら、長時間継続した撮影においては腕を中心に大きな負担になります。
腕に疲れが見え始めた頃、手ブレが生じやすくなりますが、TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXDにおいては手ブレ補正機構も特徴の1つとして挙げられます。
今回のメイン被写体となった飛行機撮影においては、基本的に1/1000秒以上を意識するため、通常はあまり手ブレの心配はないと思われがちですが、意外にも早いシャッタースピードでもブレが生じることがあります。
数々の作例のように、超望遠撮影において全て手持ちでの撮影となりましたが、ブレが生じたカットは見当たりませんでした。
また、流し撮りや夜間などの光量の少ないシーンにおいては優れた効果が求められるため、手ブレ補正の効果は重要視されます。
実際に作例撮影を行ってみると、夕暮れ以降の撮影においても手持ちで対応できる効果が感じられ、シャッタースピードが低下するような環境下でも使用を避けたくなるようなことはありませんでした。
手ブレ補正機能のON/OFFの切替については、Nikon Zマウント用に限り、カメラ内で設定を行う必要があるため、OFFにしたいような場面では、カメラ内で設定を行いましょう。
また、SONY Eマウント用、FUJIFILM Xマウント用では、撮影シーンに合わせたモード切替を可能としていましたが、Nikon Zマウントでは搭載されませんでした。
TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD (Zマウント用)フォトギャラリー
製品仕様表
モデル名 | TAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD |
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焦点距離 | 150-500mm |
明るさ | F5-6.7 |
レンズ構成 | 16群25枚 |
絞り羽根 | 7枚(円形絞り) |
最短撮影距離 | 0.6m(ワイド端)/1.8m(テレ端) |
最大撮影倍率 | 1:3.1(ワイド端)/1:3.7(テレ端) |
最小絞り | F22-32 |
手ぶれ補正効果 | 〇 |
フィルター径 | φ82mm |
最大径 | φ93mm |
長さ | 212.3mm |
質量 | 1,720g |
Zマウントにおいてもおすすめの超望遠レンズ
既に実力においてはSONY Eマウント用およびFUJIFILM Xマウント用で証明されていたTAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXDですが、今回ご紹介してきたNikon Zマウント用においても有力な選択肢になることは間違いありません。
常に選択肢に悩ましい望遠ズームレンズのジャンルにおいて、これまで純正レンズが中心でコスト面で難のあったニコンZマウントにおけるレンズですが、サードパーティーという新たな選択肢ができたことでコストも考慮しながら性能を求められる様になりました。
今回ご紹介してきたTAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXDは、まさに500mmの超望遠をカバーしながら、ズーム全域に渡って安定感のある解像力を実現し、ニコンZマウントが特徴とする発色の良さも維持できるレンズとしても信頼できる性能を叶えた一本です。
気になるレンズはレンタルできる
今回ご紹介してきたTAMRON 150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD (Nikon Zマウント用)をはじめ、気になるカメラやレンズはレンタルしてお試しすることができます。
気軽に購入することのできない高価なレンズだからこそ、購入前に一度お試しすることで後悔しない機材選びに役立てることができます。
Rentioでは、豊富なラインナップからカメラやレンズを自由に選ぶことができ、最短3泊4日からレンタルすることができます。
是非この機会に、Rentioで気になるカメラやレンズをレンタルして、失敗しない機材選びに役立ててみてはいかがでしょうか。