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「i」「p」「fps」?分からないことばっかりのフレームレートについて解説してみる

ライター

レンティオ編集部 カメラ担当

更新日2025/04/28

フレームレートとは、一言で簡単に説明するとすれば「パラパラ漫画のページ数」と、言ってしまうと少し乱暴すぎるでしょうか?

アニメーションの世界では、「セル画」と言われる絵を何枚も使って動画を作っている、というのは広く知られた話ですが、じつはビデオ動画も基本的には同じ仕組みを利用しています。

知っているようで意外と知らない、動画のあれこれについて説明していきます。

「fps」はフレームレートの単位

まずはこの言葉、「fps」の説明からです。

いきなり聞きなれない言葉が出てくると、そこから先も難しそうに感じてしまうものですが、分かってみれば「意外と簡単だった」ということも多いはず。

「fps」とは「フレーム・パー・セコンド」の頭文字で、そのまま日本語に訳すと、「一秒当たりのフレーム数」となります。

つまり、上に書いた「パラパラ漫画」のページ数を「一秒ごとに何枚使うのか?」を説明しているのが、この「fps」なのです。

例えば映画フィルムの世界では、一秒当たりのフィルム枚数が24枚なので24fpsとなりますし、最近の高画質な動画などでは60fpsという、一秒当たり60枚からなるものも増えてきています。

それではフレームレートの違いというのは、どういうところに出てくるのでしょうか?

よく、古い8mmフィルムなんかを見ていると、ものすごく速く瞬(またた)きをしているように映像がチラチラとなりますが、フレームレートが低い動画を見ると、8mmフィルムと同じようにちらつきが出ます。

この現象が、「フリッカー」。フリッカーが出る原因、それは何なのでしょうか?言ってみれば動画も静止画の連続再生ですよね。

コマが次のコマに移動する際に一度シャッターを閉じて何も見えていない状態になります。人間の目は本人が意識していなくても明暗の差を感じ取ってしまうようにできているので、このシャッターが閉じている瞬間と、画像が見えている瞬間の差を「ちらつき」として認識してしまうのです。

このフリッカーを低減させるためには、人間の目が感知できるよりも速いスピードで動かしてやれば良いのですが、そのボーダーラインは50fps前後と言われています。そのため、上にも出てきた映画のフィルムは同じ映像を二コマずつ流すことで、再生のフレームレートを48fpsにしています。

 

「i」と「p」はフレームレートとどういう関係?

他にも、動画関連の聞きなれない言葉としては、「1080i」とか「1080p」などのように、数字の後にアルファベットが付くものがあります。

この「i」とか「p」とは何のことなのか?というのは、一度横に置いておいて、まずは数字部分の読み方について簡単に説明しましょう。

テレビやパソコンのモニターには、「走査線」と呼ばれる、モニターの左右を繋ぐ画素でできた線が何本も走っています。この走査線の数が「1080i」や「1080p」の「1080」の部分に値します。

細かい話をすると、ハイビジョンテレビの場合本当は1125本あるのですが、実際に使われている「有効走査線数」が1080本なのでこのように呼ばれています。つまり、例に挙げている「1080i」も「1080p」も、走査線の数自体は同じということ。

先に書いたようにハイビジョンテレビの場合の有効走査線数は1080本となっていますが、これはハイビジョン放送やブルーレイディスクを再生してみるのにちょうど良い走査線数となっています。

最近はやりの4Kモニターなどでは、これのちょうど倍となる2160本の走査線数があり、画面全体で言うとハイビジョンモニターの4倍もの高精細な映像が楽しめることから人気となっていますね。

「i」はインターレース走査

「i」とは「インターレース」の頭文字のことなのですが、そもそも「インターレース」という言葉自体が聞きなれない言葉ですよね。インターレースは「飛び越し走査」と言われており、現在のテレビ放送がこの方式を採用しています。

簡単に言うと一枚の静止画像を表示するために、まずは1、3、5…と奇数列を表示させた後、2、4、6…と偶数列を表示させ、一枚の画像を二回に分けて表示させることで、スピードの速い映像などに対応するという方式です。

特徴としては、フレームレートの低い動画でも疑似的に高フレームレートの動画のように見せることができる一方で、高フレームレートにしても、そこまで高精細には見えにくいこと、ちらつきやすいことなどが挙げられます。

先に挙げた映画フィルムの再生の仕方も、どちらかと言うと似たスタイルと言えるのかも知れません。しかし、映画の場合は電波の送信ではなく、アナログなフィルムを投射しているので、奇数や偶数などではなく単純に同じ映像を倍速で二回映しているということになります。

「p」はプログレッシブ走査

飛び越し走査をするインターレースに対し、「プログレッシブ走査」の場合、1列目から1080列目まで上から順に映像を表示させていきます。

文字で説明すると少し分かりにくいのですが、実際に表示させるスピードはインターレースの倍となるので、インターレースが二回に分けて一枚の画像を表示し終わるのと、プログレッシブが二枚目の画像を表示し終えるのとがちょうど同じタイミングとなります。

特徴としては、インターレースに対して動きの速い映像に弱いという欠点がありました。しかし、昨今のフレームレートの増加によってその欠点も目立たなくなっています。

 

フレームレートの違いを動画で確認してみよう

ここまで色々と説明してきたフレームレートの違いですが、頭では分かっていても、実際に目で見てみた場合どのように映るのか?そもそも違いは分かるのか?

そういった疑問を解決するためには、実際に目で見て確認してみるのが一番良い方法だと思いますので、動画投稿サイトなどで違いの分かるものを探して見ました。

120fps、60fps、30fps、15fpsそれぞれの違い

弾んでいるだけの球体の動画です。左から右に行くにつれてフレームレートが高くなっていますが、右に行くに従って動きが滑らかになっているのがわかるでしょうか?。

インターレース走査とプログレッシブ走査の違い(※1)

こちらは音声付きで説明してくれています。同じ60という数字が付いていても、描画速度に差があることが分かります。

フレームレートと記録(データ)容量の関係

ここまで見ていただいた方の中には「なるほど!つまりフレームレートは高ければ高いほど良いってことだ」となっている方もいるかも知れません。しかし、ちょっと待って下さい。

フレームレートを高くすると滑らかな映像が得られることは間違いないのですが、そこにはちょっとした単純な落とし穴があることも説明しておかないとフェアじゃありませんよね。

単純に言うと、同じ画質でフレームレートを倍にすると、記録するのに必要な容量が倍になります。

ここは意外と重要。試しに手元にあるカメラでもスマホでも良いので、画質もフレームレートも最高にして動画を取ってみてください。たった数分の動画を撮るだけでものすごい量のメモリを食っているはずです。

実際にカメラを持ち出して外で撮影するときに、何十枚もSDカードを持っていく一般人なんて普通はあまり見かけません。そう、記録媒体は無限じゃないのです。

 

教えて!フレームレートの使い分け

最後に、フレームレートの使い分けについて一言アドバイスです。

最近のカメラは、大きなものから小さなものまで動画撮影機能が付いており、どれも高画質で高フレームレートに対応していると言っても過言ではありません。

しかし、だからと言って、何でもかんでも最高画質で撮影していれば、上で書いたようにSDカードはすぐに一杯になってしまいます。

例えば、「ブルーレイディスクに動画として焼き付ける」という目的があった場合、気持ちとしては「最高画質で最高のフレームレートで」となるのは理解できますが、実際にはブルーレイに焼き付けた時点でハイビジョン画質以上にはなりません。

何でもそうですが、再生するデバイスに合わせた設定にすることで、「無駄なくクオリティも保てる」ということになりますね。

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