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今回紹介するカメラは、望遠性能に突出した「NikonのCOOLPIX P900」(以下P900)。
実のところP900というのは、発売されたのが2015年3月19日と決して新しい製品ではありません。
しかしながら、今でも根強い人気を獲得している製品です。
そこで、実際にRentio編集部が使ってみた感想とP900の特徴についてまとめてみたいと思います。
もくじ
P900を触ってみた!
まずはP900の外観から見てみましょう。
そういえば、Nikonは2017年7月に100周年を迎えるということで、新しく購入した外箱にも「Nikon 100th anniversary」のマークが付いています。
最近はリストラのニュースなどあまり良いニュースがありませんでしたが、今後も日本を代表するメーカーとして応援したい限りです。
外箱から取り出しまして、全ての付属品を並べたのがこちらです。
左側面に83x(光学ズーム83倍)の表記があり、そのすぐ横に再度ズームレバーあります。ズームレバーの隣には、被写体を見失った時に、すぐに見つけられるようにするためのクイックバックズームボタンも搭載されています。
見た目はどう考えても一眼カメラなのですが、あくまでもジャンルはコンデジです。
ちなみに、P900は本体充電式(電池はリチウム電池)で、ACアダプターとUSBケーブル(1.5A)を本体に挿して充電します。
逆側には、24-2000mmという焦点距離が表示されています。
見た目からして重そうなイメージを持たれる人もいると思いますが、実際に持ってみたら思ったよりも軽いという感想でした。
P900の本体重量は約900g、撮影に使ったカメラEOS 80Dはズームレンズ込みで850g程度ではありますが、P900のほうが持った感じは軽かったです。
P900を思いっきりズームさせると、このぐらいレンズがぐい〜んと伸びます。
交換レンズではなく、一体型レンズでここまで伸びるのはすごく珍しいといいますか、P900ぐらいでしょう。
試しにiPhone6s PLUS(長さ158.2mm)と並べてみましたが、伸び切ったレンズ部分だけでスマホぐらいの長さになります。
これだけ伸びれば、実際にどこまでズームできるものなのか非常にワクワクしますね。(実際に撮影した写真は後述しております)
P900のモニターは左側に開くバリアングル方式となっているため、上下左右好きな位置にモニターを固定し、撮影することができます。
モニターに表示されるズーム表記ですが、全部で三段階に分かれます。
- 光学ズーム(最大83倍)
- ダイナミックファインズーム(最大166倍)
- 電子ズーム(最大322倍)
写真の青線部分が光学ズームの範囲となり、赤線部分が電子ズームの範囲となります。
電子ズームもさらに2段階に分けられ、プログレスバーの色(ダイナミックファインズームは青色、電子ズームは黄色)で判別しやすいようになっております。
被写体が大きかったり広い景色を撮影するときなどは、モニターを回転させて使うことにより、電子ビューファインダーを使うことなく撮影することができるので便利です。(下記写真)
P900のスペックを確認してみよう
P900の中身となるスペックも確認しておきましょう。
有効画素数 | 1695万画素 |
---|---|
撮像素子 | 1/2.3型原色CMOS |
レンズ | 光学83倍ズーム、NIKKORレンズ |
焦点距離 | 4.3-357mm(35mm判換算24-2000mm相当の撮影画角) |
開放F値 | 2.8-6.5 |
電子ズーム倍率 | 最大4倍(35mm判換算で約8000mm相当の撮影画角) |
ダイナミックファインズーム | 最大2倍(35mm判換算で約4000mm相当の撮影画角) |
ファインダー | 0.2型電子ビューファインダー(92万ドット) |
タイムラプス | あり |
顔認識 | あり |
Wi-Fi | あり |
手ブレ補正機能 | 静止画:レンズシフト方式 動画:レンズシフト方式と電子式の併用 |
シャッタースピード | 1/4000※~1秒 マニュアルモードでISO100なら1/4000※~15秒 ※広角、F値8.0 |
ISO感度 | ISO 100~1600、ISO 3200および6400(P、S、A、Mモード時に設定可能)、Hi1(ISO 12800相当)(スペシャルエフェクトの[高感度モノクロ]時) ISO感度は、標準出力感度 |
大きさ(幅×高さ×奥行き) | 約139.5×103.2×137.4mm(突起部除く) |
重さ | 約899g(電池、メモリーカード含む) |
P900で撮ってみた!
P900を撮影に使ってみると、やはり最も感動するのがそのズーム力です。
実際にRentio編集部でもP900を使って遊んでみましたが、ズーム機能が優れているだけでこんなにも面白いものかと驚きました。
実際に撮影してみた写真を紹介したいと思います。
なんの変哲もないあるビルのベランダからの写真ですが、「ここ」と書かれたビルの屋上にある機材を撮影してみたいと思います。(上の写真は広角時です)
光学ズームを最大にしただけで、ここまで見えてしまいました。
しかも電子ズームと違って、画質の劣化もほとんどありません。
写真撮影OKのライブやコンサートに持っていきたいと本気で思いました。
さらに電子ズームで最大(322倍)まで近づいてみると、こうなりました。
広角時の写真と最大望遠時の写真を横に並べると、ズームの威力が分かると思います。
- 最大広角
- 最大望遠
屋内でも撮影してみました。
テーブルの奥には、2つのレンズキャップが並んでいます。
これもちょっとズームしただけで、鮮明に撮影することができます。
(ちなみに、もう片方はライバルのCANONのレンズキャップです。)
夜間の撮影も行ってみました。
三脚も使わずに手ブレがしない程度に夜間で撮影しようとすると、真っ暗になってしまいますよね。
上の写真はF6.3、シャッタースピード1/6、ISO100の設定で手持ち撮影したものです。
中央に月があるのがわかるでしょうか?
この月に近づいてみたいと思います。
光学75倍(焦点距離321mm)までズームしたのが、こちらの写真です。
月のクレーターまで見えるのが分かると思います。
この写真も三脚は使わず、先ほどの設定と同様(F6.3、シャッタースピード1/6、ISO100)で手持ち撮影しました。
ただし、この写真を残せるまで何度かトライアンドエラーを繰り返しておりますので、夜間撮影をてっとり早く済ませるなら三脚を必ず用意しておきましょう。
ちなみに撮影した後に気づいたのですが、P900のシーン撮影モードの1つに「月モード」があります。
ピントさえ合わせてしまえば、一気に光学ズームで最大望遠撮影を可能にしてくれる上に、月の色合いの設定も簡単にできてしまうのでおすすめです。
改めて振り返るP900の魅力
P900を使ってみて、一眼レフとはまた違う面白さがあると実感しました。
安易にコンデジよりも一眼カメラという判断をしてしまうと、このような製品に出会うことなく損するケースもあるのではないでしょうか?
改めてP900の魅力についてまとめたいと思います。
光学83倍ズームが驚異的!
何と言ってもこのカメラの特徴は、光学83倍ズームにあります。
でも、83倍なんて数字だけ出されてもいまいちピンと来ませんよね。
光学83倍ズームは、簡単に言ってしまうと、普段見ている月を近くに感じられる距離に持ってきた、と錯覚させるほどの機能を備えています。
月や山、遥か上空に飛んでいる飛行機を鮮明に撮影することができるのです。
また、色収差補正能力に優れたスーパーEDレンズを搭載しているので、月が持つザラザラとした質感や飛行機が持つ内に秘めた力強さといったものを鮮明に写し取ることが可能です。
また、光学ズームにダイナミックファインズームを合わせることで166倍(約4000 mm)のズームが可能になりました。
もう本当に驚異的と言うほかありません。
光学ズームと電子ズームの掛け合わせで最大322倍にも!
ダイナミックファインズームを合わせると166倍(約4000 mm)のズームが可能になりますが、さらに電子ズームを併用すると332倍(約8000 mm相当)までの望遠が可能になります。(電子ズームなので画質は劣化します)
もはや肉眼で捉えることのできない遥か前方の物体を、P900は写し取ることができるのです。
手ブレ補正機能は補正効果5.0段のデュアル検知光学VR
ズームが驚異的だと話しましたが、どうしてもズーム機能を使うと手ブレが気になってしまいますよね。
P900に搭載されている補正効果5.0段のデュアル検知光学VRは、VRアルゴリズムで演算し手ブレを補正するので、ズームの際に気になる手ブレも気にならなくなるでしょう。
レンズは高性能NIKKORレンズ
P900に搭載されている高性能NIKKORレンズは、解像度の高さから被写体の隅という隅の質感や色味を鮮明に切り取り、ゆがみやぼやけといったものの収差を補足してくれる点にあります。
このレンズのおかげで狙った通りに被写体を綺麗に撮影することができ、フォトジェニックな写真を生み出すことができるでしょう。
イメージセンサーは裏面照射型CMOSセンサー
「画像処理速度は早いが画質は……」な従来のCMOSセンサーではなく、「処理速度も画質もすごい」裏面照射型CMOSセンサーを搭載することで、高感度で高画質な写真を撮影することが可能にしています。
裏面照射型CMOSセンサーは近年実用化された機能で、従来のCMOSセンサーがもつ「配電層→受光層」という並びを新技術によって「受光層→配電層」に逆にしたものを、裏面照射型CMOSセンサーと言います。
P900の気になるお値段は?
2017現在は55,000円前後で販売されています。
未だに価格の上昇も見られますので、その人気も伺うことができます。
P900の望遠性能がカメラライフを大きく広いものにしてくれる
望遠性能に優れているコンデジの中でも群を抜いて突出した性能を持っているP900。
普段、撮影することの機会が少ない月や飛行機などの撮影に向いているコンデジとなっています。
色々な被写体を撮ることによって、カメラワークは劇的に広くなり、カメラの楽しみ方も確実に増えること間違いありません。
まずはこの週末にP900をレンタルしてみて、楽しんでみませんか?
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