コスパ最強の液タブ「Wacom One 13」を使ってレビュー!Cintiq16とも比較
更新日2023/02/16
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デジタルイラストを始めたい方にとって、憧れの存在がワコムの液タブですよね。プロのイラストレーターや漫画家にも愛好者が多く、いつかは自分も使ってみたいと思っている方も多いのではないでしょうか?
間違いない品質で人気のワコム液タブですが、価格の高さがネックで手が出せない方も多かったはず。
そんな中、2020年1月に発売された4万円前後で買えるワコムの液タブが「Wacom One 13」。軽率に手を出せる価格&安心の高品質で、液タブデビューにぴったりのコスパ最強モデルです。
安さがセールスポイントの「Wacom One 13」ですが、使い心地はどうなのでしょうか?実際に使って詳しくレビューします。「Wacom One 13」と同価格帯の液タブ「Wacom Cintiq 16」との違いについても解説します。
もくじ
低価格で十分な機能「Wacom One 13」の特長
4万円前後と低価格な「Wacom One 13」は、ワコム液タブの高性能モデルと比べると様々な機能が省略されていますが初心者向けとしては十分な機能を搭載しています。
実際に使う前に、まずは「Wacom One 13」の特長について簡単におさえておきましょう。
直感的に描ける液晶ディスプレイ
Wacom One 13は、液晶画面に直接絵を描いたりパソコンの操作をしたりできる液晶ペンタブレットです。紙とペンで描くように直感的に操作ができます。
液晶ディスプレイには、光の反射や映り込みを抑えるAG(アンチグレア)フィルムを採用。表面はマットな質感で、ちょうどいい摩擦感があります。
色域はNTSC カバー率(CIE1931) 72%と上位モデルと比べるとやや低めですが、解像度1920×1080のフルHD表示が可能。画面サイズはA4に近いちょうどいい13.3型で、広々と作業ができます。
付属のペンは新型「Wacom One Pen」
ワコムのペンは、充電不要のバッテリーレスタイプ。長時間の作業でも安心です。
新型の「Wacom One Pen」は筆圧レベル4096・読取分解能最高0.01mmで、高性能なWacom Pro Penと比べるとやや劣りますが、傾き検知機能も搭載で通常のお絵描きには十分すぎるスぺック。
別売のサードパーティ製のデジタルペンを用意して使うことも可能です。
コンパクトで使いやすい本体デザイン
コンパクトで薄型の本体は、スペースを必要以上に取らないため、狭い環境でも作業ができます。また約1㎏と軽く、別の部屋への持ち運びも楽々です。
ショートカットボタンはついていませんが、19°の内蔵折りたたみスタンドやペンホルダーなど使いやすさにも配慮されています。
PCだけでなくAndroidスマホにも対応
ワコムの液タブは単体では使用できず、PCなどの端末とのケーブル接続が必要です。
Wacom One 13の場合は、Windows・MacといったPCだけでなく、一部のAndroid搭載スマホにも対応していて幅広い環境で使用できるのが特徴です。
なお、お手持ちのPC・スマホにHDMIとUSB-Aのケーブル差し込み口がない場合は、別売のアダプタが必要になります。
仕様一覧表
「Wacom One 13」開封&外観レビュー
今回Wacom One 13をレンタルして実際に使用してみました。
さっそく開封していきましょう。
箱を開けると、液タブ本体・ペン・接続ケーブル・ACアダプタが付属しています。
液タブ本体
13.3型の液タブ本体は、A4用紙よりも一回り大きめサイズ。実際に目にすると、意外と画面が大きいなという印象でした。
重量は約1㎏と軽いので、片手でも楽に持てました。
背面には、滑り止めと折りたたみスタンド。
スタンドを開くと、斜め置きすることができます。
角度は19°固定でやや覗き込む形になるので、もう少し角度をつけたい方は別売のスタンドを用意した方がいいでしょう。
スタンドの内側には、替え芯3本と芯抜きが設置してあります。ペン先が削れてきたら交換しましょう。
上部には、ケーブル差し込み口とペンホルダー、電源ボタンが配置されています。
付属ペン「Wacom One Pen」
付属のWacom One Penはサイドボタンが一つついたバッテリーレスペン。
やや細めではありますが、滑りにくいマットな素材で曲線が手になじんで持ちやすく感じます。
Wacom One 13の使い方
Wacom One 13の初期設定は、PCと液タブにケーブルを接続し、Wacom Oneのドライバをダウンロードするだけ。簡単に使うことができます。
ケーブルを接続
液タブにUSB-Cケーブル・電源にACプラグを差し込みます。
PC側にはHDMIとUSB-Aケーブルを差し込みます。差し込み口が適合しない場合は別売のアダプタを用意しましょう。
液タブの電源を入れたら準備完了です。
ドライバのDL
ワコム公式サイトのダウンロードページからドライバをダウンロードし、PCにインストールします。
液タブの各種設定は、ダウンロードしたドライバの設定画面から変更可能です。
実際にお絵描きしながら描き心地を検証
実際にイラストを描きながら、気になるWacom One 13の描き心地を検証してみました。
なお、今回使用したソフトはメディバンペイントです。
応答速度
応答速度については問題なし。とくに遅延を感じることなくスラスラ描けました。
こちらはPC性能やソフトなど使用環境にもよると思いますが、Wacom One 13自体の応答速度に関しては心配することはなさそうです。
視差
通常使用時には、ペン先の位置とカーソル位置の視差はほぼ感じませんでした。
ただ、寝っ転がって絵を描く時など、横から見るとガラス面の厚みでどうしても浮いたように見えてしまいます。
普段板タブを使っている方なら気にならないと思いますが、アナログ歴が長く横からの視差がどうしても気になる方は、薄いガラス面を採用している上位モデルを選ぶといいかもしれません。
筆圧レベル
Wacom One 13の筆圧レベルは4096レベル。上位モデルの8192レベルと比べると低めです。
私自身は普段から筆圧高めなのでそこまで扱いづらさは感じませんでしたが、軽くペンを当てた時に思った位置から線が引けないこともありました。
上の横線から下の横線に向かって線を書いてみた画像がこちらですが、とくに水彩ペンで入り位置がうまくいきませんでした。
ここはペンの設定である程度改善されるようですが、普段から筆圧が低めの方や繊細な色塗りを好む方だと、少し扱いづらさを感じるかもしれません。
店頭やレンタルで一度試してみて、どうしても扱いづらい場合は筆圧レベルが高い上位モデルがおすすめです。
実際にお絵描き
Wacom One 13を使ってお絵描きしてみました!
こちらは、Rentio非公式ゆるキャラのレンピヨくん。
やはり液タブは直接ディスプレイに描けるので、画面とペン先が別の場所にある板タブよりも直感的に操作できて楽しいです。
本当に紙とペンのように描けて、お絵描きしてる!感があります。
完成したイラストがこちら。
線画はクレヨンペン、塗りは水彩ペン(ウェット)でほぼ仕上げました。かわいい酔いどれヒヨコを目指して、ふんわりした雰囲気を出したかった落書きです。
続いて、レンピヨくんを擬人化した女子のイラストを描きました。
思ったところにスルスル描けて、入り抜きも割と思い通りにいくので、線画が楽しい!
液晶に直接描き込むので細かい部分の調整もしやすく、ノンストレスでお絵描きできました。
趣味のお絵描きであれば、視差や筆圧はそこまで気にならなそうです。むしろ板タブやアナログからの移行であれば感動すると思います。
線画はGペン・塗りはノーマルペンでベタッと仕上げて完成!こちらはお酒大好き酔いどれお姉さんを目指しました。
実際に使ってみると…Wacom One 13 でお絵描き楽しい~!
液タブデビューしたい方に全力でおすすめです!!!
気になるWacom One 13 の注意点
実際にWacom One 13 を使っていると、若干気になる部分もありました。
使う人や用途によっては扱いづらさを感じるかもしれないので、気になる方は上位モデルを検討してもいいかもしれません。
ディスプレイ表面の摩擦感
ディスプレイ表面は、基本的には適度な摩擦感でサラサラとした描き味で私は好みでしたが、人によっては滑りすぎて描きづらいと感じそうでした。
また、まれにディスプレイにペン先が引っかかるような、削れるような変な感触がありました。(おそらく原因は指紋汚れや油にホコリがついたものだと思います。)
ディスプレイ表面の描き味は、実際に使ってみて気になるようだったらペーパーライクフィルムなどのシートを貼ると良いでしょう。
液晶ディスプレイの見え方
私はそこまで違和感を感じませんでしたが、人によってはディスプレイの見え方が暗い・色味が変と感じてしまうようです。
NTSC カバー率72%という上位モデルと比べて低めの色域が影響しているようです。
とくに塗りを重視したい方は、別途キャリブレーション済みの外部モニターを用意して確認しながら作成する必要があるかもしれません。
ショートカットボタン・画面タッチ操作できない
Wacom One 13の本体にはショートカットボタンはついていません。また、画面タッチでの操作もできない仕様となっています。
ペンのボタンも1つのみなので、スムーズにお絵描きするには左手付近にキーボードを置くか左手デバイスを用意するなど、環境づくりの工夫が必要になりそうです。
ペンが若干使いづらい
標準付属のWacom One Penは、軸がやや細め。人によっては少し持ちづらいと感じるかもしれません。私は普段もっと細いApple pencilを使っているので、むしろ持ちやすいと感じました。
また、サイドボタンが1つしかなく、そのボタンが上半分のエリアしか押せない仕様になっているので、慣れるまでは押しにくさを感じました。
慣れてしまえばそこまで気になりませんが、こだわる方は「Wacom Pro Pen 2」を付属している上位モデルを選ぶか、サードパーティ製のペンを別途用意するのもいいかもしれません。
持ち運びには向かない
Wacom One 13だけではないのですが、基本的に液タブは持ち運びには不向きです。
PCまたはスマホとのケーブル接続と電源が必要なので、基本的には自宅に据え置きで使用する想定をしておきましょう。
外出先に持ち運んで使いたい方は、iPadなどPC不要で動作するタブレットを選んだほうが幸せになれると思います。
変換アダプタ系のトラブルが多い
MacやAndroidなどHDMI・USB-Aの差し込み口がない端末との接続時に、変換アダプタが必要になるのですが、インターネットの口コミでは変換アダプタのトラブルで使えないという内容もが散見されました。
変換アダプタのトラブルは公式サポートの保証外となるので、あらかじめレンタル等で動作確認をした上で購入するのがおすすめです。
初心者向けワコム液タブ「Wacom Cintiq 16」との違いを比較
ワコムの液タブの中でも、初心者向けのエントリーモデルとして販売されているのが「Wacom Cintiq 16」です。
Wacom One 13とWacom Cintiq 16どちらを選ぶか迷っている方も多いのではないでしょうか?
迷いがちなワコムの初心者向け液タブ2機種の違いを比較しました。
Wacom One 13 | Wacom Cintiq 16 | |
---|---|---|
表示サイズ | 13.3型 | 15.6型 |
外形寸法 (mm) | 357 × 225 × 14.6 | 422 × 285 × 25 |
質量 | 1.0kg | 1.9kg |
付属ペン | Wacom One Pen | Wacom Pro Pen 2 |
筆圧レベル | 4096 | 8192 |
対応端末 | Windows/Mac/Android | Windows/Mac |
ワコムストア税込価格 | 42,900円 | 74,580円 |
Amazon税込価格 | 39,800円 | 66,420円 |
(※2020/7/9時点での価格です。)
1. サイズ
Wacom One 13 | Wacom Cintiq 16 | |
---|---|---|
表示サイズ | 13.3型 | 15.6型 |
外形寸法 (mm) | 357 × 225 × 14.6 | 422 × 285 × 25 |
質量 | 1.0kg | 1.9kg |
Wacom One 13とWacom Cintiq 16では、本体サイズが異なります。
より広い作業環境を求めるなら15.6型のWacom Cintiq 16のほうが良いでしょう。
2. ペン
Wacom One 13 | Wacom Cintiq 16 | |
---|---|---|
付属ペン | Wacom One Pen | Wacom Pro Pen 2 |
筆圧レベル | 4096 | 8192 |
付属するペンにもかなり大きな差があります。
Wacom Cintiq 16には、プロ仕様のWacom Pro Pen 2が付属。筆圧8192レベルで、繊細な表現ができます。
3. 対応端末
Wacom One 13 | Wacom Cintiq 16 | |
---|---|---|
対応端末 | Windows/Mac/Android | Windows/Mac |
Windows、MacのPCにはどちらも対応していますが、Android搭載スマホでも使えるのはWacom One 13のみです。
ただし、Wacom One 13に対応したAndroid端末は、一部機種のみとなりますので、ご注意ください。
4. 価格
Wacom One 13 | Wacom Cintiq 16 | |
---|---|---|
ワコムストア税込価格 | 42,900円 | 74,580円 |
Amazon税込価格 | 39,800円 | 66,420円 |
(※2020/7/9時点での価格です。)
Wacom One 13とWacom Cintiq 16の間には、約3万円程の価格差があります。
Wacom One 13も初心者向けとしては十分な性能なのですが、人によってはサイズとペンの違いでお絵描きのしやすさがかなり変わってくると思います。
少し予算を上げられる方は、Wacom Cintiq 16を検討してもいいかもしれませんね。
コスパ最強の「Wacom One 13」は液タブデビューにおすすめ
「Wacom One 13」は、低価格なのに十分な機能を搭載していて、初めての液タブにぴったりの一台です。
上位モデルと比べると使い勝手や性能で劣る部分もありますが、4万円前後という価格を考えればかなりコスパの良い液タブだと思います。
これまで液タブの購入をためらっていた方も、コスパ最強のWacom One 13で憧れのワコム液タブデビューしてみませんか?
ワコムの液タブは購入前にレンタルで試せる
数万円の液タブをいきなり買うのは勇気が要るもの。
「慣れた板タブの方が使いやすいかも」「家の環境でちゃんと動くか心配」「自分の筆圧でちゃんと描けるかな…」など不安はつきないと思います。
そんな時、不安なく購入に踏み切るために液タブをレンタルして試してみる方法もおすすめです。
家電レンタルのRentioでは、ワコムの液タブ・板タブをレンタルしてお家でお試しできます。レンタルした商品は気に入ったらそのまま買い取ることもできるので、Wacom One 13とWacom Cintiq 16を使い比べてみるのもいいかもしれませんね。
レンタルできるペンタブの種類や料金はこちらからご覧ください。
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