Nikon NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR S実写レビュー。憧れの望遠単焦点レンズの敷居を下げるコンパクトモデル

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望遠の単焦点レンズに憧れる人は少なくないでしょう。
望遠レンズの中でも特に性能に磨きがかかった究極の高画質を叶えるのが単焦点レンズですが、その性能の高さからズームレンズとは比較にならない携帯性や高価格となっているモデルが一般的となります。
しかし、近年ではそんな望遠の単焦点レンズでも異なる様々な仕様を採用したラインナップが拡充してきています。
今回は、ニコンのZマウント用として開発された小型、軽量が意識された望遠単焦点レンズ「Nikon NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR S」を実際に撮影した作例とともにレビューしていきます。

もくじ

ニコンの主力となったZマウント
現在のニコンにおける主力ラインナップはすっかりミラーレス一眼へと移行となり、それに伴って新たに開発されたZマウントが製品ラインナップの中心となっています。
Zマウントに合わせて様々なカメラボディやレンズの開発も進められており、堅実なニコンらしい製品開発が行われていることもラインナップから感じ取ることができます。
今回ご紹介していくNikon NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR SもニコンZマウント用に開発された単焦点レンズで、Fマウント時代から人気のある望遠域をカバーした単焦点レンズとして開発、販売が行われています。
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小型軽量で身近さを叶えた望遠単焦点レンズ
これまで望遠の単焦点レンズは、大きく重くなる傾向にありますが、Nikon NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR Sの最大の特徴は望遠の単焦点レンズの中では非常にコンパクトであることです。
気軽に使うことのできる望遠単焦点レンズであることをコンセプトにしたことで、これまで敷居の高さを感じることが多々あった望遠単焦点レンズをより身近な存在にしてくれるレンズとして誕生しました。
小型軽量化を叶えながらもニコンが誇る高級S-Lineに属するレンズであり、単焦点レンズらしい質の高い描写力を叶えてくれる存在として、Zマウントのレンズラインナップの中でも異端の存在と言えるでしょう。
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外観レビュー
一般的に大きく、重くなりやすい望遠単焦点レンズの中で、コンパクトさが意識された1本と冒頭からご紹介していますが、実際にどれほどの携帯性を実現しているのかは気になるかと思います。
ここからは、実機写真とともにNikon NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR Sのサイズや機能面にフォーカスした外観面についてご紹介していきます。
望遠単焦点として超小型軽量を実現
Nikon NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR Sにおける最大の特徴は、望遠域をカバーした単焦点レンズながら小型、軽量を実現している点です。
通常、望遠の単焦点レンズとなるとズームレンズの望遠レンズよりも遥かに大型かつ重くなるのが一般的ですが、Nikon NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR Sに関してはズームレンズのような携帯性を実現しています。
400mmにおける単焦点レンズはこれまで開放F2.8のレンズがセオリーとされてきましたが、こちらのNikon NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR Sでは、F4.5と少し暗めの開放値を採用したことで優れた携帯性へと直結させています。
その重量は望遠単焦点レンズとしては驚きの1,245g(三脚座込み)となっており、サイズ感に関しても長さ234.5mmとコンパクトなサイズ感となっています。
片手で余裕で持ち歩けるほどの携帯性は、持ち運びにおいて非常に効果的で、普段は単焦点1本で他のレンズを持ち歩くことに対して躊躇してしまいましたが、Nikon NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR Sであれば普段から持ち歩くことも望遠レンズに慣れている身からすると苦に感じることはありませんでした。
他の望遠単焦点と共通性を持たせた設計
小型、軽量と他の望遠単焦点レンズと比較すると異端な存在となるNikon NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR Sですが、操作性については、他の望遠単焦点レンズとの共通性が意識された設計となっています。
レンズを構成するL-Fn2ボタン、コントロールリング、フォーカスリングは、それぞれ同じ並び順となっており、AF/MF切替、フォーカス距離に関するスイッチ類もレンズマウント付近撮影者から見て左手に設置されており、ニコンの望遠単焦点レンズ愛用者であれば、馴染あるレンズ設計と言えるでしょう。
このような配慮からもニコンは、Nikon NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR Sにおける位置付けを単焦点レンズのエントリー向けとせず、立派に他の望遠単焦点レンズと同等の扱いを行っていると言えるでしょう。
特定のピント位置を記録できるメモリーリコール機能
Nikon Z9、Nikon Z7II、Nikon Z6II、Nikon Z30といった「メモリーリコール機能」に対応するカメラに装着した場合には、こちらの機能も活用することができます。
メモリーセットボタンで、特定のピント位置を登録することができ、カメラ側で[フォーカス位置の呼び出し]を割り当てたボタンを押すことですぐに登録したピント位置へとフォーカスを移動させることが可能です。
性能レビュー
望遠単焦点レンズとして優秀な携帯性を叶えていることは、上記の外観レビューのご確認頂けたかと思いますが、小型化に伴った性能低下を懸念される方もいらっしゃるかと思います。
ここからは、Nikon NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR Sを使用して撮影した超望遠での旅客機写真を中心に、描写力、手ブレ補正など性能面をご紹介していきます。
各作例は、Flickrへのリンクが配置されていますので等倍標準で確認したい方は、是非Flickr上からご確認ください。
コンパクトながら単焦点らしい解像力が魅力
コンパクトさを魅力としているNikon NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR Sですが、望遠の単焦点レンズにおいて本来の憧れの的となる解像力も抜群の性能を叶えています。
単焦点レンズにしか出すことのできないきめ細やかな解像感は、等倍表示したときほど実感できる性能で、今回作例撮影の組み合わせで使用したNikon Z7 IIという高画素モデルで最大限に活きる性能だろうと思い、選定したくなるほどです。
ズームレンズとの圧倒的な違いがあるからこそ単焦点レンズを好まれる方がいるのは間違いなく、Nikon NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR Sでも単焦点らしい解像力を求める方におすすめの画質クオリティを実現している1本となります。
400mmという画角
超望遠域「400mm」という画角を有するNikon NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR Sですが、超望遠だけあって日常的に使うには向いていない画角であることは正直なところです。
しかし、超望遠が活躍する撮影ジャンルにおいては、超望遠の画角と高画質から非常に有力な存在になることは間違いありません。
私自身、旅客機をメインの被写体として日頃活動していますが、今回の作例群からも分かるように、飛行機の撮影においては非常にバリエーション豊富に様々な作品を撮影することのできる1本となります。
400mm以外の画角調整を行うことができないのが単焦点レンズとなりますが、Nikon Z7IIの場合、高画素であることからDXフォーマットクラスへとクロップすることで35mm換算で600mmの画角まで拡張することができるため、組み合わせるカメラによってはクロップでの撮影も視野に入れて良いでしょう。
ファインダー内で強力な効果がわかる手ブレ補正機構
Nikon NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR Sに置いて感動したポイントとして、強力な手ブレ補正が存在します。
メーカー公表値において5.5段分の補正効果を実装しており、その効果はファインダーを覗いた瞬間から実感できるほど強力なものです。
実際に撮影した画像を確認しても400mmという超望遠域を有していることで通常は手ブレに対して敏感になる必要がありますが、仕上がる写真でよほどの低シャッタースピード(1/100秒以下など)でない限りは、ブレが目立つようなことはありませんでした。
今回作例撮影において組み合わせで使用したNikon Z7 IIは、高画素モデルであることから手ブレも目立ちやすくなる傾向にありますが、等倍表示した場合でもしっかりとした効果が感じられる強力さが印象的です。
Nikon NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR Sで撮影した作例

今回の作例撮影で使用したカメラボディは「Nikon Z7II」
Nikon(ニコン) Z 7II 実写レビュー【ミラーレス一眼】 – Rentio PRESS[レンティオプレス]
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製品仕様表
モデル名 | Nikon NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR S |
---|---|
焦点距離 | 400mm |
明るさ | F4.5 |
レンズ構成 | 13群19枚 |
絞り羽根 | 9枚(円形絞り) |
最短撮影距離 | 2.5m |
最大撮影倍率 | 0.16倍 |
最小絞り | F32 |
手ぶれ補正効果 | 〇 |
フィルター径 | 95mm |
最大径 | 約104mm |
長さ | 234.5mm |
質量 | 1,245g(三脚座を含む) |
手頃に単焦点クオリティを楽しむなら
今回ご紹介してきたNikon NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR Sですが、これまでハードルの高さを感じることのあった望遠単焦点レンズを大きく身近な存在へと引き寄せてくれる1本になっていると感じました。
いわゆるヨンニッパと呼ばれる400mm F2.8のレンズと比較すると明るさの面で劣りますが、それでもF4.5と、数あるいズームレンズよりも明るい仕様となっています。
また、Nikon NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR Sは、超大型かつ重量級が当たり前であった望遠単焦点レンズにおいて、新たな選択肢を提供してくれるコンパクトなサイズ感を叶えました。
価格に関しても実売で40万円台(2024年1月現在)と、他の望遠単焦点レンズと比較すると低価格であることも特徴的です。
まさにこれまで高嶺の花であった望遠単焦点レンズのハードルを下げてくれた存在ながらも、単焦点らしい画質を得られる貴重な存在としておすすめの1本になります。

Nikon NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR Sにおすすめのカメラボディ
Nikon Z9
Nikonが展開するミラーレス一眼ZシリーズにおけるフラッグシップモデルであるNikon Z9は、最高性能を誇ることでNikon NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR Sとの組み合わせにもおすすめです。
フラッグシップ機ながら高画素となる約4571万画素を採用しており、あらゆる被写体を認識する優秀なAF性能も、超望遠レンズとの組み合わせでは最適な存在となります。
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Nikon Z7II
Zシリーズの中でも高画素モデルが展開されているのがZ7シリーズで、その2代目のモデルとなるのが約4575万画素を実装したNikon Z7IIです。
今回の作例撮影のおいても使用したカメラボディになりますが、まさに単焦点レンズの解像力を存分に活かすことのできる精細な描写力が魅力的で、5.0段分のボディ内手ブレ補正機構も超望遠での撮影を支える大きな要素でした。
Nikon(ニコン) Z 7II 実写レビュー【ミラーレス一眼】 – Rentio PRESS[レンティオプレス]
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気になるカメラやレンズはレンタルでお試し
今回ご紹介してきたNikon NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR Sは、比較的低価格の望遠単焦点レンズとしてご紹介しましたが、それでも一般的なズームレンズなどと比較すると高価であることは間違いありません。
高価なレンズは購入にも慎重になると思いますが、そんなときは購入前にカメラのレンタルサービスを活用することがおすすめです。
Rentioでは、今回ご紹介してきたNikon NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR Sをはじめ、豊富なラインナップから自由に選んで最短3泊4日から気軽にレンタルすることができます。
是非この機会にRentioで気になるレンズをレンタルして、新機材購入に役立ててみてはいかがでしょうか。
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