SONY α7R IV実写レビュー。これまでの常識を覆した高性能高画素モデルの実力を検証

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ミラーレス一眼の流行から大きな注目を集めている「SONY」。
一眼レフ全盛期もミラーレス一眼の開発を行い、ここ最近になってようやくその功績がユーザーへと直に伝わるようになり、ユーザーが急増しているカメラメーカーです。
今回はそんなソニーが展開するミラーレス一眼シリーズからフルサイズセンサーを搭載し、高画素モデルとして存在する「α7R IV」を実際に使用した作例を基にレビューを行っていきます。
もくじ
注目を浴びるSONY αシリーズ
今でこそデジタルカメラ界において代表格となったソニーですが、かつては昔からの大手メーカーであるキヤノンやニコンに到底及ばない規模でした。
ほんの10年前までは、デジタルカメラといえば一眼レフかコンパクトデジカメが主流で、ミラーレス一眼カメラという概念がほとんど存在しなかったに等しい状況でした。
それでもソニーは一眼レフタイプよりもミラーレス一眼タイプの開発を積極的に進め、着実にミラーレス一眼カメラにおける開発技術力を付けてきました。
時代の流れとともにSNSの普及などから写真撮影がより身近な存在になりました。
一眼レフと同等の画質を実現しながら、カメラ本体やレンズにおいて小型・軽量化を行いやすいミラーレス一眼カメラは瞬く間にシェアを伸ばし、今ではソニーのミラーレス一眼が世間で大きな注目を浴びる存在にまで成長しました。
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α7Rシリーズは高画素に特化したモデルを展開
今回ご紹介しているα7R IVは、高画素に特化したα7Rシリーズにおける4代目のモデルとして2019年9月6日に発売なりました。
α7を含むシリーズでは、モデル名に特に何もつかないスタンダードシリーズとSが付く高感度シリーズ、そして今回のRが付く高画素シリーズが存在します。
高画素に特化していることから、きめ細やかな描写や解像を得意としており、風景写真など細かい部分まで描写力が求められるシーンで活躍するモデルです。
外観レビュー
ここからはα7R IVの実機写真を基に外観面のレビューを行っていきます。
カメラとして大きさや重さなどの携帯性はもちろん、撮影シーンにおけるボディ側での工夫などについても触れていきます。
完成されたαシリーズのデザイン
ミラーレス一眼として長い歴史を保有するSONYのαシリーズですが、α7Rシリーズとしても既に4代目となるため、カメラとしてのデザイン性は統一感があります。
初心者向けのミラーレス一眼カメラでは、小型・軽量が最優先で求められるところですが、α7R IVクラスになると最優先事項ではなくなります。
デザイン性はどちらかというと従来から存在する一眼レフカメラのようなスタイルで、ある程度の重量感があります。
しかし、一眼レフタイプと比較すると圧倒的な軽量化を実現しており、随所でミラーレス一眼らしさを感じることができるデザインになっています。
環境を選ばない優れた耐久性
上位モデルを選ぶメリットの一つに過酷な環境下での耐久性があります。
そしてカメラというのは想像以上にシビアな電子機器で、水分や湿度、塵などによってトラブルを引き起こす可能性があります。
α7R IVでは、水分や塵の混入を防ぐための防塵防滴性能を強化し、カメラ内に浸水することや塵が侵入することを極力防ぐ設計となっています。
劇的な写真を撮影するためには、時に過酷な気象条件やロケーションにて撮影を行う必要がありますが、そのような場面でもトラブルが生じることなく、正常な動作を行えることは、カメラにとって当たり前のことながらボディ側にて対策されている必要があるのです。
約576万ドットの高精細電子ビューファインダー
一眼レフではミラー機構を利用してファインダーに映し出す「光学ファインダー」が一般的でしたが、ミラーレス一眼ではミラーが撤廃された影響でファインダー内においても液晶画面を搭載する「電子ビューファインダー」が採用されています。
液晶画面が搭載されているため、液晶の性能による映りの違いなども生じてきます。
一眼レフユーザーがミラーレス一眼への移行を躊躇う理由の一つが電子ビューファインダーによる見え方の違いですが、近年ではより自然な見え方を実現し、こちらのα7R IVでも光学ファインダーに近い自然な映りを実現しています。
しかし、夜間帯などの撮影においては、ファインダーに映し出された映像にも残像が出るなど、光学ファインダーのような滑らかさには程遠い印象です。
それでも電子ビューファインダーのメリットである正しい露出確認などは、ファインダーを覗いたまま行うことができるため、撮影におけるミスというのは削減できるでしょう。
性能レビュー
ここからはα7R IVを実際に使用して撮影した作例を基に撮影性能などのレビューを行っていきます。
高画素モデルながらあらゆる性能で高い水準を実現しているα7R IVの実力に迫ります。
有効約6100万画素の高画素を実現
一眼カメラで一般的に採用されることの多い画素数は2000~3000万画素です。
3000万画素を超えた時点で高画素モデルの部類に入ることもありますが、こちらのα7R IVでは有効約6100万画素を実現しています。
α7Rシリーズとして、高画素化に力を入れることはもちろんですが、従来モデルであるα7R IIIの約4240万画素よりも大幅に画素数が増加しました。
デジタル一眼カメラ全体としても6000万画素を超える画素数を有するカメラは極めて少なく、高画素に特化したモデルの中でも突出した存在です。
最適化された画像処理エンジン「BIONZ X」
カメラにおいて画質を左右する心臓となるのが画像処理エンジンです。
α7R IVでは、撮像のために光を読み取るイメージセンサーにおいて新開発のものを搭載し、イメージセンサーに最適化された伝統の「BIONZ X」画像処理エンジンを搭載していることで、高画素機特有の巨大な情報量から高画質の仕上がりを実現します。
高画素機ながら高感度撮影時も高画質を維持
高画素モデルは、画素数が増加することで情報量の多い画像になりますが、高感度撮影の際に生じるノイズの処理能力に弱い印象がこれまではありました。
そのため、常用ISO感度の範囲に関しても一般的な画素数を搭載する一眼カメラよりも最高値が低めに設定されていることが多く、高感度撮影時を苦手としていました。
しかし、α7R IVでは、処理能力に優れたBIONZ Xエンジンを搭載していることから、高感度撮影時においてもノイズが大きく目立たない、実用的な仕上がりを実現しています。
個人的にはISO3200を使用して撮影した場合でも、ノイズが大きく目立つことがなく、被写体におけるディティールに影響を及ぼすことはありませんでした。
5.5段の補正効果を実現した光学式5軸ボディ内手ブレ補正
近年一眼カメラにおいて搭載可否が気にされることの多い「ボディ内手ブレ補正機構」。
キヤノンやニコンでは、ミラーレス一眼カメラにおいて手ブレ補正機構を搭載したモデルは存在しないに等しいですが(Canonの一部モデルでは動画撮影時のみ手ブレ補正効果が反映されます)、ソニーに関しては多くのモデルで既にボディ内手ブレ補正機構が搭載されています。
こちらのα7R IVにおいても5.5段の補正効果を実現した光学式5軸ボディ内手ブレ補正機構を搭載しています。
今回私は夜の札幌市街地においても作例撮影を行いましたが、優れた高感度耐性を体感した以外にも低速シャッター時における手ブレ発生率の低さも実際に使用して驚いた性能の一つです。
最高約10コマ/秒のAF/AE追随高速連写性能
画素数が増加するほど処理能力も優秀であることが求められます。
デジタルカメラにおいて連写撮影は、短い間に多くの写真を記録する必要があり、カメラにとっては高速かつスムーズな処理が要求されます。
そのため、情報量が多い高画素モデルにおいては、高感度撮影以外にも連写性能で問題として挙げられることが多い印象でした。
しかし、α7R IVでは、AF/AE追随撮影時でも最高約10コマ/秒の連続撮影を可能としており、高画素モデルとしては最高クラスの性能を実現しています。
αシリーズが誇る優秀なAF性能
更にα7R IVでは、SONY αシリーズにおいて自信の性能としているオートフォーカス性能も体感することができます。
撮像範囲において広範囲に散りばめられた567点像面位相差AFセンサーと425点コントラストAFは、撮影において高速かつ正確なピント合わせるために実装された性能です。
また、ソニーが誇る「瞳AF」もポートレート撮影や動物撮影において大きく活躍する性能で、撮影において大きな信頼を寄せることができる性能を実現しています。
SONY α7R IVフォトギャラリー




製品仕様表
モデル名 | SONY α7R IV |
---|---|
撮像画面サイズ | フルサイズ(約35.7×23.8mm) |
映像素子型式 | ExmorR CMOSセンサー |
映像エンジン | BIONZ X |
有効画素数 | 約6100万画素 |
オートフォーカス方式 | ファストハイブリッドAF |
測距点 | 567点(位相差検出方式) |
常用ISO感度 | ISO100~32000 |
シャッター速度 | 1/8000秒~30秒、バルブ | ボディ内手ブレ補正 | 5.5段 |
連続撮影速度 | 最高約10コマ/秒 |
画面 | 3.0型/約144万ドット |
ファインダー | 0.5型/約576万ドット |
Wi-Fi搭載 | 〇 |
NFC搭載 | 〇 |
Bluetooth搭載 | – |
大きさ | 約128.9(幅)×96.4(高さ)×77.5(奥行)mm |
質量(バッテリー等含む) | 約665g |
高画素モデルに性能がついに追い付いた感覚
これまで高画素モデルというと精細な描写を叶えるメリット以上に、あらゆる性能が制限されるデメリットを感じることの方が多い印象でした。
しかし、今回ご紹介してきたα7R IVでは、6000万以上の画素数を保有しておきながら、かつての高画素モデルを感じさせるような性能における制限は限りなく減ったと言えるでしょう。
そして、ようやく高画素だから他の性能を妥協するなどの必要がなくなり、現代のカメラにおいて実用的に使用する選択肢の一つとして性能が追い付いたように感じます。
もちろん高画素モデルとしてのきめ細やかな解像感や、圧巻の画像サイズも感じられるモデルで、現代で存在する高画素モデルにおいて一つ突出した存在であると感じています。
使っている時はまるで高画素モデルであることを忘れるような不自由のない性能と、画像を見返すと高画素モデルらしい描写を叶えてくれる、それがα7R IVなのです。
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SONY α7R IVはレンタルでお試しがおすすめ
今回ご紹介してきたSONY α7R IVは、ソニーが展開するミラーレス一眼カメラの中でも上位モデルとなります。
それだけに販売価格は2020年1月現在で30万円以上する非常に高値が設定されています。
いきなりこの金額を即決するのは困難なことだと思いますが、α7R IVを使ってみたいという方は多いと思います。
そんなときにおすすめなのがカメラのレンタルサービスです。
Rentio(レンティオ)では、今回ご紹介してきたα7R IVをはじめ、数多くのミラーレス一眼カメラを豊富なラインナップから選んでレンタルすることができます。
購入前に試すことで自分に本当に合ったカメラなのか確かめることができる良い機会になることは間違いありません。
是非この機会にRentioで気になるカメラをレンタルして、後悔のないカメラ選びに役立ててください。