DELL S2722QCをレビュー!USB-C対応の高コスパな27インチ 4K IPSディスプレイ
更新日2024/11/26
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リモートワークが始まったことでチャット(SlackやMessenger)・オンライン会議(Google MeetやZoom)・メール(Gmail)と常に開いておくアプリケーションが増え、ウィンドウの切り替え(Macだと操作スペースの切り替え)頻度も増えました。
それによって業務を都度中断しなければならなかったり、コミュニケーションに変な間が生じたりと、仕事効率が下がる場面をたびたび経験したことで、ノートパソコンのディスプレイだけでは力不足を感じるようになったのです。
しかし、MacBookがメインマシンの筆者にとって、USB-C接続対応の外部モニターは他のディスプレイと比べて高単価であることから敷居の高い存在でした。
そんなときに、見つけたのが2021年8月20日に発売されたばかりの「Dell S2722QC」です。4K解像度の27型IPS液晶ディスプレイながら、セール時は4万円を切る価格で販売されたこともあり非常に魅力的な製品です。
そこで、この記事では筆者と同じような思いをしている方に向けて、「Dell S2722QC」の特長と実機レビューを紹介します。
もくじ
Dell S2722QCの特長
「Dell S2722QC」の特長はUSB Type-C対応の4K IPSディスプレながら、価格を抑えられていることです。2020年に発売された同じく4K IPSディスプレイの「Dell U2720QM」と比べても約1.5万円ほど安いので魅力的です。
- 4K IPSディスプレイながら手頃な価格設定
(セール時は4万円を切ることも) - 極細ベゼルで高い画面占有率
- sRGBカバー率99%、10bit対応
- ステレオスピーカーを搭載
- PIP/PBPに対応
- 上下左右/高さ調整、縦置きも可能
- AMD FreeSync対応
Dell U2720QMとの違い
価格が異なる2つのFk IPSディスプレイですが、それぞれ強みとしているものが違います。ざっくりとした特徴を紹介するならば、「Dell U2720QM」はクリエイター向け、特にMac製品で制作している方は、DCI-P3対応の「U2720QM」が適しています。「Dell S2722QC」はデスクワークや趣味に使う方向けと言えるかもしれません。
スペック上異なる点だけをまとてみるとこんな感じになります。
項目 | S2722QC | U2720QM |
---|---|---|
HDR規格 | – | VESA DisplayHDR 400 |
コントラスト比 | 1000:1 | 1300:1 |
sRGB | 99% | 99% |
Rec 709 | – | 99% |
DCI-P3 | – | 95% |
スピーカー | 搭載 | 非搭載 |
AMD FreeSync | 対応 | 非対応 |
インターフェース | USB-C × 1 USB-A 3.2 × 1 HDMI 2.0 x 2 |
USB-C x 2 HDMI 2.0 x 1 DisplayPort1.2 x 1 |
サイズ※スタンド含む (幅×奥行き×高さ) |
約61.16cm×17.47cm×40.01cm | 約61.13cm×18.5cm×39.52〜52.52cm |
重さ※スタンド除く | 約4.7kg | 約4.4kg |
Amazon税込価格 (2021年11月3日現在) |
48,800円 | 64,800円 |
S2722QCのスペック一覧表
項目 | スペック詳細 |
---|---|
解像度 | 4K UHD(3840×2160) |
ディスプレイ | 27インチ/IPS/ノングレア/VESAマウント |
色域/色深度 | sRGB 99% 10bit(10億7000万色) |
コントラスト比 | 1000:1 |
輝度 | 350cd/㎡ |
HDR規格 | なし |
応答速度 | 4ms (GtoG エクストリーム) |
PIP/PBP | 両方対応 |
同期技術 | AMD FreeSync |
角度調整 | ピボット:180度回転/縦置き可 チルト:-5度〜21度 スイベル:60度 高さ調整:11cm |
フリッカーフリー | 対応 |
インターフェース | USB-C × 1 USB-A 3.2 × 1 HDMI 2.0 x 2 |
USB PD | 最大65W |
スピーカー | 3W×2基のステレオスピーカー |
消費電力 | 最大155W 電源:AC100-240V(50/60Hz),3ピンプラグ |
サイズ (幅×奥行き×高さ) |
約61.16cm×17.47cm×40.01cm |
重さ | 約4.7kg |
Amazon税込価格 (2021年11月3日現在) |
48,800円 |
Dell S2722QCの実機レビュー
それでは「Dell S2722QC」を実際に触りながら、事前に調べた特長やスペックだけではイメージできない部分も含めて確認していきます。
セット内容
ディスプレイ以外の同梱物はご覧のとおりです。
USB-Cケーブルは約1mの長さなので、足りない方はUSB PD対応のケーブルを用意しておくと良いでしょう。
- 27インチディスプレイ
- スタンド
- スタンドベース
- USB-C to USB-C (3.2 Gen 2)
- 電源ケーブル
- クイックセットアップガイド
3ピン→2ピンの変換プラグが必要かも
付属の電源ケーブルは3ピンであるため、3ピンの挿入口のないコンセントや電源タップを使用する方は変換プラグを用意しておきましょう。
汎用性の高いVESAマウント
「Dell S2722QC」のマウント部はVESA規格 100mm×100mmであるため高い汎用性を有します。
例えば会議室に設置するための自立型スタンド、デスクをスッキリさせるためのモニターアームなど組み合わせ可能な製品の選択肢も多くあります。リモートワーカーにとっての人気製品であるエルゴトロンのモニターアームも対応しています。
規格で定められた構造であるためセットアップも共通しており、簡単に組み立てられるのも嬉しいポイントです。
どの角度からもキレイに見えるIPS方式のノングレア液晶
「Dell S2722QC」にはIPS方式のノングレア液晶が採用されています。
画面への映り込みが少なく長時間の作業でも目に優しいこと、それからディスプレイとの位置関係が前後左右で変わっても同じ色・同じ明るさのままで見れることから、長時間のデスクワークに向いています。
技術 | 詳細 |
---|---|
IPS | 視野角が広く、上下左右のどの角度から見てもキレイに表示される技術 |
ノングレア(非光沢) | ディスプレイへの映り込みが少なく、目の負担が少ない |
ベゼルレスで高い画面専有率
「Dell S2722QC」は上と左右の3辺がベゼルレスの設計になっており、27インチの画面をできるだけいっぱいに使えます。非表示領域は筆者の人差し指よりも狭く、スケールで計測したところ約8mmほどしかありませんでした。横に2台のディスプレイを並べるときもシームレスな表示が可能です。
sRGBカバー率99%&10bit対応
「Dell S2722QC」の色域はsRGBカバー率99%、色深度は10bit(約10億7000万色)です。試しに10bit 表示か確認するテストパターン(外部リンク)で確認すると、グラデーションにバンディングが見えるか見えないかという些細な違いではありますが、キレイなグラデーションを確認できました。(上写真を10bit対応のディスプレイで見るとより違いが分かるかもしれません)
デスクワークや趣味での写真現像や動画編集(Davinci Resolveを使ったカラグレ etc.)には十分なスペックを感じさせるディスプレイだと思います。
一方で、Rec.709やDCI-P3には非対応なので、映像制作やデザイン制作としての業務用モニターとしては力不足でしょう。
縦置き、各種角度調整も自由自在
「Dell S2722QC」は左右に90度回転させることで縦置きディスプレイとしても使えます。スクロール数が多いページ閲覧やファイルを確認する時は、一度に表示される情報量が約2倍に増えるため効率的です。
ディスプレイの回転以外にも、上向き/下向きのチルト角度の調節、スタンドベースを固定したまま向きを回転できるスウィーベル調節、最大11cm幅の高さ調節も備わっていますので、様々な環境に合わせた細かい調節ができる製品でもあります。
5種類の入力インターフェースを搭載
「Dell S2722QC」の入力インターフェースは5種類6ポートあり、内5ポートは正面左側裏面にまとまっています。残りの1つはクイックアクセスポートとなるので後述します。
- USB Type-C(DisplayPort 1.4 / USB PD 最大65W) × 1
- HDMI x 2
- USB 3.2 Gen 1 × 1
- USB 3.2 Gen 1 充電機能付き × 1(クイックアクセスポート)
- オーディオ出力ポート(外付けスピーカー用)
正面右側にはパネルボタンが4つありますので、モニターの設定を変更することができます。
最大2つをショートカットキーとして登録できるので、よく使う機能を割り当てておくと手間削減になり便利です。
ちょっとしたUSBハブ機能も
「Dell S2722QC」の正面左下にはクイックアクセスポートと呼ばれる、USB 3.2 Gen 1のType-Aポートが1つ搭載されています。
スペック的には最高5Gb/秒の転送速度、約5Wの出力ではありますが、ちょっとしたデータ転送やワイヤレスイヤホン等の充電には便利です。
クイックアクセスポートを使えば、Amazon Fire TV Stickの電源も直接取れるので、コードもごちゃつくことなく直接4Kコンテンツを楽しむことができます。
MacBookでUSB-Aを使うにはハブやドッキングステーションを追加しなければいけませんが、「Dell S2722QC」がちょっとしたUSBハブの役割も担ってくれるのでお得感があります。
USB-Cから最大65Wの直接給電が可能
「Dell S2722QC」のUSB-Cポートは映像出力と電力供給を兼ねているので、USB-Cケーブル1本だけでデュアルディスプレイ化(もしくはクラムシェルモード)を実現できます。ノートパソコンの電源をコンセントから持ってくる必要もありません。デスク周りもスッキリします。
USB-Cからの出力は最大65Wありますので、最大45W入力が可能なM1 MacBook Airでも余裕があります。
ステレオスピーカーを内蔵
「Dell S2722QC」にはディスプレイの左右にそれぞれスピーカーが搭載されており、外部スピーカーなしでも映像作品やゲームを楽しむことができます。
スピーカーの音質も悪くなく、音量を最大付近まで上げても気になる音割れもありませんでしたので、特にこだわりがなければ「Dell S2722QC」一台で事足りることでしょう。
Dell S2722QCを使ってみた感想
「Dell S2722QC」を数日間使い続けてみて、仕事の効率化が進み、かつプライベート時間が充実するなど非常にポジティブな影響がありました。
もし、プロジェクターの購入も検討している方がいたとしたら、4Kの外部モニターを導入したほうが一石二鳥かもしれません。
WQHD解像度の作業領域で仕事効率アップ
せっかくの4Kディスプレイではありますが、仕事をする上ではWQHD(2560×1440)解像度の作業領域が一番しっくり来ました。ノートパソコンのディスプレイにはメールやチャットの通知系、本業務は目線を上げた場所に「Dell S2722QC」を調整した実質3画面体制の運用です。
MacBookの画面分割は自由度がないのでMagnet(有料アプリ)を入れるといいかもしれません。
なお、ディスプレイ解像度を4K UHD(3840×2160)に変更すると作業領域が広すぎ&テキストが小さくなりすぎるため、作業向きではないように思います。FHD・WQHD・4K UHDに設定したときのディスプレイのスクショを並べますので、参考にしてください。
高精細かつ没入感のある映像表現で映画鑑賞にもおすすめ
「Dell S2722QC」は映画鑑賞にも適するディスプレイです。ベゼルレスかつ高精細な映像表現により、没入感を得ながら映像コンテンツを楽しめます。(写真では映像をぼかしておりますm(_ _)m)
さらにシアター環境を整えるには、内蔵スピーカーだと重低音が物足りない気がしますので、サブウーファーのある2.1ch音響をセットアップするといいかもしれません。
平日は仕事、休日は映画鑑賞(もしくはゲームも!!)とフル稼働してくれるディスプレイなので、当初思っていたよりもお買い得感がありました。
写真現像や動画編集がしやすい
筆者は趣味程度に写真現像(Adobe Lightroom)や動画編集(Davinci Resolve)をするのですが、大画面かつ4K解像度での作業が非常にやりやすかったです。ノートパソコンだと作業領域が狭く、操作スペースの切り替えも度々生じたりと効率の悪さを感じていました。
「Dell S2722QC」を取り付けることで27インチという大画面を手に入れることだけでなく、4K解像度の広い作業領域も手に入ることになります。しかも趣味程度なら色域や色深度のスペックも十分高い(α7S IIIのような10bit撮影ファイルも編集できる)ので、写真現像や動画編集をより楽しむことができるようになると思います。
周辺付近に輝度ムラあり
どのディスプレイにも輝度ムラは生じるものですが、「Dell S2722QC」は輝度を下げ続けると周辺部から中央に向けて円形の輝度ムラを確認できました。輝度を最大にすると四隅周辺に生じるくらいで、実作業で気になることはありませんでした。
十分なスペックを搭載する高コスパ4K IPSディスプレイ
「Dell S2722QC」は4K IPSディスプレイの中では価格を抑えた製品にも関わらず、ベゼルレス・スピーカー内蔵・豊富なインターフェース・10bitの色深度とスペックは十分なものでした。特にデスクワーク、趣味(写真/動画/ゲーム/映画 etc.)に用意するディスプレイとしては、最上級といっても過言ではないかもしれません。
限られた予算で、できるだけ高スペックは外部モニターを検討するなら、「Dell S2722QC」は最有力候補の1つに挙がるでしょう。
外部モニターは試してから購入できる
「リモートワークは期間限定だから購入するほどでもない」
「実際にどんなものなのか、自分のパソコンで試してみたい」
そんな方には外部モニターのお試しレンタルがおすすめです。
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レンタル期間中に気に入った製品があれば、そのまま購入もできますので、いくつか試してみてから購入を決めてはいかがでしょうか。
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