UGREEN(ユーグリーン) PowerRoam 1200を実機レビュー!コンパクトな大容量のリン酸鉄リチウムイオン電池のポータブル電源

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アウトドア活動や緊急時の電力供給、または移動中のデバイス充電など、様々なシーンで活躍するポータブル電源。
最近は長寿命な次世代ポータブル電源に注目が集まっていますが、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは従来のポータブル電源と比べて重くて大きい傾向があるように感じていました。
リン酸鉄リチウムイオンバッテリーは2022年末から盛り上がってきたトレンドなので、小型化はまだまだ時間がかかるかな?と思っていたのですが、実はありました、手頃なサイズのリン酸鉄搭リチウムイオンバッテリー載のポータブル電源が。
ということで、今回は充電器が有名なメーカーUGREEN(ユーグリーン)社から、2023年5月29日に発売予定のポータブル電源「PowerRoam 1200」をお借りし、先行レビューさせていただくことになりました。具体的にどんなポータブル電源なのか、特徴・性能などを紹介します。
結論から伝えると、おすすめのポータブル電源の1つで間違いない製品だったので、ぜひ参考にしていただければと思います。
もくじ
UGREENはどんな会社?
UGREEN(ユーグリーン)は、2012年に設立されたパソコン周辺機器(デジタルソリューション)を製造・販売するメーカーです。440以上の特許を取得し、さらに150以上の特許を出願するなど研究開発にも熱心なメーカーです。
日本国内では主にAmazonで充電器・ケーブル・USBハブなどが高い人気を誇っています。楽天市場には公式ショップもあります。
IFデザイン賞やレッドドットデザイン賞を受賞した製品もいくつかあり、国際的にも認められているメーカーブランドです。
PowerRoam 1200の特長
UGREENの「PowerRoam 1200」は新世代リン酸鉄リチウムを採用したポータブル電源です。
主な特長をいくつかのポイントにまとめましたが、長寿命で大容量、そして高出力ワット数を実現しながらも、筐体はコンパクトで手頃な価格設定が最大の魅力です。
- 3000回サイクルの長寿命バッテリー(リン酸鉄リチウムイオン電池)を搭載
- 1024Whの大容量も約1.5時間で爆速100%充電
- 合計13の入出力ポートを備えた利便性の高さ
- USBが単ポートで高出力
- 定格出力は1200W、独自技術の「U-Turbo」によって瞬間最大2500W出力まで引き上げ
- 専用アプリでスマホからの遠隔操作、詳細な設定カスタマイズが可能
- 純正のソーラーパネルと組み合わせたオフグリッド環境も
- 正弦波、50Hz/60Hzのヘルツフリー

製品スペック一覧表
項目 | スペック |
---|---|
バッテリー容量 | 1024Wh |
定格出力 | 6口合計1,200W (最大瞬間出力2,500W) |
周波数 | 50/60Hz |
DC出力 | 2口:合計最大120W ※DC5521 |
シガーソケット | 1口:最大120W |
USB-C (急速充電) |
単ポート:最大100W 2口合計:最大200W |
USB-A | 単ポート:最大22.5W 2口合計:最大45W |
入力 | 最大1500W ※ソーラー充電:最大400W ※シガーソケット充電:12V/24V対応 |
充電時間 | 最短1.5時間 |
ライト | 4段階 |
環境温度 | 動作温度:-10度〜40度(推奨温度は20度〜30度) 充電温度:0度〜40度 |
バッテリーサイクル数 | 3000回以上 |
大きさ (幅×奥行き×高さ) |
約335mm×220mm×270mm |
重さ | 約11.5kg |
Amazon税込販売価格 (2023年5月29日現在) |
138,000円 |
PowerRoam 1200の実機レビュー
それでは外箱から「PowerRoam 1200」を取り出して、実機を確認していきたいと思います。
「PowerRoam 1200」は出荷時にスタンバイモードに設定されているため、開梱後は5秒間ぐらい充電してスタンバイモードを解除します。
大容量なのにコンパクトサイズ
「PowerRoam 1200」の大きさは約335mm×220mm×270mm(幅×奥行き×高さ)、重さは約11.5kgです。
小型化が進んでいるとはいえ、リン酸鉄リチウムイオンバッテリーを搭載するポータブル電源の中では軽くてコンパクトなのが魅力に感じました。
取っ手もついているので色んなところに持ち出しやすいですし、家のちょっとしたスペースに保管しやすいサイズ感のポータブル電源だと思います。
10年以上は使える長寿命なリン酸鉄リチウムイオン電池を開発
「PowerRoam 1200」には、電気自動車で世界シェア2位の中国最大手BYD(ビーワイディー)社と共同開発したEV基準のリン酸鉄リチウムイオン電池が搭載されています。
約3,000回のサイクル寿命(従来のリチウムイオン電池の約6倍)に加え、高度なバッテリー管理システムと保護機能により長く安全に使えます。(理論上の耐久年数は10年以上)
外観ボディには耐久性の高い高強度なABS樹脂の素材が採用されており、落下や揺れ、擦り傷からバッテリーを保護してくれるので安心です。
最大13の入出力ポート
出力ポートは豊富で同時接続できるのは最大13口、スペック上は全口合計出力数が最大1565Wです。
USB Type-Cは単ポートでそれぞれ最大100Wの急速充電(USB PD)対応しています。
USB Type-Aは従来のポータブル電源ではあまり見かけることのない単ポート最大22.5W出力です。一般的には最大18W程度なので、約5Wも高い出力を得られるのは嬉しいですね。
ポート種類 | ポート数 | 合計出力 |
---|---|---|
ACコンセント | 6口 | 6口合計1200W |
USB-C | 2口 | 2口合計200W |
USB-A | 2口 | 2口合計45W |
シガーソケット | 1口 | 3口合計120W |
DC5521 | 2口 | |
合計 | 13口 | 13口合計1565W |
入力ポートは、UGREEN独自の急速充電技術「PowerZip」(パワージップ)を搭載したACポートとソーラーチャージャーを接続するXT60ポートが、それぞれ1口ずつあります。
確認しやすい大きな液晶ディスプレイを搭載
今やスタンダードになりましたが、「PowerRoam 1200」にも正面に大きな液晶ディスプレイを搭載しています。
バッテリー残量や残時間/満充電に要する時間、入出力のワット数、ファンの稼働や無線接続の状況確認など、状態を一目で確認できるのがメリットです。
バックライトを搭載しているため夜間でも見やすく、後述するアプリで明るさ調整もできるため、キャンプ場でも明るさに配慮して使えるのもポイントです。
LEDライトは4段階の点灯モード切り替えが可能
正面向かって左側にはLEDライトが搭載されています。
光の強弱を2段階で変更できるのに加え、点滅モード・SOSモードと合わせて4段階の切り替えができ、使用する場所・時間・状況に応じて使い分けられます。
残量0%緊急モード
「PowerRoam 1200」はバッテリー残量が0%になっても、LEDライトを7.5時間以上点灯したり、USBポートでスマホを1台以上充電できる「0%緊急モード」があります。
万が一のときに安心をもたらしてくれる機能なので、防災備蓄品としてもおすすめできます。
最大400Wのソーラー充電による電力の自給自足も可能
「PowerRoam 1200」にはXT60ポートがあるので、太陽光発電による電力の自給自足ができます。
最大200Wの高変換率の純正ソーラーパネル(SC200)は2枚まで並列させることができるので、太陽光だけで最大400W、最短3時間でのフル充電も可能です。ソーラーパネル1枚でも最短6時間ほどでフル満充電できます。
「0%緊急モード」とソーラーパネルの組み合わせがあれば、電力供給が不安定な環境下で活躍すると思います。
最大5年保証が付帯
「PowerRoam 1200」には最大5年のメーカー保証がついているので安心です。
付属品には多様なケーブルと収納バッグもついており充実しています。
- 本体
- AC電源ケーブル1.5m
- XT60→XT60変換ケーブル0.5m
- カーチャージャー→XT60充電ケーブル1.5m
- DC5521→DC5525充電ケーブル1m
- ケーブル収納バッグ
- 取扱説明書
- 保証カード
PowerRoam 1200を使って感じた魅力と注意点
実際に「PowerRoam 1200」を使ってみることで、事前情報や製品スペックでは気づかなかったポイントがいくつかありましたので、メリット・デメリットとしてお伝えしたいと思います。
1200Wを超えるホットプレートも楽々【メリット1】
まず「PowerRoam 1200」はACポート6口合計の定格出力が1,200Wですが、消費電力1,200Wを超えるホットプレートも問題なく使えました。
最大瞬間出力2,500Wを実現する独自技術の「U-Turbo」機能がデフォルトでオンになっていることで、高い対応力を見せつけてくれました。
定格電圧は90V〜110V、ヘルツフリー、純正弦波
ポータブル電源の中には定格電圧が110Vで、写真のような100V電圧の製品と相性が悪いケースもあるのですが、「PowerRoam 1200」は問題ありません。
定格電圧は90V〜110V、周波数は50Hz/60Hzの切り替えが可能(要スマホアプリ)、純正弦波なので、電化製品を安心して使えるスペックを備えています。
USB単一ポートでも高出力【メリット2】
高出力のUSBを複数備えているのもメリットに感じます。
同時接続で出力が按分されることなく、USB Type-Cはそれぞれ最大100W、Type-Aはそれぞれ最大22.5Wと優秀です。
M2 MacBook Proのような100W近い電源アダプタで稼働するハイスペックなパソコンも、「PowerRoam 1200」なら2台同時に接続して使えます。
充電スピードが早い【メリット3】
充電時間は本当に早く、実際に30分弱で30%から60%までバッテリー残量が増えました。
0%から80%まで約50分、0%から100%まで約90分(1.5時間)できるので、頻繁に持ち出したりする人にも使い勝手が良いと思います。
アプリが使いやすい【メリット4】
スマホアプリの完成度は高く、Wi-Fi・Bluetoothどちらの無線規格でも接続できます。デバイスとの接続も手間取ることもなく、スムーズに設定できたのも良きでした。
リモート操作やスマホ画面で状態のモニタリングができるだけではなく、周囲の環境や状況に合わせて音のオンオフ・ディスプレイの明るさ調整をしたり、使用する電化製品によって周波数を変更したりと様々なことができます。
強運転中も静か【メリット5】
- 動作前
- 動作中(ファン稼働)
ドライヤーやホットプレートなど高い出力を要する製品を使うと、ポータブル電源内で冷却ファンが周り、その動作音がうるさくなったりする場合があります。
ですが、「PowerRoam 1200」の場合は使用前と使用中で動作音の変化がほぼありませんでした。
ポータブル電源のなかでも静音性はトップクラスだと思いますので、動作音が気になる方におすすめできます。
ちなみに、定格出力に近い強運転中に、本体側面にある排熱用のスリットにティッシュをかざした様子がこちらです。
微風よりも弱いくらいの風力でしたので、ポータブル電源の隣にモノや人がいてもほぼ気にならない程度だと思います。
ACポートが干渉する【デメリット】
唯一デメリットに感じたのは、ACポートの差口が全て同じ方向を向いているため、コンセントの形状によっては上下どちらかに干渉してしまうことです。
両端が横向き(llの方向ではなく=の方向)であったなら、干渉しにくくなると思うので、そこだけが改善点かなと思います。
PowerRoam 1200は利便性の高いポータブル電源
高出力・大容量・コンパクトで高い機能性を持つ「PowerRoam 1200」は、様々な利用シーンに活かしやすいポータブル電源だと感じました。
長寿命バッテリーなので、長い目で見るとかなりコストパフォーマンスに優れた製品だと思います。
初めてのポータブル電源にもぴったりだと思うので、UGREENの「PowerRoam 1200」はおすすめです。
ポータブル電源はレンタルできる
キャンプ、車中泊、アウトドア、イベントに短期間だけでもポータブル電源を使うならレンタルもおすすめです。
家電レンタルのRentio(レンティオ)では、3泊4日からポータブル電源やモバイルバッテリーのレンタルが可能です。
借りた製品が気に入った場合「そのまま購入」することもできますので、まずはお試しでレンタルするのもおすすめです。