SONY α1実写レビュー。高画素と優れた携帯性を叶え誕生したSONY「α」のフラッグシップを徹底解説
更新日2024/05/30
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これまでフルサイズ一眼市場を牽引してきた「ソニー」。
他社よりも早くミラーレス一眼に特化した製品開発を行い、ミラーレス一眼市場の火付け役とも言える存在です。
そんなソニーでもプロフェッショナルの現場でのシェアは少なく、今後の課題とされていました。
今回ご紹介していく「SONY α1」は、ソニーが展開するミラーレス一眼の中でもフラッグシップとして新たに誕生したモデルです。
ソニーが培ってきた技術力を結集させ、最上級の性能を備えたプロフェッショナル向けのモデルとして、ソニーの意気込みが感じられる1台となっています。
今回は実際に「SONY α1」を使用して全国で撮影した作例を基に、フラッグシップとしての能力を検証していきます。
もくじ
勢いを感じるソニーのミラーレス一眼カメラ
近年デジタルカメラ市場において、「ミラーレス一眼」の存在が最も大きいと言えるでしょう。
そんな盛り上がりを見せるミラーレス一眼市場の中でも様々なメーカーが製品開発を行っていますが、「ソニー」は早くからミラーレス一眼の可能性に目を付けており、勢いを感じるメーカーの一つです。
既にミラーレス一眼の開発における歴史は長く、これまで展開されてきたラインナップの種類も非常に豊富で、初心者向けから上級者向けのモデルまで、幅広くレベルに合わせた製品が展開されています。
[2021最新] SONY(ソニー)のミラーレス一眼カメラを完全解説。全12機種の比較や特徴、おすすめモデルを紹介 – Rentio PRESS[レンティオプレス]
ついに誕生したフラッグシップモデル
今回ご紹介する「SONY α1」は、ソニーが展開するミラーレス一眼「α」におけるフラッグシップモデルとして誕生しました。
これまでもフルサイズセンサーを搭載した「α7シリーズ」や「α9シリーズ」の展開は行われてきましたが、これらは最上位モデルではなく、今回「1」の称号を基に、満を持して最上位モデルが発売となりました。
各社のフラッグシップモデルは、プロカメラマンから愛用されることはもちろん、スポーツ関連の大会やモータースポーツの大会などで並ぶ存在でもあり、メーカーの象徴と言えるでしょう。
これまでは「キヤノン」「ニコン」がこれらの現場において圧倒的な存在であったことから、今後ミラーレス市場の火付け役となった「ソニー」が、どれだけシェアを獲得していくのかも、市場における注目ポイントとなっています。
外観レビュー
実際にSONY α1の実機を使って、レビューを展開していきます。
フラッグシップモデルは、各社大きく重くなる傾向にありますが、ソニーにおける初のフラッグシップがどのような外観を採用したのか、デザインや大きさ、重さ、機能面に特化にして特徴をご紹介していきます。
良い意味でフラッグシップらしくない携帯性
今回ご紹介していく「SONY α1」ですが、ソニーが展開するミラーレス一眼においてフラッグシップモデルとして君臨しています。
カメラメーカー各社でフラッグシップモデルは存在していますが、基本的にフラッグシップモデルは、大きくガッチリとしたサイズ感を特徴としているカメラが大半です。
その分、携帯性や機動性に優れているとは言えないことが、難点の一つでした。
しかし今回ご紹介していく「SONY α1」は、フラッグシップモデルとは思えないサイズ感が魅力の一つとなっています。
そのサイズ感は、同じフルサイズミラーレス一眼シリーズとして展開されている「α7シリーズ」や「α9シリーズ」と大きく変わることはなく、良い意味でフラッグシップらしさを感じない携帯性を実現しています。
誰もが使いやすく理解できる操作性
ソニーのミラーレス一眼において、他社よりも優れている点として「理解しやすい操作性」があります。
フラッグシップモデルであるSONY α1においても、他のモデルと大きく変わることのないボタン・ダイヤル配置や、設定方法を採用していることから、他社から乗り換えた方にとってもすぐ理解することのできる操作性が魅力的です。
また、カメラ内部の機能面についても2020年10月に発売された「α7S III」で採用された、最新の設定メニュー構成が搭載され、プロフォトグラファーなどの意見を取り入れたより実用的な操作性を叶えています。
また、お好みに合わせてカスタムキーやダイヤルに割り当てを行うことのできる「カスタムキーアサイン」機能も搭載されており、164種類の機能を17個のカスタムキーやダイヤルに割り当てることが可能です。
これらのキーアサインは、静止画撮影用、動画撮影用、再生時用それぞれのモードで異なる機能を指定できるため、ご自身が使いやすいように自由度の高いカスタマイズを行うことができます。
難点であった電子ビューファインダーが大幅に改善
個人的にSONY α1を使用して、機能面において最も感動したのが「電子ビューファインダー」の改善です。
正直なところこれまでソニーが展開してきたミラーレス一眼では、「電子ビューファインダー」の見え方において、映像らしさの残る不自然な感覚が目立つところで他社のモデルよりも劣るポイントの様に感じていました。
しかし、SONY α1のファインダーを覗いたその瞬間から、これまでのソニーの電子ビューファインダーのイメージが払拭される自然で滑らかな映像が映し出されており、撮影のしやすさが大きく向上した印象です。
また、覗き込んだ時の印象として、ファインダーの画面が非常に大きく感じ、被写体の細部もファインダー内で認識することができることもありました。
ソニー公式がクラス最高解像度である944万ドットを実現したことを特徴として挙げており、これだけの高性能を実現しながらも表示タイムラグの低減も図られており、安定したフレーミングにも貢献しています。
性能レビュー
フラッグシップモデルとしては驚異的な携帯性を叶えているSONY α1ですが、ここからはカメラの本質となる性能面についてレビューしていきます。
今回、東京、横浜、大阪、神戸、松山にて撮影を行い、SONY α1の性能を徹底検証してきました。
是非、豊富な作例とともにSONY α1の実力をご覧ください。
フラッグシップとして挑戦的な高画素約5010万画素
SONY α1は、フラッグシップ機としては珍しい高画素を採用しています。
これまでカメラメーカー各社が展開するフラッグシップモデルは、2000〜3000万画素が平均的でしたが、SONY α1では、それらを大きく引き離す約5010万画素を採用し、フラッグシップモデルとしては挑戦的な画素数となっています。
高画素にすることは全体的に性能を安定化させることが非常に難しくなり、技術力が必要となります。
特にフラッグシップモデルにおいては、どんな撮影シーンでも安定したクオリティや、動作が求められるため、カメラに負担のかかる高画素の採用は意外性のある決定と言えます。
その他の性能については、この先解説を行っていきますが、高画素を採用したことで、よりプロフェッショナルが必要とする解像力や引き伸ばしてプリントする際の優位性については、同クラスのカメラでも突出した存在となります。
高画素における高感度撮影
高画素機の一番の課題となるのが「高感度撮影」です。
SONY α1では、約5010万画素を実現しているとご紹介しましたが、高画素モデルほど高感度撮影を苦手としており、高いISO感度になるほどノイズの増加やディティールの乱れが目立ってきます。
私自身、これまで様々なフルサイズ一眼のレビューを担当してきましたが、ここ最近高感度撮影における性能の目安は「ISO12800」指定時だと感じています。
数年前までは使い物にならなかったISO12800ですが、近年では実用的に使用できるほど高感度撮影の性能平均値が上昇しています。
圧倒的な性能ではないが高画素機としては優秀
SONY α1では、ISO12800においても高感度カメラとしては驚異的なノイズの少なさや、ディテール再現を叶えていますが、やはり2000〜3000万画素クラスの最新フルサイズミラーレス一眼と比較すると性能面で劣る印象です。
作例を見ていただけるとわかる通り、ISO6400の状態で暗部を中心にカラーノイズが目立つ印象です。
ディテールは比較的鮮明に保たれていますが、この辺りはα7 IVなどのスタンダードモデルの方が高感度の仕上がりでは優れているように感じます。
しかし、5000万画素を超える高画素モデルとしてこの高感度性能は極めて優れており、実用的なレベルと言えるでしょう。
動く被写体で実感する優秀なAF性能
ソニーのミラーレス一眼では、優秀なAF性能が話題となることが多々ありますが、SONY α1においても、優れたAF性能を体感できる仕上がりとなっていました。
特に動く被写体に関しては、フォーカスエリアの広さやフォーカスの速さが際立ち、被写体からフォーカスが外れることなく、追随性能も高速かつ正確であることを仕上がった写真からも確認することができます。
ソニーが誇る「リアルタイムトラッキング」機能もSONY α1における目玉の一つで、AIを活用することで被写体の顔や瞳などの情報を検出し続けることが可能です。
また最新の画像処理エンジン「BIONZ XR」を搭載していることから、高画素機であるにも関わらず処理能力が大幅に向上しており、動きのある被写体でも粘り強く追尾してくれる性能を実現しています。
AF/AE追随で30コマ/秒の高速連写を実現
高画素モデルにおける弊害として処理能力の低下でしたが、SONY α1においては新画像処理エンジン「BIONZ XR」を搭載してことで、膨大なデータ量にも関わらずAF/AE追随を行いながら最高30コマ/秒の高速連写にも対応しています。
これだけのデータを処理する能力に優れていることはもちろんですが、カメラ内のバッファ容量や処理速度の高速化によって30コマ/秒連写時でもJPEGで約165枚、圧縮RAWで約155枚の連写持続性能も実現しています。
今回、航空機を被写体とした連写撮影も行いましたが、画角を固定してフレーム内にいきなり機体が現れた場合でもしっかりとフォーカスが機体に合い、瞬間で通過してしまう機体のベストな位置を逃すことなく記録することができました。
SONY α1フォトギャラリー
製品仕様表
モデル名 | SONY α1 |
---|---|
撮像画面サイズ | フルサイズ(約35.9×24.0mm) |
映像素子型式 | Exmor RS CMOSセンサー |
画像処理エンジン | BIONZ XR |
有効画素数 | 約5010万画素 |
オートフォーカス方式 | ファストハイブリッドAF |
フォーカスポイント | 759点 |
常用ISO感度 | ISO100~32000 |
シャッター速度 | 1/8000秒~30秒、バルブ | ボディ内手ブレ補正 | 5.5段 |
連続撮影速度 | 最高約30コマ/秒(AUTO/電子シャッター時) |
画面 | 3.0型/約144万ドット |
ファインダー | 0.64型/約943万ドット |
Wi-Fi搭載 | 〇 |
NFC搭載 | 〇 |
Bluetooth搭載 | 〇 |
大きさ | 約128.9(幅)×96.9(高さ)×80.8(奥行)mm |
質量(バッテリー等含む) | 約737g |
最上位モデルで更なるシェア獲得を目指す
新たにフラッグシップモデルとして誕生した「SONY α1」。
これまでソニーでは「α9シリーズ」がフラッグシップの様な位置付けでしたが、更に上位クラスとなる「1」の称号が与えられたシリーズが加わることになりました。
フルサイズミラーレス一眼の開発としては、他社よりも早くから行っていた歴史を誇りますが、これまでプロフェッショナルカメラマンが、フラッグシップ機を使う際はキヤノンやニコンの一眼レフが圧倒的シェアを占めている印象です。
ソニーはここでプロフェッショナルの現場でのシェアを獲得すべく「α1」を投入し、フラッグシップとは思えない携帯性や、最新ミラーレスだからこその卓越した性能面を武器に挑む形となります。
この先数年かけて国際大会など、カメラが並ぶようなシーンにおいてソニーの存在感がどれほど増してくるのか注目ポイントと言えるでしょう。
SONY α1はレンタルできる
今回ご紹介してきた「SONY α1」ですが、購入するには非常に高額の商品となります。
高額商品をいきなり購入するのには、リスクを伴うとともに、失敗はできる限り避けたいところでしょう。
そこでおすすめなのがカメラのレンタルサービスです。
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