SONY α6700実写レビュー。フルサイズ機の技術力が存分に活かされた待望のAPS-C新モデルの登場
更新日2024/04/18
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ミラーレス一眼市場において絶大な存在感を放つSONY(ソニー)ですが、長らく同社のラインナップでAPS−Cセンサー搭載モデルが登場していないことは、度々話題になるほどでした。
今回満を持して久々のAPS-Cセンサー搭載のα6000シリーズの最新モデルとして2023年7月に誕生したのが、「SONY α6700」です。
位置付け的には「SONY α6600」の後継モデルとなり、APS-Cセンサー搭載モデルの中では最上位(※)となります。
今回は、待望の新モデルとなったSONY α6700を進化したポイントを中心に作例とともにご紹介していきます。
※2023年12月現在
もくじ
機動力に長けたソニーのα6000シリーズ
ソニーのミラーレス一眼の中でもAPS-Cセンサーモデルで統一されているα6000シリーズ。
α6000シリーズでは、共通してコンパクトなサイズ感を特徴としており、機動力にも優れたモデルが中心となっています。
今回ご紹介していくα6700も、6000番台の名前を有するモデルとして、α6000シリーズに所属するカメラとして発売になりました。
APS-Cセンサー搭載モデルとして、久々の新製品の発売であったことから、小型・軽量を望むユーザーにとっても待望のモデルと言えるでしょう。
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およそ3年半ぶりに誕生した新モデル
実はα6000シリーズにおいては、2019年11月に発売となったα6600以来、約3年半に渡って新製品が誕生していませんでした。
今回ご紹介していくα6700は、α6600の後継モデルであり、ようやく誕生した後継モデルにあたります。
これまでソニーでは、フルサイズ機に注力していたことからAPS-Cセンサー搭載のα6000シリーズについては、後回しの状態となっていましたが、ようやく満を持して新モデルの発売となりました。
従来モデルα6600のレビューはこちら
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外観レビュー
コンパクトさを特徴としていたα6000シリーズですが、今回ご紹介していくα6700でもその携帯性が受け継がれているのか気になるところかと思います。
ここからは、実機写真とともに、従来モデルとの比較も交えながら大きさや重さ、デザイン性、機能性など外観面についてご紹介していきます。
従来モデルα6600より大型化ながらも軽量化
SONY α6700における外観面においてまず気になるのが、従来モデルのα6600との比較でしょう。
結論からお話すると、α6600と比較してα6700では、大型化しているものの、重さでは軽くなっています。
大型化の最大の要因は、グリップ部の形状変化にあります。
α6000シリーズはコンパクトさを特徴としていますが、それゆえにカメラのホールド性については課題として挙げられることが多い印象です。
そのホールド性を改善すべく、グリップ部の形状をより握りやすく深さを持たせたことで、数値上の大きさでは大型化したという変化が見られます。
ただ、実際に持った感覚では大きくなったという印象はなく、重さに関しても数値上では約10g軽くなっているものの、携帯性の面では従来から感覚的に変わるような変化はありませんでした。
バリアングル液晶と直感的な操作
ファインダーも搭載されているα6700ですが、手持ちでの動画撮影やジンバルに装着したシーンでは、液晶モニターを見ながらの撮影がおすすめです。
α6700では、モニターの向きを自由に調整することのできるバリアングル液晶モニターを採用しており、目線の高さ以外で撮影するローアングルやハイアングルなどの撮影時にもモニターの向きを調整することで視認性を維持したまま撮影することができます。
モニターはフルサイズ機として人気のα7 IVにも採用されている3.0型約103万ドットの大型モニターで、タッチパネルを搭載したことで、スマートフォン感覚の直感的に操作ができることも魅力的な機能となっています。
フルサイズ機にも採用されたバッテリー
α6700では、α6000シリーズらしい小型・軽量のサイズ感を実現していますが、搭載されているバッテリーは、他のα6000シリーズよりも電池容量の大きいNP-FZ100を採用しています。
比較対象となることの多い下位モデルのα6400では、容量の少ないNP-FW50を採用しており、α6700で採用されているNP-FZ100はNP-FW50の約2.2倍の容量となります。
撮影可能枚数の差で見てみると、α6400が液晶モニター使用時約410枚であることに対してα6700は約570枚、ファインダー使用時にはα6400が約360枚であることに対してα6700は約550枚と大きな差が出てきます。
短時間の撮影においては、電池容量を気にすることはあまりありませんが、1日中撮影した場合の電池容量の差の影響は非常に大きく、実際にα6400とα6700の両方を使用した私の体感としてもα6700の方がバッテリーの持ちが良いと感じられるほどでした。
性能レビュー
外観面では、従来のα6000シリーズの伝統をしっかり受け継いだモデルだと解説してきましたが、α6700が誕生するまで約3年9ヶ月ものブランクがあっただけに、性能面でどれほどの進化があったのか気になるところかと思います。
ここからは、α6700を使用して撮影した作例とともに性能面について解説していきます。
最新画像処理エンジンの搭載で処理能力の大幅向上
SONY α6700は、APS-Cセンサーを搭載したモデルとなりますが、フルサイズ機の開発で培った技術力が存分に活かされています。
独自開発の最先端イメージセンサーとなる有効約2600万画素の裏面照射型Exmor R CMOSセンサーと、フルサイズセンサー搭載の上位モデルでも搭載されている最新の画像処理エンジンであるBIONZ XRを搭載しています。
画質に最も大きく影響する部分であるイメージセンサーおよび画像処理エンジンにおいて、最新かつ優秀なものを搭載していることで、高画質を叶えるだけでなく、写真や動画における多くの情報を整理する処理能力にも優れています。
安定感が増した発色性能
これまでαシリーズにおいて、個人的に一番気になっていたポイントが「発色性能」です。
青空が多く写るシーンにおいて、「青」の発色がαシリーズにおいて他のカメラメーカーと比較して、癖を感じる現像作業においても難しさを感じる部分でした。
しかし、こちらのSONY α6700では、発色が大幅に改善していると感じました。
これまで現像作業で苦戦していた「青」の出し方も、カメラ側でより自然になり、安定感のある発色性能を実現していると感じました。
個人的には、この発色性能の改善がα6700における非常に大きな魅力だと感じており、今までよりもソニー製品に対して魅力を感じるようになる程です。
APS-Cセンサー機だからこそ活躍する光学式5軸ボディ内手ブレ補正機構
最新の画像処理センサーを搭載しているものの、APS-Cセンサー搭載機である以上、高感度での撮影は、フルサイズ機と比較するとノイズが出やすく、ディティールも失われてしまいます。
そんなとき、ISO感度を低く設定して撮影したいところですが、暗い撮影環境下では、シャッタースピードの低下に悩まされるところです。
SONY α6700では、そんなAPS-C機だからこその悩みに対応すべく強力な光学式5軸ボディ内手ブレ補正機構を搭載しており、手ブレを大幅に抑制してくれます。
体感的にもこの手ブレ補正効果は非常に強力で、静止状態であれば広角側において0.8秒までシャッタースピードを低下させても手ブレが生じることがありませんでした。
また、流し撮り撮影においても手ブレ補正効果の強さを感じられるシーンで、作例のように動く航空機に対して、手持ちで1/10秒のシャッタースピードに設定して流し撮りを行っても成功確率は高いものでした。
経験上、手持ち撮影でここまで強力な効果を体感できたことはなく、SONY α6700における大きな特徴と言えるでしょう。
α7R V同様の被写体検出性能
SONY α6700は、進化したAF性能も特筆すべきポイントの1つです。
フルサイズセンサー搭載モデルの「α7R V」に搭載されている「AIプロセッシングユニット」を搭載し、精度の高い被写体認識能力を特徴としています。
また、人と動物のみの被写体認識であった従来モデルとなるα6600から大幅に増加しており、α6700では、「人物」「動物」「鳥」「昆虫」「車/列車」「飛行機」に対応しています。
被写体に合わせたオートフォーカス性能を実現していることから、よりカメラ任せで信頼してピント合わせを行うことができます。
また、暗い環境下でのAF性能についても優れており、EV-3の低輝度においても被写体をしっかりと認識し、ピント合わせを行ってくれる性能を実現しています。
SONY α6700フォトギャラリー
製品仕様表
モデル名 | SONY α6700 |
撮像画面サイズ | APS-C(23.3×15.5mm) |
映像素子型式 | Exmor R CMOS裏面照射型センサー |
画像処理エンジン | BIONZ XR |
有効画素数 | 約2600万画素 |
オートフォーカス方式 | ファストハイブリッドAF |
測距点 | 最大759点(位相差検出方式) |
常用ISO感度 | ISO100~32000 |
シャッター速度 | 1/4000秒~30秒、バルブ | ボディ内手ブレ補正 | 5.0段(CIPA規格準拠) |
連続撮影速度 | 最高約11コマ/秒 |
画面 | 3.0型/約104万ドット |
ファインダー | 約236万ドット電子式ビューファインダー(XGA OLED) |
Wi-Fi搭載 | 〇 |
Bluetooth搭載 | 〇 |
大きさ | 約122.0(幅)×69.0(高さ)×75.1(奥行)mm |
質量(バッテリー等含む) | 約493g |
APS-Cセンサーモデルの新定番に
従来モデルα6600から大きく期間が空いたこともありますが、α6700は期待以上の進化を遂げたAPS-Cモデルと言えます。
見た目こそこれまでのα6000シリーズの伝統に沿ったデザイン性ですが、中身に関してはα7シリーズの開発で培った技術力が存分に活かされている性能を実現しています。
最新の画像処理エンジンBIONZ XRを採用したことによる発色性能の向上や、複数の被写体認識に対応するAF性能、強力な5軸ボディ内手ブレ補正機構など、ここ数年α7シリーズを中心としたフルサイズ機の開発で培った技術力が存分に活かされていることが実感できるモデルへと仕上がっています。
エントリー向けのα6100やオールラウンダーとして人気を集めたα6400の後継モデルは、現時点で発表となっていませんが、こちらのα6700がまさにソニーのAPS-Cモデルにおける新たな定番として期待できる存在になるでしょう。
SONY α6700におすすめのカメラレンズ
E 16-55mm F2.8 G
キットレンズ以外で日常的に使えるレンズとしておすすめなのがこちらのE 16-55mm F2.8 Gです。
ソニーが上位モデルとして位置付けているGレンズに属していることから、優れた解像力を期待することができます。
また、ズーム全域で開放F2.8の明るさを叶えていることから、ボケ味を活かした撮影も可能な1本です。
TAMRON 11-20mm F/2.8 Di III-A RXD
広角レンズを求めるのであればこちらのTAMRON 11-20mm F/2.8 Di III-A RXDがおすすめ。
35mm換算16.5mmから30mm程度と広角を満喫することのできる画角を有し、ズーム全域でF2.8の明るさも実装した、使い勝手の良い1本です。
その上、コンパクトなサイズ感はα6700にもピッタリで、性能と携帯性の両立を実現したおすすめの1本となります。
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気になるカメラはお試しできる
今回ご紹介してきた「SONY α6700」ですが、購入前にお試しするという選択肢もあります。
気になるカメラやレンズがあっても購入するにはハードルの高さを感じることもあるでしょう。
そんなときにおすすめなのがカメラのレンタルサービスです。
カメラのレンタルサービスを展開する「Rentio」では、今回ご紹介してきたSONY α6700をはじめとして豊富なラインナップから自由に選んで最短3泊4日から気軽にレンタルすることができます。
是非この機会にRentioで気になるカメラやレンズをレンタルして失敗しない機材選びに役立ててみてはいかがでしょうか。
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