Tokina opera 50mm F1.4 FF実写レビュー。新ブランドへと生まれ変わった傑作レンズ
更新日2024/07/17
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数多くのレンズが存在する50mmの単焦点レンズ。
ポートレートや商品撮影など、多岐にわたって使用する機会の多いこの焦点距離と、単焦点レンズだからこそ実現できる解像力の高さと美しいボケ味は、50mm単焦点が選ばれる理由でもあります。
歴史があり、ベストセラー製品の多い50mm単焦点レンズの世界ですが、2018年10月に新たな製品として誕生した「Tokina opera 50mm F1.4 FF」。
トキナーとして最新シリーズのoperaを名乗るこの製品の実力に迫っていきます。
もくじ
進化したトキナーの最新ブランド「opera」
かつて存在したトキナーとケンコーという2つの会社が合併したことにより誕生したケンコー・トキナー。
現在もレンズブランドとして「トキナー」の名前が伝承されており、opera 50mm F1.4 FFは、トキナーレンズの中でも最新モデルです。
時代に合ったプレミアムモデル
これまでシグマやタムロンを含めたサードパーティー製レンズというのは、純正レンズよりも安いながら質が大幅に落ちるという認識がありました。
しかし近年では、純正レンズも安い価格を維持しながら圧倒的高画質を実現するコストパフォーマンスに優れたプレミアムレンズがサードパーティー製レンズの主流となっています。
トキナーもこの時代に沿ったプレミアムなレンズ開発として新シリーズである「opera」を立ち上げ、最初のモデルとしてopera 50mm F1.4 FFを発売しました。
数多くの名レンズが存在する単焦点50mmレンズへの挑戦
50mmの単焦点レンズというのは激戦区です。
単焦点レンズというと完全に焦点距離が固定されてしまい、使い勝手が少々悪く感じることもありますが、開放の絞り値が低いことやズームレンズでは実現できない単純な構造を実現していることから余計にレンズ構成を持たないことで高い解像力を得意とするレンズが多いです。
実際に50mmの単焦点レンズでは、キヤノン純正レンズであるEF 50mm F1.8 STMが1万円台で気軽に使うことができる大人気レンズとして存在し、その他のメーカーでも非常に多くのレンズが存在するところです。
その厳しい激戦区の中に挑戦したTokina opera 50mm F1.4 FFは、評価次第で今後が決まってしまうほど非常にリスキーな挑戦であると言えるでしょう。
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Tokina opera 50mm F1.4外観レビュー
ここからは実際に現物をレビューしていきます。
Tokina opera 50mm F1.4 FFは、これまでのトキナーレンズからも大きく変化を感じる新たなデザインが採用されています。
ブラック色を基調としたシンプルなデザイン
これまでのトキナーレンズは、金色の帯などが入ったデザインが多い印象でしたが、operaシリーズである50mm F1.4 FFでは、帯などが入ることはなく、非常にシンプルな仕上がりとなっています。
レンズボディ全体でブラック色を基調としており、文字類もホワイトとレンズ名のシルバーのみでデザインされたシンプルながら高級感溢れるデザインです。
帯タイプからの変化は、少しタムロンレンズと似ている部分があります。
少し大きく感じるボディ
単焦点レンズという小型・軽量をイメージされる方も多いでしょう。
確かに構造がシンプルで、小型化しやすいレンズではあるのですが、Tokina opera 50mm F1.4 FFは、大口径のレンズであり、F1.4という明るさを実現し、光学性能にもこだわった影響から一般的な単焦点レンズからすると大きく感じるボディです。
その大きさを例えてみるとキヤノン純正であるEF 24-105mm F4Lのような標準ズームレンズでありがちな大きさです。
重量感のあるボディ
大きさに引き続き、Tokina opera 50mm F1.4 FFでは、重さも結構感じるところです。
メーカー公表値では950gの重さを保有しており、約1kgにおよぶため、重いレンズと言えるでしょう。
実際に他のトキナーレンズと持ち比べをしてみても、飛びぬけて重い印象を受けました。
撮影性能レビュー
ここからは実際にTokina opera 50mm F1.4 FFを使用して撮影した感覚を基に、実際の写りに関する性能をレビューしていきます。
解像力で優れているのは当たり前
激戦区となっている50mmの単焦点レンズとして解像力で劣るようなことは許されないと言えるでしょう。
「画質が良いのは当たり前」というのは極めて求められるレベルの水準が高い状況ですが、Tokina opera 50mm F1.4 FFでは、他メーカーのレンズからも見劣りすることのない優れた解像力を実現しています。
絞り開放時でも遠景を写した場合は四隅までしっかりと解像します。数段絞った段階で最高の性能を引き出すのはどのレンズでも共通ですが、程よいシャープネス具合ながら、きめ細やかなディティールを実現する優秀なレンズです。
F1.4が魅せる優しく自然なボケ味
Tokina opera 50mm F1.4 FFの魅力でもあるF1.4という明るさを実現した開放絞り値。
この開放絞り値を活かしたボケ味を感じる撮影は、opera 50mm F1.4 FFにおいても能力を発揮することができる瞬間でもあります。
F1.4まで明るい場合ですと、非常にボケやすく、ピント合わせも敏感になる必要があります。
微妙なズレで思い通りの写真へと仕上がらない可能性もありますが、opera 50mm F1.4 FFでは、AFにてピントを合わせた後、フォーカスリングを回すことでピントの自動調整を可能とする「フルタイムマニュアル」が使用可能であるため、微妙なズレにも対応します。
明暗差のある場所でも最適なコントラスト具合
私が撮影した写真の仕上がりを見て最も感動したポイントが絶妙なコントラスト加減でした。
撮影場所は、東京都内のオアシスとも呼ばれる等々力渓谷でしたが、木々の間から太陽の光が差し込むような明暗差の大きい場面では、コントラスト調整が難しいく、黒つぶれや白飛びの現象が非常に発生しやすくなります。
そんな条件下でもTokina opera 50mm F1.4 FFで撮影した写真では、暗い部分と明るい部分で両者の良さを消す事のない絶妙なコントラストと描写を実現しています。
「レンズに求められるのは解像力だけでない」というのを改めて強く感じることができた瞬間でした。
弱かった逆光耐性も克服
以前RentioPressにてトキナーレンズであるAT-X 16-28 F2.8 PRO FXをレビューした際に欠点として挙げられた「逆光耐性」ですが、最新シリーズとなったこちらのレンズでは大幅に改善していました。
以前は太陽や夜間の街灯など、強い光源にレンズを向けた瞬間、ファインダー内にもフレア・ゴーストが出現しているのが目に見えるほど逆光に弱い状況でした。
今回のTokina opera 50mm F1.4 FFではb>2種類の異なるコーティングを併用することで低反射特性を実現し、強い光源に向けた場合でもフレア・ゴーストを最小限に抑えることができます。
Tokina 50mm F1.4で撮る遅い紅葉の始まり
ここではキヤノンのプレミアムエントリーモデルである、EOS 9000DとTokina opera 50mm F1.4 FFを使用して撮影した2018年遅めに訪れた東京の紅葉を作例としてご紹介していきます。
上昇した価格以上の価値を感じる
Tokina opera 50mm F1.4 FFの実売価格は2020年6月末現在、通販サイトAmazonにて税込113,328円となっています。
サードパーティー製レンズとしては高価な価格設定となっていますが、Tokina opera 50mm F1.4 FFは、価格以上の価値を感じるレンズです。
これまでよりもプレミアム感の増したデザインや性能は、中途半端な進化ではなく、全く新しいものを作り上げたともいえるほどの進化で、これまでのトキナーレンズとは別物と考えても良いほどです。
製品仕様表
モデル名 | opera 50mm F1.4 FF |
---|---|
焦点距離 | 50mm |
開放絞り値 | F1.4 |
レンズ構成 | 9群15枚 |
最短撮影距離 | 0.4m |
マクロ最大倍率 | 0.18倍 |
最大径 | Φ80mm |
長さ | 197.5mm |
質量 | 950g |
最初絞り | F16 |
手ぶれ補正効果 | – |
標準付属品 | 花形バヨネットフード BH-726 |
対応マウント | キヤノンEFマウント/ニコンFマウント |
50mm単焦点の名レンズとなれるか
激戦区である50mmの単焦点レンズ。
開放絞り値によってレベルや価格は大きく異なりますが、トキナーのopera 50mm F1.4 FFは、このクラスの中でも描写性で非常に優れたレンズだと感じました。
これまでの安さを重視したレンズ開発から誕生したレンズは、純正レンズに対抗するには程遠い性能でしたが、新シリーズoperaで誕生した50mm F1.4 FFは、純正レンズをはじめとした数ある名レンズに対抗できる完成度の高いレンズだと実感しました。
2018年10月発売と、まだ新製品として発売されたばかりのレンズ。今後Tokina opera 50mm F1.4 FFが、50mmの単焦点レンズとして歴史に名を残すことができるのか、注目です。
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Tokina opera 50mm F1.4 FFをレンタル
レンズは購入する前にお試しするのがこれからの時代に合ったレンズの選び方。
今回ご紹介したTokina opera 50mm F1.4 FFを気軽にレンタルして、購入前のお試しや短期間の撮影で使用してみませんか?
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