TAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2実写レビュー。更に磨きをかけたコンパクト大三元レンズ
更新日2024/11/13
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ミラーレス一眼が主流になってからレンズのバリエーションも更に豊富になったと感じます。
一眼レフが主流であった時代と比較すると、各レンズメーカーにおいても技術力の向上から、アイディア性に富んだ製品開発も目立ち、焦点距離や様々な仕様で規定概念にとらわれない斬新なレンズの開発が増えました。
今回ご紹介していくのは、サードパーティーレンズメーカーであるTAMRON(タムロン)がコンパクトな大三元望遠ズームレンズとして開発し話題を呼んだ70-180mm F2.8の2代目となり、2023年10月12日に発売となるTAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2です。
こちらも斬新なレンズとして初代モデル誕生時には大きな話題となりましたが、その後継モデルとしてどれほどの進化を遂げているかというポイントを中心に、TAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2の魅力を作例とともにご紹介していきます。
もくじ
斬新かつ高性能レンズを開発し続けるタムロン
近年ミラーレス一眼における各レンズマウントで存在感を強めているサードパーティレンズメーカー。
サードパーティレンズメーカーの中でも、TAMRON(タムロン)は、特に人気のレンズメーカーで、常に挑戦的な斬新で高性能のモデルを開発するメーカーです。
ここ数年でRentio PRESSにおいてもタムロンのレンズを数多く紹介してきましたが、そのどれもが画期的な仕様であったり、純正レンズにも劣らない描写力を叶えたレンズが多く、新製品が誕生する度にワクワクさせてくれます。
今回ご紹介していくTAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2は、従来モデルからの更新版となりますが、初代レンズが誕生した際にも斬新なコンセプトで話題となったレンズだけに、更新版でも様々な変化が見られることでワクワク感を味わうことができるでしょう。
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小型軽量F2.8レンズの決定版が「G2」として更新
今回ご紹介していくTAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2は、2021年9月に発売となったTAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VXDの後継モデルとなります。
タムロンでは、更新されたレンズに「G2」を付ける傾向にあり、今回のレンズにおいても末尾に「G2」がついていることから、更新されたモデルであることを確認することができます。
従来モデルから小型・軽量の携帯性に優れながらズーム全域で開放「F2.8」の明るさを両立させ、実用以上の解像力も叶えてくれた存在でしたが、「G2」として更にこだわった解像力と新たに手ブレ補正機構を搭載するなど、堅実なリニューアルが図られた1本となります。
TAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2メーカー公式サイトはこちら
70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2 (A065) | レンズ | TAMRON(タムロン)
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外観レビュー
従来モデルで望遠ズームレンズとして優れた携帯性を叶えたことで話題を呼んだ1本ですが、後継モデルとなるTAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2でも携帯性は注目が集まるところです。
まずは実機の写真を基に、大きさや重さなどの携帯性の面を中心に外観レビューを行っていきます。
手ブレ補正を搭載しながらも携帯性を維持
従来のTAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VXDでは、望遠における大三元レンズの定番に近い焦点距離域とズーム全域開放F2.8の明るさを兼ね備えながらも、小型で軽量化を実現したレンズとして高い支持を得ていました。
今回ご紹介している2代目となるTAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2においては、従来モデルには存在しなかった手ブレ補正機構が搭載され、通常であれば大型化を避けられない大きな変化ですが、従来モデルから大きく変わることのない携帯性を実現しています。
実際に作例撮影で使用してみても、このクラスの望遠レンズとしては驚きの小ささと軽さが印象的で、大三元レンズジャンルとして突出した携帯性であると実感しました。
TAMRON Lens Utility
TAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2では、レンズ本体にUSBポートが設置され、専用の「TAMRON ケーブル名」を使用してPCやスマートフォンとレンズを接続し、TAMRON Lens Utilityを使用することで、レンズファームウェアのアップデートや特に動画撮影時に活躍するA/Bフォーカスなどのフォーカス設定を行うことができます。
スマートフォンにおいては、Androidユーザーのみ本ソフトウェアを使用することができますが、出先などでも気軽にカスタマイズすることが可能なため、非常に便利な機能性となっています。
TAMRON Lens Utilityについては、下記の記事で詳しく使用方法についてご紹介していますので、是非ご覧ください。
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性能レビュー
従来モデルと比較しても携帯性を同じく特徴としているTAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2ですが、性能面についてはどのような進化が見られるのか気になるところかと思います。
ここからはTAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2を実際に使用して撮影した作例とともに、性能面をご紹介していきます。
TAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2で新たに搭載された手ブレ補正機構の効果についても、この後詳しく作例から解説していきます。
光学性能を一新
TAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2における性能面では、レンズの光学性能を一新していることが最大の特徴となります。
レンズ構成は15群20枚、XLDレンズ、LDレンズ、GMレンズ、複合非球面レンズなどあらゆるタイプのレンズを組み合わせ、数々の収差を補正する徹底ぶりが感じられます。
今回実際に作例を撮影していても、画面中心部だけでなく周辺部まで解像力の落ちない全域で優れた解像力が感じられ、風景写真など画面全域でパキッとした鮮明な仕上がりを求める方にもおすすめできる性能です。
加えてスナップ撮影やポートレート撮影における逆光撮影で効果を実感できる、フレアやゴーストの抑制を手助けるするBBAR-G2コーティングも特徴の一つで、撮影シーンを選ぶことなく活用することができます。
従来モデルで搭載されなかった手ブレ補正機構を搭載
新モデルとなるTAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2では、従来モデルには搭載されなかった手ブレ補正機構が搭載されています。
望遠レンズとなるため、焦点距離が望遠側になるほどシャッタースピードの低下に対して敏感になり、手ブレが生じやすくなるため、今回のG2モデルで手ブレ補正が搭載されたことは、従来モデルと比較した際の大きなアドバンテージになると言えるでしょう。
そして、実際に撮影してみた際の手ブレ補正の効果としては、望遠レンズとして非常に実用レベルを叶えており、夜間の撮影においては低速シャッタースピード時でも手持ち撮影を手助けしてくれるほどの性能を叶えています。
止まっている被写体に対して望遠側150mm程度でテストしましたが、1/20秒以上のシャッタースピードで手ブレが生じる確率が大幅減少しており、夜間においても実用外のISO感度を設定する必要がなく、結果的に高感度撮影における描写力を低下させないことにも繋がっています。
一方で流し撮りにおいては、流し撮り用のモードがないため、1/60秒など少し中途半端なシャッタースピードにおいては、被写体を追従しても背景が止まって被写体が流れてしまうという事象も見られました。
この辺りは撮影スタイルによって得意不得意が分かれるため、オールラウンドタイプではないと言えるでしょう。
最短撮影距離AFでも広角端0.3m、望遠端0.85m
望遠レンズとして開発されたTAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2ですが、実は近接撮影性能にも優れた1本となります。
従来モデルとなるTAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VXDでも、近接撮影性能は特徴の1つとしていましたが、あくまでMF時の話で、今回ご紹介するTAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2では、AF時でも最短撮影距離の短縮化を実現しました。
従来ではAF時の広角側最短撮影距離が0.85mであったことに対して、TAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2では、AF時でも広角端で0.3mまで寄れる近接撮影性能を叶えました。
望遠側180mm時においても0.85mまで寄れる性能を叶えており、ズーム全域開放F2.8の明るさと合わせてボケ味豊かな表現力豊かな作品撮影を行うことができます。
TAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2フォトギャラリー
今回の作例撮影で使用したカメラボディは「SONY α7 IV」
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製品仕様表
モデル名 | TAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2 |
---|---|
焦点距離 | 70-180mm |
明るさ | F2.8 |
レンズ構成 | 15群20枚 |
絞り羽根 | 9枚(円形絞り) |
最短撮影距離 | 0.3m(ワイド端)/0.85m(テレ端) |
最大撮影倍率 | 1:2.6(ワイド端)/1:4.7(テレ端) |
最小絞り | F22 |
手ぶれ補正効果 | 〇 |
フィルター径 | φ67mm |
最大径 | φ83mm |
長さ | 156.5mm |
質量 | 855g |
更なる性能を追求した究極のコンパクト望遠ズームレンズ
2代目となった、タムロンの70-180mm F2.8レンズですが、元々特徴としていた携帯性を維持しながら性能に更に磨きをかけた存在として誕生しました。
タムロンが共通化を意識している67mmのフィルター径を採用することで、レンズは細く軽いサイズ感となっており、望遠レンズながらも常に持ち歩くことのできる印象を強く感じました。
そしてこれだけの携帯性を叶えながら、ズーム全域で開放「F2.8」の明るさを採用し、画質は従来モデルを大きく上回る、質にこだわる方にもおすすめできるほどのクオリティを実現していることも特筆すべき点です。
これまでもコンパクトな望遠ズームレンズは数多く存在してきましたが、これほど性能面との両立を叶えたレンズは珍しく、大三元レンズにおける望遠域のレンズとして有力な選択肢になると感じました。
気になるカメラやレンズはお試しできる
今回ご紹介してきたTAMRON 70-180mm F/2.8 Di III VC VXD G2は、現在Rentioにてレンタル準備中の段階ですが、気になるカメラやレンズはお試ししてから購入されることがおすすめです。
どれだけレビュー記事などを確認しても実際に使ってみないことには自分自身に合っているかわからないというのが正直なところです。
そんなとき、カメラのレンタルサービスを使用して、一定期間お試ししてみることで、その機材が自分に本当にあっているのか確認することができます。
Rentioでは、一眼カメラ関連の豊富なラインナップから自由に選ぶことができ、最短3泊4日から気軽にレンタルすることができます。
是非この機会にRentioで気になるカメラ機材をレンタルして、後悔しない機材選びに役立ててみてはいかがでしょうか。
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